「あなたはいつもいつも、よく無表情でいられますね」  
佐々木異三郎は腹心である今井信女の乳首を押し潰し、皮肉った。  
「はあ」  
敏感な胸の突起に爪を立てられても眉ひとつ動かさない女に、さっさとくわえなさいと急かす。  
 
「はーい。ん、んむ……ふ、むっ、んちゅ、れろ、ふぅ、んぢゅる」  
横たわった佐々木の逸物を大人しく頬張る信女の無表情が携帯電話の画面越しにも見える。  
佐々木は情事の時は携帯電話をムービーモードにして、女の痴態を記録するのが常だった。  
グロテスクな赤黒い物体が、信女の艶やかな唇の中に出入りする。  
 
「出しますよ」  
「ん、ぷはっ」  
わざと引き離した端正な顔を、ぶぴゅる、と佐々木の体液が汚す。  
シャッターチャンスを逃さず携帯のカメラをフォトモードに切り替え、淫らな絵を写真に納めた。  
 
「……また顔に出した。髪につくと取るのが大変」  
「新商品買ってあげますから」  
「……桜フレンチ五個」  
「五個でも十個でも」  
「本当?」  
光を映さない狂犬の眼が、わずかながらも年頃の少女らしく輝く。佐々木はそれを見逃さない。  
「ええ、本当です。勿論ポンデリングもつけましょう」  
「異三郎」  
「何ですか?」  
「すき」  
 
やはり表情を変えぬまま、彼女は佐々木に抱きつき押し倒す。胸元が乱れた隊服からたわわな胸が丸見えで、垂れた精液で汚れている。  
「私も、素直なあなたは好きですよ」  
「そうなの?」  
「ええ、ですからそろそろ続きがしたいです」  
「わかった」  
 
女はスパッツと綿でできた縞模様の下着を脱いで、佐々木に跨がる。彼が服を着たまま事を成すのを好むことを、信女は知っていた。  
 
「顔の上に乗ってください」  
「ん……や、ふ、っ」  
 
すでにとろとろと蜜を溢すそこを、佐々木は舌を使って思う存分堪能する。  
蜜壺に舌をくにゅくにゅと差し入れ、肉芽をつまみ、時には甘く歯を立てて。  
 
「は……っ、ふ、く、ぅ……」  
 
信女の息が荒くなる。腰がくねり、しなやかな太ももで顔をぎゅうと挟まれる。呼吸が苦しくなりながらも、佐々木は責めるのをやめない。  
ぴちゃ、ぐちゅ、ぬちゃ、くちゃくちゃくちゃ、ぢゅるるる!ちゅる!ぢゅるる!  
「は、ぁ、……っはぁぁぁっ!……っあ、ぁっ……」  
太ももを両腕でがっちりと押さえつけ、愛撫する。  
肉芽を舌でつつきながら強く吸うと、達したらしく信女の身体が跳ねた。  
 
「はぁっ、はっ……いさぶ、ろう」  
「入れますよ」  
息を整える信女の身体をずらし、有無を言わさず濡れきったそこに自身を捩じ込む。  
「は、ひぁぁぁっ!」  
仰け反る彼女を揺さぶって、ぬちぬちと締め付けてくる内部を味わう。  
「は、ぅ、ん、……ふ、ぁっ、あ、……っ」  
「もっと喘いでいいんですよ、むしろもっと乱れてください」  
「は、ぁ……い、さぶろ、やっ、あっ、あっあっあっ!そこ、やっ!」  
「そうです、その調子」  
くりくりと指で肉芽を擦りながら突き上げる。乱れた髪と表情が、佐々木の嗜虐欲を満たした。  
「も、いく、いっちゃ……うぅぅぅっ!」  
「私も、出しますよ……!」  
信女の中に精を放ち、佐々木は果てて倒れこむ彼女の身体を受け止めた。  
 
 
「……いっぱい、また中に出した……後で処理するの大変なのに……」  
「お風呂、ご一緒しましょうか?」  
「背中流してくれる?」  
「ええ、髪も洗ってあげますよ」  
「異三郎」  
「何ですか」  
「だいすき」  
抱きついてくる信女を抱き返す。  
こんな可愛い狂犬、きっと死ぬまで手放せない。  
果たして飼われているのはどちらなのか。そんなこともどうでもよくなるほど、男は自らの忠臣に溺れていた。  
 
 
了  
 

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