「今帰ったぞー、あっつ……おい新八ィ、いちごミルク持ってきてくれー」  
 ガラガラと立て付けの悪そうな音を立てて万事屋の扉が開く。パチンコにでも行っていたの  
だろうか、銀時は紙袋を両腕に抱えていた。  
 外はとても暑くて、地面に太陽の光が照り返して今にも陽炎が見えてきそうなくらいの猛暑だった。つい先程まで空調の効いたパチンコ店内にいた銀時にとっては、その暑さはまさに地獄だった。  
 額から頬にかけて汗がつぅっと伝う。皮で出来たブーツを脱ぎ捨てて裸足でぺたぺたと軋む床を  
歩く。途中、新八からの返事がないので台所を覗くが、新八の姿は無い。買い物にでも行っているの  
だろうか。  
 「くっそ……扇風機もついてねェのかよ。神楽は何やってんだァ?」  
 居間にある長机にどさりと紙袋を置くときょろきょろと辺りを見回す。けれど神楽の姿はどこにも  
見当たらない。新八と一緒に買い物にでも着いて行ったのかとも一瞬思ったが、この暑さの中、  
夜兎族である神楽が外にでるはずがない。ということは部屋のどこかにいるはずだ。  
 銀時はずかずかと自分の寝室である畳の部屋に向かう。自分のすぐ横にある押入れからかすかに  
物音が聞こえた。神楽だろうか。  
 がたりとその押入れを開けてみると、そこにはうずくまる神楽が居た。肩が大きく揺れて呼吸が  
荒いことが分かる。  
 「おい……神楽どうした? 熱でもあるのか? しっかりしろ」  
 そう言って背を向ける神楽を抱き上げて居間のソファに寝かせた。その顔は紅潮していて、額には  
汗が滲んでいる。神楽がひとたび瞼を開くと、溜まっていた涙の雫がぽろりと零れた。  
 「大丈夫か?」  
 
 「銀ちゃん……」  
 掠れた声で呟く神楽。銀時は風邪でもひいたのかと思ったが、神楽の様子を見るとどうやら風邪では  
ないようだ。少し額に手を触れると、びくりと身体を震わせた。  
 「一体どうしたってんだよ」  
 銀時が神楽に事情を聞く。神楽は一瞬戸惑ったが、ゆっくりと拙い声で話し始めた。  
 「……これ、」  
 ごそごそとポケットを漁って取り出したのは小ぶりの瓶。中身は紅い色の液体で、ジャムのよう  
だった。それはもうほんの僅かしか残っていなく、神楽がほとんど平らげてしまったようだった。  
 「これを舐めてたら、途端に身体が熱くなったアル……まるで銀ちゃんとしてる時みたいだったヨ」  
 「おま……っこれ、俺が坂本の奴からもらった媚薬じゃねぇか! 全部お前が食ったのか?」  
 「びやく……?」  
 こくりと首をかしげて神楽が問う。銀時との経験があっても、媚薬の知識はないようだ。  
 苦しそうな神楽の頭を撫でながら、銀時は説明した。  
 「媚薬ってのはなぁ、性欲を増長させる働きのある薬だよ。お前はそれを食ったってことだ」  
 神楽の胸元を緩めながら銀時が言う。服を肌蹴させられても、神楽は成すがままだ。もうそこまで  
思考が働いていないのかもしれない。  
 胸の突起や、下半身が疼いて堪らない。早く銀時に触って欲しい。媚薬の説明を聞いた途端、  
神楽の中にそんな感情が生まれた。  
 「……じゃあ、どうすればいいアル? 私、もう我慢できないヨ」  
 何も考えないまま神楽の手は自然と銀時の下半身に伸びていた。震える手で銀時のズボンの  
ジッパーを下ろし、下着をまさぐり銀時のペニスを取り出した。  
 「お前……」  
 「性欲を増長させる薬なら…、銀ちゃんが私の性欲を抑えて欲しいアル」  
 銀時の言葉を遮って、神楽は上体を起こした。銀時のペニスに手を添えて上下に扱き上げる。  
 
 舌を這わせて鈴口を掘るように弄り、親指の爪をぐっと立てて裏筋を攻める。痛みを感じた銀時が  
びくりと身体を震わせるが、その痛みはすぐさま緩和された。神楽が裏筋を舌でなぞったのだ。  
 それから亀頭に舌を這わせてその先端を口に含んだ。そこだけを強く吸い上げて、どんどん  
その小さな口内に銀時のペニスを収めていく。口に入りきらない部分には手を添えて扱く。空いた手は  
双玉を揉みしだき、銀時を快楽の絶頂へと追い詰める。  
 「……っ神楽…もういいから……離せ……」  
 口を前後させて銀時のペニスが神楽の喉奥を貫く。このまま口に出すわけにはいかないと銀時は  
無理矢理神楽を頭を押さえつけて己のペニスを引き抜いた。  
 その瞬間びゅるびゅると銀時の白く濁った飛翔が神楽の顔を汚した。神楽自身、媚薬の効果ですでに  
快楽に溺れている身。恍惚とした表情で顔に付着した精液を舐め取る神楽はいつもと違って、より淫乱  
に見えた。  
 「銀ちゃん……私もう我慢できないヨ……早く……」  
 先程までの妖艶な姿とは裏腹に、女の子らしい恥じらいを持ちながら銀時に懇願する神楽。  
 その姿に、銀時の下半身が再び張り詰めていくのが分かった。  
 「ったく……仕方ねぇやつだな」  
 口元に笑みを浮かべて、銀時は神楽のズボンを下着ごと引き抜いた。するとそこは内股までもが  
愛液に塗れ、襞の向こうから覗く膣口はひくひくと疼いていた。まるで銀時を誘うかのように。  
 自ら足を開いた神楽の下半身に顔を近づけると親指でその襞を広げてぷっくりと膨らんでその存在を  
主張するクリトリスを舌で突いた。  
 「あっ……は、あぁ……っ」  
 それだけでも足を引きつらせて仰け反る神楽。ひくつく膣口を舐め上げながら、前歯でクリトリスを  
刺激してやる。すると今まで以上に甲高い声をあげてその透けるように白い首を仰け反らせる。  
 内股に伝う愛液を舐め上げて膣内に舌を挿入すると大分解れてきたのか、とろりと再び愛液が漏れ  
出てくる。  
 「ひぅ……あ、あ……っ銀ちゃ……」  
 「分かってるよ」  
 銀時の首に縋り付いて懇願する神楽に返事をすると、自分の勃起したペニスを神楽の膣口に宛がう。  
 
 ぐっと腰を押し進めていくと神楽の膣はすんなりと銀時を受け入れていく。膣内を圧迫される苦しさ  
さえも気持ちがいい。  
 神楽を貫いた銀時は、そのまま律動を開始する。いつもなら神楽が落ち着くまで待ってやるのだが、今回は神楽の方が待ちきれない様子だった。早くも腰を揺らす神楽の身体を二つに折れるまで前に倒して、その秘所を露わにする。  
 「こうすると繋がってる所がよく見えるだろ?」  
 「あっ……そん、なの…見せなくて良い……っアルっ」  
 呼吸がますます荒くなって言葉が途切れる。喘ぎさえも息を吐く程度で、大分感じていることが  
分かる。ソファの端を掴んで必死に体勢を保とうとする神楽の背中を抱き上げて自分の膝に  
座らせると、より深く神楽と繋がる形になった。  
 「……っう、あっはぁ……あぁ…っあ、あっ」  
 下から強く突き上げられて神楽の身体が上下に揺れる。その度に成長中の小ぶりの胸が微かに  
揺れる。その胸を掴み上げて揉みながら銀時は神楽の最奥を突いた。  
 「ひぁっあ、あぁぁ――…っ」  
 「――…っ」  
 掠れた悲鳴をあげて神楽は達した。銀時もほぼ同時に神楽の中に精を放った。  
 
 ずるずると萎えたペニスを取り出すと、ぐったりとした神楽が銀時の肩にもたれかかってきた。  
 「どうだ? もう収まっただろ」  
 「……なんだかまだ身体が熱いアル…」  
 強烈な快感の余韻に浸っているのか、神楽は小さな声で呟く。  
 「あぁ? 銀さん疲れちまったからもう相手はできねェぞ」  
 眉間に皺を寄せながら銀時は言う。だが神楽からの返事はない。  
 そっと顔を覗いてみると、すやすやと寝息を立てて眠る神楽がいた。いったい先程までの痴態は  
何だったのかというような少女らしい可愛い寝顔に、銀時はふと唇に弧を描いた。  
 「こうしてれば可愛いんだけどなァ……」  
 汗ばんだ神楽の額の髪を払い、銀時はその額に口付けた。  
 
 
 
 END  
 

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