「桂はどこだって聞いてるんですがねェ。」
「だから知らねーっつてんだロ。」
「万事屋が桂を匿ってんのは割れてんだ!さっさと吐きやがれ!」
真選組の取調室。神楽は沖田を始めとする真選組の隊員達から事情聴取を受けていた。
しかし事情聴取といっても、真選組のそれは明らかに非合法なものであるが、
五月蝿い攘夷浪士を潰すためなら多少のやんちゃは構わないと幕府も容認している。
それは時には隊員の憂さ晴らしの役割も果たしているようだった。
そのような行為は人の良い局長の近藤には知らされていない。
副長の土方は知っていても知らぬ振りをしていることが多い。
組織を保持するためにはいたし方のないことだと思っていた。
隊員たちはあの鬼の副長さえも見て見ぬふりをするこの行為を、「見世物」と呼ぶ。
「見世物」−それは女を陵辱すること
「見世物」の指揮は局長でも副長でもない沖田がとることが多かった。
この沖田総悟という男は学こそないが悪知恵ばかり働く厄介な男だった。
隊の中でも沖田を嫌う輩は多かった。
「見世物」を開くにあたって、神楽はまさに格好のターゲットだった。
不法入国の天人、たとえ誤って殺してしまってもお咎めを受けることはない。
なにより、美しかった。
地球人とは比べ物にならないほどの肌の白さ。
色素の薄い桃色の髪。
まだ幼さは残るものの、その美しさは男達を引き付けてやまない。
そして「夜兎」であること。
「夜兎と性交すると、地球人の女など相手にできない」
そんなまことしやかな噂が屯所に流れたことがあった。
「知ってますぜ。夜兎の女、ひとり。」
「マジですか!沖田隊長!犯りましょうよ!」
「でも夜兎でしょ?一体どうやって・・・。」
「食い物にちょっと細工すりゃそんなの簡単でィ。あーゆーのは意地汚ねーからすぐひっかかっちまう。」
迂闊だった。万事屋の玄関に放置してあった差出人不明の菓子折りに手を付けるなんて。
神楽はてっきり桂からのものだと勘違いしてしまったのだ。
私、本当に馬鹿アル…。
「…銀ちゃん…。」
「桂の居所吐いたら直ぐ帰してやるって言ったろィ?」
「だから知らないネ!知っててもお前らなんかに誰が言うカ!」
「ふーんやっぱり知ってるんだねェ。ま、吐かないならこっちとしてもやり方がありまさァ。」
おい、と言って沖田が首で合図をすると、体躯の良い隊員達2人が神楽の腕を片方ずつ持ち上げた。
もちろんのことだが体重の軽い神楽は「捕らえられた宇宙人」のように体ごと吊り上げられる形になる。
男達は神楽を何処かへ連れて行く気らしい。
「離すアル!離すアルー!」
抵抗しようにも薬のせいで身体が思うように動かない。
それでも神楽は必死でもがいたが、抵抗しようとするほど体力を奪われていく。
一行はその態勢のまま急な階段を降り、小さな扉の前にたどり着いた。
「ここ何するところアルか?」
「黙っていろ。」
男の一人がかび臭い扉を開けるとさながら場末の見世物小屋のような部屋が現れた。
薄暗い照明に照らされた小さな舞台。
観客席とは言っても椅子はない、床にただゴザを敷いただけの湿った広間。
神楽がその不思議な空間に目を奪われていると、男達が神楽の服を破き始めた。
「何するアルか!!」
神楽はここに来て始めて怒りをあらわにした。
破かれた服、その服は地球に来て初めて銀時に買って貰ったものだったからだ。
神楽は薬のせいで力の入らない身体を奮い起たせて拳を振り上げた。
ガシッ。
無情にもその拳は男達の手によって寸でのところで止められ、神楽は床に引き倒される。
「戦闘部族などと謳われても薬一つでこんな風になるんじゃ名折れだな」
男の一人がそう言って神楽の薄い胸を数回したたかに踏み付けた。
「ぐはぁっ!」
神楽は痛々しい声を上げ血を吐いた。
普段なら何でもない攻撃。
そんな攻撃にすら神楽は気を失ってしまう。
血の気の引いたその顔は白いを通り越して青白い蛍光灯のような光沢を放つ。
無惨にも服は男達の手によってすべて剥がれ、真っ白な肢体が薄暗い部屋の中に浮き上がった。
舞台の上。
そこには足枷らしきものが2つ付いている。
男達は気を失った神楽をテーブルまで運び、そこに倒れないように背中を支えながら座らせた。
一人が背中を支えながら、もう一人が神楽を足を広げ両足を足枷に固定する。
そして天井から舞台床1メートル半上まで垂れ下がる縄で両腕を括りつければ完成。
これで神楽は、両腕を下に降ろすことも、両足を閉じることもできない。
神楽の恥ずかしい部分は今や男達の前に晒されている。
「へへっ本当に上玉だな。すっげー良い色してんじゃねーか。」
「おい、このまま犯っちゃおうぜ。」
「馬鹿か、そんなことしたら沖田隊長に斬られちまう。」
「ま、それもそうか。後でたっぷり楽しませてくれよ。」
そんな男達の下世話な会話をよそに神楽は未だ気を失ったままだった。
「山崎」
「はいよっ」
「結局夜兎ってのは人間とどう違うんだィ?」
「検査の結果では人間とほとんど変わりません。あ、一つだけ分かったことが。」
「何だィ?」
「いやね、彼女…」
山崎が沖田にそっと耳打ちをする。
「へぇ〜そりゃ良い。」
沖田はあの独特の嫌らしい笑みを浮かべた。
「山崎、隊員全員をあの部屋に集めろィ。」
「はいよっ。」
局長の近藤は幕府の接待、副長の土方は出張で不在の今、沖田に逆らえるものは誰もいない。
そんな日を狙ってこの余興を企てるのは他でもない沖田なのだが。
この余興自体を好まない者も中にはいたのかもしれないが、
隊員全員が必然的にこの「見世物」に参加することになる。
「さて皆揃ったところで始めやしょうか。」
神楽は沖田の横で未だぐったりしていた。
その青い顔が舞台の照明で照らされている。
「おら、起きろィ。」
沖田が神楽の頬を2、3発ひっぱたくと神楽の目がうっすらと開いた。
余程強くひっぱたられたのか神楽の白い頬には沖田の手の跡がくっきりと残っている。
「今から絶滅寸前の戦闘種族夜兎の生態についてお勉強したいと思いまさァ!」
意識を取り戻した神楽はしばらくこの状況を掴めずにいた。
どうやらまた新たに薬を打たれたらしい。まるで夢の中にいるようだ。
「触ってみたい奴いるかィ?でもまだ触るだけだぜィ。」
聞き覚えのある声が頭の中に響く。
目の前には自分を舐めるように見つめる男達。
ああ、きっとこれは夢なんだ。
神楽は目の前の現実を否定するかのように、ぎゅっと目を閉じた。
「ほぼ全員じゃねーかィ。ま、適当に譲り合って触っていけィ。あ、ただしマンコはお触り禁止だからな。」
「ええ〜!」
「沖田さんのケチ〜!」
男達の中からブーイングの波が起こる。
「うるせぇテメーらァ!楽しみは後に取っとく方がいいだろィ?」
「見世物」では前戯もそこそこにすぐに輪姦に至ることがほとんどだが、
今回はあの貴重種夜兎ということもあり、沖田はゆっくりと事を進めたいと思っていた。
隊員達はそんな沖田の意向には色々思うところがあったが、
とりあえず今は目の前の夜兎の身体に触れられることに酷く興奮していた。
沖田の合図とともに無数の手が我先にと神楽の肌に伸びてくる。
「うわ、すっげぇ柔らけぇ…!」
「しっかし白えな〜。」
リアルな手の感触。
耳元すぐ近くで聞こえる男達の声。
これは夢なんかじゃない。
どんなに目をつぶっても、これは現実なのだ。
神楽の脳裏に響く別の誰かの声。
嫌だ。こんな現実認めない。銀ちゃん以外の男に触られるなんて。嫌だ。
全身の毛が粟立ち、嫌悪感と恐怖に顔を歪める。
その様子は戦闘種族というよりは捕らえられた小兎のように愛らしい。
小兎は目を堅く閉じたまま、いやいやとかぶりを振る。
男達は小兎の恐怖を宥めるように優しく触れていく。
しかしその手はどれも氷のように冷たく神楽は触られる度に身体をきゅっと強張らせた。
自分の身体の熱との対比で実際よりも余計に冷たく感じるのだろうが。
「んっ…。」
この愛撫に身を委ねてはいけない。
しかし意に反して触られれば触られる程、身体の芯が熱くなっていく。
神楽の反応を察してか、発展途上の膨らみギリギリと握り潰すように掌で押さえ込まれたり、
乳首をコリコリとこね回されたりと、愛撫は徐々に激しいものとなる。
銀時と似た骨張った指が小さな桃色の乳首をぎゅむっと掴むと、
それまで堅く閉ざされていた神楽の口から思わず湿った息が漏れてしまう。
「声出してみろや。」
「可愛い声で鳴いてんの見てーなあ。」
「絶対やーヨ。」
「ガキがナマ言ってんじゃねーよ。」
「お前のココ、もうぐっちょぐちょだぜ?」
男の卑猥な言葉で意識は下半身に集中してしまう。
それまで意識しまいと耐えてきたのに。
先程から下半身に伸びた複数の手は太股と足の付け根を往復している。
たくさんの手が触れていくのにどれ一つとして核心に迫った快感を与えてくれない。
女芯がちりちりと焼け焦げてしまうようだった。
「あ…もぉ…。」
「うわ、相当な淫乱だねぇ。」
男達はそんな煽り文句を引っ切りなしに放ち、神楽の丘に生えた桃色の柔らかい陰毛を指で弄んだ。
「や、やダァ…そこ…いやっ!」
先程から触って欲しくて仕方ないんだろ。現に腰がひくついているぜ。
などという男達の声が聞こえる。
それは−絶対に認めたくはないが−自分の中の欲望がそう叫んでいるように思えた。
浅ましい獣の身体。闘わなければいけないのは自分なのに。
「やぁ…もぉ…いやヨォ…。」
「はあーい終ー了ー!!お触り止めー!!」
男達は一斉に愛撫の手を止める。
一体どれだけの男の手がこの身体に触れていったのだろうか。
何とか理性を保った神楽だったが、まだ身体の疼きは収まることなく雄を求めている。
「さぁてチャイナ、いいもんやるぜぃ」
「…何アル?」
沖田が口元を歪ませながら隊服の上着から取り出したのは、
男性器の形をあしらった電動バイブレーションだった。
それは地球人の男性器の標準サイズよりも大きく、パチンコ玉のようなものが埋め込まれている。
あまりのグロテスクさに神楽は思わず顔を背けた。
「へぇ…やっぱり欲しいんだねぇ…」
「欲しい訳ないだロ!」
「もうこんなにぐちょぐちょにしてる奴が言う台詞じゃありやせん。」
沖田が無遠慮に神楽の膣に長い指を沈める。
「夜兎の本気見せて下せェ。」
「…んんっ…。」
ゆっくりと内璧を擦られ、本能が理性を壊そうとする。
もっと。もっと擦って。
「いい顔してんなァ、チャイナァ。」
違う。これは銀ちゃんじゃない。
銀ちゃん以外の男にイかされるなんて・・・
「いやああああ!」
「!!!」
沖田が異変に気付き素早く指を引き抜く。
何だ…この女…。
「想像以上だ…。」
もし咄嗟の判断で引き抜いていなければ、確実に指の骨を折られていた。
「ま、そのためにいい物用意しといたんでさあ。」
沖田は隊服のズボンのポケットから取り出したICレコーダーの再生ボタンを押す。
「…これ…。」
ICレコーダーから洩れてきたのは、銀時と自分の声。会話ではない。
それは二人が情事に耽る音を録音したものだった。
「あんっ…イイっイイよォ!」
「神楽ァ…。」
「なんでこんなもの…!」
「あーあんたらが風呂に入ってるときにちょいと仕込んでおいたんでさ。」
沖田が盗聴器を神楽に見せびらかした。
「もしかして最初から…?」
「もしかしてじゃなくて最初からあんたはこうなる予定でしたぜ。」
「ヅラのことも嘘アルか!?」
「騙される方が悪いんですぜィ。」
「無駄な抵抗はよした方がいいですぜ。ちょいとあぶねー薬打たせて貰ったんでね」
「山崎」
「はいよっ。」
舞台袖に待機していた山崎がヘッドフォンを沖田の方へ放り投げた。
パシッと小気味よい音を立ててヘッドフォンを受け取り、ICレコーダーにヘッドフォンを繋ぐ。
一連の作業を終始虚ろな目で見ていた神楽だったが、自分がこれから何をされるのかは大体予想できた。
これから起こることは神楽にとって好ましくない出来事には間違いない。
それはつい先程の真選組に受けた辱めの段階で嫌というほど分かっていたのだが。
それでもこれがどの段階まで進むのか、が分からない。
輪姦にまでいたるのは時間の問題だろう。
真選組の男達の顔を窺っていると、男達の汚い欲がこちらに痛いほど伝わってくる。
自分の隣でニヤニヤ笑っているこの男はどうだろうか。
沖田の表情からは他の男達に見られるような性を貧る欲が見えないのだ。
何がしたいんだろうこの男は。
神楽がそんな詮無いことを考えていると、突然アイマスクで視界が閉ざされた。
そして神楽の予想通り、ヘッドフォンで耳を塞がれた。
真っ暗な世界の中、銀時の息遣いと自分の喘ぎ声だけが聞こえる。
セックスの時にしか聞けない男の湿った囁きが神楽の下半身をチクチクと刺激した。
「地球の女は身体そのものより心で感じるところが大きいらしいんですが、夜兎はどうなんですかねェ?」
「はぁっ…ん…銀ちゃ…」
ヘッドフォンで外界の音がシャットアウトされている今、神楽の頭は銀時の声だけに支配されている。
まるで今、この瞬間銀時に優しく抱かれているような甘美な感覚。
これが沖田の小細工によるものだと頭では分かっていても、本能が真実を裏切るのだ。
「あァん…銀ちゃん…早くぅ…。」
銀時の声が耳元で響く度に疼く秘所。入れて欲しい。ぐちゃぐちゃに掻き回して欲しい。
神楽は無意識のうちに腰を浮かせ、幻覚の銀時を欲した。
そう、神楽の目には確かに愛する銀時の姿が映っている。
先程とは比べものにはならないほどの愛液が溢れ、ぽたぽたと床に滴り落ちていた。
「…もォ…銀ちゃん…なんで入れてくれないアルか…。」
男を誘う淫靡な動きは見る者の興奮をますます駆り立て、男達全員が自慰に耽り出していた。
あの中に早く入りたい。
本能に支配された夜兎の女を前にして、そう思わない男はいなかった。
ただ一人を除いては。
沖田が手に持っていたバイブを秘所に宛てがうと、ずぶずぶといやらしい水音を立ててそれを飲み込んでいく。
「はぁ…っ…はあっ…銀ちゃん…今日…なんかおっきいっ。」
地球の女ならばやめてと泣いて懇願する巨大なそれを夜兎の膣は柔軟に受けいれた。
それどころか、次々と愛液が溢れ出し、バイブをぐちょぐちょに濡らしていく。
「…い、いやぁあん…銀ちゃ…何かなんだよぉ…。」
ぐるぐると首を振りながら、柔らかな肉をえぐるそれは明らかに通常時の性交では得られない感触だ。
なのに違和感の正体が分からないほど、「銀時」の身体に溺れていた。
「でもっ…こういうのも…イイネ…。」
違和感を感じながらも、神楽が快楽を貪っていたその時。
突然バイブの動きが変わり、性交時のようなピストン運動が始まった。
「はぁああああん!!」
規則正しい突き上げが神楽の肉を上に押し上げる。
「イイっ…やっぱりこっちの方が…もっと、もっとォっ…。」
既に理性を失った兎はアイマスクを外されても、幻覚の男と交わり続けている。
だらしなく開いた口からはとめどなくよだれが垂れ、苦しそうに喘ぐ。
まるで雌豚だな。
神楽の痴態を野獣のような目で見つめ何度もマスをかく男達とは対照的に、沖田はきわめて冷ややかな目線を神楽に送っていた。
ちょっと小細工しただけで、雄の形をしたただの張型に喘ぎまくるなんて。
つまらない。
自分の指を拒否したときの、嫌悪と侮蔑と怒りに満ちた目。あの目が見たいのに。
「ひぃやぁああああん!!」
男達の視線の中、兎はその白い身体をよじらせて快感にむせび泣く。
気が狂いそうになるまで何度も何度も無機質な張型にイかされ、嬌声を上げた。
神楽がバイブを埋め込まれてから半時間後。
部屋には隊員達の放った精液の匂いが充満している。
「あ〜あそろそろ飽きちまったなあ〜。」
沖田はつまらなさそうにあくびをしている。
隊員達のリクエストに答えてバイブの時間をここまで長くとったが、
理性の糸が切れた雌豚の観察など沖田にとってはまったくの愚行であった。
もっと理性と本能の狭間で悶え苦しんでくれたらこっちも楽しめたんですがねぇ。
残念だ、と沖田は心の中でそう呟いた。
神楽はというとはぁはぁと息を弾ませて、快感の余韻に浸っていた。
「ちょっと邪魔だねぇ。」
沖田はぐったりしている神楽の手首と天井を繋ぐロープを切り、器用に腕を後ろに回して手錠をかけた。
「さあて、今度は俺が楽しませてもらいまさあ。」
神楽の小さな尻を足でぐりぐりと踏み付けながら、自慰のし過ぎでぐったりしている隊員達の方へ顔を向けた。
「気持ち良くなられてるだけじゃこちらとしてもつまらないんでねェ。お前らが復活するまで勝手にさせてもらいやすぜ。」
沖田は山崎を呼びつけ、注射器と無色透明の液体の入ったバケツを用意させる。
針のついていない注射器をバケツに沈めると、コポコポという音を立てて怪しげな液体が注射器に吸い込まれていく。
そして直ぐさま注射器の先を尻に宛てがうと、そのままピストンをぐっと先に押し進めた。
「ひいぃぃぃっっ!!」
腸壁に感じる冷たい液体の感触に、神楽は急に現実に引き戻された。
注がれる大量の液体が神楽の下腹部を圧迫していく。
「漏さねーように栓しとかねーと。」
液体でぽっこりと膨らんだ下腹部はまるで妊婦を思わせた。
「ふむぅ。」
沖田は懐から取り出したピンポン玉ほどのアナルボールを神楽の小さな蕾に無理矢理入れ始めた。
「はぐあああああ!!」
それは神楽の蕾を破壊しながら一つまた一つと中に押し込まれていく。
いくら痛みを感じにくい体質とはいえ、そこに慣らしもせず異物を挿入するなど狂気の沙汰である。
まして初めて異物を受け入れた神楽にとってその痛みは計り知れないものであった。
狂気じみている。
真選組の隊員達が沖田に逆らわないのはこの倒錯した性癖のせいだ。
沖田の容赦のない拷問はまったく人間味を帯びていない。
むしろ人をいたぶること自体を楽しんでいる。
痛みに顔を歪める神楽の顔を見下ろし、沖田は最上級の笑顔を見せた。
「はぁ…はぁ…。」
神楽のアナルが柔軟に玉の大きさに馴染んで来た頃、別の痛みが神楽を襲い始めた。
「ぐっ、ふぐっ。ふぐうぅあああ。」
「おっそろそろですねェ」
「おなかっおなか壊れちゃうヨォ!」
「アナルボールぬきましょうか?」
「はっはやく抜くアル!」
「抜くだけでいいんですかィ?」
神楽が涙で顔をぐしょぐしょにして首を何度も縦に振る。
排泄欲求が頭の中を支配し冷静な状況判断ができない。
ここでアナルボールを抜けば目の前にいる男達全員に己の恥辱を晒すことになるというのに。
「も、もうダメっ!出るうぅっ!」
沖田はニヤニヤと嫌らしい笑顔を浮かべながら、その様子を見下ろしている。
「仕方ねーなァ。」
沖田がアナルボールを一つまた一つ引っ張り出すと、ボールとアナルの隙間から茶色の液体が漏れ出す。
そして最後のボールを一気に引き抜くと蕾から濁音とともに大量の排泄物が勢い良く飛び出した。
「ふぁああああ!」
「あ〜あ床汚れちまったじゃねーかィ。キレイにしろィ。」
「キレイにする…?」
「簡単なこった。舐めろってことだィ。」
「…っ!舐めるわけねーダロ!!」
「テメーが抜けって言ったから抜いたんだろーがよォ。さっさと舐めろィ!」
沖田は神楽の頭を排泄物で汚れた床に押さえ付け神楽の顔に排泄物をなすりつけた。
「んんんんー!!」
「きったねー顔。洗い流してやりまさァ。」
沖田はスボンのジッパーを引き下ろすと自身を取り出した。
前髪を引っつかんで、自身を排泄物で汚れた神楽の顔に近づける。
思わず目をつぶった神楽の顔に放たれたのは黄色い液体。
勢いのあるそれはみるみるうちに顔についた排泄物を落としていく。
沖田は手の平で頬を挟み、口を縦に広げさせた。
「しっかり飲みなせぇ!」
「ぐがあああぁぁ!」
アンモニアの臭いが鼻腔に広がり、何度も咳込んでしまう。
「飲めって言ってんだろうがァァ!」
沖田は尿を吐き出させまいと咳込む神楽の口を手の平で覆い、その苦痛で歪んだ顔を上に向かせた。
目の前の男の尿が喉を通過していく感覚に神楽の身体は嫌悪感にうち震えた。
初めて銀時の精液を飲んだ時もこれほどの嫌悪感を感じたことはなかった。
「うぇっ…ゲホッゴボッ…何するアルか!この変態!鬼畜!」
罵倒する少女の目は今、沖田に向けられている。
嫌悪と侮蔑と怒りに満ちたその目。
「そう、その目が見たかったんでさァ。」
沖田は満足そうに口角を上げて微笑んだ。
「もっと、軽蔑してくれますかィ?」
沖田はそう言い放つと同時に神楽の腹を何度も蹴り上げた。
しばらくすると足の間から血が流れ始めた。
「…?」
「アンタ今何されたか分かってないんですかィ?」
「…何アルか?」
「ガキ、死んだぜ。」
「…嘘…嘘アル!」
「アンタ、ほんと馬鹿だねェ。」
「いやあああああ!!」
沖田の高笑いと神楽の悲鳴だけが薄暗い部屋に鳴り響いた。
この男の胸に痛みなど存在しない。
あるのは無機質な加虐性とそれと表裏一体の被虐性だけ。
神楽は銀時の子を授かっていた。ついこの間産婦人科に行って確認したところだった。
銀時に知らせるとこれまで見たことのないような顔をして喜んでくれた。
本当の家族になろうと言ってくれた。
なのに…なのに…。
神楽はこれほどの惨い仕打ちをした沖田に対する憎しみよりも宿った子を失った絶望感で頭がいっぱいになった。
私のせいアル…ごめんネ銀楽ごめんネ…。
銀ちゃん…私やっぱり銀ちゃんの家族になる資格なんかないヨ…。
「天人が地球人のガキ産むなんざ百年早ェんだィ。」
神楽はまだ茫然自失の状況から抜け出す気配を見せない。
大きな目をますます見開いたまま、足の間から流れる血をジッと見つめていた。
人は悲しみの限界を越えたとき、涙を流せなくなるのだろうか。
「つまんねーなあ、萎えちまったぜィ。お前らこのガキ好きにして良いですぜ。」
と言い残すと沖田は出ていった。
集団というのは恐ろしいもので、沖田がやったことの非人道性を希釈させる。
通常なら沖田の残虐な行為に一歩引いてしまうものだが、このような場では余興の一部に過ぎないのだ。
本番はあくまで輪姦であり、その目的でこの場に参加している。
そう思わせるほど、真選組という集団は狂っていた。
というより一人の男が狂わせていた。
男達は待ってましたと言わんばかりに代わる代わる神楽を犯していく。
膣口から未だ流れ続ける血と、男達が放っていく白い精液が混ざりあい桃色の液体が神楽の脚を伝う。
「あ…ああ…。」
小さな兎は、もうどこにも帰れない。
了