「おはようございまーす。
…アレ、2人ともまだ寝てるのかな…」
朝の10時を回ろうかというのに、静まりかえっている万事屋。
「銀さーん、起きてくださーい」
銀時の部屋を覗くが、中には誰もおらず、布団すら敷かれていない。
「…またどっかで酔い潰れてるのかな…」
いつもの事か、と新八はあまり深く考えなかった。
まあいいかと襖を閉めると、居間の押入れからガタッ、と物音がした。
「あ、神楽ちゃんはさすがに居るよな」
と押入れの前に立ち、声をかける。
「神楽ちゃん、そろそろ起きて。朝御飯食べよう」
食べ物で釣れば起きてくれるだろう、と思ったのは正解だったらしい。
襖の向こうから眠そうな声で返事が帰ってきた。
「ん…わかったアル…新八の飯は久々だからナ…」
「…久々…?僕の食事当番そんな前だっけ…」
寝ぼけてるのかなと思いながらも、新八はとりあえず食事の準備をしようと台所へ向かった。
しかし新八を待っていたのは、食材どころか調味料の一つまで何も無い、まるで引越し直後のようにがらんとした状態の台所。
「えぇっ…!ちょっと神楽ちゃん、まさか食料全部食べ尽くしちゃっ…た……」
居間の方に振り返った新八の目に写ったのは、台所の状態など頭から吹っ飛んでしまう程の光景。
「か、神楽…ちゃ……?」
それは自分が知っている少女の姿では無かった。
身長は自分より少し高く、髪は艶やかに肩まで伸び、顔立ちも凛としている。
目線を下に移すと、手足はすらりと長く、胸は程よく膨らみ、腰は締まり、夜兎特有の白い肌はみずみずしく輝いている。
そして何より身につけている物は、上下のピンクのレースの下着のみ。
「なっ…ちょっ…ええええええええ!!
神楽ちゃ…神楽さんんんんんんん!?
なっななな…なっなにそれええええええええ!!!」
「なにって…お前覚えてないアルか?」
「えええ…いや…全くなにも状況がつかめないんだけど……」
「ふう、仕方ないアルな、一から説明してやるアル」
「は…はあ…お願いします…」
「以前、一週休載の間に、この世界がイボに乗っ取られたアル。
この世界のイボは全滅したけど、実は原作者もイボに乗っ取られてて、銀魂じゃ無い話を書き始めてたアル。
担当が気付いた時にはもう銀魂のストックが足りなくなっていて、また一週銀魂が休載になってしまったアル。
そこで、せっかくだからこの機会に本当の修行をしようと、銀ちゃんと私と新八(眼鏡)で話し合って、それぞれ己を高め合う決心をしたアル。」
「ちょっと待てェえええええ!!
新八(眼鏡)ってなんだあああああ!!
僕参加してないじゃん!!眼鏡テーブルに置いてあるだけじゃんそれええええ!!!!」
「ああ、イボを殲滅した後、みんなスグに元通りになったんだけど、新八はずっと眼鏡だけのままだったし、銀ちゃんが新八はこの姿がベストなんだからいいんだよって言うからそのままにしておいたネ」
「いや、だから僕の存在って一体…」
「まあ新八はいつまでもどんなになっても新八ネ。
気にすることないアル。」
「…けなされてんのか褒められてんのかわかんないんだけど…
で、銀さんは…?」
「多分まだ修行中アル。今回の修行は特に期間は決めてなかったネ。
みんな集まった後に『◯年修行しました』って感じに編集する予定アル!」
「ああ…そう…まあ結局僕は取り残される訳ね…もうどうでもいいけど…
…ていうか神楽さん、その格好はどうかと思うんだけど…」
ようやく冷静になってきた新八は、なるべく見ないようにしていたピンクの下着にチラっと目をやる。
「ああこれアルか。修行中は全身を服で覆っていたから、部屋の中ではなるべく身軽でいたいアル」
「いや、そういってもほら…僕も成長してないとはいえ健康な男子であるワケで…銀さんなんてどんなエロ親父になってるかわかんないし…」
手を伸ばせば届く距離にあるその肢体と、漂ってくる女性の甘い香りに、新八の鼓動は高鳴るばかり。
成長してないとはいえ、眼鏡のまま長い間放置されていた新八の性を刺激するには十分すぎる状態だった。
「…フフ…やっぱり興奮するアルか…?」
いつの間にかその身体を凝視していた新八に微笑む神楽。
「いっ、いや、その…」
「隠さないでいいネ。私、女もみっちり磨いてきたアル。
これで…なにも思われない方がショックアル…」
少し瞼を伏せながら両手をモジモジさせる神楽は、以前の少年のようなイメージからは想像できない姿だった。
「新八…私の修行はまだ終わってないネ…
新八に…初めて…もらってもらうことが、今一番の願いアル…!」
神楽がフッと優しく新八の首に腕を回し、頬と頬が触れ合う。
柔らかい上半身がキュッと密着し、その甘い香りはさらに強く新八の鼻孔を刺激する。
「か、神楽ちゃん…?」
「修行中は色んな男に誘われたけど、その度に新八の顔が浮かんできて断ってきたネ…
長い間離れてやっと気付いたけど、私新八が大好きネ…新八に今の私を全部見て欲しいアル…」
「神楽ちゃん……」
頬が離れ、お互いの目線が合うと、どちらともなく唇が引き寄せられていった。
柔らかく火照った唇を、ぎこちなくついばむようにしている新八の頬に手を当て、舌をヌルリと差し入れる神楽。
一瞬驚いた新八だったが、そのあまりにも熱く甘美な感触をもっと味わおうと、神楽の腰に腕を回し、さらに身体を密着させ応戦する。
そのまま数分たっただろうか、お互い汗だくで呼吸は荒く、唾液は首を伝い、足はガクガクと震えている。
ようやく唇が離れると、二人の間に引いた透明の糸が足元にポタリと落ちた。
「ンン…ハァッ…新八ィ…さっきから私のお腹に…当たってるネ…」
「あ…」
唇だけでなく身体全体を絡めている間、新八は無意識に自身を神楽に擦り付けていた。
「新八…このまま横になるネ…」
お互い身体に腕を回したまま、神楽が新八に被さる形に寝そべる。
「新八…すごい染みちゃってるヨ…」
神楽の腹部に擦りつけているだけで、すでに何度か達してしまっていた新八の股間部はグショグショになっていた。
「下はやるから、上も脱いで…」
下着ごと服を取り去ると、ムワッとした匂いとともに、白濁まみれの男根が神楽の目の前にそそり立っていた。
「アハァ…新八エッチィアルな…」
完全にスイッチが入った、妖艶な神楽の笑みに、新八はより強く自身に血液を巡らせる。
その様子に喜ぶ神楽は、そのたぎった塊に熱い唇でむしゃぶりついた。
「うっ…ハアアっ…!」
突然の快感に全身を痙攣させる新八。
「ンむぅッ…ンッ…チュッ…ンハッ、ハァァッ…」
喉奥で締め上げ、根元まで吸い付き、舌で全芯を舐め上げる、そのむさぼる様な奉仕に長く耐えられるワケは無い。
「あアっ…フッ…もっ…!」
神楽の口内に勢い良く雄液が撒き散らされる。
喉に直接流れ込み、むせ返る匂いに頭が支配されるが、神楽はなんのことも無くコクコクと全て飲み干した。
「んっ…ふぅっ…まだ全然元気アルな…
じゃあ…そろそろ挿れるアル…」
いつの間にか自分の下着を取り去っていた神楽。
その豊満な胸の乳首はピンと張り、太股には新八を受け入れたくてたまらないといわんばかりに、煌めく筋が何本も通っている。
「新八…いくヨ…」
下半身をまたぎ、熱く滾る男根を己に導きながら神楽が囁き、新八が目を合わせ頷く。
どうせなら一気に…と、ググッ…と身体を沈めた。
「カッ…ンッ…!ウアアアアアッッ!!」
お互いに充分に潤っており、新八は簡単に神楽の奥まで届いたが、神楽には身体が割れる様な熱さと痛みが電流のごとく全身に響いた。
「かっ、神楽ちゃん…」
あまりの様子に名前を呼ぶことしかできない新八。
暫く固まっていた神楽がようやく口を開く。
「…ングッ…死ぬかと思ったアルぅ…うぅ…」
顔を歪め、涙をポロポロこぼしながら震える神楽を、繋がったまま新八がそっと抱き寄せる。
「ごめんね神楽ちゃん…こういうときは男の僕が支えてあげるべきなのに、無理させちゃったね…」
神楽は新八の胸に頭を抱えられながら、身体の痺れが少し引いて、心地良い暖かさに包まれてゆくのを感じていた。
「…大丈夫アル…今こうしてられるのが幸せネ…」
「うん…ありがとう…それと…えっと…こんな風になってから言うのはダメかもしれないけど…」
「なにアルか…?」
「僕も好きだよ、神楽ちゃん…」
「……やっぱり新八はいつまでも新八アルな…」
「えっ?…やっぱりマズかった…?」
「…うっさいアル!まだ痛いから暫くこうしてるネ、…アホ!」
「あ…はい…」
神楽は顔を伏せたまま、ニヤニヤ顏が収まるまで、新八の胸に抱えられていた。
その頃万事屋の前には銀髪の気怠そうな男が一人佇んでいた。
「…なんだよ、あいつらちゃっかり大人の階段登っちゃってるじゃん。
"見た目変わらないけど中身は最強アルティメット銀さーん!!"
とか計画してた俺が馬鹿みたいじゃん…
…まあ、今はどっちにしろ邪魔しない方がいいわな…
あーあ、どっかに大界王神様いねーかなー…」
おわり