リンダとレムスは十四歳のパロの真珠。  
 
銀の髪、紫色の瞳の美しいこの双生児は髪の長さと身体特徴を除けばそっくりな外見だが  
性格のほうは、気の強い姉と気の弱い弟と対照的だった  
 
黒竜戦役が勃発する一ヶ月前のこと−  
 
パロの真珠は仲良く豪奢な天蓋つきベッドでいつも一緒に寝るのを習慣としていて  
今日も一緒だった  
お揃いの寝巻を着て  
互いにおやすみのキスをしてふかふかベッドに身体を投げ出した  
 
リンダはあっという間に寝入った  
彼女は健康的な性格だが世俗的な事には鈍感なたちだった  
 
一方、弟のレムスは大人しいが現実派で世俗的な事も知りはじめてきた  
そんな彼に性の目覚めが来た  
 
最近、隣で姉が寝ているのに対してモヤモヤした訳わからない気持ちが芽生えていた  
 
「リンダ…もう寝たの?」  
返事がないのはよく寝ている証拠だ  
 
レムスはそっとリンダの肩に触れる  
とたん弟とそっくりのかわいらしい顔をそむけた  
「眠いよと言いたげだ  
相手が身体を動かしたので、手元がすべって鎖骨にぶつかる  
とたん、柔らかな肌質をかんじて鎖骨の下のふくらみを揉んだ  
 
小さいが柔らかく暖かい感触にドギマギする  
「やっぱり僕とは違う…」  
同じ顔でもリンダは女の子なんだと強く実感した  
 
しかしそれ以上触ると気付いて目を覚ます恐れがあったので  
それ以上は何もしなかった  
 
レムス十四歳。  
彼のひそかな想いと熱情は美しい双子の姉に向けられていた。  
宮廷には女官や貴族の姫君はあまたいる  
しかしリンダほど高貴で美しく清らかな少女はいない  
 
(ぼくの大事なリンダ)  
 
 

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