「――横島クン、ちょっとマッサージして頂戴」
最近、手順が厄介な仕事が続いたから、どーも疲れがとれないのよね…。
「はいっ!美神さん喜んでっ!!」
いつものくせでつい横島クンに命令してしまったことに気付き、飛んできた彼にすかさず釘を刺す。
「…言っとくけど、変なことしたら給料カットだからね」
「………は、はいぃ………っ」
ベッドにうつ伏せになり、マッサージを受ける。
「ん〜〜、気持ちいい〜♪アンタ結構上手じゃないの」
おキヌちゃんの華奢な手とは違って、大きくて力強くて……やっぱり男の子なのね。
横島クンは最初はおっかなびっくり、給料カットを恐れてぎこちない手つきだったけど、
褒められて気をよくしたのか、よりいっそうツボを心得た揉み方になってきた。
「んー………。……んんっ、くぅ………っ」
ほぐされて血行がよくなってきたのか、身体が熱い。
横島クンに触れられたところから身体中に熱が伝わってゆくようで…。
「………あんっ!」
「――あ、痛かったッスか?すんまへんっ!!」
………え?
やだ、ナニよ今の声………っ。
たかがマッサージでこんな声出すなんて………。
………………ああっ!!
「――ちょっとっ、横島っ!アンタまた変な文殊を……っ、」
「変な使い方はしてまへんーーーっっ!!」
「やっぱり使ったのね!?見せなさいっ!!」
おずおずと差し出した手の中には二つの文殊。
そこに浮かんだ文字を見て私は大きくため息をついた。
『快』『楽』
「横島クン……?私、ちゃんと言ったわよねぇ……。変なことしたらどうなるか…」
「わーーーーっっ!!待ってくださいっ誤解ですっっ!!
ぼかーただ、美神さんの疲れがとれるよーにと……っ、」
「この都合よく並んだ二つの文字をどう説明するのっ!」
「凝りがほぐれてスッキリ爽快、身体が楽になるよーに……」
………確かに、そう取れなくもないような……。
怒りを静めて横島クンの顔を見てみると、嘘はついていないのがわかる。
そんな知恵が働くような男なら、もっと上手に生きてるわよね…。
―――でもっ、
「ちったー考えて字を思い浮かべんかいっ!!」
「すんまへんっ、ホンマすんまへんっっ!!堪忍やあーーっ!!」
ガクガクと震えながら床に頭をすり付ける姿を見てたら、なんだか拍子抜けした。
と同時に、抑えていた感覚が私を支配して………。
「――横島クン、」
「――は、はい………っ」
彼を尻目に再びベッドにうつ伏せる。
背中を向けたまま、一気にまくし立てた。
「給料カットされたくなかったら、責任とってどーにかしなさいっ!
ただしっ!あくまでマッサージよっ!それ以上のことしたら許さないからっ!!」
美神さんの雷が落ちて職を追われるかと思ったら、なんたる幸運………っ!!
ううっ、感涙っ。文殊さまさまだなー。
『そんなにすごい効き目なら、あとでおキヌちゃんにも使ってみようかな…』
「――――言っとくけど、こんなこと他の子にしたら命はないから」
「………は、はい………」
なんでわかるんだっ、エスパーかこの人はっ!
「――ほらぁ、早くなんとかしてよ……っ!」
いつものボディコンにうつ伏せたまま、悩ましげに身をくねらせる。
―――ごくりっ。
「………そ、それではっ」
いきなり下半身に手を伸ばしたら後が怖いからな……。
無難に背中を押してみることにした。
「んふっ、あうんっ………はぁっ」
一押しするごとにいつもとは色の違う声が漏れてくる。
「………せ、背中がそんなに気持ちいいんスか?」
「バカっ、胸が押されてるのよ………っ!……あんっ」
………なるほど。窮屈なボディコンに押し込められた胸は
俺が押すたびにベッドに押し付けられてるってわけか…。
――それならっ。
「――美神さん、苦しそーなんでちょっとファスナー下げますよ」
「………ええ、そうして頂戴………って、やあぁんっ!」
ファスナーを下げ、開いた背中から胸に手を差し入れ、抱きつくように両胸を揉みしだく。
「で、でけーーー…。これじゃ苦しいはずですよっ、揉んで凝りをほぐさないと…」
「ああっ、いやっ、そんなぁ……っ!あっ、やぁあんっ」
やわらけーー……。こんな美味しいこと、ずっとなかったもんなあ……。
悔いのないよーに、たっぷり揉んでおかねばっ。
「……あっ、やぁっ、横島ぁ……っ」
それにしても、なんつー可愛い声出すんスかああっ!!
これがあの横暴で強情で強欲で傲慢で高慢な美神さんとはとても思えん…っ。
俺の下で身をよじるたびに髪から漂う甘い香りがまたたまらんっ。
「………あれ?なんかここが凝ってきたみたいっスよ?――ほらっ」
「あはぁっ!やぁ………だ、ダメぇ………っ」
先端を指でこね回し、ぎゅうっと引っ張っていじくりまわす。
――ああ、俺はこれから美神さんのボディコンに浮き出た突起を見るたびに
このことを思い出すんだろうなあ………。
あーーーーもうっ、あーーーーもうっっ!!
「ふあぁぁっっ………やあぁんっ!!」
………一際大きな声に正気に戻る。
『あーーーーもうっ』の『あーーーー』部分で、先端をつまんだまま限界まで両胸を引っ張っていたらしい。
「―――あっ、痛かったっスかっ?すんまへんっっ!!」
ここで機嫌損ねたりしたら何にもならんじゃないか!俺のあほーーーー!!
「ああ………っ、はあぁ………っ」
美神さんはびくびくと身を震わせて、息を荒げて何かを必死に耐えてるようだった。
「バカね………痛いんじゃないわよ……っ。胸はもういいから、今度は足の方頼むわね」
ベッドを降りてうつ伏せのままぐったりと身を投げ出している美神さんの足元に行き、
開かれた両足の間にしゃがんで未知の領域を覗き込んだ。
紫のボディコンを大きく押し上げる双丘と、
そこから覗くストッキング越しのピンクのコントラストがいやらしくも綺麗だ。
こんなアングル、いつもの美神さんだったら絶対拝めやしないからなー…。
思わず正座して両手を合わせて拝んでしまう。眼福眼福、謹賀新年っ。
「何してんのよぉ………早く何とかして頂戴…っ」
おっといけないっ。慌ててベッドに上がりなおし、太ももに手を伸ばした。
ぎゅっ、ぎゅっ、ぎゅっ………。
あまり調子に乗ると後が怖いから、ちょっと落ち着いてマッサージもしてみる。
ストッキングの上からとはいえ、程よく肉のついた太ももの感触はなかなかに気持ちいい。
「……ねえ、そこはいいから付け根の方、お願い………。
ストッキングの上からじゃあんまり効かないから、ちゃんと脱がして……伝線させないでよ高いんだから」
――こんな時でも美神さんはやっぱり美神さんだ。
しゅるしゅると引き下ろして脱がせる。…ゆで卵みたいにすべすべとした白い足がまぶしい。
その足の間の、ピンクの下着に包まれた未知の領域が………あっ。
濡れてる………。
股布の部分だけ布の色が濃くなって、中の形状を浮き彫りにしているのがわかる。
「………早くぅ………」
「………は、はいぃっ」
両足の付け根を、下から押し上げるように揉んでゆく。
「そう………気持ちいいわよ、横島クン……あぁっ、ん……」
お尻を持ち上げるように揉むたびに粘ついた音が漏れ聞こえてくる……。
俺と美神さん二人だけのこの部屋に響くのは、美神さんの甘い声と、このいやらしい音だけ…。
―――た、たまらん……っっ!
揉んでる手をそのままに、下着に包まれた双丘に頬擦りする。
「あは……っ!や、やぁ、ん………っ」
桃みたいな形状そのままにやわらかく美味しそうだ……っ。
スリスリしてるうちに、サイドのリボンがほどけたらしく、白い肉が丸見えになった。
………ヒ モ パ ン だ っ た の か !!
あんな激しい仕事だとゆーのに、なんつーはしたないカッコをしてるんスか美神さんっっ!!
――いや、この場合それは感謝すべきことなのだがっ。
美神さんに気付かれないよう、もう片方のリボンも口にくわえてほどく。
もちろん両手はそのまま付け根を揉んでるから、すんなり成功した。
――――おおおっっ!!
はらりと落ちた薄布と美神さんの未知の領域とが、透明な液で繋がっていた。
初めて拝んだその領域は、複雑に折り重なったまさにピンクの花園だった。
ひと揉みするたびに、にちゃ…っと音を立てて花が開き、潤う内部を覗かせる。
「ああ………っ、んふぅん………っ」
声にあわせて俺を誘うように手招きしてる……い、いただきまーーーすっ。
ずちゅ………っ!
「あ、あはぁぁぁあっっ!!」
入った………入ったよおっかさん!!
あったかくてヌルヌルしてて気持ちいいよおとっつあん!!
AVやエロ本で学んだように、とにかく夢中で腰を動かした。
「や………っ!バカぁっ、いきなりそんな……っ、ああっ!」
くはーーー、たまらんっっ!!
ふたたび両胸に手を差し入れ、揉みしだくは先端を苛めたおすは好き勝手し放題。
「あはぁ………ん、だ、ダメぇ……ダメだったらっ横島ぁん………っ」
『嫌よ嫌よも好きのうち』って、こーゆーことかあっっ!!
乱れる髪で見え隠れする首筋に吸い付き、精霊石の光る耳元を舐めしゃぶる。
そのたびに声を荒げて大きく震え、俺をきゅうきゅう締め付けてくる。
「ダメぇ………もう、許してぇ………あはぁあっ」
うー、たまらんっ。あの美神さんにこんなこと言われるなんて俺くらいだろーなぁ…。
この意地っ張りで結構可愛い高ビーねーちゃんを俺がこんなにしてるんだ………っ!
「美神さん、俺もう、限界っス………っ、………っっ!!」
「やっ…ダメっ横島クン……っ、横島ぁ………っ、あ、あはぁあああ……ああっっ!!」
……あーもうっ、私としたことが横島なんかの文殊に屈してあんなこと…っ!
とりあえず明日の仕事に差し支えないほどに5・6発殴ってやったけど、
恥ずかしいやら悔しいやらで気がおさまらない。
――今月も来月もこの先ずうっとタダ働きっ!給料なんてやらないんだからっ!
今夜はシャワー浴びてさっさと寝ちゃおうっ。
ベッドを降りてバスルームへと向かう。
………って、あら?なんだか身体が軽い。
アイツの文殊はちゃんと本来の目的も果たしていたようだった。
「――仕方ないわね、給料ナシは勘弁してあげる…今回だけよ?」