エルサリアの北の果てに、ヴェルゼリアという国があった。  
そこは魔物のみが生息する呪われた暗黒の国であり  
人々はその存在を恐れ、近寄ろうともしなかったが  
ある日ついにエルスリードの英雄たちが足を踏み入れ  
ヴェルゼリアの王ボーゼルを討ち果たした。配下の虫使いラグは  
アルテミュラーを新たな王として立てるが、その彼もまた敗北すると  
ヴェルゼリアには支配すべき王がいなくなってしまった。  
この現状を憂いたカオスにより、新たに力を与えられた一人の人間が  
ボーゼルとして再びこの地にやってきたのである。  
 
「はっはっは、素晴らしい…私は生まれ変わったのだ!  
 結果としてアルテミュラーに後継者争いで敗れはしたが、  
 今こうして魔族の王となった事は、私が奴より優れている事の証拠よ!」  
玉座にどかっと座ってふんぞり返っている新しいボーゼルが  
内からみなぎる力と、王となった自分に酔いしれていると  
側にいた髭の男が両手をすりすりしながらおべっかを使う。  
「アルテミュラーなど、しょせん生意気なただの若僧であります。  
 パウルさまこそ、この世界を支配するにふさわしいお方…」  
「ガイエル!私はパウルなどという弱くて惨めな男などではない!  
 私は偉大なる王ボーゼルとして生まれ変わったのだ!もし今後  
 一言でもパウルなどと呼んだら、今すぐズタズタに引き裂いてやる!」  
その髭の男ガイエルの言葉を聞いた新ボーゼルは、機嫌を悪くしたようだ。  
ボーゼルに一喝され、身を縮めて謝るガイエル。  
「はっ、も、申し訳ありませんパウ…げほげほっ、ボーゼルさま!」  
(フン…ちょっと前にアルテミュラーに命乞いした小僧が…  
 今は大人しく言う事を聞いてやるが、今に見ていろ)  
「さて、今こうして蘇ったからにはやっておかねばならぬ事がある」  
「何でございましょう」  
 
「カオスさまは、この私にボーゼルの力をお与え下さった。  
 だがその為にカオスさまは魔力を消耗してしまわれたのだよ。  
 カオスさまを完全に復活させるためには、消耗した魔力を補うため  
 若い娘をいけにえに捧ぐ必要があるのだ」  
「ほほう、若い娘をですか」  
「19歳以下の、それなりに強い力を持った娘が必要だそうだ。  
 ガイエル、今すぐその条件に合った女をさらってこい!」  
「ははあ、お任せあれ」  
命令を受けたガイエルが出立しようとした時、ボーゼルは  
最後に一言付け加えた。  
「ジェシカはだめだぞ。奴は既に20を超えてる。カオスさま的にはババアだ」  
「判っております。心配には及びません」  
(フン、あんな巨乳しかウリのないババア誰がさらうか!)  
 
それから三十分ほどすると、謁見の間にガイエルが一人の女を連れて来た。  
「は、離しなさい!私をこんな所に連れて、何をするつもりですか!」  
縄で縛って連れて来られたのは、エルスリードの女軍師ルナだった。  
「この女を選んだのは何故かね?」  
「いやまあ何と言いましょうか…前々からこの女が気に入らなかったんですよ」  
「フン…だが条件としては申し分ない。よくやったぞガイエル」  
「ははっ」  
ボーゼルは、縄で縛られて身動きできないルナをしげしげと見つめた後に  
彼女を指差してガイエルに言った。  
「ガイエル、この女の純潔を奪え」  
「はああ?何をおっしゃいますか?」  
訝しげな顔をするガイエルに構わずボーゼルは言葉を続ける。  
「カオスさまは、穢れのない女がお嫌いだそうだ。いけにえとして捧げるためには  
 この女が穢れている必要がある」  
「なるほど、そういう訳でございますか」  
 
「ガイエルよ、私はいけにえの儀式の準備をせねばならん。  
 その準備が終わるまでの間、この女を仕込んでおけ」  
「ははっ、お任せあれ!」  
ガイエルに命令し終わると、ボーゼルは足早に  
祭壇の間へと消えていった。  
ボーゼルが完全に向こうに行ったのを確認すると、ガイエルは  
ルナにぐっと顔を近づけて話し掛ける。  
「マァ、そういうわけだ」  
「どういうわけですか!」  
「こういうわけよ!」  
ガイエルの両目がカッと白い光を放つと、ルナは気を失ってしまった。  
 
「うっ…今のは何だったの…」  
ルナはしばらくの間気を失っていたが、ふと目を覚まし  
辺りを見回した。眠っている間、何かされた様子はなかった。  
「ただ眠らせるだけであんな事をするはずはない…  
 さっきのは一体何を…」  
ルナが考えごとをしていると、ガイエルが向こうからやってきた。  
「フン、ルナとか言ったな。こっちはお前を可愛がる準備が出来たぞ」  
「何を…うっ!」  
ガイエルの方を振り返ったルナは、思わず顔を歪める。  
そこには全裸で仁王立ちしたガイエルがいて  
汚くボウボウに伸びてちぢれた体毛、いかにも中年らしい太った腹、  
そしてお粗末なモノが股間にぶら下がっていたからだ。  
ルナが、彼女らしからぬひきつった表情をしたのを見て、ガイエルは  
男のモノを始めて見たゆえにウブな反応を示していると勘違いした。  
「オウゥ、俺さまのたくましいモノを見て照れてるのかよ?  
 だがすぐに慣れさせてやるぜ」  
「ち、違います!貴方の体があまりにも醜いから嫌悪感を示しただけです!」  
ルナは嫌悪感のあまり、ついはっきり言葉が出てしまった。  
 
ルナはとっさにその言葉を吐いた後、しまった  
取り返しの付かない事をしたと後悔した。  
そんな言葉を浴びせれば、ガイエルがその性格上  
逆上する事が判っていたからだ。  
そしてその予測通りの反応を示すガイエル。  
 
「き、貴様ーー!よくもこの俺さまの体を醜いなどと  
 言ってくれたな!フン、だったら今まで多くの女を相手にしてきた  
 この俺さまのテクニックを見せてやる!」  
切れたガイエルがそう言ってルナに飛び掛ろうとすると  
ルナも抵抗の意思を示す。  
「そう簡単に私をやれると思っているのですか!  
 こんな縄など、簡単に…はっ!」  
ルナが気合を入れると、彼女を縛っていた縄はばらばらにちぎれた。  
だがそれを見てもガイエルは驚くどころか、  
余裕の表情を浮かべて笑う。  
「クックック、貴様は何をやっても俺には抵抗できん。  
 嘘だと思うならやってみろ」  
「………」(この男、やはり何か企んでいる…だが今は抵抗するしかない!)  
ガイエルが何か企んでいる事を見抜いたルナだったが  
このまま成すがままにされるわけにはいかない。  
自分に近づいてくるガイエルに対し、ルナは剣を抜こうとした…が、その時だった!  
ガイエルを傷付けようとする意思が芽生えた瞬間、ルナの体が  
ビクッと止まって硬直したのである。  
「そんな…何故…体が…う、動かない…」  
「フフフ…ククク…フッフッフ、俺がさっきお前に眼光を浴びせただろう。  
 あの時お前に、暗示を掛けたのよ。  
 お前は絶対に俺に暴力を振るう事はできん。それをやろうとしても  
 脳が反射的に拒むのよ!」  
「ば、馬鹿な…」  
 
「うそだと思うなら、俺をその剣で斬ってみな。やれるんならな」  
「はっ…ぐっ…ぐっ…」  
ルナは必死に体を動かそうとするが、体は硬直して動かない。  
彼女がガイエルを傷付けようとする意思を持つと  
脳が命令を受け付けないようになっているのだ。  
予想外の事態に、ルナは顔を真っ青にした。  
「クックックッ、さあてお判り頂けたようだな。抵抗はあきらめて  
 俺に犯されるしか道はない」  
「そんな…いや…やめて…いやーっ!」  
ガイエルはまず、嫌がるルナの服をびりびりに引き裂いた。  
彼女の胸の部分は、胸当てで覆い隠されていたが  
へそから股にかけては白い肌があらわになり、ルナの顔が赤面する。  
「や、やめて…」  
「チッ、鎧がジャマだな…まあいいか  
 そんだけ出てりゃ、ぶち込むには充分だ」  
そう言うとガイエルはルナの体に顔を近づけ、  
ざらついた舌で彼女のへそを舐めまわし始めた。  
醜い髭の男に生肌を、煙草臭い舌で舐めまわされる事は  
ルナにとっては不快以外の何物でもなく  
抵抗は出来ないながらも、表情を変えずあえぎ声は全く上げない。  
その様子を見て不愉快そうな表情を浮かべるガイエル。  
「何だよ…俺さまに舐めまわされるのが気持ちよくないのか?」  
「あ、当たり前です!貴方のような男の人に舐めまわされて  
 気持ちよくなれる女の人が、何処にいますか!」  
「フン、生意気な…だったらこれを喰らうんだな!」  
「うっ!」  
ガイエルは、再び目から光を放ってルナを睨みつけた。  
 
「今度は一体何を…」  
「なあに、すぐにでも判るさ。すぐにでもな」  
目から放った光をルナに浴びせ終わると、ガイエルは再び  
ルナの剥き出しのへそに舌を這わせた。  
「そんな事で私が気持ちよくなると…うあっ!」  
するとさっきまでガイエルにへそを舐められても全く感じなかったルナが  
あえぎ声を上げ、全身をビクッと震わせたのである。  
「こんな事って…どうして…」  
自分で自分の反応にとまどいを覚えるルナに  
ガイエルはその理由を説明する。  
「簡単な事よ!快楽を感じないのなら感じるようにすればいい。  
 今度はお前に、俺がお前の体に何をしても  
 お前が気持ちよくなるという暗示をかけてやったのだ!」  
「そ、そんな暗示をかけられたぐらいで私の心が  
 落ちると思っているのですか!」  
必死に凛然と振るまおうとするルナだが、動揺は隠し切れてない。  
「クックックッ、だったら耐えられる所まで耐えてみるんだな!」  
そう言い終わると、ガイエルはルナのへそに舌を這わせつつ  
彼女の股間に手をあて、グリグリまさぐり始めた。  
「うっ、ぐっうっ!こんな…こんな事で…  
 私が…あっ、あっ…いや…いやーーー!」  
ルナは精神力で必死に耐えようとするが、暗示が脳を直接支配していて  
抵抗する事が出来ない。へそや股間から流れ込む快感が全身に流れ込み  
全身が脈打って細かく痙攣していたのである。  
「あっあっあっあっ!ひぃあっ!あっ、んっ!んあっ!」  
目からは涙が流れ、頬は真っ赤に紅潮し  
口からは吐息とあえぎ声とよだれが一辺に出ていた。  
 
全身を支配する快楽に悶え、乱れ狂うルナに向かってガイエルは言う。  
「ルナよ、俺は貴様の事がずっと気に入らなかった。  
 いつもいつも俺さまのジャマをして、コケにしてくれたよな。  
 それに人を見下したような、そのすました顔も気に入らなかった。  
 だが今はどうだ?貴様は今こうして俺の成すがままになっている。  
 クックックッ、俺は貴様に勝ったんだ!  
 それとも得意の戦術とやらで、この窮地を脱してみるかい?」  
ガイエルのせりふを聞きながらルナはふと、自分が無意識に  
腰を振っている事に気付いた。  
さらに腰だけでなく、言葉までも無意識に飛び出す。  
「ハァハァ、早く…早く入れてください…ガイエルさまぁ…」  
その行動と言葉が、ガイエルの暗示に掛かってのものなのか  
快楽に溺れた自分が反射的にそうしたものなのかは  
ルナ自身にも判らなかったが、ガイエルに刃向かおうとする魂の牙が  
折れた事だけは確信できた。  
「そうかそうか、そんなに入れて欲しいか。  
 では望み通りにしてやろう。感謝するんだな」  
不敵な笑みを浮かべるガイエルの粗末な肉棒が、ついに  
ルナの湿った股間へと挿入される。  
「ひぃっ、ひぃあぁぁぁああああーーーー!」  
ガイエルのモノがゆっくりと膣に挿入されていくと、あまりの激痛に  
今のルナでも悲鳴を上げずにはいられなかった。  
凄まじい激痛に顔を歪め、のたうち回りながら悲鳴を上げるルナだが  
ガイエルはお構いなしに肉棒を出し入れし続ける。  
「フン、ガタガタ抜かすな!わざわざ濡らしてやったんだ  
 すぐにでも気持ちよくしてやる」  
 
ガイエルに掛けられた、何をされても快感を得る暗示が作用してるのか  
それとも次第に膣が馴染んできたからか  
最初は痛がっていたルナも、あえぎ声を出して悶え  
恍惚な笑みを浮かべて自分から腰を振るようになっていた。  
「んっ!んっ、んっ!はぁ、はぁ、はぁ…もっと…もっと!」  
「フン、それで良い…貴様はすました顔をしているより  
 そうやって媚びへつらって腰を振るのがお似合いだ!」  
ルナはもはや完全に、ガイエルの娼婦と化した。  
彼女が自ら喜んで腰を振り、肉棒を締め付けながら出し入れすると  
ガイエルにもついに絶頂が訪れる。  
「中に出してやるぞ。ありがたく思うんだな」  
「うあっ、あぁあ、あぁあああーーーー!  
 んあああああーーーーーー!」  
ガイエルの腰の前後運動が止むと、ルナの膣の中に  
暖かい液が一滴残らずドクドクと搾り出される。  
すっきりした表情のガイエルが、肉棒を引き抜いた後  
ルナは股間から白い液を垂らしながら空ろな表情を浮かべ  
床にぐったりしなだれていた。  
そして行為が終わると、ちょうど向こうからボーゼルがやってくる。  
「ほうガイエル、貴様にしてはなかなか上出来だ。  
 快楽に身を委ねて堕ちた女こそ、混沌の王たるあのお方へのいけにえに  
 ふさわしい。さぞお喜びになるだろう」  
 
 
冷静沈着にして、凛然とした女軍師ルナはもうこの世にはいない。  
 
 
もし万が一ディハルトたちがボーゼルを倒し、儀式を阻止したとしても  
そこにいるのはディハルトらが知っているルナではなく  
ガイエルによって肉奴隷に変えられた一人の少女がいるだけだろう。  
そう、もう女軍師ルナは…  
 

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