(〜110分前〜)  
「すみません、遅くなりました」  
 緑髪の女性、ケルンは大きな盆に山ほどのツマミとボトルを載せた状態で部屋に戻ってきた。  
「遅かったな。待ちくたびれたぞ」  
 カーマインの正面に座ってた赤髪の女性、ベーレンはすっと立ち上がりケルンの盆からボトルを二本取る。  
「ベーレンさん」  
「……分かった。ツヴェ、ミラ。お前達も飲め」  
 ケルンが盆を持ったまま小指で盆の底をトントンと叩くと、ベーレンはテーブルにボトルを置いた後、髪をさっと指でかき上げる。  
「わかりましたお姉様。ささっ、ご主人様も」  
 青髪の少女、ツヴェは素早くボトルを取り、カーマインのコップに琥珀色の液体を注ぎ込む。  
「ああ、ありがとう……ん?」  
「ご主人様、このお酒美味しいでしょ?アルコールは薄いけど、まったり甘くて美味しいんだよ。ぷはー」  
 半分ほど飲んだ後首をかしげたカーマインを横目に、桃髪の少女、ミラは別のボトルから同じく琥珀色の液体をコップに注ぎ込み、ぐいっと一気に飲み干した。  
「もう、ミラったら。ささ、カーマインさんももう一杯どうぞ」  
 ケルンはミラを横目に見て苦笑し、カーマインのコップに再び琥珀色の液体を注ぎ込む。  
「ああ。うん、確かに飲みやすいな」  
「どんどん飲んでくださいね。食べ物も持ってきましたし、みんなで騒いじゃいましょう!あっ、アプリはこっちね」  
「…………ベーレンさん?」  
 ツヴェが金髪の女の子、アプリが持っているコップにまた違うボトルからオレンジ色の液体を注ぐが、アプリは眉をひそめベーレンを見上げる。  
「アプリ、何も気にする事はない」  
 ベーレンはそう言ってアプリの髪を撫でると、アプリは黙って頷いた。  
 
(〜80分前〜)  
「……ヒック」  
「どうですか、気持ちいいですか?」  
 頬を赤くし、ぼんやりと辺りを見回した後頷いたカーマインの身体を支えるように抱き留め、ベーレンは囁く……実はカーマインが飲んでいる酒と、女達が飲んでいる酒は濃さが大幅に違う。同じ色で甘くてのみ易いが、カーマインが飲んでいる酒はかなり強いのだ。  
 自分達が飲んだ後のついでに、またカーマインの視線をコップから外した時を狙ったり、とにかく狙ってどんどん飲ませていった。それでありながら相手が泥酔したり倒れたりしないようペースはきっちり守り、また食べ物も口に入れさせる。  
 酒に対してザルだったり、またの見慣れてペースを自分でしっかり取っている相手には上手く行かない方法だが、どうやらカーマインはそのどちらでもないようだ。元よりカーマインの性格からして、勧められたら強く断ったりはできないだろうが。  
「よかった。私たちもご主人様と一緒にいれて気持ちいいですよ」  
 下着姿になっているケルンはぎゅっと頭を挟むように後ろから抱き付いている。  
「だから、ご主人様ももっと気持ちよくなってくださいね」  
 カーマインの指に舌を這わすツヴェ。こちらはすでにブラジャーも取りその胸で手を支えている。  
「……そうか、ありがとう」  
「えへへー」  
 ぎゅっと抱きしめられたミラははにかんだ笑みを浮かべながら、カーマインの胸を薄いインナー越しにぺろぺろ舐める。  
 
「…………」  
 そんな光景をベッドから離れた場所でアプリが見ていた。酔いによってカーマインが緩み女達が奉仕を始めてから、アプリはカーマインの膝の上から離れじっと観察している。  
「ご主人様、もっと飲みましょ〜」  
「そうだな……ん、コップは?」  
「いらないですよー。こうやって……」  
 ミラはボトルを掴み口をつけ、ぐいっとして頬を少し膨らませた後口を離した。  
「んん〜♪」  
「……そうか」  
 目を瞑って顔を前に出すミラに、カーマインはフッと笑みを浮かべる。周りにいた女性達は奉仕をしてそれを見てはいなかったが――  
「…………!?」  
 ビクリと、その眼を見たアプリだけが震えた。  
「では、いただこう」  
 カーマインはそっと口を重ねる。  
「んっ、んんっ。ちゅっ、あむっ」  
 ミラは薄目を開けながら口に入れていた酒を少しずつカーマインの口に移しながら舌を動かし――  
「……んんっ!?んはぷっ、んんんんっ!んちゅ、んんっ……」  
 しばらくして急に目を見開いた後白黒させて――  
「んっ……んっ……ぱはっ……あ……」  
 口が離れた後、そのままベッドに仰向けに倒れた。  
「ごちそうさま」  
「うわぁ……ご主人様、キス上手いんですね。ミラ、ああ気持ちよさそうにしているの初めてみました」  
 まるで初心な少女のようなミラの反応に内心驚きながら、ツヴェはミラが口にしたボトルを持ち、くいっと中身を口に入れた。  
 
(〜60分前〜)  
「ぷはぁ……ああ……ご主人様ぁ。んんっ!ぁあっ!」  
「気持ち……いいか?」  
 口移しのキスをねっとりした後、ケルンの内股を撫でるカーマイン。その足元にはぐったりとベーレンがうつ伏せに倒れている。  
「どこで……んあっ、こんな凄いマッサージを、あふっ」  
「疲れを取るマッサージと……小さい頃からやって……」  
 明らかに疲れを取る目的とは逸脱した手の動きをしているが、カーマインはそれ以上言わずに首筋に息を吹きかける。  
「きゃうん!だ、駄目です……ツヴェ、ミラ。お願い、もう先にっ、んんっ進めっ、てぇ……」  
「わっ……分かり、ましたケルン、お姉様ぁ」  
「うんっ、では……ご主人様、失礼しますぅ」  
 カーマインがベーレンを相手にしている間に復活したツヴェとミラ。二人はカーマインの両膝の上に乗った後、カーマインのズボンのベルトを取り、ミラがジジジとファスナーを下ろす。  
「け、結構大きいよ……」  
「そっ、そうね。ミラ、ちゃんと全部取っちゃわないと」  
 続いてツヴェがパンツを下ろし……  
 
「ごッ、ご主人様ぁ。私、もうっ、もうっ……!」  
「「…………」」  
 ケルンは上り詰めるかのように声を上げ、ツヴェとミラはぎゅっと口をつぐむ。  
「こっ、これ……」  
 そり立つ肉の棒。ツヴェもミラも男の性器を数えるのも億劫なほど見てきたし、その中でこれより太くて長いものも一度や二度見たことはある。  
「……凄い」  
 ミラが喉を鳴らして思わず呟いたほど、それには凄味があった。触れてもいないのにそれが途轍もなく硬く、そして熱いモノだとわかってしまう。見ているだけで、我慢の利かない犬が涎をたらすかのようにはしたなく愛液が垂れてくる。  
「ケルン」  
 カーマインは両腕をケルンの脇の下に通し、くいっと持ち上げる。そして、惚けていたミラとツヴェを足を使って器用に退かせた後、自分の正面までケルンを持っていき、  
「ああっ……どうして止めるの、ご主人さっ――まぁあああああっっ!!」  
 ストンと、腰の上に下ろし、己の男根で串刺しにした。  
 
(〜40分前〜)  
「いやっ、いやぁ、とまらなっ、あんっいくのとまらぁ、あああっ!」  
 ツヴェは対面座位の状態で、突き上げられる肉棒によってなすがまま蹂躙されている。  
「そろそろ一発出す」  
 カーマインはただそれだけ言ってツヴェの首に口をつけ、さらに激しく腰を動かしていく。  
「だっ、駄目ぇ!今ださっ、はふぁ、あっあっあっあっ、こ、壊れっ、んんっ!」  
 首を激しく振りながらも、その手足はぎゅっとカーマインの身体に巻きつき、合わせるかのように腰を捻らせる。  
「だっ、あっ、だぁ、だしっ、でてっ、い、ぁ、あっ、ああああっ、ああぁぁあああっ!!」  
「ご主人様……ツヴェお姉様に、出してる……」  
 どくどくと、まるで数十のボトルをいっせいに一つのコップにめがけ傾ける。何故かそのような光景を脳裏に浮かべ、ミラは呆然と射精をしているカーマインといきながらも膣内に注ぎ込まれているツヴェを見ている。  
「……一週間ぶりか」  
 カーマインが肉棒を引き抜きツヴェから手を離すと、ふらりとツヴェはベッドに倒れて、ビクビクと身体をしばらく震わせた後、ぐったりと脱力し動かなくなる。  
「さて……」  
「ひっ!?……えっ!?」  
 眼が合ったミラは逃げようとベッドから這い出ようとするが、いつの間にか正面から抱きしめられている自分がいた。  
「次は君だな」  
「ごッ、ご主人様?わっ、私胸はちょっと小さいですけど、くっ、口とか、手とか、色々奉仕を……ひうっ!?」  
「俺は、膣がいい」  
 腰を掴み、一気に根元まで押し入れた。  
「あつっ、あついっ、つあっ、あついですぅ!」  
「そうか、君の中も、熱くて、どろどろで、気持ちいい」  
 
(〜20分前〜)  
「ご主人さまっ、ああっ、んんっ、いいですっ、きもちっ、よすぎでっ」  
 ケルンが目を覚ました時、ベーレンは騎乗位で腰を振りながら膣内に精を出されている最中だった。そして、すぐさま乗っていたベーレンを退け、倒れたままのケルンの腰を掴んで挿入をしてきたのだった。  
「私達にっ、さんかっ、いいっ、してるのっ、にっ」  
 ケルンの視界にはベーレンだけでなく仰向けに大きく股を開いたままのツヴェが、うつ伏せに尻を突き上げたままのミラが、どちらも秘所に精液を垂らした姿で倒れている。  
 半時間ほどしか経っていないのに関わらず、仲間の3人が意識を失い、そして肉棒は初めに貫かれた時と同じ硬さをもってケルンの膣内を擦り上げていく。  
 挿入だけではない。カーマインの指が、舌が、息が、ケルンの体を攻め立て、更に気持ちよくなっていく。  
「くっ、くださいっ、ご主人様のっ、くださっ、いああっ」  
「何が欲しい?」  
「他の娘達と同じにっ、ナカっ、にいっ!膣内っ、たっぷり、だしてぇ!はやくぅ、はやくだしてぇ!」  
 
(〜15分前〜)  
「…………」  
 ツヴェが、ミラが、ベーレンが、そしてケルンが倒れ動かなくなるのをじっと、部屋の端で呆然とアプリは見ていた。  
「…………」  
 客と同じ部屋に入ったのは初めてだったが、それまで何度か特殊ガラス越しに彼女と客の行為を見たことがある。そこでは彼女達は感じながらも客を攻め立て、制限時間の半分を過ぎる頃には起たなくなるまで精を吐き出させて満足させていた。  
「ふぅ」  
 動かなくなったケルンの緑髪を撫でるカーマイン。30分とい短い時間で4回白濁液を吐き出し、精液と愛液で汁まみれになったその肉棒は、しかし鉄の芯でも入っているかのように直立したままだ。  
「…………?」  
 ふと両手の指に湿り気を感じ、顔の前に手を持ってくると……どちらも濡れていた。右手は上の口の液によって、左手は下の口の液によって。  
「アプリ」  
「…………っ!?」  
 呼ばれて見上げると、そこには姿を現してからずっと見つめていた肉棒があった。  
「アプリ……」  
 驚いて固まっている間にカーマインに抱き上げられる。  
「…………んんっ……くんっ……あんっ」  
 カーマインの指がスカートの中に潜り、下着越しに濡れた秘所を指でつついてくる。  
「まだ、滾りが収まらない。だから」  
 手を止め、じっと正面から見つめて、そして……  
「君を抱かせてくれ」  
「…………」  
 その言葉に、アプリはただ小さく頷いた。  
 
 
「うっ、あ、はあ、あっ、んんんんんっ……!」  
 ドアを開けたルイセの目に写ったのは、カーマインと、その上に後ろ向きで大股開きで座っている幼い女の子、アプリの姿。  
「…………」  
 捲り上げられたアプリのスカートの奥では幼い秘所が肉棒によって貫かれ、その隙間から赤い処女血と透明な愛液、そして……どろりとした白い精液が混じりあい、床に垂れ落ちていく。  
「…………うん♪殺す」  
 ルイセの小さな呟きを聞いてウォレスは逃げた。本気で逃げた。あまりにも本気すぎて、階段から転げ落ちてしまったが。  
「ソウルフォース、グォレン――!」  
「ルイセ」  
 必滅の攻撃魔法を五発(殺傷力:インペリアルナイト2.5人分)叩きつけようとしたルイセは、しかしカーマインの声を聞いて発動を中断する。  
「なあに、お兄ちゃん?」  
「こっちに、おいで」  
 意識を朦朧とさせもたれかかっているアプリの秘所から肉棒を抜き、ベッドに横たえると、カーマインは妖艶な笑みを浮かべルイセを手招きした。  
「うん!」  
 ホワホワとした笑顔を見せ、ルイセは全裸姿のカーマインの側に駆け寄る。  
「あっ、お兄ちゃんのおちんちん……まだこんなに元気なんだね」  
 うっとりとした表情でそっと肉棒に手を伸ばすルイセ。ちなみに内心では『まあ、金や性欲で股を開くビッチ達じゃお兄ちゃんを満足させれるわけないんだけどね』とか考えているがそれは兎も角。  
「じゃあまず、綺麗にしてあげるね。ちゅっ、んん……」  
 肉棒に顔を寄せ、亀頭に口づけするルイセ。  
「お兄ちゃんのニオイ……ぺろ、お兄ちゃんの味……お兄ちゃんの硬さ……お兄ちゃんの熱さ、んあっ、ちゅ」  
 優しく、愛しく、丁寧にルイセはカーマインの肉棒に奉仕を続ける。付いていた汁を全て舐め取り、代わりに自分の唾液を余すことなく塗していく。  
「どう……かな?」  
「ああ、気持ちいい」  
 上目遣いで尋ねてくるルイセの頭を、カーマインは優しく撫でる。  
「えへへ、良かった。それじゃあ、お兄ちゃん……」  
 ルイセは一度肉棒から手を離した後立ち上がり、片足を上げするっとショーツを脱ぎ捨てる。  
「一緒に気持ちよく、なろ?」  
 そう言って、ごく自然な動きでカーマインの上に跨った。  
「んっ。んあっ、、ふかっ……あ……っ、あっ……」  
 腰をぐいっと下ろし、最愛の兄の肉棒を己の雌穴に埋没させていく。  
「んはぁ……お兄ちゃんの、ふぁ、さいこ、うんんっ。お腹、いっぱいに、いっ、なっちゃっ、あはぁ」  
 対面座位の状態で、ルイセは両腕をカーマインの頭の後ろに回し、腰をユサユサ動かしていく。  
「ルイセ……」  
「お兄ちゃん、お兄ちゃん、お兄ちゃん……んっ」  
 
 そっと口を重ねる。強く押し付けるわけでも、舌を入れるわけでもない。ただ唇の表面を味わうかのような軽い、しかしねっとりとした濃厚なキス。  
「ひゃ、あっ、イクっ、ごめんなさいっ、もう、わたひっ、もた、なひぃ」  
「そう、か。俺も、早くルイセの中に出したい」  
 カーマインは突き上げるように腰を動かし、互いを絶頂に追い込んでいく。  
「だしてぇ。お兄ちゃんのっ、どろどろっ、あついのっ、私の中にっ、満たし……てっ」  
「ルイセ……くっ」  
「いくっ、あっ、あぁっ!つっ、ひああぁぁあっ!!」  
 どくどくと、カーマインの肉棒から放出された精液がルイセの膣に注がれていく。  
「あっ、はっ、あ……お兄ちゃんの、せーえき……私の、ナカ……悦ん、でる……」  
 目の端に涙を溜め、口から涎を垂らしながら、ルイセはぐいぐいと腰を押し付け肉棒をしめ続ける。  
「ルイセ……」  
「いやぁ……抜いちゃ、ダメぇ。もっと、お兄ちゃんの、注いでぇ……会えなかった二か月分、私を、満たしてぇ。私を、愛してよぉお兄ちゃ、んんっ」  
 
「リビエラ……こうなったら貴女だけが頼――」  
「姉さんは私に瞬殺すら生ぬるい状態になるか、精液漬けになるかどちらか選べってこと?」  
 
「元気になって何よりです」  
 あれから4日後、ティピちゃん王国の中庭には戻ってきたカーマインと、そしてサンドラがいた。  
「ああ、母さんにも迷惑をかけた。もう大丈夫だ」  
「そうですか。それにしてもカーマイン……ずいぶんすっきりしてきたのですね。聞くところによると、ずいぶん若く可愛い女の子達と愉しんできたとか?」  
 紅茶を飲み干し、サンドラは嫉妬が混じった視線でカーマインを睨む。  
「そうだな。彼女達にも礼を言っておかないとな。寝ている間に帰ってしまったから、きちんと別れも言っていない」  
 あの後ルイセが気を失うまで抱いた後、意識が戻った女達を抱いていき、最後には六人まとめて抱いたカーマイン。最後には娼館にいた女達は全員寝入ってしまい、その後ルイセにせがまれるように風呂に入り、そのまま帰ったのだ。  
「そのような事はしなくて結構!くっ……こうなるのだったら、それまでに裸でベッドに潜り込むなどして誘惑しておくべきでした」  
 悔しそうに、歯軋りをするほど本気で悔しそうにサンドラは呟く。  
「そう言えば、ウォレスはまだ帰っていないのか?」  
「ローザリアには戻っているようですね。ウォレスとはたっぷり今回の件に関して『お話』をしたいので、ルイセにも探させているのですが。そう、たっぷりと話をしておかなければ」  
 テーブルの下でサンドラはカーマインに見えないよう、右手の親指を下に向ける。まあ、ウォレスもわかっているので、会わないよう逃げているわけだが。  
「失礼しますカーマイン様、それにサンドラ様」  
 そう言ってやってきたのはティピちゃん王国の管理を任せられている中年の男。  
「どうした?」  
「女性が五人ほど、ここで雇って欲しいと来ているのですが」  
「わかった。母さん、しばらくここでゆっくりしてくれ」  
「ちょ、ちょっと待ちなさいカーマイン!私も行きます」  
 席を立ち屋敷に向かって歩くカーマイン、サンドラは慌てて追いかけていった。  
 

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