「こんばかちんがーーーーー!!!幾らの御札無駄にしたと思ってんのーー!!」  
「ひーーー、すんません美神さん、ゆるしてーーー!!」  
それはいつもと変わらぬ光景だった  
「ううっ、俺のバカー。せっかく霊力使えるようになったのにー、なんにもかわっとらんやんかー」  
いい感じに散らかった男所帯のアパート。  
横島忠夫は万年床の煎餅布団であぐらをかき、失敗作の文殊を眺め悲しんでいた。  
「もっと、こう『ピンチの美神令子、それを颯爽と助ける横島・・・・  
「ありがとう横島君、時給1000円にアップ、いえ、身体で・・・(ポッ)」』とか思ってたのにーー!!」  
 
・・・・・・・・相・・・・・・・・変わらず・・・・・だな・・・・・・・・・・・・・・・そなたは・・・・・・・・・  
 
「文殊なんて・・・まともに出来んのちょっとやんか・・・・・・」  
 
・・・・・・・・・・・・その力・・・・・・・・・・・・・・・・いまだ理解せず・・・・・・・・・・・・か・・・・・  
 
「ちくしょう、ちくしょう」  
 
・・・・情けない・・・・・・・・・・・・参世界・・・・・・・・・を制圧すら・・・・・・・・・・・・・・・・・・  
 
よみがえる記憶、これっぽっちも自分を信用できない男が思い返したあの日とあの存在  
「バンダナーーー!!助けてーーーーー!!!」  
「案ずるな。そなたを守り敵に打ち勝つ力を与えよう。此度は小竜姫の命ではなく、な。」  
喩え失敗、とはいえ文殊という純粋霊力の塊。それに導かれるようにしてあの存在は再び目を覚ました。  
「バッ・・・バ・・・バ・・・・・・・バンダナがっ・・・・・・」  
・・・・さて、煩悩の収集だな・・・ふむ・・・なかなか便利な能力に目覚めたようだ・・・・  
「バンダナーーーーーーーー!!!!!」  
歓喜の雄叫びを上げる横島をかわし、その存在は提案した。  
 
「おぬし、女を抱いてみるか?」  
 
横島の失敗を自信に変えるために 
 
 
「ちょっとアンタ!いい加減にしときなさいよ、横島ーー!!!」  
 
眦を吊り上げる美神令子、美観だけは損なわれないのはなぜだろう。  
ドンとデスクに手を突き勢いよく立ち上がる。  
怒りにプルプルと身を振るわせる彼女と同じようにプルプルと頭を抱えて震える横島。  
「ちがうんやー、おれ・・・ぼ、ボクじゃないんです・・・おっ、おちっ、おちついて!ねっ?」  
『何が違う?安い給料ぶん抱かせろといったのだ・・・何が不満かわからぬな・・・』  
「バッ、バンダ「全部よ全部!!ふざけんじゃないわよ!!!」  
怒り狂う御神を尻目に淡々と告げるバンダナ。  
『・・・文殊は奪い、除霊は金の掛からぬ横島にやらせる、256円でだ。・・・・せめて師として煩悩の役に立て。  
だいたい、おぬし・・・・・この男を憎からず思っているのだろう?手間が省けてよいではないか・・・・』  
 
   修羅 一匹  
 
「なっ、なっ、なっ・・・・・・・・・・」  
『阿呆か?・・・首にしないのが何よりの証拠、無理にやってもよいのだぞ?  
それとも・・・・・・・・・・・出来ぬとでも思ったか?(これで乗ってくれれば)』  
怒りのあまり言葉にならない美神、再起動。  
「できるものならねっ!!やってみなさいよ、コノあほ横島ーーー!!!」  
モデルも怯む美脚をひるがえし、デスクを飛び越える御神。顔は怒りか羞恥か真っ赤に染まっている。  
それと同時だった。デスクの引き出しが勢いよく開き、そこから『紐』のようなものが御神の足に絡みつく。  
いつになく隙だらけで飛び掛った美神は完全に不意をつかれ、そのまま勢いよく壁に叩き付けられる  
 
「クッッ・・・・」  
ドン・・・ドサッ  
 
『他愛ない・・・・しかし、挑発のつもりがよもや図星とはな・・・わからんものだ』  
尻餅をつきガタガタと震える横島。  
「ハッ、ハッ、ハッ、死ぬかと思った・・・・バンダナーー!殺すきかーー!!」  
『ナニをいまさら・・・これで「ふざけんなーーー!!」』  
・・・・・しばしの沈黙  
『おぬし・・・・・ここはエロパロだぞ・・・エロがなくては進まん・・・って、聞かんか!!』  
「しぬっ、しぬっ、いっ遺書を・・・いや、辞世の句を・・・・」  
 
 
・・・・人生17年、エロビの歴史とくらぶれば、汚ギャルはものをおもわざリけり・・・・  
                               
                                          ―よこしま―  
 
『おぬし・・・・主人公だぞ?・・・あれを見ろ』  
「おれは忙しいんだ・・・・・・はっ?」  
ぐったりと力なく横たわる美神令子  
一人とヒトツは口を揃えてこういった  
 
「『・・・・黒だな・・・・』」  
 
「こっ、これは罠・・・・やってしまえば死ぬきがする・・・・だが!しかし!!嗚呼、餌はおいしそうだ!!!  
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・それに、やってしまわなくても死ぬ気がする」  
美神の黒い部分から・・・失礼、失神した美神から視線を外すことなく苦悩する横島。  
『何を悩む?よいか?あの『紐』はおぬしの文殊で作られたものだ  
・・・そう、おぬしだ・・・おぬしが勝ったんだ・・・文殊には様々な使い道がある  
それと同時にさまざまな使い方もある、ベリアルを倒した時遠隔操作は出来たではないか』  
失神した美神から視線を外すことなく生唾を飲み込む横島  
「うう・・ん・・・ゴク」  
『そして勝った。おぬしが、だ・・・・ところで横島、美神令子・・・なんといった?』  
「・・・・ああ、う」  
憶えている・・・憶えているが、しかし・・・といった顔で失神した美(ry  
『いいか?こういった・・・・「やってみなさいよ」・・・・どうだ、問題は?』  
「ううっ・・・わいはっ、わいはっ!!」  
GS美神事務所、所長室、二人とヒトツ、人口幽霊は気配も感じさせずだまったまま・・・。  
『男を見せろ、横島忠夫』  
 
「っみかみさ〜〜〜ん!!ってゆうか、もう、もう、れ い こ ーーーーーーーーーーーー!!!!」  
 
                            〜 ・・・・うん・・・・・つづかない・・・たぶん 〜  
 

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