チュン チチ…
外の音で目が覚める。起き上がろうとしたが、右腕に違和感を感じて
俺はそっちに目を向けてみた。
‥山口が寝てる?!!
「…‥‥」
‥そうだった。くっ‥最高!!俺は念願かなってついに山口と!!
愛しの彼女も隣で幸せそうに‥
「なぁ‥沢田」
初めて一緒に迎えた朝。
いつも通り話しかけてくる山口に驚いたが、
平静を装い返事をしてみる。
「‥どうした?久美子」
途端に彼女の顔が紅くなる。
「なっ‥く久美、久美子って‥」
「今更照れる間柄でもないだろ?お互い全てを見せ合ったんだしさ。
それにヤってる最」
‥更に話そうとしたが、彼女に手で口を塞がれてしまう。
更に紅く染まった彼女。長い黒髪から見え隠れする耳たぶまで
紅くなっている。
‥可愛い。
「お、お前なぁ!まぁ‥そ、そりゃそうだけど‥急に下の名前で呼ばれるとさ、
その‥どうしたら良いか分からなくなっちゃってさ‥」
「で?」
「ん?何が『で?』なんだ?」
「さっき俺に聞きたい事があったんだろ?」
「あぁ‥聞きたい事っていうかさ、その‥」
恥ずかしいのか、両手で布団を顔の近くまで引き上げる。狙ってやってんの?
「‥何?」
「‥お前ってさ、ここは普通に黒いんだな‥」
彼女の視線が、布団越しに俺の息子に注がれる。
「そりゃ俺も日本人だからな。‥何?
こっちも髪と同じで赤だと思ってたわけ?」
「お前なら有り得るかなと思ってさ‥」
「くっ、有るわけないだろ。‥まぁ、お前がそうして欲しいってなら、
考えてやらないでもないけどな」
「‥そりゃそうだよな」
納得いった様子の彼女を、さりげなく右手で抱き寄せる。あぁ‥こいつの優しい匂いがする。
「ところで久美子さん」
「‥何だよ。沢田そんな改まって‥」
「一つ提案があるんですが‥」
「ん?何だよ?提案って‥」
「今日は二人とも休みだし、もう1ROUNDしませんか?」
「はぁ?!‥って、待て!沢」
俺は勢い良く彼女に覆いかぶさった。
みぞおち上等!!
end.