パチンコ屋をでると既に太陽は西に傾いていて、真昼の激しい光ではなく少し和らいだ陽光が注いでいた。
今日もスッちまった…まあいっか。
昨日もだったけど、過ぎた事はしょうがないし…と自分に言い訳しつつ、長谷川はどこへともなく散歩し始めた。
何にもする事もないし、夜まで公園のベンチでぼーっとしてよう。この時間なら子供たちも家に帰ってるし、と思いながら歩く。
自然と、ある人物の事を思い出す。
いるのかな、あのお嬢ちゃんは。
よく一人でブランコに乗ってる少女。今日はいるんだろうか。
出会えば何故かいつもひどい事を言われる。けれどもなんとなく恨めないというか。別に、嫌われてる訳ではないと思う。
…いや、やっぱり嫌われて軽蔑されてるのかも...でも嫌ってたらわざわざ文句も言ってこないんじゃないか。
考え事しながら歩くとすぐ公園についた。シーンとして、遊ぶ子供たちの姿はない。
あの少女もブランコに乗っていない。
煙草、煙草…と思いながらベンチに腰を降ろした。
「あーあ、ついてなかったな。今日も負けちまった…」
そうだ、お前の人生いつも負けばっかり…、負け犬街道まっしぐらだ
「そうだ、ついてねえんだ、全ては嫁に逃げられた時から…」
その通りだ。それ以来まるでダメな男として生きるしかなくなった。この先一生ロクな人生じゃねーんだよ
「そうだもうこの先もどうせロクな人生じゃ……てオイイイイ!」
「大の大人がでっかい声だしてビビってんじゃねーヨ」
頭に響いてきた声の方を振り返ると、背後の木の下に神楽が座りこんでいた。
「お嬢ちゃん…」
立ち上がって神楽の隣に座り込み、その顔色を伺った。
「こんな所でどうしたんだい?ベンチに座ればいいのに…」
「だめヨ。まだ眩しいから。」
前を向いたままそれだけ言うと、神楽は抱え込んだ膝に頬をつけてそっと目を閉じた。
散歩途中疲れてしまって、木陰に座りこんでいたのだった。
いつもの元気がなくて、大人しい様子の神楽に、長谷川は心配になった。熱中症とかになっていないだろうか。
「大丈夫かい?」
「ほっとけヨマダオ」
倒れてるわけじゃなし、まあ大丈夫か…と思う。そのまま神楽と同じ様に、木の幹に背を預ける。
風がさーっと吹いていく音しか聞こえない。なんだか静かすぎて居心地悪くて神楽に話しかけてみる。
「…所でお嬢ちゃん、こないだ着てたメイドさんの服、なかなか似合ってたね」
「人の事じろじろ観察してんじゃねーヨ変態」
「いや、お嬢ちゃんはきついな…」
ううっ…変態、って…。そんな意味で言ったんじゃないのに…
この娘の自分への毒舌は相変わらずだ。
けれども少しも嫌ではない。別に嫌ではないのだ。
…何で嫌じゃないんだ?なんか次は何を言われるか楽しみなような……
長谷川はちらりと横の神楽を見る。わっ、今日はなんでこんな服、着てるんだ…
スカートに入ったスリットのせいで、膝を抱えても脚の横の部分がまる見えだ。
白い肌が目に入り生唾を飲みこむとなんだかいけない事をしてしまったような気がして、長谷川は目を逸らした。
途端に、神楽が閉じていた目を開けて立ち上がった。
「あれ、お嬢ちゃん……」
「わっ」
立ち上がって伸びをしようとした神楽の身体が、かくんと揺れる。
一瞬目の前が真っ暗になり、立っていられなくなりそうなのを誰かに支えられた。
「うぅー…」
「いきなり立ちあがっちゃ駄目だよ、倒れっちまう。いいよ、掴まって」
神楽は眉間に僅かに皺を寄せ目を閉じたまま、長谷川の肩に掴まった。
立ち眩みの所為で力が入らない。しばらくじっとしてるしかない。
「大丈夫かい?」
「うー…マダオ、しばらくそうしてるアル…」
肩にかけられた神楽の手には力は殆ど入っていないが、身体を支えるのなんて長谷川にはわけもない。
神楽の背を木の幹によりかからせてやると、支える手をより安定させる為神楽の脇の下から腰の辺りに移動させる。
大丈夫かなー…
長谷川は神楽を見下ろした。女の子だし、貧血だろうか。頭を木にもたせかけ、わずかに反らした白い喉が覗く。
睫毛、長いな……。腰、細すぎだし……
少し開いた紅い唇が、空気を求めて一定の間隔で震えている。
なんか、ずーっとこうしてたい……って俺何考えちまってんだアアアアア
支えた腰に当てた手に伝わる感触はとても柔らかい。神楽が身じろぎすると、手が滑って腰から腿の辺りを撫でてしまう。
「うわっうわーっ……」
「…うっさいマダオ、でっかい声出すんじゃないアル…」
神楽は数度瞬きすると、また安心したように瞼を伏せた。
「ごめんお嬢ちゃん…」
長谷川はまたしっかり手を固定させた。さっきからずっと触れているけど、だんだん汗が引けているのか神楽の肌が冷たくなっている。
「お嬢ちゃん寒くないかい?こんなに脚出す服着てて」
これ以上体力を無くす様な事をさせてはいけない。少しでも暖めてやろうと、スリットからはみだした部分の大腿を掌で擦ってやる。
「夜になると気温が下がるんだし…駄目だよこんな冷える格好は」
「ん……」
長谷川の手が何度も往復すると、その度神楽の全身が少し震える。肩にかけられた手に、僅かながら力が加わってきた気がする。
長谷川は少女らしい健康的な弾力を持った肌に押し付けている手に、更に力を込めた。
「…あ、なんかちょっとあったかくなってきたヨ…」
神楽はやっと目をうっすら開ける。
「あぁ、良かった…」
すごくすべすべしてるな…良かった、少しはあったまってくれて…
「や、ちょ、なんか、くすぐったい…」
表面をさするだけでは飽き足らず、長谷川の手は無意識の内に神楽のふとももを緩く掴んでみたり、腰の一番くびれた辺りから尻にかけてまでを撫で回していた。
「っや、もういい、やめるアル」
明らかに先程とは違った動きをされて驚いた神楽は、何とか逃れようと身体をひねらせるが、更に後ろの木に身体を押し付けられ腹部に何かが当たるのを感じた。
だ、駄目だ駄目だ何考えてるんだ俺!マダオ通りこして人間失格だ…!
ぎりぎりの所で理性が訴えかけてくるが、神楽に回した手は背中に腰に感触を楽しむように動きまわり、更にその腹部に押し付けた下半身がどんどん熱くなってくる。
神楽が文句を言っている。その頬がわずかに紅くなっていて、瑞々しい唇を尖らせて…何て可愛いんだろう。
「いや、いや!止めてヨ変態!」
神楽がたまり兼ねて長谷川を突き飛ばすと、互いの距離が僅かに空いた。長谷川の股間の、明らかに膨脹した部分に視線がぶつかる。
「…っこんなにして!マダオの癖に生意気アル!」
「う…」
神楽の言葉に、長谷川の何かがが吹き飛んだ。突き飛ばされて我に返りかけたが、可憐な唇から発せられたキツい言葉がとどめとなった。
「ッきゃ!痛っ!」
突然肩を掴まれ後ろの木に全身を押し付けられ、神楽は一瞬目をぎゅっと閉じた。
「…お嬢ちゃん……」
顎を神楽の肩に乗せ、身体全体で体重をかける。
尻を撫でていた指を下着の裾から中に入れ、膣の位置を探る。温かく柔らかい肉の感触がした。
「このマダオが!粗末なモンおっ立ててんじゃないアル!」
長谷川にのしかかられながらも、神楽は気丈に抵抗する。
しかしいくら責め立ててやっても、長谷川の興奮を高めるばかりなのには気付けなかった。
「っふ、あ!…っんぁあ…ッ汚い手で…触るんじゃ、ない…アルっ…!」
空いた方の手で前のスカートの布を払いのけ、無遠慮に下着越しに秘核を刺激すると神楽が一層高い声を上げる。
「ふ…ぅあ、は、やだぁ、はぁ…」
秘所に抜き差しされる指がどんどん蜜を掻き出し、また濡れた指が秘裂をなぞり、下着の中がぐちゃぐちゃになってきている。
神楽は目を細め前と後に回された手に屈しまいと抵抗するが、それを嘲るように今度は陰核が摘みあげられる。
膣から溢れた愛液を塗りつけられて、敏感なところの感度が更に上がっていた。
「ぃやあああぁんっ!」
身体を震わせた瞬間動けなくなり、下着が膝まで下げられて片脚が抜き取られる。
そのまま下着が引っ掻かっていない方の脚の膝裏をぐうっ…と縦に持ち上げられる。バランスを崩しかけ、神楽は後ろの木に両手をついた。
「っや…!」
その体勢の恥ずかしさに、神楽は頬を赤らめ唇を噛んだ。
脚を高く持ちあげられている為、愛液を滴らせヒクつく所を目の前の男に余す所なくさらけ出す事になる。
長谷川は神楽の膝裏に当てていない方の手で急いで陰茎を取り出す。もっとじっくりこの桃色の秘所を視姦したいが、陰茎がはちきれそうだ。
「…っ、やっぱりお前はダメ男ネ!その程度のじゃ、私満足しないアル!」
ビクビクと脈打ち、割れた所から透明な液体を溢れさせる陰茎の大きさに怖じけづいている事を悟られないように、神楽は長谷川を挑発した。
他の男なら逆上しかねないが、長谷川にとっては堪らない。根元を支えて神楽の膣目掛けて挿入していった。
慌ただしく動き始めると神楽は眉を寄せ後ろの木に頭を押し付けた。
神楽の肩に頭を乗せたまま、長谷川は唇で白い首筋を吸い始める。たまらなく甘ったるい香気がその首筋から立ち上ってくるようだった。
「あん、あっ!あぁん!いやぁっ!お前なんかっ…ロクでなしのクセにっ…!マダオの分際でッ…!ッぁん!」
声なんか上げたくないのに、長谷川のそそり立ったモノは容赦なく神楽の狭い膣内を突き上げ奥まで当てる。
何て気持ちいいんだ、お嬢ちゃんの中は…
神楽が倒れてしまわないよう、腕を背や腰に回してきつく抱きしめながら長谷川は速い動きで小さな身体に自身を突き挿し続ける。
自分を罵倒する幼い少女を、無理矢理犯している。
こんな倒錯的な快感は初めてだった。
「っぁん!うぁっ…!はぁん…!」
目を閉じた苦しげな表情のまま、神楽が肩をびくん、びくんと震わせる。狭い中を掻き回され続け、耐え続けてきた快感が秘所から全身に回ってくる。
「お嬢ちゃんッ…いくよ…ッ!」
こんな、マダオなんかに…っ
神楽は確かでない意識の中そう思ったが、もう言葉にもできない。
「…ううッ…!」
長谷川が引き抜いた瞬間、生暖かい白濁が神楽を汚していった。
「世の中、ポリゴンばっかりアル…」
長谷川が渡したお茶をコクン、コクンと飲んでいた神楽が呟いた。
行為の後ぐったりした神楽をベンチまで抱きかかえて連れてくると、茶ー買ってくるくらいしろヨ気が利かなすぎなんだヨマダオ、と言われたのだった。
「それを言うならポリゴンじゃなくてロリコンじゃないのかい?」
…ってこれじゃ俺自分がロリコンって認めてんじゃねえかアアアアア!
「あ、そーだったネ、ロリコンヨ。お前のような奴」
神楽は事も無げに言うと、ベンチから立ち上がった。
「とにかく。ロリコンも大概にしろヨマダオ。かぶき町の女王の命令アル」
「ごめん、お嬢ちゃん…」
神楽は長谷川にそれだけ言うと、もう陽は沈んでいるのに傘をさしてクルクル回しながら帰っていった。
…ああ、俺って最悪だ…しかしめちゃくちゃ気持ち良かった…でもお嬢ちゃん、初めてじゃないなんて…
もしかしたら、いつも一緒に歩いている万事屋の旦那が恋人だったりするんだろうか。
…だとしたら、うらやましすぎる。
…ってこんな事考えてっからお前はマダオなんだよオオオオオ!
煙草をふかしながら、いろんな事が頭の中を巡る。
しかし「かぶき町の女王」か。お嬢ちゃんにぴったりだな、ハハ…
……今度うっかり女王様とかいっちゃったらどーしよ…
また更に軽蔑されるなぁ…とか思いながらも、長谷川はちょっと幸せだった。