あー、かったりいなァ...
雨が続く中珍しく晴れた日なのに、どうにも心はすっきりとしない。黒い隊服のポケットに手を突っ込んで、沖田は町を歩いていた。
「...うをっ!?」
背を丸めてだらだらと歩いていたら、突如何者かに襟をひっぱられ、がくんと背が反り返る。
「テメエ何すんだ!?」
途端に姿勢を正し振り返って構えると、赤い傘をさした少女が睨みを効かせていた。
「...これはこれは。万事屋のガキじゃねえですかィ」
「ガキじゃねーヨ。神楽ヨ」
知ってまさァ。と沖田は心の中で返した。
「お前...このバカ!」
「ああ?何だィ薮から棒に」
「お前こないだ、定春にデッカイバズーカ撃とうとしたアル!定春ケガしちゃうって私言ったのに!」
神楽が怒りで声を震わせながら沖田に詰寄った。
「ニヤニヤしてんじゃねーヨ!何とか言えヨ!!」
「だって別に、俺ァあの犬コロがどうなったって別にいいんでさァ」
神楽の口調とは対照的に、沖田が間延びした調子で答えた。神楽が必死になればなるほど、その様子がおかしくて口角が上がって行くのをおさえられない。
「あの犬コロ止めねえと、アンタも巻き添え食っちまいそうだったし...」
「とにかくっ。定春と私は一心同体なのヨ!そこんとこよっく覚えておくアルヨこの役立たず警察!」
「あーあー、おまわりさんの心傷つけてんじゃねーよ」
沖田がひっでえ、と笑いながら返すと、神楽は心底怒っているという表情を崩さないまま、くるりと背を向けた。
あれ、もう終わりかィ。
たった二言三言しか言葉を交わしていない。けれどもいつの間にかさっきまでの気怠さもどこかへ行っていた。
「...ちょっと待てよ。チャイナ」
赤い傘の先端をひっつかんでぐいと持ち上げると、傘はあっけなく神楽の手からすり抜けた。
「あっ...コラ!返せヨ!」
「アンタ、あんな騒ぎ起こしといてタダで済むと思ってんですかィ?」
傘を取り上げたまま、沖田が身を屈めて神楽に顔を近づけた。
「だってあれは...」
しょうがない事だった、と言いかけて神楽が口をつぐんだ。いちご牛乳あげたらいけないのを知らなかった、何て言った所で、こいつは納得しないだろうし、理解してもらえないだろうとも思う。
「アンタのお陰で知っての通り江戸の町は大混乱、あの後俺たちがえれえ苦労して騒ぎを収めたの、わかってんですかィ?」
沖田が眉間に皺を寄せ大げさに話すと、神楽の表情がますます翳った。
「マナーを守れない奴は飼い主失格でさァ。」
「っ...分かってる、ヨ...」
銀時から同じ事を言われている神楽は、なんだか辛くなって唇を噛んだ。
「アンタ、ちょっと来てもらいやすぜィ」
「え?」
沖田に手首をぐっと掴まれ、神楽が不安げな顔を上げた。
「アンタは騒ぎを起こしすぎなんでさァ。ここらへんで一度、警察として取り調べさせて頂きやすぜィ」
「ちょっ...いきなり何アルか!」
神楽の抗議をよそに、沖田は神楽を連れて屯所に向かっていった。
「オラチャイナ。水持って来てやったぜイ」
沖田が、壁際に座り込んだ神楽の脇に水の入った湯呑みを置く。
「...妙な意地悪すんじゃねーヨ」
神楽がその手にかけられた手錠を、僅かにかちゃ、と鳴らして目の前に立っている沖田を睨みつけた。
「ああ、すいやせんねえ。取れねえか。飲ましてあげまさァ」
晴れた中少々の時間とはいえ傘を奪われたまま連れ回されて、神楽は体力を消耗していた。
屯所のどこかなのか、灰色のコンクリートの壁に囲まれた殺風景な場所に通される。外は暑いのに、ここの空気は何とも冷たかった。
神楽の側にしゃがみ込んだ沖田が、その口に湯呑みを近づけ、湯呑みを僅かに傾けて小さな唇に水を注いでやる。間近で見る神楽の肌はより白く、滑らかな陶器のようで、思わず触れてみたくなる。
「ん、ん...」
喉を上下に動かして、神楽が水をこくん、こくんと飲み込むとちいさく息をついた。
「...私...逮捕されたアルか?」
神楽が手錠を見つめながら沖田に尋ねた。
...コイツ、ほんっとバカでさァ。
勿論逮捕した訳ではなかった。手錠は、この部屋に神楽を連れ込んだ時訳が分からず面食らっている隙につけたものだった。
吹き出しそうになるのをこらえつつ、沖田はもっともらしい口調で話し始めた。
「...まァ、逮捕の一歩手前といった所でさァ。アンタが大人しく言う事聞いてりゃあ家に帰してやりやすぜィ」
「ほ、ほんとアルか?」
「ああ」
「良かったヨ逮捕されたんじゃなくて...」
神楽の強張った表情が、少し緩む。
「私帰れなかったら銀ちゃん心配するヨ...」
「とにかく。ちゃんと言う通りにしろよチャイナ」
「お、おう。さっさと始めるヨロシ」
神楽が視線を沖田に戻して、何やら覚悟を決めたような顔をする。
「手始めに、アンタの体を調べなくちゃいけねえ」
沖田は言いながら、首のスカーフに手をかけてしゅる、と外す。
「体って...別に私見た目お前らと何も変わんないヨ!?」
「馬鹿。全然違えよ」
慌てた様子の神楽とは対照的に落ち着き払ったままの沖田が、目の前の神楽の瞳をスカーフで覆う。
「やだっ!何する...」
「アンタ分かってねえなあ」
スカーフで目隠しをされた神楽が戒められた両手を振り上げようとしたのを、沖田が手首を掴んで押さえる。
どうしようもなく人を惹き付ける白い肌や瞳の色。他の人間とは全く違うだろう。
「っきゃ...!」
そのまま神楽の背に手を回して首だけ壁にもたれかけるような体勢にしてやると、驚いた神楽が小さく悲鳴を上げた。
普段なら力づくで抵抗しているのに、視界を奪われたこの状況では何が起こるのか分からず恐怖心ばかりが先に立って、思うように反撃できない。
沖田は神楽の手首をその胸の辺りで押さえつけたまま神楽に馬乗りになると、空いた方の手でズボンのベルトを外し始める。
「お前、何するつもりヨ!」
どんなに目を見開いてもスカーフの所為で真っ白な視界の中、かちゃかちゃと金属音がする。何か得体の知れない機械でも取り出されたのかと思って、神楽は精一杯怒気を込めた声を出した。
ー強がっても声、震えてまさァ
沖田の口許に歪んだ笑みが浮かぶ。
「...おい、チャイナ」
沖田は組み敷いた神楽の頬を両手で押さえつけた。
「言う事聞けって言っただろ...?」
「っ...」
沖田の口調の有無を言わせぬ響きに、神楽は言葉に詰まった。
「アンタの体を調べさせてもらうが、大人しくしてりゃさっきも言った通り家には帰してやりまさァ。何も取って
食おうってんじゃねえよ」
「...」
沖田は神楽の引き結んだ唇を見つめた。白い頬と対照的な赤い唇。先ほど水を飲ませてやった時から、触れてみたくてしょうがなかった。
「...チャイナ、口開け」
「え」
「いいから」
恐る恐るほんの少しだけ口を縦に開いた神楽の顎と下唇に手をかけ、更に開かせると、唾液に濡れて光る赤い舌がのぞいた。神楽が小さな呻き声を漏らす。
「か...は...」
「チャイナ。始めさせてもらうが、このままで、歯ァ立てんじゃねーぞ?」
もう嫌アル...
口の中を調べるとでも言うのだろうか。何をされるのか皆目検討もつかないが、この状況下では到底逃げられない。悔しいけれど言う事をきいてさっさと終わらせてもらうしかなかった。
仕方なく、神楽はコクコクと頷いた。沖田はズボンから取り出した自身の根元を持つと、神楽の唇に当て、口内に押し進めた。
「っ...!?」
舌に触れた生暖かい妙な感触に、神楽がびくんと肩を震わせた。沖田は神楽の頭を押さえつけると、そのままゆっくりと更に喉まで腰を動かす。
「...チャイナ。」
口蓋と温かい舌、柔らかい唇の感触がする。神楽の小さな口には全ては納まりきらなかったが、この唇をこれから自身で犯す。その事を思うと沖田は興奮で頭に血が上るような思いがした。
「んっ、んん...」
沖田に喉まで押し込まれた神楽が、苦しさに声を上げた。
「舌、動かしてちょっと舐めてみなせえ」
「んむ、んっ...」
ぴちゃ、ぴちゃ...
神楽が左右にゆっくり動かすと、唾液の絡んだ舌の感触が陰茎に伝わってきた。
「そうその調子で...もうちょい早く動かしてみて」
更なる快感を貪ろうと、神楽の頭を押さえたまま沖田は腰を使って自身を出し入れし始めた。まだ口淫をした事がないのか自身に感じる舌の動きはたどたどしく、一生懸命なその姿は可愛らしいが、なかなか決定的な
快感にはならない。沖田は自身を大きく引き抜くと喉の奥めがけて腰を打ちつけた。
「ンッ!んぐっ!...んんーっ!」
「コラチャイナ、舌止めてんじゃねーよ。しっかり銜えてろ」
動きを繰り返すと時折陰茎と唇の間からくぐもった声とふ、は...という熱い吐息が漏れる。その苦しそうな表情にはおかまいなしに、何度も何度も腰を引いては先端を喉の奥に押しつける。
喉を突き上げる度に沖田の下の小さな身体が衝撃に揺れる。舌の上をずちゅうっ...と先端が滑る度に唾液と陰茎からの液体が掻き出されて、いつのまにか、神楽の顎を濡らしていた。
「ふ、んぐ、んうっ!...」
気持ち悪い、苦しいヨ...。どんどんおっきくなってるアル...
口腔を滑り喉の奥深くに入ってくるものは、さっきよりも太さを増しているようだった。その先端から溢れているのか、唾液とは明らかに違う味のものが、否応無しに喉に流れ込んできた。
「ッ...!チャイナぁ、ちゃんと全部飲めよ!?」
射精が近づいた沖田が更に早く突き上げた。ずちゅっ、ぴちゃ...と小さな唇に出し入れする度に感じる水音に快感が腰から這い上がってくる。
「く、...イく...ッ!」
「んうっ!ふああっ!...」
苦しさで何がなんだかわからないままの神楽の口腔に、どくんと脈打ったものが白濁を注ぎ込んだ。
「んくぅっ...」
驚いた反動で喉の奥の精液は飲みこんでしまったが、大半は半開きの唇からとろとろと零れ落ちる。
「ふあっ、は、あ...はあ...っ」
あまりの不味さに口を閉じる事もできず、ただ口を開けて精液を零したまま、神楽は荒く息をついた。
「ったく、チャイナ...全部飲めって言っただろ!?」
沖田は神楽の口の端から零れ続ける白濁を人差し指の背でつうっ、とすくうと、そのまま唇をなぞって口内に押し込む。
「っ!痛ぇ...!」
感触を楽しむように舌をなぞっていた指を、沖田が急に引き抜いた。神楽が歯を立てたのだった。
「おっかねえなァ、神楽ちゃんは...」
くくっ、と笑いながら沖田が目隠しのスカーフをほどいてやると、赤く潤んだ瞳に睨みつけられていた。
下睫毛の辺りに、僅かに涙が浮かんでいる。
「ああ、泣く程しんどかったですかィ?」
「ふざけんな!バカ!」
手にしたスカーフで神楽の口許を拭いていた沖田の手を払いのけると、神楽が素早い動きで立ち上がった。両手で目や顎の辺りをごしごしと拭うと、足許の沖田に向かって言い放った。
「こんなん取り調べでも何でもないアル!私帰るヨ!」
「ああ!?誰が帰っていいって言ったんでさァ。それに」
沖田がズボンのポケットからかちゃかちゃと何かを取り出す。
「お手々にそんなモンくっつけたまんまで町に出れやすか?」
沖田は取り出した手錠の鍵とおぼしき物を、目の前でチャラチャラと揺らしてみせた。
「あっ!...」
「おっと...」
寄越せヨ!と神楽が沖田に掴みかかると、沖田は自らの肩越しに、鍵を後方に向かって放った。かちゃーん、と鍵が地面に落ちる音がかすかに響いた。沖田は神楽が鍵に気を取られた一瞬を見逃さず、手錠の輪の間の鎖の部分を自分に引き寄せるように思い切り引っ張った。
「っきゃ...!」
がくん、とバランスを崩して膝から地面に崩れ落ちて行った神楽を沖田が抱き止めた。
「馬鹿ッ!離せヨ!死ねッ!」
「「死ね」って...。だからおまわりさんを傷つけんじゃねーって...」
沖田に向かい合って膝の上に乗せられた格好の神楽は、両手を精一杯突き出して相手との距離を保とうとした。背中に回された沖田の腕の抱きしめる力と、神楽の抵抗が拮抗する。
「アンタの馬鹿力は俺でもしんどいや」
沖田は少し首をかがめると、神楽の腕の輪を持ちあげてひょいと自らの頭を通した。
「...コレで、もう離れらんねえな?」
「なっ...」
さっきより余計に近づいてしまったその距離に、神楽が沖田から視線を逸らした。神楽の背を抱き締めたまま、沖田が空いたほうの腕でスカ−トの中の大腿をさすり始める。大きな掌に撫で回される感触に、神楽がびくんと肩を震わせる。
「やだッ...!やだやだやだやめろヨバカ!」
「すげえ...たまんねえなあんたの脚...」
神楽の太腿は瑞々しく弾力に富んで、撫でるときめ細かい肌が手に吸い付いてくるようだった。沖田は時折そっと掴んでみたりして感触を確かめながら、だんだんその手を神楽の内腿の方へ動かしていく。
「この変態!...っや!やだぁっ...!」
「うるせえ。何とでも言えよ。」
沖田の手が下着に触れて、神楽がより一層抵抗した。
下着の脇から指を入れまだ濡れてもいない秘裂をそっとなぞり、膣の位置を確かめ中指を浅く沈めてみると、痛いのか神楽が小さく悲鳴をあげた。
その悲鳴は無視して、折り曲げた指を浅い所で抜き差ししてやると、だんだん入り口がぬめって来るのがわかった。
「っう、あ...っ!やめろって...言ってるアルヨ...!」
沖田と目を合わせたくなくて視線を落としていると、今度は自分の秘所をまさぐる手が否応なしに目に入ってしまい、神楽の頬がどんどん紅潮していく。
それと同時に、口調に何かをこらえるような響きと熱い吐息が混ざる。
愛液を絡めながらさらに深くまで指を沈めて攻め続けてやると互いの間からにちゅっ、くちゅぅ、と小さな水音が止まらなくなってきた。
「いやぁっ...は、ああっ...」
「...チャイナ、顔、上げろよ。こっち見ろ」
秘所から指を抜き取ると未だに自分に屈しない神楽の、秘核を愛液にまみれた指でそっと摘んでやる。
「っ!いやあああっ!いやッ!やめてヨ!やめるアル!私...っ」
一瞬で全身を駆け巡った快感に思わず頭をのけぞらせてしまう。
その余韻に震えながら神楽が沖田に視線を合わせると沖田は嫌な感じに口の端をつり上げ、またその敏感な部分を責めたてる。
神楽の反応を楽しむように、強さに緩急をつけ、ゆっくりと擦ってみたり、指で円を描くようにぐちゅりと撫でる。
「っいや...ッふっ、ふぁ、ああっ...」
神楽が首を左右にいやいやと振り、息も絶え絶えに言葉を紡ぎ始めた。
「わ、私っ...銀ちゃん以外とこんなこと...っしないアルッ...!そんなふしだらな女じゃないアルっ...ああっ...!」
それを聞いた沖田が僅かに眉を寄せた。...もし、もしも神楽が処女だったら、もう少し優しくしてやろうかと思ったのに。
「ええ!?誰がふしだらな女じゃねえって!?」
愛液に濡れた手が滑る。更に秘所を弄りやすくするため、自身の脚の間をぐっと広げると膝の上の神楽の脚も愛液を滴らせながらより広がった。
「いやっ...!やめっ...いやあ...!」
神楽がもう泣きそうな声で抵抗する。これ以上そこを刺激されつづけたらどうにかなってしまう。
中指と人差し指で膣内をぐちゅぐちゅと掻き回し、同時に親指で秘核を押してやる。
沖田が視線を落とすとピンク色をした秘裂からとめどなくまた愛液が滴ってくるのが見えた。
その反応と耳に届く小さな、僅かに甘い響きを伴ってきた吐息に、神楽がどうしようもなく感じているのが分かる。
「こんな感じまくってんのに誰がふしだらじゃねえって!?」
「っぁあ!いやああぁっ!!んんっ...!」
何度も与えられる快感に、ついに達して腰ががくがくとしてしまって、手枷のはめられた両手で神楽は沖田の肩にぎゅっとしがみついた。
「はぁ、....う、...は...」
秘所を責め立てる指の動きが止まり、神楽はだんだん沖田の肩を抱く力を緩めた。
しかし息つく間もなく、腰を持ち上げられ秘裂に沖田自身が触れるのがわかった。これから何をされるかなんてすぐ分かったが、銀時以外の男にそんな事をされるなんて怖くて仕方ない。
けれど体じゅうの甘い痺れは取れず、抵抗しようにももう全身に力が入らなかった。
「おねが...い...もうやめるアル...」
「まだまだ、これからだろ」
腕っぷしも警戒心も強いこの娘を好きなように蹂躙できるチャンスなんてそうそうない。
いつも自分には大体鬱陶しそうな視線しか寄越さないこの少女が、今にも涙を零しそうになりながら自分にやめてくれと懇願している。
こんな顔されて止めるやつがいるだろうか。
今迄見た事のない、あまりにも可愛らしい表情。ただただ沖田生来の嗜虐心を煽るばかりだった。
「とことん楽しませてもらいまさァ」
「はぁ、ああンっ...!」
自分の体が沖田に貫かれるのが分かる。神楽が息を吐きながらその衝撃に耐えた。
「...ほら、ちゃんと掴まってな。」
神楽の体内の温かさ、狭さに目を細めながら沖田は神楽を促した。
「う...はぁ...」
狭い膣内いっぱいが沖田のもので満たされていた。沖田の声が掠れていて、この体内の感触が相手を悦ばせているのが分かった。
神楽がその圧迫感に深く息をしていると、後頭部をぐっと押さえられ顔を近づけられる。と同時に、唇に唇で噛みつかれるかのようなキスをさせられる。
「んうっ...んっ、はっ...っあ!あっ!」
口づけしていると沖田が突然律動を始めて、絡めていた舌が神楽の身体が跳ねる度に離れ、また深く沖田に突き刺されると唇が触れ合った。
「っぁん!ああ!ゃあんっ!...」
沖田の膝の上に乗せられている体勢の所為で、身体の奥まで沖田自身を受けいれてしまう。互いの性器が擦れあう度にぐちゅ、じゅぷっ...という水音に、神楽の嬌声が重なった。
「っくッ...かぐら...ッ」
名前を呼ばれたのなんて初めてだった。腰から背骨を伝いぞくぞくと這い上がってくる快感と、耳許で自分を呼ぶ声の熱っぽさに頭の中が蕩けていく。
神楽が自分を支えられなくて沖田の首を抱きしめると、今迄意地の悪い表情しか見せなかったのが瞳の表情が和らいでいた。
「総悟って...」
「っえ?」
「呼んでみな、総、悟って...」
沖田が神楽を揺さぶりながら耳許で囁いた。
「な、神楽ッ...」
「総、悟っ...ぁんっ!...ああっ...!」
背中に回された腕の力が、より強くなる。荒く息をしながら何度も喘ぎ、沖田の名を呼ぶとどこか感じてはいけないと思っていたのが、もうどうでもよくなって快感への渇えが堰を切って溢れてくる気がする。
もっともっとぐちゃぐちゃに掻き回してほしい。深くに挿入されたまま、ずうっとこのままで沖田に突き上げられたままめちゃくちゃになってしまいたい。
「っあ!…ふ…ッぁんっ!総悟ぉ…!あぁんっ!」
神楽の閉じた瞳の睫毛が僅かに震える。沖田に犯されている膣内がひくん、ひくんとし始めるのを感じて、首をのけぞらせた。
「ッ…!神楽っ…!」
沖田が神楽の首筋に噛み付くように顔を埋め、その体内を熱い白濁で満たしていった。
「…お前、どうして私にこんな事するヨ?」
神楽が小さく呟いた。頭を沖田の膝の上に乗せ、視界に入るのは所々汚れた灰色の壁のみだった。
「…アンタの事が、大ッ嫌いだからに決まってまさァ」
「嘘つき!」
沖田がだらりと放り出された、手枷を外してやった細い手首を眺めながら答えてやると、突然神楽が膝の上から自分を見上げてくる。
「お前、絶対私の事好きアル!」
悪戯っぽい、大きな青みがかった瞳。
「前からウザったいって思ってたけど!」
「ぁあ!?誰がだよチャイナコラ」
凄んでやろうと思っても、自分を見上げてくる神楽の表情につい口元が緩む。神楽はくすくすと笑うばかりだった。
膝に感じる重みが、心地よくて仕方ない。 沖田は神楽の手を取ると、その指先にそっと口付けしてやった。