四章  『贄』  
 
「ぁ・・・あぁ・・」  
 
薄暗い部屋の中央に宙吊りにされたくの一、ヤエの肢体を  
包んでいたタイツの破片が落ちていた。  
全身を覆っていたタイツは上半身を残して、  
腕、胸の下、足に至るまで取り払われている。  
 
靴も脱がされ、乾燥した空気に晒されたしなやかな生足は  
黒のレオタードの存在をより際立たせる。  
 
卓越したくノ一といえど、鎖と薬でとらわれていてはどうすることもできない。  
蜘蛛の巣にかかった蝶が、動けなくなるまで徹底的に蜘蛛によって絡め捕られるように  
ヤエは鬼頭の欲望に抗うことも出来ず、されるがままだった。  
 
「・ん・・・くぅ・・・」  
ヤエはキュッと目と閉じて、心にくすぶる恥辱に耐えている。  
 
だが、その様子は鬼頭にとっては欲望をさらに肥大化させる  
糧に過ぎなかった。  
 
「ふふ・・ご主人様である僕に可愛がってもらえるんだから  
 嬉しいだろう?ヤエちゃん・・・幕府のヤツをまるめこんでくノ一が着る忍服は  
 僕が考案したのを採用させたんだ。・・ふふ・・・なかなか素敵だろう?  
 ・・特にここ・・そう・・これがお気に入りなんだ・・・」  
 
鬼頭の手が不意にヤエの秘部を包むレオタードに伸び、さわさわとなでる。  
 
「きゃっ・・!やっ・・いや・・・!!」  
鬼頭の急な行動に、身体がビクンと反応するヤエ。  
 
「ふふ・・・可愛い声だね・・ヤエちゃん。」  
鬼頭はヤエの反応を一つ一つ楽しむようにレオタードを弄る。  
そして、ゆっくりと足と足の間へと指を這わせ、同時に  
もう片方の手でヤエの尻を撫でる。  
 
「んくっ・・!あぁ・・やぁぁ・・・やめて・・く・・ぅ・・」」  
部屋の中には  
ヤエが時折 発する喘ぎと、  
ヤエの両手を拘束している鎖が微かにきしむ音、  
そしてヤエの黒いレオタードからは、  
スパンデクス生地独特の擦り音が聞こえている。  
 
(いや・・こんな人に・・・こんなことされるなんて・・)  
ヤエは紅潮して涙を滲ませる。  
羞恥心によって胸の鼓動は早まり、息遣いの音も少し大きくなっていた。  
 
ふと、鬼頭の手が止まる。  
「んー・・・この感触・・なんだかなぁ・・・」  
 
勝手なことを呟きながら、鬼頭はヤエの腰のあたりから  
レオタードに指をかけると、そっとめくる。  
「・!?・・や、いや!見ないで!」  
 
男の口調が不意に曇った。  
「んふふ・・・やっぱりなぁ・・・・下にまだはいてるなんて・・  
 ダメだよ、ヤエちゃん?」  
 
男がすこしまくったレオタードの下には、  
ヤエの白い下着が見えていた。  
「しょうがないなぁ、ヤエちゃんは・・  
 ・・あ。そっか。裸の上にいきなりタイツなんて、  
 変だもんね。・・でも、ホントはタイツだって  
 僕は付けていいって言ってないんだよ・・・?」  
 
「きゃっ!?」  
今までの、無駄な力を入れないゆっくりとした鬼頭の  
動作とはうってかわって、急にヤエの下着を掴んだかと思うと、  
力を込める。  
 
「・・・あぁ・・・!!いやぁっ!」  
 
鬼頭はヤエのレオタードを脱がすことなく  
ピッと下着を取り払う。  
 
「うん・・これで僕のヤエちゃんに近づいたかな・・うふふ・・」  
さきほどよりも息を荒げながら、ヤエのレオタードの乱れを直す。  
少し、今までの調子を取り戻しつつ  
気味が悪い歪んだ笑みを浮かべて顔に汗をにじませている。  
 
今まで全てを自分の思い通りに動かしてきたこの男にとって、  
自分の望まない行為に激しく反応するのはある種、当然のことであろう。  
 
鬼頭が一瞬垣間見せた下劣で野蛮な本性に、ヤエは恐怖を覚えた。  
(・・駄目・・・!・・このままじゃ私・・どうなってしまうの・・?  
 ・・ゴエモンさん・・・誰か・・・!)  
 
「んふふ・・タイツも、捨てたもんじゃないかもね・・くふふ・・」  
 
労働経験など皆無に等しいこの肉塊のような男にとっては、  
これだけでも一仕事なのでろう。  
顔に噴き出した汗を、先ほど破り捨てたヤエのタイツと下着で拭っている。  
 
「ふふ・・どうだい、直にはくそのレオタードは?  
 ・・その方がいいよね?」  
 
「・・・・・」  
人に生理的な嫌悪感を抱かせるその男の前で、肌を晒し  
されるがままになっているヤエは、顔を赤く染めたままうつむいて、  
恥ずかしさに耐えることしかできなかった。  
 
「・・・ふぅ・・僕の服が気に入らないなんて・・・  
 どうかしてるよ?ヤエちゃん。」  
鬼頭はヤエの生足を弄っていた指を段々と太ももの内側をのぼらせていき、  
両足の間の付け根まで指がくると、再び黒いレオタードのちょうど中央を  
ねちっこく往復して弄る。  
 
「ふふ・・・さっきよりも刺激的だろ・・?どうだい・・・  
 気持ちいいかい・・・・?」  
ヤエの顔を覗き込みながら、さも楽しそうに指を動かす。  
 
「んっ・・・んぅ・・・っ・・!」  
微かに涙をにじませながら、必死に辱めに耐えようとするヤエ。  
しかし、先ほどよりもより強い刺激に、嗚咽が漏れる。  
その感覚はヤエの羞恥心も、より強く刺激していた。  
 
鬼頭の指は、秘部を何度も往復してレオタード越しになぶると、  
ちょうどヤエの身体の中心線を書くように  
またゆっくりと上へのぼっていき、下腹部まできたところで  
レオタードに指を引っ掛ける。  
「・・・こうしたほうがいいかな?」  
そう言ってレオタードにかけた指をクイッと手前へ引く。  
「・・・あっ・・!」  
鬼頭の側へ引っ張られ、レオタードが後ろ側で  
ヤエの白桃のような尻にキュッと食い込む。  
 
「ふふ・・・お尻がピクッて反応してるね・・ヤエちゃん。」  
空いているもう片方の手をヤエの後ろ側へ回し、さわさわとなでる。  
 
「・・んっ・・・いや!さわらないで!」  
たまらずに叫ぶヤエ。  
「・・今・・・なんていった?」  
鬼頭の手がとまり、歪んだ笑みが消える。  
 
ヤエは顔を赤らめながらも必死で抵抗しようとした。  
 
「私は貴方の物なんかじゃないわ!こんな事をしてることがバレたら、  
 あなたは・・・!!きゃ、きゃぁぁぁぁぁ!!」  
 
ヤエの言葉が悲鳴で途切れた。  
 
鬼頭の手はヤエの黒いレオタードを一気にずり下ろしていた。  
「いや!やめて・・・みないで・・っ!」  
 
ヤエは涙を流しながら足をもじもじと動かすが、露わになった秘部を  
隠せるはずもない。  
太ももで引っかかっていたレオタードは床に落ちた。   
 
下半身には何も纏わず、宙吊りにされなすすべなく  
身をよじるヤエ。  
「へぇ・・・ヤエちゃんはここの毛はまだなんだね。つるつるだよ・・ふふふ」  
 
「っっ・・・・!!」  
 
「ふふ・・・そんなに僕の服が嫌なら、ずっとそのままでもいいんだよ?」  
 
「・・そ・・そんな・・・いや・・お願い・・・・」  
 
「んー・・・大分素直になってきたかな・・?・・どうしようかなぁ・・?」  
 
「お願い・・・見ないで・・っ・・!」  
 
まだ誰にも晒したことの無い秘部を凝視され、  
ヤエの声は羞恥心でかすれている。  
鬼頭はそんなヤエをよそに、床に落ちたレオタードを  
拾い、両手で弄んでいた。  
 
「ふふ・・・ならちゃんと僕の質問には答えないとね・・・  
 僕の考えたレオタードを気に入ったかい・・?」  
 
「は・・ぃ・・・」  
ヤエはそう答えるしかなかった。  
 
「んふふ・・ならちゃんとご主人様にお願いするんだ。  
 僕にこのレオタードをはかせてほしいですってね・・それと、  
 ご主人様に対する口の利き方も分かってるだろうね・・?  
 
「・・・・・・ぅ・・」  
 
「・・・・ずっとそのままがいいかい?」  
 
「・・レ・・レオタードを・・はかせて・・ください・・」  
恥ずかしさと恐怖で気絶しそうになりながら、  
ヤエはかすれる声を振り絞って懇願した。  
 
「んー・・・仕方ないな・・・・特別に僕が  
 はかせてあげよう・・・ふふ・・・・」  
 
いつのまにか、男の顔には今までのの下卑た笑みが戻っていた。  
「ふふ・・やっぱり僕は完璧だ。・・ほら、君の足にも良く似合うよ・・ヤエちゃん・・」  
 
 
「はぁ・・はぁ・・・・っ!んくぅ・・ゃ・・・」  
鬼頭はヤエの足に黒いレオタードをゆっくり通しながら、柔らかな足に  
つっと舌を這わせる。  
 
「・・ん・・ぅぅ・・・・」  
そして・・レオタードは元通り、ヤエの秘部を覆い隠した。  
だが、いつもの下着はすでになく、奇妙な感触が  
ヤエの恥部や尻にまとわりつくようだった。  
 
(・・恥ずかしい・・・誰か・・・・こんなの・・もう・・・嫌・・)  
 
「ふぅ・・・さてと。どうしようかな・・・うん。  
 ・・・ヤエちゃんのいけない態度をお仕置きしなきゃいけないし・・  
 ・・じゃあ、狩りごっこの時間にしようか・・・ふふ・・」  
 
「・・はぁ・・・・はぁ・・・」  
 
紅く染まり、うつむいた顔に涙をにじませ、下着もタイツも破り捨てられ  
生足に黒いレオタードを直接はかせられても、何もできないまま  
力なく宙吊りになっているヤエ。  
その可憐な表情と無防備に露出した肢体は、見ている者に  
ドス黒い欲望を湧きたたさせた。  
 
「んふふ・・踊り食いじゃないけど・・・生きがいいうちに、  
 色々させるべきだよねぇ・・・その方が美味しくなりそうだしねぇ・・・うん。」  
 
遥か遠くの惑星の地下深くの迷宮に独り囚われた蝶は、  
さらなる恥辱を待つことしかできなかった・・・・・  
 
 
四章・終  
 
第五章予告:体の力を奪う薬と投与され、歩くことも  
      ままならないヤエを待っていたのは  
      首輪をつけられたうえ、四つん這いでの迷宮徘徊だった。        
      『出口を見つければ自由になれる』と言い放つ鬼頭。  
      男の真意も分からぬまま、一縷の望みにすがり  
      迷宮内を彷徨うヤエ。  
      更なる羞恥を与えるべく、ヤエを追い詰めていく狩人。  
      ヤエは再び蜘蛛に絡めとられ、その肢体を嬲られてしまうのか・・・  
 
次章、次章『何かソレっぽい台詞が多いが猟奇的展開とは無縁で候』(仮)に続く・・  
 

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