「……すげえ濡れてる」
首筋に噛み付いてから囁くと、細い肩が震えた。
新八も神楽も出掛けていていない万事屋で、銀時はさっちゃんこと猿飛あやめを膝に乗せていた。ちゅく、と太股の間から水音がしてあやめは顔を赤らめる。
銀時の節くれだった指が、触られてもいないのに濡れそぼった秘所へ伸びた。
「俺に触られるの期待してたの?」
割れ目を焦らすようになぞりながら、銀時はくつりと笑う。
良い眺めだ。銀時の帯で後ろ手に縛られてすらりと伸びた脚を開かされ、胸元と裾が乱れた、下は何も身に付けていない忍装束というひどくいやらしい格好。
髪より幾分か濃い紫の茂みは、てらてらと濡れて光っている。
「銀、さん……ぁ、ふ」
甘ったるい声で懇願するように名前を呼ぶから、その形の良い桜色の唇に吸い付いてやる。ぽってりとした下唇を食んで舌を伸ばせば、おずおずと口が開かれる。隙間から舌を入れてあやめのそれと絡ませて、唾液を共有しあう。
「ふ、ン」
鼻にかかった喘ぎを吸い取るように、さらに深く。きつく閉じた瞳を縁取る長い睫毛が綺麗だと、ぼんやり思った。
「舌出せよ」
「ん……」
従順に出された長い舌を銜えてじゅるじゅると啜る。同時に、粘膜が擦れあう快楽に恍惚とするあやめの敏感な芽を摘んだ。
「んんんんっ!!」
片腕で逃げようとする躰を抱いて、もう片方の手で秘部を責める。人差し指と中指で蜜壺の中を擦り、親指で芽を刺激する。
あやめの蜜が銀時の指を伝い、彼の着物をしとどに濡らした。声に成らない喘ぎを上げる舌を、更に絡めとる。
「ふ、は、ン」息が荒い。身を捩る彼女に唾液を送り込むと、素直に飲み下した。
「ん、んんん、んんんんっ!!んんん――――!!」
指を激しく動かすと、あやめの躰がびくびくと痙攣して胎内の銀時の指をきゅうきゅうと締め付けた。痙攣が治まるのを待って、銀時はやっと唇を離す。
「可ァ愛い」
すっかり上気した顔ではあはあと息をするあやめの頬に、銀時は軽い口付けを落とした。
「ん、もう、銀さん……」
刺激が足りないとでも言うように腰をくねらせるあやめが愛しくて、銀時の加虐心が頭をもたげる。
もっと乱れた姿が見たい。
もっとその顔を歪ませたい。
だから、銀時は剥き出しにした肩に再度噛み付いた。少々きつめに歯を立てて、れろりと絹のような肌に舌を這わせる。
「痛ッ、あ、銀さん」
「痛いの好きなんだろ?淫乱」
汗と湿気でうっすらと肌に貼り付く着物の上から手に余る大きさの胸を揉む。肩に歯形が出来たことに満足して、着物を脱がしにかかる。襟元をくつろげて豊満な胸を露出させ、邪魔なブラを外して投げ捨てる。
「きゃあ、んッ」
「声出せよ……神楽も新八も居ねえんだからよ」
桃色をした胸の飾りに吸い付いて、舌で転がして歯を立てる。もう片方の飾りを弄びながら、こちらにも爪を立てると上擦った声が漏れた。
「気持ちイイならイイって言えよ」
「は、銀さ、きもち、ぃ、んぁぁん!や、ぁ、駄目ぇ、それ駄目ぇ!」
「なんで駄目なんだよ、すげー締め付けてくるぞ」
「だ、めなの、だめなのぉ、銀さ、銀さぁん!」
また蜜壺に指を入れて抜き差しを繰り返す。仰け反る上半身を押さえて胸を刺激する。谷間を伝う汗を舐めて、銀時は笑った。
「淫乱」
「や、銀さん!銀さん!いっちゃう!やだぁぁ!」
「ほら、イケよ。俺の目ェ見て、イく時の顔見せろ」
「や、だめだめ!あ、やぁ!そこ、だめぇ!あ、あ、あ、あん!いく、いくいくいく!いっちゃうぅぅ!」
先程より激しく痙攣し、あやめはくたりと銀時に寄り掛かる。そんな彼女に、銀時は指を広げて見せつけた。
「なァおい。お前のせいで銀さんの指ぐちゃぐちゃなんだけど。どーしてくれんの?」
「は、ぁん……ごめん、ごめんなさい、銀さん……」
ちゅぷ。
あやめは自分の愛液に濡れた銀時の指を、躊躇いなく口に含んだ。先端からねっとりと舐め、指の又までちろちろと舌を這わせる。加虐的な快感に、銀時の背筋がぞわりと粟立った。
「……俺が、欲しいか?」
「欲しい……も、辛い……銀さんが、欲しいのぉ……」
「じゃあ、おねだり出来るな?」
「は、い」
ごくりと生唾を呑み込んだのはどちらか。あやめは銀時の上で大きく脚を広げ、涙を目尻に浮かべながら「おねだり」をした。
「お願い、します銀さん……私の、ぐちゃぐちゃに濡れたいやらしいおまんこに……私の大好きな銀さんの太くて固い、おちんちんぶちこんで、たくさん気持ち良くしてくださいぃ……」
「良く出来ました」
服を脱ぐのももどかしかった銀時は、ズボンのジッパーを下ろすとそそり立つ自身を取り出してその上に一気にあやめの腰を落とした。
「ああああぁん!!」
「やっべー、気持ちイイ……」
充分すぎる程に潤ったそこは銀時を容易く呑み込み、誘うようにひくついている。脚を絡ませて、銀時はあやめを激しく突き上げ始めた。
「あ、ぁ、あん、あッ、や、銀さん、銀さぁんッ!」
「は、もっと腰使えよッ」
「ん、んん、はい、ぁ、ん!」
従順に返事をして腰を動かすあやめの奥をずんずんと突く。激しく抜き差ししたかと思えば、奥に自身を入れたまま腰を回してみる。じゅぷじゅぷと結合部から卑猥な音がして、狭い銀時の寝室いっぱいに響く。
「や、ああっ、銀さ、だめ、それだめぇ!やめ、あぁぁんっ!!」
「だから何が駄目なんだよ、変態ッ……!!」
あやめを仰向けに寝かせて、手を上で纏めて縛り直す。抽送を繰り返しながら芽に愛液を絡めて擦ると、喘ぎ声の色が変わった。
「あ、あ、きもち、よすぎて、だめ、なのぉ!!あぁぁ、あンっ!いやぁ!やぁ!だめぇ!おかしく!おかかしくなっちゃうぅぅぅ!!」
「は……ッ、いいじゃねえか、おかしく、なっちまえよ!どろどろのぐちゃぐちゃで、すげー、締まる……!!」
「やぁ、だめだめだめぇ!きもちいい、きもちいいよぉ!!あ!あぁんっ!すごい!だめなの!ぎんさん!ぎんさぁぁん!」
「ッ、あやめ、あやめッ!!どこに出して欲しい!?」
「あぁんっ!中!中がいいのぉ!ぎんさんの、ぜんぶちょうだい!あ、あ、あ、あ、あ、あ、あんっ!だめ!いく!また!またいっちゃうぅぅぅぅ!!ぎんさん、ぎんさん好き!大好き!すきぃぃっ!!」
「お望み通り、中にたっぷり出してやるよッ……!!」
あやめが絶頂を迎え、胎内が一際激しく収縮すると同時。銀時もまた、あやめの中に白い欲望を吐き出していた。
「なァ、あやめ。今日は泊まってけよ」
「いいけど、どうして?」
繋がったまま、縛っていた帯をほどいて銀時が言う。あやめはきょとんとして答えた。
「あー……お前とことん鈍いんだな。明日お前の誕生日だろうが」
「あ、そういえばそうだったわね。けど、なんで?」「馬ァ鹿」
こつりと銀時があやめの頭を小突く。
「誕生日ぐれェ、真っ先に祝わせろ」
「銀さん……や、ぁん、動いちゃ、やぁ……」
「つーわけで二回戦行くかァ。日付変わるまで付き合えよ、あやめ」
「あ、あん、やだ、銀さ、ぁん」
「……愛してんぜ、あやめ」
あやめの細い躰を抱きながら、銀時は彼女の左手の薬指にぴったりと嵌まるサイズの指輪をいつ渡そうかと考えていた。
幕。