GS試験会場 第一審査
『どうした、もっと霊力を集中しろ』
「集中ったって、どうすりゃいいんだよ!」
小声で心眼に怒鳴りつける
いきなりそんなこと言われたって、できるわけないだろうが!
『しょうがない奴だな……』
ため息交じりの声にかちんときて、なおも文句を続けようとしたが――
ヌルリ
「うひょぉっ!?」
「どうしたのかね? さっきから」
「い、いえっ 何でもありませんっ」
反射的に審査員に返したけど
ヌチャリ ヌラ
くぅっ まるで生暖かいナメクジが、パンツの中で這いまわっているような
「心眼っ てめえ、一体何やってやがる!」
『んっ……仕方なかろう 私とて……ハァハァ……できればこのようなことはしたくないのだ』
微妙にくぐもった心眼の声
そのたびに、生暖かい風を感じて……ば、ばか、よせ このままだと 非常にやばいことに――
ヌポッ
「――っ!!」
暖かいというよりも、熱いぬるみの中に呑みこまれた
ズオオオォォォッ!!
「おおっ! 凄い霊力だ」
「文句なし 合格だ」
「凄いじゃない、横島クン――? どうしたの?」
「い、いや……ははは なんでもないんです……」
うそだうそだろまさかパンツあいてに童貞をすてたなんてそんなばかな
さっきから同じことが頭の中でぐるぐる回っているようだ
傍から見ていて、不気味なことこの上ない
『いい加減に落ち着け あ、あれは、緊急避難のようなものだ(……しかたないから、口でしたんだもん……私だって、本当ならもっと……)』
「っ! そうだよなっ あれはノーカンだよなっ!――ガリッ――いてぇっ!!」