――ある日――
万事屋では、年末も一人寂しい長谷川を誘ってささやかな忘年会を楽しんでいた。
「それじゃ僕、お皿片付けたら帰りますね。おつまみとグラスは銀さん、寝る前に頼みますよ」
「おうよ」
「新八くん、出汁巻き玉子美味かったよ」
「おやすみなさい」
新八が帰宅し、銀時と長谷川のふたりきりになった。
お互いの仕事の愚痴、悩みを打ち明け
ひとしきり会話が終わった頃、長谷川が気づいた。
「お嬢ちゃん、遅いな…」
銀時がグラスの水割りを呑みながら
「ここん所、夜遊びを覚えちゃったみたいでねえ…」
溜め息まじりに呟いた。
忘年会の途中でかぶき町のパトロールをしてくる、と
神楽が抜け出してから数時間。
日付が変わりそうなこんな深夜まで週に何度も出かけるらしい。
「カレシでもできたんじゃない?」
「まさか。神楽はまだ子どもだぞ。
仮に男できたとしても、あのくらいの歳でこんな遅くまで遊ぶか?」
確かに…事故に巻き込まれたか?
ちょっと二人でその辺探すか?と相談しはじめた矢先に、玄関がそっと開いた。
「ただいまアル…。あ、マダオまだいたのカ。」
「おかえり、お嬢ちゃん。遅かったね心配してたよ」
ヤボ用ネ、と軽く返してバスルームに向かう神楽を、銀時が呼び止める。
「神楽、こっち来いよ。おっさんと呑んでもつまんねー」
「私、早くお風呂入りたいアル」
「一杯だけ注いでくれ、頼むよ〜神楽ちゃ〜ん」
食い下がる銀時に、しょうがないナと観念した神楽は
銀時の側に座り酌をする。
入浴のためにトレードマークのお団子頭を解いた
桃色の髪からは、微かに煙草の匂い―――
「もう一杯頼むわ、マダオにも酌してやって」
「酔っ払いのオッサンふたり、酔いつぶれさせてやるネ」
神楽はどんどん酒を注ぎ、銀時と長谷川もハイペースで飲んでいった。
酔い潰れた男ふたりが寝息をたてはじめたことを
確認した神楽は、入浴のため立ち上がった。
「ねーえ、かーぐらちゃーん」
寝たと思っていた銀時に背後から手首を捕まれ
後ろから抱き締められるような体勢に倒れた。
「離してヨ、私お風呂入って寝るんだヨ」
「銀さん気になってることがあってさあ」
酒のせいで、若干呂律が回っていないが神楽を抱く手は力強い。
可憐な桃色の髪に鼻先を埋め、香りを確かめる。
「なんでお前から、煙草の匂いがするんだ?」
「さっきマダオが吸ってたロ」
素っ気なく答える。
「長谷川の煙草とも違う匂いだから、パトロール中についたんだよな?」
「!」
神楽の頬が紅潮する。
「匂いがつくほどずっと一緒に、そいつとこんな時間まで何してたのかな〜?」
言いながら、銀時の手が神楽の胸元に移動し
プチ、プチン…
チャイナ服のボタンをはずしていく。
「!何するアルか、この酔っ払い天パ!」
後ろから羽交い締めにされている神楽は身を捩る。
その抵抗を何ともせず
すべてのボタンが外され、神楽の肌が露になる。
「いつの間にこんな、可愛い下着つけるようになっちゃって」
成長途中の胸を包む、花柄やリボンの刺繍があしらわれたブラジャーに触れる。
「酔いすぎだヨ、銀ちゃん、やめて!」
「これ。誰かに見せてんの?」
耳元で銀時が囁く。
唇が、耳朶に触れるか触れないかの距離。
「教えてくれよぉ〜。なあ〜」
銀時が尋ねる度に、首筋に息がかかる。
くすぐったさに、神楽の肩が竦む。
その小さな反応を見逃さず、首筋をぺロリと舐めあげた。
「ひゃぁっ!」
突然の刺激に思わず声が上がる。
「銀ちゃん。離してヨ!」
上半身は銀時にがっちり固定されてしまっているため
両足をばたつかせ抗議する。
「う…う〜ん、いてっ」
その足が、酒に潰れて床に転がっていた長谷川に当たった。
「あ〜いたいなー。お嬢ちゃん。悪いことするのはこの足かな〜?」
のろのろと起き上がった長谷川は、神楽の両足首を掴んで動きを封じる。
長谷川も、銀時と同様に呂律は回っていないが、力は強い。
二人の男に挟まれる形になった神楽は、さすがにこの状況はまずいと思い
「悪酔いもたいがいにするネ!私から離れてヨ!!おっさん達は早く寝ろ!」
精一杯の力を込め、再び身体を捩る。
「冷たいなー神楽チャン。銀さん、お前が夜遊びするたび心配で。
ナンパも行かずに心配してたのにー。他の男の匂いつけて帰ってくるなんて。
保護者である銀さんに断りもせず夜遊びしちゃう、悪い子にはおしおきしないとなー
長谷川さんも仲間に入れてやるよォ、酒も女も縁がないまま年を越したらかわいそうじゃん。こういうの、久しぶりでしょ」
「よけいなお世話なんですけどォォ。まぁ、確かに、デリ嬢呼ぶ金なんてないんだけどさ」
酒に酔いつつもお互いの意志を確認した男二人は、アイコンタクトをとる。
「なっ…うっん!」
なにを、という神楽の言葉は、銀時の唇に塞がれる。
銀時はキスを続けながら、いつのまにかブラジャーのホックをはずし
白桃のような瑞々しい乳房が外気に晒された。
その二つのふくらみを、まずは両手の掌で大きさを確かめるように包み込む。
まだ未発達な硬い乳房の感触を楽しんだら、指の腹で中心の桃色を擦りあげる。
「ふぅ、っ…ん、や…っ」
濃厚なキスを受けながら、神楽が小さく啼きだした。
神楽の声にあわせて、ぴくり、と震える足首に長谷川が舌を這わせる。
そのまま、チャイナ服のズボンを下着ごと取り去る。
「お嬢ちゃんの足、細いなぁ。あんなに飛び回ったりするのに、こんなに華奢なんだ」
うっとりと目を細め、神楽の白い太ももに頬擦りをする。
「うあっ、やだっ」
長谷川の髭がちくちく擦れ、指や舌で感じたことのない初めての感触に思わず腰が引ける。
「ちょっと細すぎるかな」
大きな手で太ももを撫で上げ独り言を言い、長谷川は神楽の太ももをぴっちりと閉じさせ片手で固定する。
「俺、一回やってみたかったんだよね」
空いた手で、さきほどまで飲んでいた酒の残りを神楽の下腹部へ――――。
「っ、冷たいアル!なに…?」
ひんやりとした感触に自分の下腹部へ視線を落とすと
ぴっちりと閉じさせられた太ももと股間に酒が注がれていた。
長谷川の意図は神楽にはわからない。
神楽の太ももは細いため、ほとんどが流れ落ちてしまったが
恥骨部分に僅かに残る水溜りを嬉しそうに見つめる長谷川が
そこに唇を寄せ、ぴちゃぴちゃと音を立てながらその酒を飲みだした。
「いやっ、やだあ!マダオ!変態!」
「あ〜長谷川さんったらやらしいねェ」
銀時が楽しそうに冷やかし、長谷川の動きにあわせて背後から神楽の足を開かせ固定する。
「やあ、ヨ…マダオ。ダメ…」
抵抗のつもりで長谷川の髪を掴むが
その格好は股間を自ら彼の唇に押しつけているようで、よけいに長谷川を興奮させた。
太ももの裏に流れ落ちた雫まで味わいつくすと
そのまま神楽の生え始めたばかりの極わずかな茂みを指で掻きあげる。
そこに現われた蜜豆は、二人からの愛撫で赤く色付き
次の刺激を待っていた。
「かわいい…お嬢ちゃん、エッチな匂いがする」
チュッとキスをして、長谷川は尖らせた舌先でチロチロとそれを嬲る。
「ひゃあっ、あんっ」
性感帯への刺激に自然と神楽の腰が浮く。
銀時が背後から乳房を揉み、口付けを再開し動きを制する。
長谷川は口淫を楽しみながら左手で自らの股間をまさぐり
右手の中指を神楽の秘所に這わせる。
そのまま腟に侵入し、くちゅくちゅと湿った音をたて出し入れする。
「ヤーヨ、マダオォ、離す…アル、出ちゃうヨォ!」
銀時とのキスを止めイヤイヤと首を振りながら、神楽が必死に訴える。
そんな彼女の反応に気を良くした長谷川は
先ほどよりも真っ赤に腫れ上がった蜜豆を
唇で挟み込み上下の唇を内側に巻き込むように
優しく甘噛みし刺激した。
同時に銀時が可愛らしい乳首をきつめに擦り上げる。
「あああぁっ!」
神楽の身体が大きく反れ、びくびくっと数回痙攣し
大量に噴き出した愛液が長谷川の顔を濡らした。
「…はぁ、っぅん…ン…」
グッタリと弛緩した神楽の下腹部から顔をあげた彼は、満足気に微笑みながら
腟から中指を引き抜き神楽の髪をそっと撫でる。
「長谷川さん、挿れないの」
しばらく髪を梳くだけで次の行為に移らない長谷川に、銀時が声を掛ける。
「続きをしたい気持ちはあるんだけどサ…酒の呑みすぎで勃たねぇ…」
歳にはかなわねぇや、と苦笑しながらびしょ濡れのグラサンを外す。
「そうか。なんかいいとこ取りみたいで悪いねぇ」
銀時はズボンから勃ちあがった性器を取り出した。
「いやいや、俺は今夜のことを明日からのオカズにさせてもらうから。じっくり見せてもらうよ」
よいしょ、と神楽の脇に手を入れて上体を起こさせる。
神楽は酒の匂い当てられたのと、いまだ痙攣する太股のせいで力が入らない。
長谷川が手伝って、銀時の性器は背面騎乗位で神楽へ侵入する――。
「やだ、ダメっ」
長谷川の口淫で蕩けきった腟は、先走りで滑る銀時をスムーズに飲み込んで行く。
「あぁ…はぁ…ん…」
「神楽のココ、キツいなー」
「お嬢ちゃんの中に全部入っちゃったね…よく見えるよ。気持ちいい?」
銀時は根元まで収めると、両足を抱え込み
やや乱暴にピストンを開始した。
よく知った男の形とはまた違う銀時の性器に内部を擦られ
さらに長谷川に行為を見られて、顔から火がでそうな程恥ずかしい。
神楽は受け止め切れないほどの快感と羞恥心に、いつしか気を失ってしまった―――――
――――頭が重い…
―――――腰がだるいアル…
目を覚ますと、裸のまま爆睡中の銀時の腕の中にいた。
長谷川は帰ったのか、見当たらない。
身体、洗わなきゃ。
銀時を起こさないよう、ゆっくり身体を起こしバスルームに向かう。
シャワーを浴びながら、神楽は考える。
今夜のことを、泥酔していた銀時と長谷川は覚えているだろうか。
おそらく、二人共酒の勢いで普段の性欲が爆発しただけで
神楽に特別な思い入れがあるわけではないから。
できればいて忘れてほしい。
風呂から上がった神楽は身仕度を整え
恋人を想いながら眠りについた。