闇の色もすっかり濃くなってきた頃、銀時は読んでいたジャンプから視線を上げて  
ソファから立ち上がる。  
 神楽は背中に立ち上がった影を合図にテレビを消して寝室に戻る。  
 これがいつもの光景で、寝室への戸を開けた神楽がこっちを振り向き、  
 「おやすみ、銀ちゃん」  
 そう言って自分の寝床である押入れに入ろうとする。そこで銀時に後ろから襟を引っ張られた。  
 「何するアル」  
 私の布団はこっちネ! と指を指す神楽に、銀時は眉潜めて寒いんだよ、と呟いた。元から  
冷え性気味の銀時には湯たんぽが欠かせない。だが、肝心の湯たんぽは壊れてしまっていたのだ。  
 「寒いから一緒に寝てくれ」  
 有無を言わせず神楽を抱きかかえるようにして床につく。冷えた布団が銀時に覆い被さって  
身体を冷やす。しぶしぶ布団にもぐりこんだ神楽を強く抱きかかえるようにして銀時は眠りに  
ついた。  
 少女の体温は高くて、温まるには十分だった。  
 「お前、あったけぇなァ」  
 「糖尿で冷え性の銀ちゃんとは違うヨ」  
 銀時の胸に背中を預けた神楽が瞼を閉じたまま言った。神楽の身体は柔らかくてとても熱い。  
抱きごこちも良くて、銀時は神楽の腰に回した手をそっと胸元まで持っていき静かに触れる。その  
大きな手にすっぽりと包み込まれる小さな胸はとても柔らかだった。  
 「……っ何するアル! 銀ちゃん寝るんじゃなかったのカ?」  
 顔だけ向けて神楽は銀時を睨みつける。それでも銀時は神楽の胸を揉みつづける。  
 「お前の胸ちっせぇな。揉んだら大きくなるって知ってたか?」  
 「――それ、本当アルか?」  
 胸が小さいことがコンプレックスだった神楽が銀時の言葉を聞いて問い返す。それに銀時は  
こっくりと頷いた。  
 「マジマジ。もっと揉んでやろうか?」  
 悪戯な笑みを浮かべながら銀時が言うと、神楽は首を縦に振る。それに便乗して銀時は神楽の  
胸を揉みしだき始めた。  
 
 服の上から擦るように揉みこむと、衣服をたくし上げ、外気に晒された双方の乳房をやんわりと  
揉みだす。マッサージするように神楽の胸を揉んでいた銀時の手は、だんだんと色をもち、神楽の  
乳首を指でつまみ、人差し指で捏ね、爪を立てる。  
 それはもはやマッサージではなく愛撫に近いものになっていた。  
 神楽はそれに気がついたのか、先程から小さく肩を震わせている。  
 「銀ちゃん悪ふざけもいい加減に……っあ……っ」  
 銀時に抗議しようと口を開いた神楽だったが、耳たぶを舐め上げられて最後まで言葉にならな  
かった。  
 身体ごと反転させられ、神楽は銀時と向かい合う形になる。銀時は深く布団に潜り込むと神楽の  
尖った胸の突起を啄ばんだ。強く吸い上げ、甘噛みし、頭にしがみついた神楽の腕から徐々に  
力が抜けていく。  
 「神楽、お前胸はちいせぇけど形いいじゃねぇか」  
 「それ……っセクハラアル……っん、はっ」  
 右胸の突起を唇で啄ばまれ、もう片方は指で嬲られる。双方に同じに与えられる快楽に神楽は  
すっかり抵抗することも忘れ、銀時の愛撫に従順に応じていた。  
 二人の熱を持った布団の中で寒さを忘れるように肌を重ねる。  
 ふと銀時の手が神楽の下肢に伸びて寝具の下衣に手をかける。そのまま一気に引き摺り下ろし、  
すらりと伸びた白い素足が晒された。熱を持った身体がしっとりと汗をかき、頬は紅潮していた。  
 それは銀時も同じで、額の汗を拭い、布団を取り払う。するとそこには薄暗い部屋の中で  
白く浮かび上がった神楽の白い肢体が横たわっていた。年頃の少女特有の妙な色香を漂わせて、  
虚ろな瞳で銀時を見つめている。  
 そんな神楽から目を反らさず、僅かに残された下着を取り払い、愛液で湿った秘所に指を  
這わせた。  
 「ん……っ」  
 秘所に覚えた異物感に神楽が肩を震わせる。いつになってもこの感覚には慣れない。相手に  
弱いところを曝け出すということは、夜兎にとってはあってはならないことだったからだ。  
 咄嗟に足を閉じた神楽の足をゆっくり開き、紅く実ったクリトリスを摘む。すると神楽は一際  
甲高い声を上げてないた。  
 「あっやぁ……っ」  
 「気持ちいいだろ、もっと弄ってやろうか」  
 「ふ……ぅ……ひあっあぁ……っ」  
 クリトリスを執拗に攻め立てる銀時に、神楽はただ弓のように身体を撓らせて喘ぐ。  
 
 快楽に反応する秘所から止め処なく溢れてくる愛液を指で掬い上げ、神楽の紅く熟れた唇を辿る。  
 「ほら、お前のこここんなにも濡れてるぞ。……もう入れて欲しいか?」  
 目の前に下りてくる問いに、神楽は答えられなかった。自ら快楽を請うのは恥ずかしかったし、  
銀時の思い通りになるのは面白くなかった。  
 「どうせ銀ちゃんの方から欲しくなるネ」  
 そう言って神楽は挑むように銀時を見つめた。そしてそっと瞼を閉じて銀時の唇に噛み付くように  
口付ける。開いた唇の割れ目から、そっと舌を侵入させて口内を蹂躙する。歯列をなぞり、舌を  
絡ませながら神楽の手は銀時の肩に、足は緩慢な動きで銀時の下肢にたどり着く。そして、その膝を  
あげ、銀時の硬くなった性器を下衣の上から擦り上げる。口付けに没頭していた銀時は、自身に  
与えられる愛撫にその瞳を見開いた。  
 「……っ!」  
 息を詰めた銀時からゆっくりと唇を放した神楽。二人をまだ名残惜しく繋ぐ銀糸は果敢なくも  
途切れたが、神楽は無邪気な笑みを浮かべて言った。  
 「これで銀ちゃん、私が欲しくなったヨ」  
 「てめ――」  
 何か言いたげに口を開いた銀時だったが、不服そうな顔をしただけで神楽の足を抱え上げる。硬く  
反りたった性器を取り出し、神楽の膣口にそっと宛がった。びくりと神楽の肩が震え、銀時の性器が  
神楽の中に侵入していく。その小さな身体を今、銀時が支配しようとしている。  
 「神楽……キツ……ッ」  
 「んっはぁ……っあぁ……はっ」  
 神楽に口付けながらゆっくりと押し入ってくる性器に、神楽は荒く息を吐きながら受け入れる。  
全て収まったのを確認して、ゆっくりと律動を開始する。  
 圧迫感に眉を顰めていた神楽も、律動が繰り返されるたび、甘い声を上げ始める。銀時の性器を  
逃さぬよう、膣内の襞が蠢いて奥へ、奥へと誘っていく。それに導かれるように、銀時は腰を  
打ち付け、神楽も自然と腰を揺らしている。  
 「あっあぁ……銀ちゃ……っや、ん……んんっあっ」  
 銀時の背中にしがみ付いて爪を立てる神楽。背中に走る痛みも気にせず、銀時は神楽を絶頂へと  
いざなう。最奥を突くと共に銀時は達し、神楽もまた甲高い声を上げて達した。  
 
 
 「……違う意味で暑くなったネ」  
 後始末を終え、着衣を身につけた神楽が天井を仰ぐ。まだ少し暑いらしく、布団は被っていない。  
 「あー……俺も暑いわ。でも疲れたからこのまま眠れそうだぜ」  
 「もうオッサンアルな」  
 「オッサン言うんじゃねェよ。――ほら、腕枕してやるから一緒に寝るぞ」  
 押入れに戻ろうとした神楽だが、腕枕という言葉に反応して銀時の布団にいそいそと潜り込んで  
きた。神楽は銀時の腕枕がとても好きだったのだ。  
 「ん」  
 銀時が伸ばした腕にそっと頭を預けて、神楽は瞳を閉じた。  
 髪を撫でる大きな手が、とても心地よかった。  
 
 
 
 END  
 

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