「神楽ァ、おもしれーもん見つけたんだけど、一緒に風呂はいらねェか?」  
 「誰がこの歳にもなって親父と風呂に入らなきゃならないネ」  
 銀時が買って来たジャンプを読みながら神楽は短くそう答えた。別に銀時と風呂に入るくらい何の  
支障もない。ただ今は読みかけのジャンプを全部読みたいのと、銀時の口調からして何か企んでいる  
ようにしかみえなかったからだ。  
 「そんなこと言うなよ、お前だって興味あるはずだぜ? ……ゼリーになる風呂」  
 「ゼリー?」  
 いぶかしげに神楽が問う。ゼリーになる風呂なんざ聞いたことが無い。一体どんな風呂なのか、  
神楽に少しだけ興味が湧いてきた。  
 「あぁ、しかもいちごの香り付きだぜ。入浴剤だから食えねェけどな」  
 「……銀ちゃんがそこまで言うなら入ってやるヨ」  
 その入浴剤に興味が湧いたことを素直に言えない神楽は少し視線を逸らして言った。  
 決まりだな、と口元に笑みを浮かべた銀時はそのまま踵を返して先に洗面所に行ってしまった。  
 神楽も読みかけだったジャンプをキリのいいところまで読んでから、銀時の後を追う。  
 洗面所に行くと、風呂場から水の音が聞こえる。銀時が先に入ってしまっているようだ。神楽は  
手早く自分の衣服を脱ぎ捨てて洗濯かごに放り込むと、がらりと風呂場の引き戸を開けた。  
 
 「やっと来たか、すっげぇ気持ち良いぜ。この風呂」  
 風呂場にはいちごの香りが充満していた。甘い甘いいちごの香り。銀時の好きな、いちごの香り。  
 シャワーで手早く身体を洗い流すと、早速ゼリー風呂と化した湯船に浸かった。  
 まるで熱いゼリーの中にいるようで、神楽の意識が白く飛びそうになる。今までに感じたことの無い  
気持ち良さ。セックスするときとはまた違った感覚に、神楽は酔いしれる。  
 身体に密着するように蠢くゼリー。色は桃色で、本当に食べられてしまうようだ。  
 「どうだ? 気持ち良いだろ?」  
 「こんな入浴剤があるなんて知らなかったアル」  
 笑顔で答える神楽に、銀時も同じように笑顔を浮かべる。それから向かい合わせに湯船に浸かって  
いた神楽を引き寄せて自分の膝の上に乗せた。  
 「でも……こうすると気持ち良いだろ?」  
 ゼリー状になったお湯を掬って神楽の小ぶりな胸に押し当てた。熱くてぷるぷるとしたものが、神楽  
の白い胸に吸い付くようにして当たる。その妙な感覚に神楽の顔が一瞬歪む。けれど銀時が、そのゼリー  
ごと神楽の胸を揉みしだくと、神楽が次第に甘い声を出し始める。  
 「ん……何この感じ……っ」  
 銀時は手を放して神楽の胸に残ったゼリーを舐め上げる。それから神楽の桃色の唇を割るように舌を  
絡ませ、口内を蹂躙する。歯列をなぞり、自分の口に含んであったゼリーを神楽の舌に絡ませてやると  
ぐちゅぐちゅといった卑猥な水音がこの狭い個室に木霊して、神楽の鼓膜を刺激する。  
 「ふ……んんっふぁ……っ」  
 どちらともつかない唾液が神楽の顎を伝う頃には、神楽の瞳はとろんと焦点を失ったように快楽を  
求める。それに答えるように銀時は神楽の腰を自分の腹に密着させるようにして神楽の腰を揺り動かした。  
 するとそれは神楽の性器が銀時の性器を刺激するようで、なんとも言えない快感がじわじわと神楽を  
侵食していく。自分の下で銀時の性器が肥大していくのを感じて、神楽は小さな声で喘ぎ始める。  
 「あっい、や……変な感じアル……っ」  
 「……っもっと足閉じてみろ」  
 銀時に言われるがまま、神楽はゆっくりと足を閉じる。すると性器の他に内股にまで銀時の性器を  
感じてより一層己の性器が熱くなった気がした。  
 程なくして神楽の性器からだんだんと愛液が分泌されてくる。その滑りに任せて銀時は神楽の膣口を  
一気に突き上げた。  
 
 「……っあ、あっああぁ―――っひ、あっ」  
 余りにも突然なことに神楽は今までに無いくらいの甲高い声を上げる。ただでさえ響く浴室の中、  
外にまで響くとまずい。銀時は慌てて神楽の口を塞いで、そのぴんと立ち上がった神楽の胸の飾りを  
指でつまんだ。  
 それだけでも身体中に電撃が迸るような感覚。思わず声をあげてしまったが、銀時に唇を防がれて  
いるため上手く声が発せない。呼吸も上手く出来ないため、神楽の膣は強い力で銀時を締めつけて  
銀時は息を詰めた。  
 静かに律動を開始する銀時。神楽からしとどに溢れてくる愛液とゼリーとが潤滑剤の役目を果たして  
全くと言って良いほど慣らしていない神楽の膣はすんなりと銀時を受け入れてしまう。蠢く膣壁が  
銀時の性器を包み込むようにして奥へ奥へと誘っていく。  
 それにまかせるようにだんだんと律動を激しくする銀時。神楽の最奥を突いては引き抜き、抉る  
ように貫く。神楽はその激しさに銀時の頭にしがみ付いて腰を揺らす。そのしなやかで折れそうに  
細い腰が、銀時の動きに合わせて捩れる姿はとても十代の少女とは思えないほど妖艶だった。  
 その姿に煽られて銀時の性器はより一層質量を増して神楽の膣を圧迫する。  
 「ふぁっや……っあ、あっあぁ……っ銀ちゃ…ひぅ……っ」  
 「お前の中……すげぇ熱い……っ」  
 神楽の腰を固定して、銀時は最奥を突いた。どくどくと銀時の性器が脈打つのを感じて、神楽は  
達した。その瞬間、銀時が自分の中に射精したのを感じて、神楽は意識を飛ばした。  
 
 目がさめると、そこはいつもの天井。背中が少し痛む。どうやらソファに寝かされているようだ。  
 額にひんやりと濡れたものを感じる。手にとってみると、それは濡れたタオルだった。  
 「起きたか?」  
 「銀ちゃん……私……?」  
 寝着に着替えさせられているところを見ると、風呂から上がってしばらく経っているみたいだ。  
 髪の毛もほとんど乾ききっている。  
 「お前あの後上せて倒れたんだよ。ゼリー状の風呂は熱が篭るからなァ。気づいてやれなくて  
  悪かったな。さ、これ飲んでもう寝な」  
 差し出された水の入ったコップを受け取って口に含む。それから神楽は眉間に皺を寄せて銀時を  
睨んだ。  
 「まさかあんなところでするとは思わなかったネ。お詫びに銀ちゃんがおやすみのキスしてくれ  
  たら、素直に寝てやるヨ」  
 「おいおい、また偉そうな奴だな。まぁ仕方ねぇか、俺の所為だし」  
 穏やかな笑みを浮かべて銀時は赤らむ神楽の唇にキスをした。それから神楽の耳元でそっと囁く。  
 
 「また、一緒に風呂入ろうな」  
 
 
 
 
 END  
 

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