「せんせぇ…」
男の下に一人の少女が組み伏せられていた。一目で人ではないとわかる尻尾。
その人狼である少女の瑞々しい肉体に幾重にも走る痣。
その一つ、背中を斜めに縦断する痣に男がそっと舌を這わせていた。
「せんせえっ……疼くでござるよぅ……」
下着は濡れていた。ただ傷口を、痣の上を舐められるだけ。
それだけで、体が跳ね上がるような快感が襲ってくる。快楽を直接脳に流し込まれるような感覚。
少女の分泌する液体がコンクリの床を変色させていた。
「まだ四十回程度だぞ…それなのにもう刺激が足りないのか?」
人懐っこい笑みを浮かべながら、少女の上に跨る青年が声を上げた。
そして、その笑みに相応しくない言葉を吐き出す。
「…まあ、さっさと帰らないと怪しまれるしな……刺激を増やしてやるから後六十回はイキ狂え」
その手に、文殊が生み出される。男が念をこめるとすぐさま文字が浮かび上がり――
「ひやぁぁぁぁぁぁんっ!? くふぅっ――イクゥゥゥゥゥゥゥゥッ!」
少女は潮を吹く。
《敏》《感》《倍》《増》《快》《楽》《堕》《落》、種々様々な文殊が少女の肉体と感覚を蝕んでいく。
「せんせっ……んぅ!? せっしゃ……せっしゃは……っ!?」
僅かな時間。ほんの僅かな時間だったが簡単に何回も絶頂へと駆け上る。
「んー、サービスで五十回くらいに計算しておいてやろうか」
男が少女の首筋に舌を這わせながら耳元で囁く。
その僅かな感覚が、耳に当たる生暖かい息が、たったそれだけの事が少女を再び絶頂へと追いやる。
「―――――――――あぅっ!?」
首筋を噛まれた。痣を指でなぞられた。乳首がコンクリの床とすれた。秘部に冷たい夜風が当たった。指をしゃぶられた。舌を絡めとられた。
髪の毛に口ずけを、騎士のように手にキスを、耳を舐められ、口内を蹂躙され、尻たぶをつかまれ、肛門を弄くられ、そのたびにイク。
「残り約四十」
急に、少女の体を襲う快楽が増えた。
言葉も無く追いやられ、再び潮を吹く。
「せ、んせぇ? せっしゃ……おかしいでござる、なにか、少し犯されているような……」
身体を痙攣させながら背面で身体を押さえつけている自分の主を見る。その手に握られているのは《共》《有》の二文字。
それが四組男の手に輝いていた。
「タマモも小竜姫もヒャクメも……シロ、お前ももっとイキ狂え」
文殊が、男の手を離れる。コンクリの床を転がり、行き着く先は全裸で犯される女たちの元。
「いや……よ、よこしませんせい……これ以上は! これ以上は本当に狂うでござるっ――」
乾いた音を立てて転がった文殊が離れた場所で犯されている女達の元へと辿り着いた。
そして、膨れ上がる感覚。僅かに感じた犯される感覚。それが、現実のものとして襲いかかった。
タマモも、小竜姫も、ヒャクメも、シロも――誰も彼もが一人の男に犯されていた。
《分》《身》した男によって犯され、そして穴という穴を犯される。
前も後ろもふさがれ、タマモはサンドイッチされた状態で喘いでいた。
小竜姫は騎乗位で腰を振り、ヒャクメはバックから突かれている。
その感覚が、シロにも伝わってくる。穴という穴を犯され、抜け出たはずの肉棒がまだ膣内に収まっている感覚。
そして、その収まったままの秘部にさらに肉棒が押し込まれてくる。
狂いそうなほどの快楽だった。
いや、もう狂っているのかもしれなかった。
それさえもわからず、声をあげる。
既にそれはただの息であり音を発する事は無かったが、シロは何度も絶叫をあげる。
その狂った光景を見ながら《分》《身》した男の本体は思考をめぐらせていた。
次は、魔族を奴隷に変えてしまおうと。
その次に魔女を虜にし、調教する場所を確保しよう。
今の様にビルの屋上に結界を張っておかしたりする必要も無くなるうえに、道具も使いやすい。
痴態を眺めながら、そんなことを思案していた。
男の下で、シロが再び絶頂を迎えていた。
そういえば、数を数えていなかった事に気がつく。
まあ、いいか。
絶頂を幾度となく迎えているシロの耳にそっと呟いてやる。
「あと、百回だ」
夜は、まだ明ける気配を見せない――。
「ねえ、ヨコシマ……しよ?」
声をかけると同時に私はは彼の下に跪いていた。
そのままファスナーを下げ、熱くそそり立つ肉棒を取り出す。
「もう…おっきくなってる…」
愛しそうに横島の陰茎を握り、そして軽くしごく。
黒光りするその先端に軽く口付けをし、舌を絡ませるようにして唾液でコーティングを施していく。
ねっとりと絡みつくその舌が、暗闇の中で僅かな光を浴びて輝く。
舌が這った後も同様に光を浴びていた。粘着質の水音が閨の中に響き渡る。
剛棒を咥える。標準サイズより大きめのそれを精一杯のどの奥まで咥え、そしてしごきあげる。
咥えながらも舌を動かす事を止めはしない。口内で生暖かい息を感じながら彼の一物はさらに硬度を増していく。
「んぷぅ……」
一度肉棒を吐き出し思いっきり空気を吸う。その唇からは唾液が滴り、その中の一つは細く伸びて彼と繋がっていた。
再び陰茎を舌で舐めあげる。そして、今度は淫嚢を口に咥える。
口内で二つの玉が転がる。彼は、感じてくれているだろうか…。
彼の匂いを嗅いでいるうちに、自分自身の股間が濡れてきているのを感じる。
そっと片手を秘所に運び、淫核をつまむ。
愛液が臀部まで流れ始めているのがわかる。指を愛液で濡らし、肛門の周りをほぐす。
今日は、後ろでしてもらおう…。
まだ夜は長い。たくさん犯してもらえるだろう。
もう、彼と結ばれても消滅することは無い。
だから――今夜も彼と繋がっていよう。