トロックメアから西にしばらく行った、人里離れた場所にある収容所。  
 そこでは今、ルイン・チャイルド達が軍によって強制的に集められ、その能力  
の解明研究という名目の下、いわれのない拷問にかけられていた。  
 体力の限界までの痛めつけ、無数の針による脳への直接刺激、怪しい薬物の大  
量投与──情け容赦ない研究員達が実行する、非人道的なまでの人体実験──  
 おぞましくむごたらしい所業の数々により、絶叫・悲鳴・呻き声・嗚咽・すす  
り泣き・断末魔──血も凍るような声が昼夜の区別無く沸き上がる。  
「彼らは所詮、本当のデュルクハイム人ではない。この研究に尊い犠牲を捧げて  
もらうことこそが真の国民への道なのだ」  
 研究員達も初めは普通の研究方法を採っていたのだが、思うように成果が上が  
らず、段々と実験の過激性が増していき、それはいつしか常軌を逸すまでになっ  
たのである。  
 ただいたずらに過ぎゆくだけの時間に、徐々に不安と焦燥に蝕まれていった研  
究員達。その抑圧されたストレスのはけ口が女性の囚人達となったのはいつの頃  
からか……。  
 ルイン・チャイルドの女囚たちに襲いかかった欲望の魔の手は、一度始まると  
もう止まらなかった。看守や警備兵も加わり、やがて──  
 収容所全体が狂気の淫獄と化した。  
 
 
 フレーネだけは独房に入れられ、ベッドで眠ることを許されていた。それだけ  
彼女の人気は高かったのだ。  
 しかし、フレーネには喜びなどまったくなかった。すべてを諦めつつあった。  
無気力になっていく自分を感じてはいたが、どうしようもなかった。  
 少女を連れに現れるのはいつも、この収容所の所長か警備主任である。  
 毎朝、胸や股間をまさぐられる感触で意識が目覚めても驚くことはなくなった。  
入ってくる時のドアの軋む音で目が覚めることもあった。しかし、そんな時でも  
動かず、されるがままにじっとしている。  
 今朝もまた同じだった。  
(ああ……今日もまた始まるのね……)  
 薄目を開けて見ると、脂ぎった中年男性の顔が見えた。警備主任であった。ギ  
ラギラと好色に輝く目。フレーネに覆い被さり、囚人服の中に手を入れて少女の  
からだを撫でさすっていた。  
 フレーネは声など上げたくないのだが、警備主任はフレーネの弱いところをす  
でに熟知している。ねちねちと手の平や指先で責められると、しばらくもたたな  
いうちに、  
「ん……ん……」  
 その可愛らしい唇から甘ったるい吐息が漏れはじめる。  
 警備主任もフレーネが寝たふりをしていることなどとっくに気付いている。度  
重なる陵辱の日々に、少女はもうすっかり敏感なからだに変わっている。からだ  
を触られると体温の上昇が早い。それでもじっと耐えるフレーネの態度は、むし  
ろ倒錯的な喜びを与えた。眠った子にいたずらするような感覚であった。  
「くっくっく……こうして毎朝優しく起こしてやっている幸せを噛みしめるんだ  
な……」  
 幸せ? こうして毎日男達の慰みものになるのが幸せ……? フレーネはぼん  
やりと考えた。最近、思考能力が衰えたような気がする。もやがかかったみたい  
にうまく考えがまとまらない。本当の幸せって何だろう……。  
 
 警備主任は自分の衣服を気ぜわしく脱いで素っ裸になる。でっぷりと太った腹  
と醜悪な形の赤黒いイチモツ。フレーネが寝たふりをするのは、そんな醜い肉体  
を見たくないからという理由もある。  
 温かくなったベッドの中に警備主任は体をすべり込ませた。フレーネを仰向け  
にすると、彼女がまとうものにも手をかけ、剥ぎ取っていく。下着まで手慣れた  
ように脱がされ、あっという間に裸にされるフレーネ。美乳といっていい見事な  
バスト、くびれた腰、豊かな尻肉──。辱められ続けたフレーネのからだは、元  
々からして垂涎するほどのプロポーションだったが、数え切れないほどの男の精  
と肉体的歓喜を否応なしにうけた結果、それを養分としてむしゃぶりつきたくな  
るような色香の薫る肢体に変えられていた。  
 淫猥な笑みを浮かべながら感嘆のため息をつく男。  
「ふふふ……何度も見ても飽きない良い体つきだ……」  
 男の生ぬるい体温が間近に感じられたが、それでもフレーネは顔を横に背け目  
をつぶったまま、寝たふりを続けた。  
 警備主任はフレーネの乳房にむしゃぶりついた。  
「ん……んん……!」  
 本人の意思とは関係なく、快感に上擦った声が漏れる。  
 張りつやのある胸の淫肉を舐め、口に含んで味わい、また思うがままに揉んで  
瑞々しい弾力を楽しむ。  
「随分と男を誘う体になったな、この淫乱娘め」  
 恥ずかしい言葉で責められ、フレーネの結ばれた唇が羞恥にわななく。  
(違う……私はそんな淫乱じゃない……)  
 しかし、そんな思いとは裏腹に、  
「ん……はあ……はあん……」  
と、フレーネの息は段々と弾んできた。肌も桜色に染まりはじめていた。  
 
(あ……あぁ……)  
 諦めに包まれた心に悲しみの痛みが湧いてくる。無感動になりつつあるため、  
鈍くしか痛まないのがせめてもの救いだった。これ以上悲しい気持ちにはなりた  
くなかった。だから、抑えきれなくなった快楽も大人しく受容する。抗ったとこ  
ろで無駄だった。現状を受け入れる──それがどんなに淫惨な目であっても──  
そう考えるしか精神を保つ道はなかった。  
 警備主任の手が両足の付け根に伸びた。一番熱く潤みだしている場所。幾多の  
男を迎え入れ、とろけるほど柔らかくほぐされた肉腔であったが、まだ生娘のよ  
うに綺麗だった。看守で特殊な性癖(とはいえ、今の収容所では珍しい存在でも  
なくなってきたが)を持つ男がいて、浴場で女囚を一列に並べて股を広げさせ、  
彼女たちのアソコを襞の一本まで念入りに洗うのが仕事だった。そのため皆揃っ  
て陰毛を剃られている。数少ない休息の場であるお風呂でも股を広げ、屈辱にま  
みれながら望まぬ快感を耐えなくてはいけない女囚達。しかもフレーネはここで  
も特別に一人で入浴するため、一番執拗に洗われるのだった。恥辱で泣き濡れる  
フレーネの股を大きく開かせながら、男はクスコを使って少女の奥までパックリ  
と開いて覗き込み、内なる花園から溢れでてくる透明な蜜を夢中で吸い、悦に浸  
るのだ。そんな淫辱を受けるのが一日最後の務めだった。  
 警備主任の指が秘裂を割り、中に押し入った。ぷっくりと小さく膨らんだクリ  
トリスをそっと擦る。それで充分だった。  
「ああっ!」  
 ぞくぞくと体内を走った甘い疼きに、大きな声があがる。  
「おおっと、お目覚めかな?」  
 ニタニタと笑う警備主任。  
 フレーネはキュッと唇を噛み、これが精一杯の抵抗というように再び横を向い  
た。  
「くっくっく、まだ強情さが残ってるようだな、感心感心。だが、それがいつま  
で続くかな?」  
 警備主任はさらに陰核を弄ぶ。そのたびにフレーネのからだはぴくぴくと反応  
し、「ん……ん……!」自分の指を甘噛みして声が漏れるのを必死に堪えた。そ  
れでもまだ目は瞑ったままだった。  
 
 警備主任は媚肉に埋める指の数を増やした。二本になった指が面白いぐらいに  
色んな方向に曲がり蠢く。女のからだを知り尽くした動きだった。  
「──ん……んん……あ……! ああ……!」  
 フレーネのからだ中にとろけるような痺れが走り、我慢しようとも、どうして  
も声が漏れてしまう。若く健康な肉体は沸き起る欲望に正直だった。どんなに我  
慢しようとしても熱く火照っていくばかりだった。  
「だ、だめぇ……!」  
 盛り上がってきためくるめく官能の波に抗いきれないフレーネの口から、つい  
に言葉が紡ぎ出された。寝たふりをやめ、自分の大事な部分に侵入してくる男の  
腕を弱々しく押しのけようとする。が、びくともしなかった。快感を享受しはじ  
めたからだからは力が抜けていたのだ。からだを折り曲げ、男をさらに昂ぶらせ  
るしなを作っただけだった。  
「ふははは、たまらないぞ、その姿態。ますます性欲が湧いてくる」  
「ゆ、許してください……もう……」  
「何を言うか。まだ始めたばかりだぞ。それに何だ、こんなに締めつけてくるで  
はないか……!」  
 フレーネの秘肉は毎日のように弄ばれているというのに、若々しい締まりを全  
く失ってなかった。それどころか、男に貫かれる度に名器に育っていく感もある。  
今もまた、差し込まれた二本の指をきつく締めつけて離さなかった。  
「やはりお前は相当な淫乱のようだな!」  
「違う……違うの……! 私淫乱なんかじゃない……!」涙を溜めて首を振るフ  
レーネ。  
「何が違うか、それ!」  
 警備主任は手を細かく振動させてGスポットを責めたてる。  
「はああんっ!」  
 敏感な所を刺激され、フレーネの背筋がピンとこわばる。頬にパアッと淫色が  
開花し、思わず口端が緩んでしまった。  
「あはあ……だ、だめぇ……そこは……イヤァ……」  
 抵抗の意思はもう青色吐息であった。  
 
「それ、それ!──おおなんだこの中から溢れ出てくる汁は? これでもお前は  
自分が淫乱ではないと言い張るのか?」  
 警備主任は指を引き抜き、うっすらと糸を引いてまとわりつく透明な液体をフ  
レーネに見せつけた。  
「見ろ!」  
 視線を逸らそうとするフレーネに命令する。少女は嫌々、目の前でちらつく指  
に目を合わせた。指の付け根までネトネトとした淫液で濡れていた。そのはした  
なさに、  
(いや、恥ずかしい──)  
と、羞恥に赤く染まる頬。  
「どうだ、お前の中はもうすっかり濡れ濡れだぞ、ん? そら、舐めてみろ!」  
 警備主任はフレーネの口へ無理矢理に指を入れた。  
「んんん……!」  
 諦めて口内に侵入してきた指をぺろぺろと舐めるフレーネ。  
「どうだ美味いか? 自分の蜜の味は?」  
「ふぁ、ふぁい……美味しいです……」  
「なんだと!」  
 わざとらしく大きな声を張り上げる警備主任。  
 フレーネはビクリと震えた。哀れな目つきになり、恐ろしい形相になった男を  
見上げる。  
 それがまた堪らなく劣情を煽るのだが、恐い顔を作ったまま警備主任は続けて  
言った。  
「ついに白状したな、このいやらしい女め! 自分の中から出した恥ずかしい汁  
が美味いだと? 破廉恥極まりない! うんと罰を与えんといかんな!」  
「ば、罰は嫌です……許してください……」  
 涙目でそう訴えるフレーネ。理不尽な演技と分かっていても、いつ気が変わっ  
て本当に罰を与えられるか分からないのだ。  
 だが、彼女の哀願は聞き入れられなかった。  
 
 警備主任の指は再び熱く熟れた媚肉を割り、フレーネのヴァギナをさらに激し  
くかき混ぜはじめた。三本に増えていた。  
「こうしてやる! こうしてやる! こうだ! ここがいやなのか? いやなの  
かあ〜〜ん〜んんん〜〜〜!?」  
「はうんっ! はあっ! うう……うああっ、あああん……! そ、そこイ、イ  
ヤァ……ァアア……!」  
 弱い部分を死にそうなほど責めたてられ、激しすぎるほどの官能に苦しげにか  
らだを悶えさせるフレーネ。強すぎる快感を受け続ければ苦痛と変わらなくなる。  
これも罰といえば罰かもしれない。  
「イヤァッ……あうう……は、激しすぎます……許してぇ……!」  
「ハハハハハ! どうだ思い知ったか! この卑しい売女め!」  
「許して、許してください……はああ……ああ……!」  
 さんざんに弄ばれ、快楽と恥辱にフレーネの身も心もメチャメチャにかき回さ  
れる。  
(もう……もういやぁ……!)  
 フレーネの心が張り裂け、悲しみの実感が沸き上がってきた。意識の下層では  
奔流のように渦巻いた負の感情。  
 だが同時に、からだの奥からもっと大きな熱い感覚──オルガズムが押し寄せ  
てきていた。  
 フレーネはそちらにすがりついた。  
「ダメ……ダメ……ハアアアン──ッ!!」  
 抑えようもなく襲ってきた快楽の大波に抗う術なく翻弄される少女。  
「それ、この淫乱娘め! こうか、こうか!? 今の自分の顔を見てみろ、この世  
で一番スケベな表情をしてるぞ! この娼婦め! 男狂いめ! さあ、私の指で  
あさましくイッてしまえ!」  
 ジュポッ! ジュポッ! と、音がたつぐらいに指が出し入れされる。  
 そして、その刹那がついにやってきた。  
 
 フレーネの官能は最高潮に達し、キュウウッと膣がすぼまった。  
 真っ白になるフレーネの頭の中。  
「──ッッッ!!!!」  
 
 絶頂。  
 からだが弓なりにしなる。  
 
「──あ──あ──あ──」  
 
 目の焦点を消失し、ガクガクと痙攣するフレーネ。  
 快感にとろけた表情のまま、いつまでも醒めやらぬオルガズム。  
 すると、その尿道から、  
 
 シャアアアアー──  
 
と、大量の潮が吹き出した。  
「うはは、潮吹きだ!」  
 警備主任は得意げに高笑いした。  
 
 
「あ──あ──」   
(また──イッちゃった……)  
 オルガズムに浸るこの時間は嫌いではなかった。全ての嫌な事が一時でも忘れ  
られる。すがりつくことのできる数少ないわずかな救い──  
 熱狂が去ると、にじみ出していた悲しみもまた引いていった。残ったのはまた、  
絶望によって磨り減った弱々しい意識の荒野だけだった。  
 そんな心の中に──罪悪感と共に思い起こされるある人物の姿。  
(あの人……今どうしてるかな……)  
 同じ収容所にいるとはつゆとも知らなかいフレーネ。違う房にいる囚人同士の  
接触はあまりないのだ。  
 だから、その人物は遠く遠く感じられた。希望の届かない壁の向こうに。  
(もう……私……穢れちゃった……ごめんなさい、クレヴァニール……)  
 フレーネは疲れて眠るように目を閉じた──  
                                (続く)  

Gポイントポイ活 Amazon Yahoo 楽天

無料ホームページ 楽天モバイル[UNLIMITが今なら1円] 海外格安航空券 海外旅行保険が無料!