放課後の薄暗い教科準備室で坂田銀八はひとり、テストの採点をしていた。
溜まった仕事を頭の中で整理した後、銀八は大きくため息をついた。
今日またあいつが来ると本当に終わらねぇな。頭をかきつつ、赤ペンを走らせる。
ピンク色のおだんご頭に瓶底眼鏡の留学生。全く、懐かれるのは悪い気がしないが、
そろそろ色々とやばい。
「銀ちゃん先生」
ガラガラと戸が開けられる。赤ペンを持つ手が止まる。
ふんわりと漂う甘い香りが銀八に届く。ガバッと勢いよく背中に抱きつかれ、不意を突かれた
銀八は息を噴出す。
「遊びに来たネ。私暇ですアル」
「すまんな。神楽。先生は忙しい」
赤ペンを持ち直し、テスト用紙に目を向ける。
「沖田終わりっと。次は…土方か」
神楽は鼻歌をうたいながら銀八の肩に顎を乗せ、回した両腕をばたばたと動かしている。甘い香り
はまだ漂っている。
「もう帰りなさい神楽君」
「嫌アル。皆帰ってしまったネ。先生と帰るネ」
耳元に神楽の息づかいが伝わってくる。跳ねのけるべきか。いや、留学生だし慣れない生活で
寂しいのかもしれない。そうだ。そうに違いない。
「部活で残ってる奴いるだろ。土方も近藤も沖田も多分まだいるぞ」
ぶんぶんと神楽が頭を横に振る。唇を尖らせ、銀八にぎゅっと身体を押し付ける。
「私先生が好きネ」
「…はいはい。ありがとう」
神楽は銀八に会うたび、口癖のように先生が好きだと繰り返していた。銀八は当然のように受け流し、
それでも神楽を避けたり距離をおこうともしなかった。神楽は苛立っていた。毎日のように愛の告白をしても
教師は答えてくれない。そして、嫌ってもくれない。
「本気にしてないアルな」
神楽は銀八の前に回りこみ、真剣な眼差しで見つめた。銀八は思わず息を呑む。
「先生は私が嫌いアルか」
「いやそういう問題じゃないんだわ」
「私大人ヨ。大丈夫ヨ」
「何が大丈夫なんだよ」
もう帰りなさい。軽く促されて神楽は銀八に回していた腕を自分の膝に戻し、黙り込んだ。
俯いたまま、ごそごそと制服のポケットに手を入れている。
ああもう仕事終わらねえな。家でやるしかないか。
膝に伝わる神楽の体温に理性を奪われないよう、銀八はまた目を瞑って仕事の詳細を整理し始める。
「これ」
赤ペンを握り締め、頭をかきながら銀八が目を開けると、神楽が白く小さなてのひらの上に何かを
乗せて銀八を見ていた。
「土方がくれたヨ。あいつ私のこと好きネ」
苺の写真がプリントされたコンドームだった。銀八の右手から赤ペンが力なく落ちる。
「この間沖田に無理やりキスもされたヨ」
短いプリーツスカートから伸びる白い太腿に目が行く。銀八は自身の中で何かが熱く波打つのを感じた。
「私銀ちゃん先生が好きヨ。でも、迷惑なら私…」
神楽の甘い香りが漂ってくる。再び正面から抱きつかれ、銀八は柔らかな神楽の身体を感じていた。
「先生…何で振り払わないアルか」
銀八は何も答えない。夕焼けも終わりを迎えようとしている。薄暗くなっていく準備室に、重なった
制服と白衣の擦れる音が聞こえる。
「私、これ、使ってもいいアルか。土方も…」
言い終わらないうちに、強い力で抱きすくめられる。
「銀ちゃん先生?」
「お前、男を舐めてると酷い目に合うぞ」
「ひゃ」
銀八に肩を捕まれ、テスト用紙の上に押し倒される。神楽の手に収まっていたコンドームが床に落ちる。
「先生…どうしたアルか…?ねえ…」
唇が生ぬるい感触に塞がれる。それが銀八の唇だと気づくまで、多少時間がかかった。恋焦がれた
男に口付けをされた事実に震え、また、男に組み敷かれているという事実に神楽は震えた。
口内に侵入してくる舌を受け入れ、本能のままに男の唾液を飲み、舌を重ねる。
「神楽。沖田にどこまでされたんだ」
「あ。いや…ああ…銀…ちゃん先生…」
眼鏡越しに見える銀八の目に光が見えなかった。さっきまでの先生と違うアル。
太腿と胸に銀八の骨ばった大きな手が這い回る。執拗に撫でられ、乳房を強く揉まれ、神楽は息を上げる。
「はぁ…ああ…先生…誰か来たら…どうするネ」
「今更何言ってんだよ。あれだけ誘っておいて」
部活で残っていた生徒の声は途絶えていた。グラウンドの明かりも消えている。
最近は銀八が戸締りをして学校を最後に出ることも多くなっていた。
神楽とふたりで帰ったことも何度かある。
土方や沖田と連れ立って帰っていく神楽を見送ったこともあった。
「沖田にどこ触られたんだ。言えよ。神楽」
「…私…好きなの銀ちゃん先生…だけヨ。ん…」
セーラー服の下に銀八の手が伸びる。薄暗い夕暮れに、神楽の白い肌がさらけ出される。
「あ…やーヨ…あ…」
ブラジャーのホックをいとも簡単に外され、セーラー服ごと、ずらしあげる。
薄桃色の乳首は既に固く上を向いていた。
「ここも舐められたのか」
形の良い真っ白な乳房を揉みつつ色づいた乳首を吸い上げる。神楽は口を手で覆い、声を押し殺しながら
仰け反って震える。神楽は自分で下着が濡れていることに気づき、更に顔を赤らめた。
私、濡れてるアル。どうしよう。気づかれちゃうアル。
両方の乳首を攻め立てられ、舐られ、摘まれて、神楽は無意識に太腿を擦り合わせた。
「ん…あ…駄目…あ…銀ちゃん先生…」
「答えろ神楽」
太腿に銀八の両手が伸びる。また口内を舌で犯される。ぴちゃぴちゃと舌の絡まる音が神楽の感覚を
支配する。夢中で銀八の舌をすすると両手で大きく股を開かされる。
「足閉じんなよ」
銀八が冷たく微笑む。神楽の背筋にぞくぞくとした感覚が走る。
股を広げられ、下着に顔を近づけられ、神楽は羞恥に顔を歪めた。
濡れてるのばれちゃうアル…。
「あ…や…銀ちゃ…ん]
「お前、ぐしょぐしょじゃねーか。染みできてるぞ」
下着越しに指で割れ目を撫でられ、神楽は熱くなる顔を手で隠し、声を漏らした。
「ひゃ…あ…」
「お前、沖田にされたの?土方?答えないと先生怒るよ」
「う…キ…ス…だけ…ヨ…」
「キスされてこんだけ濡らしたのか」
銀八の指が下着越しにクリトリスを探り当て、既に固くなったそれを擦り上げる。
「あ…ああ…ん…あ…駄目ヨ…先生…そこ…」
レースとリボンのついた下着を、一気に剥がされる。力の抜けた神楽の足からショーツを取り去ると、
銀八の指がさらけ出された秘部に埋まる。
「どこ触られたか答えないとこうだぞ」
クリトリスの包皮を剥き、執拗に擦り上げる。神楽の声が高くなる。
「や…あ!」
「感じてるのか。ぐちゃぐちゃだぞ」
指が動きを早める。クリトリスが充血し硬くなっていく。
「あ…駄目…あ…」
喘ぐ神楽の開かれた唇に、誘うような舌が見える。銀八がまた唇を重ね、舌を差し入れると、
快楽を求める神楽の舌が柔らかく絡み付いた。キスを繰り返しながら、膣口を左手で攻め、直も
クリトリスに溢れた愛液を絡ませながらくちゃくちゃと愛撫し続けると、舌の動きが鈍くなる。
「ん…あ…」
「神楽…すげー濡れてる」
銀八が神楽の唾液をすすり上げると、神楽は愛液を垂らしながら、瞳を潤ませ、びくびくと痙攣し、
達した。唇を離すと唾液が銀色の糸を引く。
肩で大きく息をする神楽を見上げ、銀八が膣に指を突き入れる。ぬぷぬぷと音を立て、神楽の粘膜が
指を飲み込む。
「もうイッたのか」
達したばかりの秘部に容赦なく指を突き立てられ、神楽の瞳には涙が溜まっている。
「あ…指…やめ…て…ヨ…」
「お前、すげー吸い付いてくんぞ」
銀八が指を二本に増やす。迫る苦痛と快楽に神楽はぐったりとして銀八を見上げる。
「沖田にどうされたんだ。え?」
「や…途中…まで…ヨ…ほんとヨ」
神楽が銀八の腕を掴む。
銀八はゆっくりと指を抜き、椅子に座ると、机に預けていた神楽の身体を引き寄せ、
自分の膝に座らせた。
「銀ちゃん先生が好きだって言ったら、やめたヨ。本当ネ」
銀八の胸にしがみつきながら、神楽が小さな声で言う。
「…すまん。俺、もう止まらねーわ。お前、かわいすぎるし」
「先生…いいヨ…好きヨ」
神楽がそっと銀八の頬に口付ける。乱れた制服と白く映える肌を抱きしめると、銀八は神楽が持っていた
コンドームを床から拾い上げた。
「土方には悪いが。使わせてもらうわ」
ベルトを外し、そそり立ったペニスを出すと、神楽は興味深そうに
じっと眺めている。
「触ってくれや」
銀八が言うと、神楽はそっとペニスに手を伸ばす。
「硬いアル…ビクビクしてるネ…」
「お前の手、柔らかいな」
銀八はゴムを取り出すと器用に装着する。
「先生…私…初めてアルから…」
「ああ。ここじゃ嫌か」
神楽は大きく首を左右に振る。
「ここがいいネ。いつもここで遊んでたネ」
銀八は唇の端を上げると、神楽の腰に手を回し、再び、膣に指を這わせ、ゆっくりと押し入れた。
「お前が欲しいって言うまで入れないから」
「え…あ…」
指の腹でざらついた肉を突くと、一度達した神楽の中は銀八の指をきつく絡みとり、吸い付いてくる。
「すげえな」
「先生…あ…ん…」
「後ろ向け」
神楽を後ろから抱きかかえ、胸を揉みながら、指を背後から差し入れる。
「ん…あ…何か変ヨ…あ…」
「ここか…」
クリトリスの内側辺りの肉を執拗に攻められ、奥のほうからせりあがる深い快感に神楽は驚いていた。
「あ…先生…ん」
「神楽、座れ」
銀八は指を抜くと、神楽を椅子に座らせ、床に膝をついた。
「銀ちゃん先生…あ…見ちゃやーヨ」
スカートの下に銀八の頭が隠れる。膣の中で折り曲げられた指がざらついた部分を突き上げる。
先ほど達したクリトリスはまだ赤く腫れている。舌の感触に神楽がのけぞる。
「ああ…駄目ヨ…銀…ちゃ…先生…私…また…あ…」
ぬめぬめとした強い快楽に神楽はまた小さく達する。
「もっとイけ」
しつこくクリトリスを舐られ、膣を突かれ、神楽は何度も湧き上がる快楽に鳴いた。
「また…イッちゃう…ヨ…あ!…ん…あ…もう…駄目ヨ…」
「欲しくなったか」
唇を舐めながら銀八が神楽に問う。
「俺はもういつでもいいんだけど」
そう言うと、神楽の手をペニスにあてがう。
「硬いアル…ビクビクしてるネ…」
「うん…入れてヨ」
机の上に神楽を寝かせ、膣口にペニスを当てると、神楽の身体が強張る。
「最初は痛いぞ。でもよくなるから我慢しろ」
無言で頷く神楽の頭を抱き寄せ、ペニスに手を添え、挿入する。充分に潤った粘膜が
吸い付く。銀八が腰を沈めていく。神楽は歯を食いしばり、銀八の背中に腕を回し、ぎゅっと
力をいれた。
「う…入ったアルか」
「あ…ああ。すんげー締め付けてくる」
「痛いヨ…先生…」
「何度もすればよくなるから。安心しろ」
銀八がゆっくりと腰を動かし始める。愛液で溢れていた膣はくちゅくちゅと音を立て、ペニスに
絡み付いている。痛みと奥から鈍く這い上がってくる快楽に神楽は懸命に耐えていた。
「すげー気持ちいい。やべーよ。これ」
「気持ちいいアルか。先生…」
「ああ。たまんねー」
そう言うと銀八は神楽の腰を両手で持ち、激しく腰を打ちつけ始めた。
「あ…先生…何か…擦れて…いいヨ…あ…」
「もっと声聞かせろ」
神楽の甘い声が高くなるたびに、ペニスを強く出し入れする。
「ん…あ…先生…」
銀八は神楽に圧し掛かり、激しく少女の唇を吸い上げ、舌を絡めた。
「あー出る…。神楽出すぞ」
「あ!…ん…ああ!あ!あ!」
一層激しく突き立てられ、神楽の内側に快楽が湧き上がる。
「あ。私も…気持ちいいヨ!銀ちゃん」
舌を絡めあい、涙で潤んだ神楽の瞳を見ながら、銀八は射精した。ドクンドクンと波打つペニスを
内側で感じ取りながら、神楽は目を閉じた。
誰もいない校内を出て、銀八と神楽は銀八のアパートへ向かっていた。
「先生。お腹がすきましたアル」
「運動したからな」
「お肉が食べたいですアル」
「そうだな。今日は金曜だし、泊まってけ。どうせひとりだろお前」
「うん。あ…先生、土方のことは嘘アル」
「は?」
「先生のこと相談したらこれ持っとけと言われてゴムくれたアル。親切な奴アル」
「あいつ、やるな」
銀八は土方に少しだけ感謝しつつ、採点途中のテストのことを思い出し、仕事が全く進んでないことを
にひとつため息をついた。