教授の両足を大きく開かせ、へその穴から下の茂みへと舌を滑らせると、  
茂みに隠されている薄桃色のクレバスと真珠はすっかり愛蜜で濡れそぼり、  
部屋の照明に照らされてぬらぬらと淫靡な光を放っていた。  
もう何回も見慣れているはずなのに、いつみても胸がどきどきして頭が  
くらくらさせられる光景だ。  
「…………」  
 秀三はごくりと喉を鳴らして見つめる。  
今すぐここに口付けて、花びらと真珠と愛蜜を思う存分に味わいたい衝動にかられる。  
が、それだけではつまらない。  
「尊子、俺のも……してくんないかな?」  
「え……は、はい」  
教授の顔の傍にすっかりギンギンに屹立している自分の『モノ』を近づけ、  
右手をとってそっと握らせる。  
「わぁ、もうこんなに……」  
 パートナーの『モノ』の熱さと硬さに感嘆の声をもらす教授。  
規則的に脈を打っている茎の部分を両手で優しく握り締め、  
ゆっくりとしごきはじめると、  
「うあっ……ああ……」  
 思わず秀三の口から熱い息がもれる。  
「ふふ……秀三くんも我慢できなかったんですね。  
 先走りの汁がこんなにもういっぱいでてますよ?」  
 教授は、透明な液がじんわりにじみ出ている先端に軽くキスをし、  
溝の部分を舌でちろちろなぞる。  
「ぺろ……ちゅるっ……んんっ……ちゅっ」  
 そのまま、ためらいもなく口にぱくっと咥えこむと、自分の秘所に  
負けず劣らず熱くなっている棹を手でゆっくりしごきながら、  
先端を舌と唇で愛撫していく。  
 
 
 
じゅる……ぴちゃ…… ちゅっ……ちゅぽっ、じゅぷっ……  
 
 
「ん……んっ、ぢゅっ、んんっ……ぢゅるっ、むぐっ」  
「ふあ……すげ……」  
 教授の口から漏れる淫らな粘音が心地よく聞こえてくる。  
いつもながら彼女は、自分の感じるポイントを的確について来るものだ。  
秀三はいつしかベッドに横たわり、歓喜のため息を漏らしてた。  
 
 
 とっても……気持ちいい。  
もっと気持ちよくなりたい。  
彼女にもっともっと気持ちよくして欲しい。  
いや……彼女にも気持ちよくなってもらいたい。  
むしろ、一緒に気持ちよくなりたい。  
 
 
 と、そのとき。  
「ぷはっ」  
 教授が『モノ』の先端から口を離す。  
彼女の口淫奉仕にしばし酔いしれていた秀三は困惑する。  
「ん? 尊子、どうしたの?」  
 教授は答える代わりに、ちょうど秀三の顔の前にお尻が向くように  
体の向きを変えた。  
「秀三くん……」  
 蚊が鳴いたような弱弱しい声で、恥ずかしげに呟く教授。  
大きな白い双丘がぷるぷると小刻みに震えている。  
「一方的にするのも……なんですので……」  
「え? えーと、そ、それってもしかして……?」  
「私の……も、おねがい……します」  
 教授が恥ずかしそうに<おねだり>している……!  
彼女の反応に胸が熱くなり、猛烈に感動する秀三であった。  
 
──ああ……なんて可愛いんだっ!! 俺の彼女は!!  
 
「あーそういや、まだ『ここ』を可愛がってなかったんだっけ」  
 白い双丘の割れ目を両手でそっと押し広げ、先刻よりもしっとり濡れそぼって  
いるクレバスを指ですーっとなぞってみる。  
「ひゃん!!」  
 教授の体がびくっと跳ね返る。実にいい反応だ。  
「おっけー尊子。  
 たーっぷり可愛がってやっからな」  
 そういって、秀三は指で花びらを押し広げて口付けると、  
 
 
ちゅ……ちゅる……じゅる……  
 
 
クレバスに舌を差込み、あふれてくる愛蜜をすすりはじめた。  
さらに、真珠を親指と人差し指で摘み、くりくりとこねくりまわす。  
「ひゃう! ちゅっ……くぅ……んんっ!」  
 秀三の体の上で教授が白い体をくねらせて悶えながら、とくとくと  
脈を打つ『モノ』に再びむしゃぶりつく。  
秀三の剛直をほお張り、一心不乱に口を動かしている教授の体から  
汗の粒がぽたりぽたりとしたたり落ち、秀三の胸板や腹部を濡らしていった。  
 
   
ぴちゃ……じゅるっ……れろっ……ちゅっ……  
じゅぼっ……じゅ……じゅぶ……ずっずっ……  
 
 
 秀三の舌が教授の蜜壷の中を蹂躙し、教授の口喉粘膜が秀三の『モノ』を摩擦する。  
『狂気の沙汰』のキスから漏れる水音が重なりあい、淫猥な二重奏を奏でていく。  
もはや今の2人は天才少女とその相棒のメカニックではなく、  
なりふり構わずお互いの性器と体液をむさぼり合う、一組のオスとメスと化していた。  
 
 
 やがて。  
 
「「ふあぁぁーーーーーっ!!」」  
 二人の絶頂の叫びが部屋中にこだまする。  
その刹那。  
 
ドクッ! ビュルッビュルッ!!  
 
プシャァアアーーーーッ!!  
 
教授の口に白濁したものが噴火山のマグマのごとく勢いよく迸り、  
秀三の口にも熱い潮がスコールのように激しく降り注がれる。  
「ん……ごくっ……おいしい……おいしいぃ!」  
「んぐっ……ぷはぁ!! お前のも美味しいぜ」  
 二人は放たれた体液を夢中で味わい、喉へごくごく流し込んでいった。  
 それだけでは飽き足りず、秀三は教授と向き合い、  
彼女の口の周りにこびりついた己の体液を指で絡めとって舐めさせる。  
教授も同じように潮を指でかき集めると、秀三の口に入れる。  
さらに唇を重ね、最初の口付けよりもさらに深く激しいディープキスを交わす。  
   
ぴちゃあ……じゅるっ……! ちゅぐっ……れろっ……じゅるる!  
 
「んっ! んんっ……ふああっ」  
「ん……ふぅ……んんっ!!」  
 
 互いの口の中に残っている体液を舌でこすりなめとり、  
徹底的に味わいつくしていく。  
それはまさに『狂気の沙汰』のキスであった。  
 
 
「ふぅ……ごちそうさま」  
 微笑みながら、名残惜しそうに唇を離す教授。  
「美味しかったですよ。 秀三くんの『味』」  
その目つきは熱に浮かされたのごとく、とろんとなっている。  
 そして自ら両足をMの字に大きく広げ、愛蜜と唾液で濡れそぼった  
薄桃色のクレバスを秀三の眼前に晒けだした。  
 
「おねがい、早く来て……秀三くん……」  
 
「なんつー格好で誘ってんだよ? オマエは」  
 秀三は思わず苦笑いした。  
「だ、だって……もう待ちきれないんですもの」  
「やれやれ、まったく困ったお姫様だなぁ」  
――そこまでおねだりされちゃあ、最後まで付き合うしかないだろ?  
 
 仲間たちには絶対見せない、秀三だけにしか見せない、彼女の本当の『姿』。  
あられもないポーズで誘うその姿は、秀三の理性の糸を断ち切るのには十分であった。  
「OK。力抜いて…………尊子」  
 秀三は教授の体をそっと抱きしめ、はちきれんばかりに昂ぶった『モノ』を  
クレバスにそっとあてがうなり、  
「ほら、メインディッシュだ」  
 
 ジュブンッ!  
 
一気に深奥部へと侵入していく。  
「…………っ!? ひああぁっ!!」  
 教授が目を見開き、びくっびくっと体を震わせた。  
 
 待ち焦がれていたこの瞬間。  
限界まで膨張した秀三の剛直は、根元まで教授の蜜壷の中に  
隙間もなくぴったりと収まっていった。  
と、同時に、待っていたのよとばかりに柔らかい襞がきゅうぅと絡み付いてくる。  
 
「おー全部入ったな」  
「ふぁあ、しゅごひぃ……。 しゅーぞーくんのおち……ん、おっきいれすぅ」  
 教授が涙を浮かべながら、ろれつの回らない口で歓喜の声を漏らす。  
「はぁ……『ここ』、すっげえ熱くなっているぜ?」  
わずかにふるふる震えている教授の腰を両手でがっちり抱えながら、  
秀三は蜜壷の奥底のこりこりっとした感触に思わず武者震いした。  
「俺ぁもう我慢できねーよ。 んじゃま、いくぜ?」  
「あぁっ!? あんっ!!」  
 ついに始まった蜜壷への侵略に、教授が思わず声をあげた。  
 
「あっ! はぁっ……ひぁああ!! んあっ!!」  
 秀三が動くたびに、教授が叫びをあげる。  
入り口近くまで引き返しては、一気に奥まで突き上げる。  
ただそれだけの繰り返しなのに、どう説明していいのかわからない  
快感がクレバスから全身へ拡散していくように感じた。  
「あうっ! ああっ! ひぃんっ!! しゅーぞ・・・くうぅん!」  
「はぁっ、くうぅ! 締め付け、すげえ……たまんねえ!」  
「やぁあ! あっ……んんっ! おくまでっ……とどいてるぅ!!」  
ピストンの激しさに耐えるかのように、教授はシーツをぎゅっと握り締める。  
このまま一気に絶頂に達してしまいそうな勢いだ。  
 
――ああ、もうダメ! イッちゃいそう!!  
 そう思ったそのとき。  
 
 ぴたっ。  
 
 と、秀三の動きが止まった。  
 
「え……!?」  
 教授の顔に戸惑いの色が浮かぶ。  
どうして?と当惑する教授に、秀三はにやりと笑い、  
「よっこらしょっ」  
彼女の体をぐいっと抱き寄せ、そのままベッドに仰向けに横たわる。  
すると、ちょうど秀三の体の上に教授が跨るような姿勢になった。  
 
 やや遅れて状況を理解した教授の顔が、瞬時にゆでダコのように赤くなる。  
「しゅっ、秀三くん……これって?」  
「騎乗位ですが何か?」  
「これって、自分で腰動かさなければいけないん……ですか?」  
「うん。 尊子の好きなように動けばいいよ」  
 秀三はさらりと答える。  
 
「それに、このポーズのほうがさらに興奮するだろ?」  
「…………秀三くんのえっち」  
 
 彼女の痴態を眺めて楽しもうという彼の魂胆を知って、  
教授は恥ずかしそうにつぶやいた。  
だが、自分もそういうことは嫌いじゃない。  
ならば、彼の思惑どおりに乱れてみるのも悪くはないかと腹を決めた。  
「じゃ……いきますよ? んっ……」  
 秀三の腹に両手をついて、恐る恐る尻をゆっくり上下させ始める。  
じゅぷじゅぷと湿り気のある水音を立てながら、垂直にそそり立っている  
海綿体をこすりあわせていくたびに、快感という名の電流火花が  
全身をマッハの勢いで駆け巡ってくる。  
「あっ……あんっ! んっっ! ああっ! はあっ!!」  
 教授はたまらなくなり、上下のスピードを速めた。  
形のいいバストも上下に激しく揺れる。  
クレバスと『モノ』の根元がぶつかり合うたびに愛蜜が激しく飛び散り、  
二人の黒い茂みや太もも、腹部を濡らしていく。  
 
「あっ! ひぃぃん! あうっ!! しゅ……ごい!  
 しゅーぞーくんのがっ、しゅーぞーくんのが、  
 奥にごりごりあたってりゅぅぅ!!」  
 ハァハァと荒く息をつき、よだれをだらだらこぼしながら、  
教授はさらに腰を激しく振った。  
全身から汗が滝のように噴きだし、周囲に飛び散る。  
 
「おいおい……腰の動き、さっきのより激しいよ?  
 そんなに気持ちいいんだ?」  
「あっあっ……きもちいぃ……きもちいいのぉ!!  
 すっごくきもちいいのぉぉーー!!」  
「へぇ……?  
 こーんな恥ずかしいポーズとってエロイ声をあげて悦んでいるなんて、  
 こいつはとんでもない淫乱ムスメだなぁ……」  
 秀三はわざとらしく、いかにも驚いたという表情で話しかけてみる。  
「そ、そんなぁ……ちが……あ、あん! ひゃん!!」  
「何言ってんだよ。  
 こんなに大きく腰を振って、美味しそうに俺の『モノ』をくわえ込んで  
 いるのにさ?」  
「ふああっ! や……んっ!! ああんっ!!  
 しゅーぞーくんの……いじわるぅ!!」  
 
(尊子って、もしかしてMの素質も結構あるんじゃね?)  
 秀三はそう思った。  
 あの『ドライバーでお仕置き』事件以来、すっかり彼女に頭があがらず  
M男化している自分にとって、彼女のこの反応は意外にして新鮮であった。  
もっとも教授本人は秀三の思惑を見抜いていて、言葉責めにわざと  
マゾっぽい反応を返しているだけなのかもしれないが。  
(ま、たまにはS男の役割も悪くはないか)  
「尊子がかわいすぎるから、ついつい意地悪したくなっちまうんだよ」   
 意地悪な笑みを浮かべながら、秀三は教授の腰へと手を伸ばし、  
「とってもかわいいよ、尊子。  
 スケべな顔してイキまくるところを俺だけに見せてよ……」  
下から力強く突き上げていく。  
「はうっ! やぁああん! ああっん!! らめぇえ!!」  
 それに反応して、教授が甘い悲鳴をあげる。  
 
   
 教授の白い尻が激しく上下にゆれるたびに、ベッドのスプリングが  
ぎしぎしと悲鳴のコーラスをあげる。  
蜜壷と剛直がこすれあい、熱く硬い先端が蜜壷の奥底を激しくノックしていく。  
その様子はまるで、先ほどの体液をむさぼりあうディープキスを彷彿とさせた。  
 
 
「はう……んっ……あっ、はぁっ、はぁ……」  
 教授が汗と蜜にまみれた右手を秀三の顔の前にそっと差し出す。  
それは『もう限界が近づいている』という無言の『懇願』。  
待ってましたとばかりに、秀三は白い指先に飛びついた。  
さっきおあずけをくらっただけに、喜びもひとしおである。  
「ぺろっ……んんっ……はぁ……はむっ……」  
極上の飴細工菓子を味わうかのように、指1本1本丁寧に舌をはわせていく。  
 
「んっ、ああん! んっあ! も、もう、だめれすぅ! げんかいれすぅ!!」  
 教授が焦点のあわない目で切なそうに訴えてくる。  
「もう……イキそう?」  
「はいぃっ、もうだめなのぉ!  
 わらひもうイッちゃいそうなのっ!! あぁっん!!」  
「あーやべえ……俺も、そろそろっ、んっ、限界だ……どこにだしてほしい?」  
さすがの秀三も余裕がなくなってきているようだ。  
「中にっ! 中にだしてぇ!!  
 しゅーぞーくんの熱いのをいっぱいちょうだいぃぃ!!」  
「ああ、いいよ……。 たっぷりだしてやらぁ……うおぉっ!」  
 
 
 堕ちる。  
堕ちていく。  
狂気の沙汰へとまっさかさまに堕ちていく。  
 
 そう体感しながら、モラルもプライドも何もかもかなぐり捨てて、  
秀三も教授もただひたすらに絶頂へと突き進んでいく。  
 
「あっぁっ、しゅうぞうくん! しゅうぞうくぅうんっ!!  
 なにかきそうっ! くるっ!! くるよおぉーーー!!」  
「ああっ、たかこっ、たかこぉ!! イクっ! でそう!! 出すぞっ!!」  
「きてぇ! いっしょにきて!」  
 二人はお互いの手をがっちりとつなぎ、離してたまるかとばかりに  
力いっぱい握り締める。  
視界に火花が飛び散り、脳が焼け切れるような錯覚に陥る。  
 
 
 蜜をたっぷり含んだ柔襞にぎっちり締め付けられた海綿体が、  
びくんびくんと大きく脈動したその刹那。  
 
「くはああぁあーーーーー!!」  
「あぁっんあっ、あっあああぁぁーーーーーっ!!!」  
 怒涛の快感の波が二人に襲い掛かり、あっという間に飲み込んでいった。  
 
 
 
 大量の熱く濃い白濁がどくどくと流れこみ、蜜壷の中を白く染め上げていく。  
剛直はなおも脈を打ち続け、萎えることを知らずに白濁を吐き出し続けている。  
 
「くはぁ……はぁ……すげぇ……」  
「はぁ……はぁ……あああぁ……あついよぅ……」  
 教授が体をがくがくと震わせ、秀三の胸の上にドサリと前のめりに崩れ落ちると、  
絶頂の余韻に顔をゆがませている秀三に唇を重ねてきた。  
秀三もすぐさま教授の唇を啄ばみ、彼女を愛おしそうに抱きしめる。  
 
 
 なんともいえない気だるさと幸福感、そして独占欲を感じながら。  
 
 
・  
・  
・  
 
「……で、グリルパルツァーは劇作家として成功を収め、1832年には  
 宮廷資料室長にまで上り詰めたのですが……」  
 ベッドに寝そべり、秀三に寄り添いながら教授が解説を続ける。  
甘く激しい情事の後のピロートークがこんなのでいいのか?と、  
秀三は心の中でツッコミをいれつつも、ついつい聞き入ってしまう。  
「1838年に発表された『嘘つきに災いあれ』の初演が不評に終わったのが  
 きっかけで作品の発表を止め、以降に執筆した戯曲の出版や上演を  
 一切認めなかったそうです」  
「『嘘つきに災いあれ』、ね……なんか皮肉というか意味深なタイトルだな」  
「ええ、晩年には再評価はされたのですが、グリルパルツァーは出版の企画などにも  
 一切応じず、生涯独身のままひっそりと81歳でこの世を去りました」  
「結局、不倫相手とは結ばれずじまいってわけか……切ねえな」  
 秀三は、やりきれないといった表情でつぶやく。  
 
「……確かにグリルパルツァーの人生は不幸の連続といえるでしょうね。  
 身内に死なれ、不義の関係に苦しみ、孤独な晩年を送った……」  
 教授は目を伏せ、秀三の頬にそっと手を触れる。  
 
「……でも、私はこう思うんです。  
 
 道ならぬ恋とはいえ、本気で愛した恋人と一緒に過ごした思い出を胸にしまって、  
 永遠の眠りについた彼の心は幸せに満ち溢れていたのではないのか……と」  
 
 教授のその口調はまるで、自分に言い聞かせているかのようだった。  
 
「『教授』……」  
「今は本名で呼んでっていったでしょう? 秀三くん」  
 教授は頬をぷうと膨らませてむくれた。  
 思わずいつもの呼び名をもらした秀三の頬を人差し指でぷにっと押して  
たしなめる。  
「ごめんごめん、『尊子』」  
 慌てて両手を合わせて謝る秀三。  
「もう2度と指しゃぶらせてあげませんよ?」  
「ごめんってば! 機嫌直せよ? な?」  
 そんな彼の様子に、教授はくすりと笑い、  
 
「じゃ……もう1回戦はじめましょう?  
 それで許してあげます」  
「…………尊子のえっち」  
「私をそんなえっちな子にさせたのは、どこのどなたですか?」  
「はいはい、俺のせい俺のせいです」  
「ならば、よろしい」  
 
 
 くすくす笑いあいながら、二人は再び『愛情のキス』を交わす。  
 
 
(狂気の沙汰、か……)  
 
 秀三は思った。  
『キスの格言』を生み出した劇作家も道ならぬ恋の相手も愛し合う時は  
こんな心境だったのだろうかと。  
 
 
 教授は思った。  
劇作家もその恋人も、一緒にいられるのなら全てを喪ない破滅しても  
構わないと考えるほどの愛を抱いていたのだろうと。  
 
 
二人は思った。  
 
彼が望むのなら。  
彼女が望むのなら。  
 
喜んで共に『狂気の沙汰』に堕ちようと。  
 
 
 
<おわり>  
 
 

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