「っあん!・・・ねぇ・・駄目っ・・こんな日の高い内に・・!」  
 熱を持った慕白の唇が、部屋で用事をしていた秀蓮を襲う。  
夫婦の契りを結び、晴れて一緒になれた二人だったが、秀蓮は慕白の節操のなさにいささか困惑していた。  
昼も夜もなしに求められ、けして悪い気はしないのだが、物には節度が有る。  
「ねぇっ・・・お願いよ・・・・んっ・・・・」  
 あくまで夫の顔を立て甘い声で懇願してみる。  
だが、そうこうしているうちに、秀蓮の服はしどけなく乱されていた。  
「君を見てるとすぐに欲しくなる」  
 立ったまま後ろから抱きしめられ、耳元で囁かれると、秀蓮の抵抗の意思はどんどん弱くなる。  
結局はいつも慕白の言いなり、好きなようにされてしまうのだ。  
秀蓮は自分のお尻に押しつけられる硬い感触に、抵抗するのを諦めざるを得なくなる。  
慕白は乱れた袍(パオ)の隙間から剥き出しの肌を楽しみ、  
邪魔な下着を引き下げると、尖った胸も露わになった。  
厚みのある慕白の左手が、優しく乳首を撫でさする。  
反対の左手は、先ほどからずっと下履きの中で割れ目を探り、今や溢れ出た蜜でびっしょりだった。  
「ねぇ・・・・立ってられないわ・・」  
 今にも泣きだしそうな声音で秀蓮が囁く。  
「ちょっと待っていなさい」  
 そう言って慕白は、秀蓮の下履きを下着ごと脱がせ、自分もそれに倣う。  
長袍の裾をまくり上げると、茶卓の脇にあった椅子にゆっくりと腰かけた。  
「さぁ、おいで」  
 そう言う慕白の脚の間で、天を仰ぐ一物が秀蓮を威嚇している。   
彼女の筋肉質なのに頼りないほど細く見える脚が、明らかに困惑していた。  
慕白は気にする様子もなく、秀蓮の腕を引っ張ると、後ろ向きのまま自分の上に座らせる。  
もちろんその怒張は、濡れそぼった秀蓮の蜜壷の中に有無を言わさず潜り込んでいった。  
「あぁあぁっ!・・」  
 熱く火照った中心を引き裂かれるような快感に、秀蓮は早くも流されてゆく。  
慕白が開け放った扉の向こうを見ていることに、気付きもしなかった。  
 
「もっと気持ち良くしてあげよう」  
 そう言って秀蓮の両足を、子どもに小用をさせるような感じで抱え上げると、すくっと立ち上がった。  
「あんっ!」  
 軽々と秀蓮を持ち上げたまま、慕白は下から腰を突き上げる。  
秀蓮はふわっと持ち上がったと思ったら、自分の重みで突き刺さるような快感に  
何も考えられなくなっていた。  
だが、慕白が薄暗い部屋から中庭の見える廊下にでると、日差しの眩しさにようやっと我に帰った。  
「何をするの?!・・・早く部屋に戻って頂戴」  
 ここからだと誰に見られるか分からない。  
そんなことになれば、この家での面目は丸潰れだ。  
だが慕白は秀蓮の言う事を聞く訳もなく、欄干に彼女の脚を引っ掛けると、猛烈に突き上げてきた。  
「誰もきやしないさ」  
「でもっ」  
「見られて減るものでもない」  
 秀蓮は『威厳が減るわよ』と思ったが、体の快楽が今にも理性を凌駕しようとしていた。  
   
――――ぎぃーーーーーーーーー  
 
 と、その時、二人の耳には残り少ない理性でもよく分かる、扉の軋む音が聞こえた。  
見たくない、はっきり言って何も見たくない。  
だがそんな訳にもいかず、秀蓮は一寸一寸視線を下げ、そこに誰も居ない事を確認しようとした。  
「・・・・姐姐・・・・」  
 しかし世は無情、そこには口をぽかんと開け放ち、瞬き一つも忘れ去った嬌龍が立っていた。  
庭先から嬌龍は見つめる。  
敬愛する姐姐の痛そうなほどに立ち上がった小さな乳首や、  
たくましい怒張をくわえ込み、溢れだした蜜で滑り輝く陰唇を。  
剥き出しの陰部なのに、揺れる脚の先には靴と靴下だけは、きっちりと履かされていた。  
 
「姐姐・・・ねぇ、気にしないで。誰にも言いはしないわよ」  
 嬌龍は先ほどから茶卓につっぷしたままぴくりとも動かない秀蓮に、とにかく声を掛け続けていた。  
慕白はほとぼりが醒めるまでどこかへ消えてしまったようで、姿どころか影すら見えない。  
「もう夫婦なんだし、私が裏口から来たのがいけなかったのよ」  
 未だになんとなく裏口から入ってしまう。  
嬌龍は、今度こそは絶対に玄関から入ろうと心に誓った。  
しかし清廉そうなこの二人が、あんな破廉恥な性行為に及ぶとは思いもしなかった。  
武侠だなんだって言っても、一皮剥けば同じ人間なのかもしれない。  
「それに・・・姐姐が外でしたいって言った訳じゃないんでしょ?」  
「・・・・」  
「彼に無理やり連れていかれたの?」  
 黙ってうつむく秀蓮の肩がぴくっと動く。  
「もしかして・・・言いなりになってない?」  
 再びぴくっと動いて、秀蓮の頭が少しだけ持ち上がった。  
「別に・・・・言いなりになるつもりはないのよ・・・・只少し・・・さからえないだけ」  
 嬌龍は、それを言いなりって言うのよ、と反論してやりたかったが、  
そう言う事に関しては極控えめな義姐の性格を考慮して止めた。  
「でも嫌な事は言わなければ・・」  
「・・・言うわ・・・でも・・その・・・どうでもいいような気にさせられてしまうの・・」  
 あの男、武術の腕前は天下無双と詠われても、以前から危ない目をしていると思っていたのよね。  
変な輝きと言うか、何と言うか、嬌龍は腹の底で秀蓮に気取られぬよう考えを巡らせる。  
 
「ねぇ・・・悔しくない?姐姐」  
「え?・・」  
「いつも自分ばかり思うがままにされて悔しくない?」  
 秀蓮はここへきてようやく嬌龍と目を合わせた。  
「そりぁ・・悔しいような気もするわ」  
 嬌龍の瞳がきらりと輝く。  
「だったらし返ししてやりましょ!」  
「でも・・・」  
「弱気になっては駄目よ!私が方法を教えてあげるから、姐姐は心配しないで」  
「え・・えぇ」   
 嬌龍は半ば強引に秀蓮の承諾を取りつけた。  
どちらかと言うと、この際だから慕白を一度ぎゃふんと言わせたいのは嬌龍のようだ。  
高名な剣士で、嬌龍自身も一時は憧れたこともあったのだが、同時に未だに超えられない壁でもある。  
若い心に渦巻く憧憬と嫌悪は、いささか変な方向性へ向いつつあった。  
「ところで姐姐・・・一体いつもどんな事されてるの?」  
 好奇心剥きだしの瞳で秀蓮を見つめる。  
「どっ・・どんな事って・・・そんな話しは婦女のすることでは無いわ」  
「何よ、今更。さっきはあんな凄い・・・!」  
 嬌龍は言ってから慌てて口を塞いだが、秀蓮は既に再び茶卓に臥せていた。  
 
 
「ねぇ、上手くいくかしら?・・そもそもこんなことをして何になるのか・・・」  
「今更何を言っているの!たまには逆の立場になりたいのでしょ?」  
 慕白の部屋のいくらか手前で、盆に酒を乗せた女二人は、声を顰めて最後の会議を開く。  
嬌龍は酒と杯の乗った盆を秀蓮の手に押しつけると、彼女の重い腰を押した。  
「作戦通りにするのよ!」  
 秀蓮は早くも落ち着かない気分になったが、言われた通り慕白の部屋に入っていった。  
「やぁ秀蓮・・どうしたんだい?」  
 夜着に上着を羽織っただけの秀蓮が盆を持ってつっ立っている。   
慕白もすでに寝巻に着替え、何やら読んでいた書物から顔を上げた。  
「え、えぇ・・月が綺麗だったから、その・・一杯飲まないかしらと思って」  
「ん、いいね」  
 今にもしどろもどろになりそうだった秀蓮は、慕白が誘いに乗ったのでほっと胸を撫で下ろす。  
卓に盆を置くなり、予定通りに酒を注ぎ、手前側に置いてあった杯をそっと慕白に差し出した。  
自分の杯にも酒を満たすと、乾杯の仕草をして一気に飲み干す。  
そんな秀蓮を見ながら慕白も杯を空にする。  
甘い味の酒が喉をとろりと流れていった。  
もう一杯注いで開いた窓から月を眺める。  
慕白の杯には予め薬が塗ってある。  
嬌龍が調合した眠り薬で、慕白はすぐに眠りに落ちるはずだ。  
秀蓮は自分の心臓がどきどき言ってるのを感じた。  
 
「秀蓮」  
「!・・はい?」  
 急に声をかけられ、一瞬薬がばれたのかと思った。  
「こっちへおいで。月も美しいが、君はもっと美しい」  
 二杯目を飲み干した慕白が、寝台でこっちへ手招きしている。  
嬌龍が言っていた通り慕白の誘いを受け、秀蓮はしばらく相手をすることにした。  
慕白の隣へ腰かけると、彼の大きな掌が結いの崩れかかった髪を撫でる。  
秀蓮はあれだけ逸った鼓動が、これだけで落ち着いていくのを感じた。  
慕白に愛されるのは気持ちがいい行為だ。  
結局いつも逆らえないのは、自分も心の底ではそれを望んでいるのかもしれない。  
慕白の手が秀蓮の肩の上で止まっている。  
秀蓮はどんどん自分に掛かってくる慕白の体重で、彼が眠りに落ちたことが分かった。  
重い体をそっと横たえさすと、秀蓮はちょっと戸惑いながらも、嬌龍を呼びに部屋を出た。  
一分もしないうちに二人は部屋に戻る。  
寝台で熊のように眠っている慕白を見て、嬌龍はにやりとほくそ微笑んだ。  
「さぁ、起きない内にさっさと終わらせましょ」  
 嬌龍の調合した薬は、効き目は早いが切れるのも早い。  
嬌龍は早速持参した縄で、慕白の手を縛りだした。  
「姐姐は足をお願いね」  
 自分のしている事に疑問を抱きながらも、秀蓮は言われるままに慕白の足を寝台の柱に縛りつけていく。  
中を見ないようにしながら、邪魔になるであろう下履きも脱がせた。  
「さぁ、これで動けないわ。姐姐昨日教えたこと覚えてるわよね」  
 覚えてはいるが自信はない。  
嬌龍は一体どこであんな事を覚えたのだろうか?秀蓮は昨日からの疑問にまた頭を悩ませた。  
とにかく、大切なのは今日こそ慕白の立場になって、お互いの気持ちを理解する。  
何事にも真面目な秀蓮は、嬌龍とはまた違った考えで、決意を新たにした。  
「じゃ、頑張ってね」  
 そう言い残して嬌龍は部屋を去ってゆく。  
だが実際は、隣の部屋から外回廊伝いに覗くつもりで出ていったのだった。  
 
「ふぅ」  
 秀蓮は大きく息を吐いて、昨日の教えを振りかえる。  
最初はゆっくりと回りくどく、相手をじらすように愛撫する、からだ。  
無心に眠る慕白の脇に座り、取りあえずは寝巻の留を外してみる。  
嬌龍に言われた通り明かりは消さずに着けてある。  
明るい炎が部屋を染め、肌蹴た慕白の肉体を見るだけで、秀蓮は気恥ずかしい思いをした。  
足の方に目をやると、先ほど自分が括り付けた裸足の足が見える。  
そっと手を伸ばし、足の甲を掌で撫で上げてみる。  
ぴくりと足が動き、秀蓮はどっきりとした。  
慕白は眠っている。  
だが、足をさすれば反射のようにぴくりと動く。  
自分は足を触られると快感が漣のように全身に広がってゆく。  
秀蓮はそれを思いだすように、慕白がいつも自分にしてくるような加減で、彼の足を愛撫した。  
「・・・ん・・」  
 唇を寄せ指の先をチロリと舐める。  
「・・んぁ・・」  
 慕白はむず痒い感覚に低くうめいて、足先を動かそうとして目が醒めた。  
先ほどと何も変わらない。  
秀蓮が足元に腰かけて、こちらをじっと見つめている。  
愛撫の途中で眠るなどと失礼なことをしてしまった。  
「済まない、寝てしまって・・」  
 
慕白は起き上がろうと身をよじり、初めて異変に気が付く。  
ピンと張った縄が自分の手足に巻きついていた。  
「・・・・秀蓮」  
 呼ばれた秀蓮は、慕白と目を合さないよう再び頭を下げる。  
何を言われるか恐ろしかったので、嬌龍に言われた通り只ひたすら慕白を愛撫しようと思った。  
慕白の動かせない足を脛まで逆撫でると、産毛を撫でるようなくすぐったい愛撫に全身が粟立つ。  
さらに縄の噛んだくるぶしに、秀蓮の柔らかな唇が吸い付いてきた。  
「・・あぁ・・・」  
 戸惑いながらも秀蓮の愛撫が、慕白の神経を過敏にしていく。   
昨日のし返しだろうか?嬌龍にでも吹き込まれたか、積極的な秀蓮も悪くない。  
慕白は今はまだ感じていられる余裕でもって、この状況を楽しむ事にした。  
秀蓮は温かい舌を指にからませ、時折歯を立ててかかとにかじり付く。  
ピクンと跳ねる慕白の足がなんだか嬉しくて、秀蓮は愛撫を上に広げて行った。  
形良く盛り上がった足の筋肉を辿るように、秀蓮は舌をゆっくり這わしてゆく。  
慕白はゆったりとした快感に身を委ねて、気持ち良さそうに溜息を吐いた。  
 
もう少し聞きてみたい。  
秀蓮は心の奥底に僅かな欲望が湧き上がるのを感じた。  
寝台の上に上がり、先ほど肌蹴させた厚い胸板に両手を添えると、少し冷えた手に、温かい肌のぬくもりが伝わる。  
広くなだらかな胸に二点の突起を見つけると、秀蓮は人差し指で一段濃い乳輪をなぞった。  
「・・・んっ」  
 慕白から低く艶の有る声が漏れる。  
優しくさすり続けると、自分と同じように突起が固く尖ってゆくのが分かる。  
「あなたも感じるのね」  
 いつもと違う秀蓮の瞳が、本人も気付かない淫らな輝きを湛えながら慕白を見つめた。  
「あぁ、君と同じようにね」  
 そう言われて頬を染めながらも、片方の突起に向って舌を伸ばす。  
熱く柔らかな舌が、凝り固まったものをほぐすように絡まりつき、冷たい掌が全体を愛撫するように前後する。  
「・・ん・・ぅ」  
 鼻息なのか、声なのか、判別し難い音が慕白から漏れてくる。  
秀蓮は段々と緊張がほぐれ、気分が良くなってくるのを感じた。  
「気持ち良いよ」  
 やや強がりとも取れる台詞に、秀蓮は胸への愛撫を激しくさせてゆく。  
慕白は拘束された手足をもどかしく動かしながら、乳首を襲う鋭い感覚に耐えた。  
長い寝巻に隠されてはいるが、この下は既に脱がされている。  
緩く勃ち始めた陽物に寝巻が持ち上がるのも遠くはない。  
冷たかった秀蓮の手は早くも火照り、頬も熱を持って紅に染まりだした。  
「なんだか暑いわ」  
 上着を払い落とし、夜着の留を解いてゆく。  
襟元が大きく開くと、中から朱に染まる肌と、白絹の下着が顔をだした。  
「真っ赤だ、酒にでも酔ったのかい?」  
 酒は先ほど飲んだ二杯だけだが、秀蓮は自分でも得体の知れないほど、身体の奥が熱かった。  
 
立ちあがると一旦慕白をまたいで、彼の腹筋の上に腰を降ろす。  
見上げると、結い上げた髪から一筋の後れ毛が揺れ、その向こうで紅い唇が微笑んでいる。  
触りたくても触れない鼈甲のような肌が、慕白をほんの目の前で誘っていた。  
慕白は無意識の内に乾いた唇を舌で湿らす。  
ゆっくりと降りてきた秀蓮の後れ毛が、敏感な首筋をくすぐり、  
開いた口から覗く舌が、慕白の一風変わった形の唇をちろりと舐めた。  
瞬間背筋の寒くなるような快感が脳から走る。  
秀蓮の舌は唇を一周し、開いた口中に軽く攻め入る。  
慕白は応戦しようと自らの舌を秀蓮の口腔に侵入させたが、  
それを優しく吸い上げられると、不覚にも陽物の熱さが一段増した。  
段々と動けない事へのもどかしさが込み上げて来る。  
思う様秀蓮を陵辱してやりたい。  
滑らかな肌に赤い跡を残し、神秘の幽谷に水を湧かせたい。  
自由を奪われた慕白の内側に、叶わぬ欲望だけがどんどん膨れ上がっていった。  
「・・・秀蓮・・暑いのなら全部脱いでしまえばいい」  
 彼女の体はまるで、骨の上に薄い筋肉の膜と、皮膚の被ったようだ。  
力強くも華奢な身体を見ていたい。  
それが自分にとってさらなる苦痛を呼ぶことになるのは分かっていたが、  
慕白はそれでもその欲望を我慢出来なかった。  
「いいの?」  
 正体の掴めない雰囲気を醸しだす秀蓮の瞳は、じっと慕白を見つめながら不意に瞬きしてみせる。  
秀蓮は不思議な高揚感に包まれていた。  
何時もなら相手に裸体を晒すのも羞恥を感じるが、今は反対に見せつけてやりたい感すらある。  
慕白の上に腰かけたまま、秀蓮は残った脇の紐に手を掛け、脱ぎかけていた夜着を袖から払い落とした。  
 
さらに下着の紐を引っ張り、上半身を被う布をゆっくり引き剥がしてゆく。  
ごくりと音がし、慕白の喉が上下する。  
その布が寝台の脇に落とされると、しなやかな張の有る、小さな林檎程の乳房が現れた。  
だが、秀蓮の行動はまだ終わらない。  
立ち上がり腰紐を解くと、緩んだ下履きがずれ落ち、平らな下腹部に薄い茂みが顔を出す。  
「・・あぁ・・」  
 思わず溜息の出るような見事な艶めかしさで、誘うように片足づつ抜きさった。  
手を伸ばせば届きそうな位置に、まっすぐに切れ目の入った陰部が見える。  
陰毛が薄いせいで割れ目がくっきりと映り、微かに垂れだした蜜が光って見えた。  
「おいで、秀蓮・・・」  
 秀蓮の頬が緩慢に微笑む。  
「駄目よ・・あなたの言う事は聞かない」  
 魅惑的な部位が視界から遠ざかると、慕白は腿に熱い疼きを感じた。  
「あ・・っ・・はぁ」  
 見ると秀蓮の頭がそこに有り、ほんの舌先で慕白の内腿を這い上がっている。  
秀蓮は普段何もしない。  
と言うよりは慕白自身がその隙を与えないので、このような微妙な愛撫を受けるのは初めてだった。  
休むことなく熱を持った手と舌が、慕白の鼠径部を優しく愛撫してまわる。  
慕白は慣れない行為に、丹田に溜まった熱を放出できず、既にその陽峰をそびえ立つ程にしていた。  
秀蓮は目の前に立ちはだかる物に変な愛着を感じた。  
普段は言われるままに口に入れるだけで、後は勝手に慕白が動くだけだったが、  
今は自分の意思でこれを好きなように出きるのだと思うと、いつもの嫌な気分はなかった。  
手始めにぼってりと垂れ下がる袋をそっと掌で撫でてみると、  
慕白の四肢がびくっと震え、一緒に陰茎までが跳ねる。  
重たい陰嚢を掌に乗せながら、唇でついばむように刺激すると、  
我慢しきれずに慕白の口から、吐息と艶の有る声が漏れた。  
いつもの彼からは考えられないような声に、秀蓮は昂ぶる心を抑えられない。  
ふにゃりと気持ちの良い感触のするそれを舌全体で舐め回した。  
 
「んあぁぁ・・・」  
 一体全体どう言う事だ?慕白は今の状況を分析する余地もなく、秀蓮に翻弄されていた。  
玉から広がる快感は直に男を刺激する。  
このまま愛撫を続けられるとそう遠くないうちに情けなく終りを向えそうだった。  
「くっ・・・そ・・こは・・・あぁ」  
 勢い付いた秀蓮の舌は、袋の裏側から会陰を往復する。  
快感が増幅され、陽峰の先から我慢出来ずに溢れだした愛液が亀頭を濡らす。  
慕白の抑えきれないあえぎ声が、どんどん秀蓮の頭を朦朧とさていった。  
「なんだか貴方の気持ちが分かる気がする」  
 秀蓮はそう言って、普段なら考えも付かないような場所に舌を伸ばした。  
「くぅ・・はあっ!」  
 秀蓮の薄い舌先が慕白の肛門をやらしく穿る。  
ちろちろと焦らすように、貞淑な彼女が、慕白にとって高潔な女神のよな存在が、  
自分の最も汚い部分を舐めずっているのだと思うと、もういつもの自分では居られなかった。  
「あぁ・・んっ・・・秀蓮・・・」  
「凄いわ・・慕白・・・こんなに一杯出して」  
 うっとりと陶酔したように溢れだした蜜を亀頭から掬い、自分の口へと運んでゆく。  
苦いような、甘いような、なんとも言えない慕白の味が、秀蓮の喉をとろりと流れていった。   
その味がもっと欲しくて、そのまま垂れ流れている幹に舌を這わす。  
熱くたぎって脈打つのがわかるくらいに膨らんだそれを、秀蓮は美味しそうにしゃぶる。  
しかし、唇は幹を往復するばかりで、肝心な部分には一向に触れようとしなかった。  
「し・・ゅう・・蓮・・・頼む・・・もっと・・」  
 秀蓮は一度首をあげ、頭を傾げて慕白を見る。  
「もっと・・・なに?」  
 慕白は黙ってしまって何も言わない。  
「いいわ、もっと舐めてほしいのでしょ?」  
 口元にはにかんだような微笑を浮かべると、次の瞬間それは大きく開き、  
事もなげに慕白のはちきれそうな亀頭を飲み込んだ。  
「んあぁぁっ!!」  
 
悲鳴にも近い歓喜の声が慕白の喉奥から迸る。  
秀蓮は大きな物を口一杯に頬張りながら、嬌龍に習った通り、舌を巻きつけるように舐め回した。  
「あぁ・・あぁ・・」  
 今にも丹田に溜まった熱が弾け飛びそうになっている。  
慕白は来たるべき快楽の頂点に早くも心を躍らせていた。  
出る。  
そう思った次の瞬間、秀蓮の指が素早く点穴を突く。  
慕白は一瞬何が起こったのか分からなかったが、しびれるように疼く肉柱から精液は漏れない。  
腰の辺りが重だるく、どうにも動かすことが出来なかった。  
「しゅ・・・りん・・おい、穴道を塞いだのか?」  
「まだ出しては長く楽しめないわ」  
 秀蓮はそう言って再び肉柱にしゃぶりつく。  
唇できつく幹を締めつけながら、舌を鈴口に往復させる。  
「くぅっ・・・あぁ」  
 陽物は怒ったようにそそり立ち、硬くはちきれんばかりになっている。  
今にも射精しそうなのに、気持ちばかりがそそられて、精液は一向に漏らせなかった。  
慕白の中に苦しみに似た快楽が大波のように押し寄せる。  
いかしてから尚も突き上げると、いつも秀蓮が苦痛と快楽に涙を浮かべて許しを乞うていた。  
今、まさにそれと同じ状況だった。  
「あっ・・お・・願いだ・んぅ・・許してくれ・・・気が狂いそうだ」  
 切れ切れのあえぎ声の合間に許しを乞う。  
秀蓮は一度顔を上げ、慕白を見やった。  
天下に名を馳せる武侠の面影はどこにも無い。  
額に玉の汗を浮かべ、艶のある苦しそうな瞳でこちらをじっと見つめている。   
そんな目で見つめられると、秀蓮は居ても立ってもいられなくなり、  
恥ずかしさも忘れて、自ら慕白の上に乗りかかった。  
 
しとどに濡れた小さな割れ目が、真っ赤に腫れた大きな亀頭にぴったりと被せられる。  
二人から同時に嘆息が漏れ、それが飲み込まれる度、歓喜に喉を震わす。  
秀蓮は充血し、膨らんだ膣を腰を揺すらせて慕白の陰茎になすり付ける。  
限界まで張りつめた陰茎には少しの刺激でも絶大な快感をもたらす。  
なのに少しも精をやることが出来ないのだ。  
悲痛とも快感とも取れないあえぎ声を発しながら、腰をくねらせてそれから逃れようとする。  
そんな姿が秀蓮にも異様な興奮をもたらす。  
彼女も快感に唇を震わせ、両の乳首は凝り固まって千切れそうなほどだった。  
愛おしい思いに駆られて、秀蓮は馬乗りのまま上体を倒し、慕白の頭を引き寄せ口付ける。  
甘い唾液を交換しながら、出しては突く出しては突く、と自分の調子で腰を使い続けた。  
慕白は今にも白目を剥きそうな刺激に、もう耐えられそうにもなかった。  
今までこんな積極的な秀蓮は見たこともない。  
「あぁ・・・いぃわ・・・慕白・・・もう少し我慢して頂戴ね」  
 大きな杭が自分の中で暴れまわる度、秀蓮の快感は否応無しに高まって行った。  
秀蓮はぐっと大きく背を反らせたかと思うと、さっと手を伸ばし慕白に施した点穴を解いた。  
「んあぁぁっ!」  
 慕白の大きな声が響いた次の瞬間、震えの走る秀蓮の子宮口に噴水の如くの勢いで  
溜まりに溜まった大量の子胤が吹きだす。  
熱く迸るような射精で膣内を満たされ、秀蓮は激しく全身を痙攣させた。  
くず折れるように慕白の上に倒れ、息が整うまでそのままでいる。  
 
 
一体どれほど経ったのだろうか、秀蓮はうつらうつらとし始めていた自分に気付き、慌てて身を起す。  
いつもはこのまま寝入ってしまっても慕白が布団を掛けてくれる。  
が、今日はそうはいかない。  
それこそ慕白の方が手足を戒められたまま、既に寝息を発てていた。  
秀蓮は立ち上がり、布でお互いの性器を拭うと、眠い目をこすって慕白の縄を解いた。  
身体と下腹がだるく重たい。  
何をするのも面倒くさそうにもぞもぞと寝台に上がると、絹の布団を掛けながらそっと慕白の腕に頭を倒した。  
暫くすると大きな息の合間に細い寝息が聞こえてくる。  
結局どちらが攻めようとも互いの愛情に偽りはない、秀蓮はどんな慕白でも愛していた。  
 
 
 へっくしゅん  
「まさか姐姐の杯に盛った淫剤があんなに効くとは思わなかったわ」  
 扉の外から一仕切を眺めた嬌龍は、くしゃみをしながらもニヤニヤと股間を押えて部屋へ戻った。  
慕白は『ぎゃふん』とは言わなかったが、翌日の慕白を見る嬌龍の目は、  
自信と威厳に満ち、言うまでもなく勝ち誇っていた。  
後日多大な災禍が自分の身に降りかかるとは思いもしなかった。  
 
 
                                                          完  
 
 

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