俺の名はスレイン・ウェルダー。元闇の精霊使い。今は色々な事情があって、  
ホムンクルスとかいう物質に魂を宿しているんだ。まあ、使い心地は前の身体  
とあままし変わらないから、どうでもいいけど。  
「あの・・・スレイン?」  
あっ、でも、ラミィが見えなくなったのは嫌かも。小さくて可愛いから好きだ  
ったんだけどな、闇の精霊。今頃なにしてんだろ?  
「ねえ、なんでこんなことするの?」  
ああ、今ベッドの上で両手を拘束されているのはアネット。  
俺の命の恩人で、恋人なんだ。紅い髪としなやかなおみ足が素敵なのさ。  
「その恋人になにしてんのかさー!」  
緊縛遊戯。新しいプレイをアネットの肉体に刻み込もうかとおもって。  
「いやー!やめてぇ!」  
却下。  
 
「即座に却下すんな!少しは考えて!」  
却下だよ却下。大体マンネリだから刺激が欲しいって言ったのは誰だよ?  
「そんなこと言ってない!」  
じゃあ俺か。まあいいや。さて、そのきれいな足を開いて。  
「やだ、ホントにヤだってば!」  
んー、すべすべの脚(頬擦りする)何度やってもサイコー。  
「変態変態ヘンターイ!朝っぱらからなに発情してんのよ!」  
発情してるのはアネットだろ。ほら、こんなになってる。  
「ひぁっ・・・」  
アネットのここ、熱くなってる。まだ触ってなかったのに。  
「うぅ・・・アンタがその、毎日のようにしてくるから・・・」  
すっかり淫乱な肉体になってしまったと。  
「ばかぁ」  
否定はしないんだ。可愛いよ。んーちゅ・・・れる・・・  
(唇にキス。そして舌を絡ませる)  
「んくぅ・・・あっ、ふぅ・・・もう、ばかぁ」  
 
白い青年が優しく笑う。まったくずるい。こんな顔見せられたら拒めない。  
アネットはいつもそう思う。初めての時もそうだった。これから先もそうだ  
ろうと思う。いつも姉のように振舞っている自分。夜の中、ベッドの中では  
いいように虐められて高みへと打ち上げられる自分。  
そして、朝だというのに拘束され淫らに責められている自分。  
彼と逢ってからは退屈することはない。  
ないが、何処へいったのだろう、平穏な時間は。  
 
いつのまにかショーツが脱がされている。キスしている合間か。  
「もう・・・こんなのばっかり上手くなってくんだから」  
「アネットのためを思えばこそさ」  
でまかせばっかり。そういえば、彼はキスも上手い(アネット主観)。  
もしかして、誰かと浮気して練習してるんじゃあ・・・  
そんなことを考えていると身体がひっくり返された。  
尻を高々と晒した体勢。  
「やっ、イヤ!」  
この体勢だけは慣れない。大事な部分が丸見えだから。  
しかも、今は朝なのに。  
「綺麗だね、アネットのここ。よく見えるよ」  
「やぁ!見るな変態!ッッて、言ってる傍から触るな!匂いを嗅がないで!」  
 
白い尻が揺れ、その谷間に位置する花弁が艶かしい。男を受け入れ、喜ばせる  
ための器官だ。それを舐めて吸って舌を這わせる。びくんびくんと反応するの  
が楽しいし、なにより誇らしい。好きな女を乱れさせるのは、男の自尊心を充  
実させるのだ。花弁の上にある慎まやかなすぼまり。そんな部分にまでたまら  
なく劣情を刺激される。アネットが悶える。私生活では姉のように振舞ってい  
る彼女が、この屈辱的な姿勢と淫らな舌技から逃れようと悶えている。そんな  
様にたまらなく興奮する。おっさんに筋肉弛緩剤を調合してもらった甲斐があ  
ったな・・・スレインはしみじみと思う。早起きしてサンドイッチと紅茶(弛緩剤入り)を用意。部屋に押  
しかけ「一緒に食べよう」と言って。何故こんな外道なことをしたのか?  
己と同じく前線で戦う女戦士を力づくで捻じ伏せ、要求を通すのは至難の業だ  
と思ったからだ。そう、緊縛プレイは手段であり目的ではないのだ。  
ポケットからもうひとつの品を取り出す。瓶に入ったゲル状の薬。  
「な、なにするの?」  
察したらしいアネットが、こっちを振り向こうとする。  
「楽しいこと」  
手に液を垂らし、それ尻の間に摺りこむ。そして、指を菊の門につぷ・・・  
と挿入する。  
「そ、そこは違う!」  
「いや、ここでいいんだよ」  
委細かまわずゆっくりと挿入する。蜜壷とは別種の緊縛感。  
「あぅう・・・だめ、だめだってばぁ・・・」  
先刻と異なり、弱弱しく哀願するのに、また欲望が燃える。  
入れて、抜いてをゆっくりと繰り返し、抵抗がなくなったら更に深く入れて。  
アネットの息が荒くなる。抵抗が薄くなるのには、征服感が満たされる。  
「そろそろかな」  
指を抜き、いきり立った肉棒を曝け出す。幾度となく彼女を喜ばせてきた器官  
が、新たなる桃源郷に足を踏み入れようとしている。  
「いくよ」  
 
何とも形容できぬ感触とともに猛る肉棒が前進する。  
「くぅ・・・」  
未知なる感触に声が漏れてしまう。  
「んぁ・・・ぁああああ・・・!」  
アネットも同様。だが、その声に苦痛の色はない。  
一番太い部分まで一気に差し込む。躊躇する時間も余裕もない。  
躊躇えば苦しませるのは経験的に知っている。初めてのときがそうだった。  
「辛い部分は終わったよ」  
「そう」  
「ごめんな、こんなことして」  
「・・・覚えておきなさいよ」  
「ああ、忘れないよ」  
 
「動かすよ」  
「うん、でも・・・」  
「わかってる、乱暴にしないから」  
不安そうなアネットに応えるように、ゆっくりと動く。  
そうしながらも右手を股に差し入れて、その部分を探る。  
そっと秘烈のに手を伸ばし、その包皮に包まれた肉芽を突付く。  
突付いて撫で回す。少しでも快楽を与え、異物感を忘れさせるために。  
要するに誤魔化しの行為だ。  
「ふぁ・・・ダメッ」  
「いいんだよ、感じても」  
そして左手は胸を求めて蠢く。服の上から撫で回す。  
その頂点にある突起を布越しに摘み、軽く捻る。  
その度に甘い鳴き声を漏らし、それを堪えようとするアネットが可愛い。  
「んぁ、いっ、いっ、んくぅ・・・」  
「いいよ、もっと感じてくれ」  
肉棒から伝わる未知の快感。耳に響く甘い声。  
そして背徳的な行為をしているという想いが、昂ぶらせてゆく。  
 
菊の門と形容されるその中は、前のそれとは違う奥行きを感じさせる。  
(駄目だ。すぐにイク・・・)  
スレインは焦った。禁断の領域を犯している感動が、そして、強烈な緊迫感  
が、リミットを早めている。もっと味わいたい、堪能したい。だが、乱暴に  
しては意味がない。ここまで外道な行為をしておいてなんだが、結局彼女は  
受け入れてくれた。ここまでは計算どおり。だが、ここで自分だけ良くなっ  
ても、次がない。ここでアネットを良くさせておかないと、同じことをさせ  
てはくれないだろう。それでは意味がない。  
「やぁ!スレイン、もうダメ、だめなの!!」  
「俺も、もう・・・」  
身体は正直だった。鋭い突きと共に中が収縮する。  
千切られる。本気でそう思った。  
ドクンドクンと放出し果てた。  
「ああ、熱い、熱いよ・・・」  
「アネット・・・」  
脱力したスレインは、アネットの背中にのしかかった。  
 
 
その日その夜のこと・・・  
 
「それで、どないなったんや?」  
風の精霊使いが訊く。  
「斬られそうになった」  
言葉短かに答える元闇の精霊使い。  
「まあ、アネットはんならそうくるわな、せやろリーダー?」  
「まあね・・・」  
だからこそ筋力弛緩剤など使ったのだが。効き目が切れるのが予想より  
速かった。束縛を解いた後、本当に斬られそうになった。常時なら分身  
殺法で幻惑し反撃するのだが、情事の後でそんな動きができるはずもなく。  
そもそも、あの状態から一太刀繰り出すための力を振り絞るとは、やはり  
只者ではない。もっとも、その一太刀の後はガクンと力が抜けたのだが。  
「で、またやるんか?」  
「ああ、やる」  
後悔はすれど反省はしない男、スレイン・ウェルダー。  
彼がその後、『後ろ』を許してもらえたかどうか、知る者はいない。  
 
                       終われ  
 
 
 
 

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