――そういうわけで、ウェインは天国と地獄を同時に味わった。
カーマインさんももしかしたらこういう目に遭っているのだろうか…いや、あの人にはルイセさんがいるし、
そういう自体に陥っても、むしろ女性たちをリードしそうだけどな。
「はぁ……俺も、優柔不断ってところかな」
くしゃりと乱れた髪を掻きあげる。
ウェインの両隣にはすやすやと満面の笑みを浮かべて寝ているシャルローネとアリエータがいる。
一糸纏わず、柔肌を晒す彼女らは高潔な女神のようでもあり、淫猥な小悪魔にも見えた。
「……」
ふたりの裸体を眺めて、ウェインはごくりと生唾を飲み込んでしまう。
何度見ても、ふたりの身体は恐ろしく美しく、淫靡だった。ふと、両手でふたりの乳房を撫でてみる。
「……ぁ、ん…」
「ゃ、ぁ……」
触れてみてから、何やってんだ俺、と自分を戒めるが、艶かしい寝息を漏らすふたりを見るとどきりと胸が高鳴ってしまう。
そして、手に触れる感覚。やはり、なんとも言い難い感触が感じ取れて、思わず何度か玩具のように揉みしだいてみる。
「んっ…た、たいちょ……だ、ダメ…」
「ウェ…、や、はぁ…もっと…」
一瞬起きてしまうのではないかと思ったが、よほどふたりとも疲れたのか少し触れたぐらいでは起きそうにもない。
それにしても、この感覚は病みつきになってしまいそうだ。癖になってしまったらどうしようと、真面目に馬鹿なことを考えながら、
ウェインは指先を乳房から臍、腰、そして股間へと滑らせていく。そこで若干、指先の感触が変わった。
「改めて、こうしてみると、ふたりとも意外と……」
陰毛の感触に、ウェインは顔を赤らめる。一言で言えば、そこは銀と蒼のサンゴ礁だった。
ふたりとも清純な娘であるが、此処を見てしまうとそのギャップに思わず興奮を覚えてしまう。
「――俺って変態だったのか? …いやいや、たわし効果に違いない」
これ以上あまりふたりの寝ている間に、弄るような真似は何だか恥ずかしい。
ふたりの身体から手を離そうとした、その時―――、がっしりと掴まれて動きが止まってしまった。言うまでもないだろう。
「しゃ、シャロ? アリエータ?」
「…隊長、何で途中で止めるんですか?」
「ウェインったら…は、恥ずかしいです…、でもウェインが望むなら」
――最初から起きてたのか、こいつら。
「それじゃ俺はそろそろ仕事があるかr」
「隊長は働きすぎです」
真顔できっぱりと断言するシャルローネ。
「休日をもう一日取ったくらいで、ジュリアさんもオスカーさんも何も言いませんよ、というか」
可憐な笑顔で、そう囁くアリエータ。
『言わせませんから♪』
――なんで、そういうところだけ息がぴったりなんだ、君たちは。というかもう一日中かよ。
こうして、ウェインの受難はまだまだ続く――