『フミ姉がイク!』  
 
快援隊編  
 
「いやー、まさかおまんが、デリヘルでバイトをしゆうとはなあ」坂本は  
『星間でりばりーへるす♪ヌルヌル』と書かれたパッションピンクの小さなチラシを  
ひらひらと振った。「まっこと、宇宙は広いようで狭いのお」  
坂本と共にソファに座ったフミ子は、酒の入ったグラスに口をつける。  
「趣味と実益を兼ねて始めたの。私も初めてのお客が坂本さんだなんてびっくりよ」  
「フリーじゃったら客も女も相手を選べやーせんものね〜、アッハッハッハ」  
一見飄々としているようではあるが、坂本のグラスを干すピッチはやけに速い。  
「あらー?もしかして知り合いとヤルのが気恥ずかしい?意外と繊細なのね」  
ソファから立ち上がるとフミ子は壁に寄りかかり、不遜な態度で顎を上げ、  
見せ付ける様に革のジャンプスーツのジッパーを下ろす。無粋なジャンプスーツ  
からは、極上のレースを重ねた真っ白な下着と、同じ色のガーターベルトを  
纏った豪奢な肉体が現れた。  
坂本を見据えながら突き出した胸に両手を這わせると、そのまま身体のラインに  
沿って厭らしく撫で下ろし、強烈に女を誇示する。  
サングラスの奥にある坂本の目が鋭くなる。へらへらした態度はなりを潜め、  
声は抑えられて低くなった。  
「そがあことはのおしよ。獲物がいる限り男はぎっちり(いつでも)ハンターぜよ」  
「お手並み拝見といきたいわね」  
坂本はゆっくりフミ子に近付くと、いきなり顎を掴み上げ、強引に口付ける。  
執拗なまでに、時には音を立てて上唇と下唇を吸い、少しづつ舌を割り込ませる。  
歯列をなぞると咥内を荒々しくねぶり、フミ子の舌を絡めとる。  
最初は坂本から逃れようと抵抗していたフミ子だが、やがて積極的に反応するようになる。  
「…ん」  
始まった時と同じように唐突に唇を離すと、フミ子の目は潤み、唇に塗られた紅が  
にじんでいる。  
坂本は獲物を見定めるように目を細めて言った。  
「今夜は長い夜にしちゃる。覚悟しちょき」  
 
ダブルベッドの上で、坂本が大の字になって仰向けに倒れている。  
白目をうっすら剥いているので、眠っているのか気絶しているのかは傍目に分からない。  
「3回かぁ、地球人としては悪くないわね。ちょっと早いところが残念だけど」  
フミ子は、くたっと小さくなった坂本のモノを摘み上げる。指を離すと、ぺしゃん、  
という情けない音を立てて落ちた。  
「本当、長い夜になりそうね」  
モノをいじくり回すのにも飽きると、ベッドサイドに置いてあった『週間少年ジャンプ』の  
最新号を取り上げ、退屈そうにパラパラとめくった。  
 
 
 
鬼兵隊編  
 
片手で睾丸を弄びながら、残りの手を陰茎に添えて切っ先を咥える。口の中に押し込めるだけ  
押し込めると、唇に力を込め、ゆっくりと引き上げてから先端を舌先でくすぐる。  
「う…いいぜぇ、フミ…その調子で可愛がってくれ…」  
肩に着物をはおり、両脚をだらしなく開いて座った高杉は、自分の股間に顔を埋める  
フミ子の髪を掴んだ。  
ありとあらゆる手練手管で屹立し始めた高杉のソレは、汁を垂れ流すまでになる。  
「…くっ…ほら、もっと音立ててしゃぶれよ…根元までしっかり咥えこめや…」  
「んん、こんなになっちゃったら無理よぉ、だって、高杉さんてば背が小さいのに  
大きいんですも……。あら?なんで?少し小さくなった??しおれてきた???」  
「……………てめぇは黙って咥えてろ」  
男心はナイーブである。  
「…晋助様?!なにやってんスか?!」  
ノックもせずに高杉の私室の扉を開いたまた子は、目の前の光景に呆然と立ちすくんだ。  
「んなもん見りゃわかるだろ。ナニだよ」  
フミ子は高杉の股間から頭を上げると、また子の方へ向き直った。  
「あら、可愛らしい子猫ちゃんね。どなた?」  
「俺の部下の木島また子だ。そうだ、いい事考えた。おい、木島ァ、ちょとこっち来な」  
高杉はニヤつきながら、大きく開いた脚の間をポンポンと叩いた。  
「ここに座れや」  
指示された場所にまた子がためらいがちに座ると、高杉はいきなり羽交い締めした。  
「おめぇもこの姉さんに可愛がってもらいな」  
 
「え!?あ!?な…なな何言ってるんスか!!冗談じゃないッスよ!」  
ジタバタと暴れるまた子をものともせず、高杉はくつくつと楽しそうに笑った。  
「こんなツラしてコイツァねんねちゃんだから、フミが色々教えてやりな」  
「ふふ、楽しそうね…でも追加料金は頂くわよ」  
「おう、いくらでも払うぜ」  
真っ赤な顔をしてもがくまた子の頬を両手で包むと、フミ子は優しく口付けた。  
驚きのあまりまた子は硬直する。  
「よろしくね、また子ちゃん」  
フミ子は男所帯の鬼兵隊では嗅いだ事のないような、甘く好い匂いがした。  
 
「あんっ…あっ!フミ姉!そこ、だめッス!ああんっ!」  
胡坐をかいた高杉に上半身を預け、下半身をフミ子に委ねたまた子は、巧みな  
指と舌に翻弄される。  
「あーあ、あれだけ抵抗したのに簡単に堕ちちまって、つまんねぇなぁ」  
高杉は面白そうに、また子の乳首をひねる。  
「ひ!!」  
「こんなに締め付けちゃって、かわいい子」  
フミ子がくすくすと笑う。その艶めかしい声だけでまた子の腰に電流のような物が走る。  
「一人でよがってねぇで、俺たちにも楽しませろや」  
「さあ、いらっしゃい子猫ちゃん」  
誘われるまま、その赤みを帯びた乳首に唇を這わせ、豊かな乳房を揉みしだく。  
満足そうなフミ子のため息を聞きながら、高杉の手に従い高く腰を上げる。  
白い胸の柔らかさに頬ずりし、激しい腰使いに恍惚となる中で、また子はぼんやりと思う。  
もう、武市先輩の事をヘンタイとは呼べないッス…。  
 
 
 
真選組編  
 
「ここ、どこ?」  
土方十四郎の疑問はもっともだ。巡回の報告に査察の山崎を伴い、真選組局長  
の私室に入ったはずなのに、「厳しく構えた局長」はどこにもおらず、敷かれた布団の上で  
横たわった全裸の男に、やはり全裸の女が跨り、さらに女にピタリと腰をつけるような  
姿勢をとる隊長服姿の男がいた。そして全員が腰を振っていた。  
女の口からは絶え間なく「ああん」とか「いいわぁん」とか「だめぇ、もっとお」  
といった嬌声が発せられている。  
土方の後ろに控えた山崎は顔を紅潮させ、酸欠の金魚のように口をパクパクし、  
鼻血を垂らしている。  
「どうしてこういう事になってんだ?近藤さん」  
「ああ、お帰り。総悟が日々お妙さんの愛のために…ハアハア…奔走(ストーカー)  
する俺を…あぁ…労って(気の毒がって)そこのサービスをサプライズで…うっ!…  
プレゼントしてくれたんだよ」  
ちなみに、()内は沖田による訂正である。  
近藤が指し示すそこには、屯所の郵便受けに入っていた『星間でりばりーへるす♪ヌルヌル』  
のチラシが落ちている。  
「どうせ面白がって電話しただけなんだろーよ、こっちがサプライズだよ!!  
あんたもあんただ近藤さん!バカの甘言に乗って昼間っから盛ってんじゃねぇ!  
つーか、人とまともに話す体勢になれ!」  
「だってトシ、あぁっ!…この人すごいんだもん。俺もう5回も…お!…うおおおっ!」  
近藤は真っ白な灰になった。  
こめかみに青筋を立て、心を落ち着かせる為タバコに火を点けながら土方は続ける。  
「で、総悟、なんでてめーまで犬っころみてぇに腰振ってんだよ」  
「いや、スポンサーとして…ハァ、きちんと仕事をしてもらっているかを…うっ!  
確認しようとしたら…ハァハァ…この姉さんに誘われやして…」  
「このエロガキが!とりあえずそこからナニを抜け!普通に喋れ!」  
「ムリでさぁ…あぅ!…この姉さんの尻、ダ○ソンなみの吸引力で…あっ、あっ」  
伸びる男、喘ぐ女、腰を振る男、鼻血を垂らす男。健全な日常を送るはずの屯所は、まさに  
ミシンとこうもり傘などお呼びでない程の、超現実空間と化していた。常識人であるはずの  
土方の頭の中も、シュルレアリスムになりそうだ。  
「…ザキ、今屯所にいる非番の隊員は全部で何人だ?」  
「きゅ、9名です」  
「分かった。じゃあ姉さん、体に無理が無いなら、11人分追加でお相手しちゃくんねーかな」  
土方は底意地の悪い顔でニヤリと笑った。「代金はこの」びしりと沖田を指差しする。  
「エロガキが全部持つそうだ」  
「げっ!!」  
「あぁん…11人いるだなんて素敵!全員まとめて特別割引料金でサービスしちゃう!…はぁぁん!」  
フミ子の目は飢えた野獣のように煌いた。  
 
完  
 
 

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