ー長い間静寂に包まれていた万事屋で、一組の男女が初めて結ばれてからほぼ丸一日が経った頃ー  
 
その玄関先で鍵をこじ開け、中に忍び入る一人のくの一がいた。  
「…誰もいないみたいね…じゃあとりあえず…」  
足音もたてず居間まで進むと、前から仕込んであった天井の板を外し、その中に立て篭もる。  
「ふぅ…いつになったら銀さん…帰って来てくれるかな…?  
今ならずっとひとりプレイを我慢して溜め込んでる私が、どんな要求にだって応えてあげられるのに…」  
長い間顔を見れていない銀時に思いを馳せ、一人天井裏に寝そべりながら憂鬱にしていると、新八と神楽が両手にスーパーの袋を持って帰ってきた。  
「なんだ…銀さんじゃないのか…」  
天井裏の板を少しずらし、ひとまず二人の様子をうかがう。  
「随分彼女…大人っぽくなったわね…って、えっ…?」  
買って来た食材の片付けもそこそこに、少し休憩して体力を回復した新八と神楽が居間で絡み始める。  
「な…何よあの二人…そういう仲なワケ…?  
あぁっ…あんなに激しく舌を吸って…  
…いいなぁ…わたしも銀さんとあんな風に…」  
お互いを貪欲に求め合う、二人の交わりに目を奪われていると、少しずつ自分の身体が火照り初めているのに気づいた。  
 
「…もうっ…ずっと我慢してたのに…こんなの見せられたら…」  
太ももの間にキュッと力が入り、手が無意識に、その柔らかくたゆむ胸をまさぐり始める。  
「フッ…ンン…あ…やだ…もう固くなっちゃってる…」  
布越しに浮かび上がってしまう程に勃った乳首を、両手の指先でこねくり回す。  
「ンンッ…アッ…フッ…フゥッ?…イヤぁ…止まらなく…なっちゃうぅ…」  
その一部への刺激だけで軽く達すると、更なる快感を欲し、右手が胸から下へスルスルと這っていく。  
その先では、下着では吸い取りきれないほどに溢れてくる雫が太股を淫らに輝かせている。  
「ンンッ…! あぁ…銀さぁん…そんなトコ触らないでェ…」  
指先をびしょ濡れの下着にグリグリと擦り付け始めた頃には、彼女の思考は妄想の世界へとドップリ浸かっていた。  
「ハアッ…ンッ…イヤァッ…強く擦らないでぇッ…!!」  
その濡れそぼった形がクッキリと浮き出ている部分に、指を激しく押し付け沈ませながら、少しずつ布をずらし始める。  
「アンッ…待ってッ…! ちゃんと脱ぐからッ…! そのままなんて…ダメッ…!!ンンンッ?」  
張り付いていた布が股隅に避けられ、その物欲しそうにヒクついた淫孔があらわになった瞬間、熱く湿った指が容赦なく奥まで侵入する。  
「イアァッッ?…急にっ…そんなぁッ…?」  
吸い付いてくるモノを掻き出すように、ジュプジュプと音を立てながら指が出し入れされる。  
繰り返し襲ってくる、その全身がとろけそうな快感に、足の指で強く床を掴み、背中を反らせ必死に対抗する。  
「ハッ…! ンッ! ンッ!…銀っ…さん…もう…許してぇ…!  
アッ! …ウソッ…?ンンッ!」  
グチャグチャと白く粘ついた雫で溢れかえる淫孔に、さらに二本の指が挿入され、中で激しく波打ちだす。  
「〜ッッ?もっ…もうっ…ムリぃ…銀さんの指で…私っ…! イキますぅッ…?  
アッ! ンンッ! イクッ! イッ…クぅぅッッッ…?」  
ガクガクと激しく顎からつま先までを震わせながら、彼女は幻想の中の銀髪の男になすすべも無く、その肢体から淫らな飛沫を撒き散らした。  
 
身体中の水分を使い果たし、乾いた喉に違和感を覚え眠りから覚めると、太陽は沈みかけ、万事屋の中を照らす光も少なくなっていた。  
乱れた着衣を直しつつ下を覗き見、神楽と新八が寄り添いながらスヤスヤと眠っているのを確認すると、天井の板を外し、物音を立てぬように居間に降り玄関へと向かう。  
「銀さん…まだかな…?」  
こうなったらいつまでも待ってやる、と決意し長丁場用の食料を調達して来ようと玄関の扉を開けると、家の中の二人に気遣い、呼び鈴を鳴らそうとしていた銀時と鉢合わせた。  
 
「…っ?銀さんっ…?」  
飛びつく彼女を避けようとしたが、二日酔いで動きが鈍い銀時は簡単に首にしがみつかれてしまった。  
「もうっ…ずっと私を放ったらかしにして…?  
いつまで経っても照れ屋さんなんだか…ら…?」  
喜びにうちひしがれ銀時の胸に顔をすり寄せていると、その身体から香る、酒ではない別の甘い匂いに嗅覚が反応した。  
 
「…? 女の…匂い? この匂い…知ってる…? これって…まさか…」  
銀時に絡めた腕の力が少し弱まる。  
「…10位…10位なの? まさか銀さん…! 今までずっとあの女と……?」  
特に否定もしない銀時のその無気力な表情に唇を震わせながら、その片方がコブシ程に腫れあがった頬に気づく。  
「その傷…ハッ…?」  
何かを直感した彼女はその場にガクッとへたり込んだ。  
「そ…そんな…まさか…私でさえ想像しきれない、発情した銀さんの激しいプレイを…  
あの女のテクはさらに上回っているっていうの…?  
それじゃあ…私と10位の差は今も開いたまま…!!  
今まで積み重ねてきたこの想いも…さらなる高みから嘲笑われるためのものだったなんて…!」  
一人絶望にとらわれる彼女の脳裏に、先のの新八と神楽の激しく絡み合う姿がよぎる。  
そこからさらに何かを確信し、力の抜けた表情に悲壮な笑みを浮かべはじめた。  
「ふ…ふふっ…そう…そうだったのね…アナタ達全員…私をわざと興奮させて楽しんでいたのね…!  
寂しく一人悶える様を眺めて…笑いながら私の心を弄んでいたんでしょう…?  
バカみたい…私っ…! 気づきもしないで…!」  
 
勝手に盛り上がっていく一人劇場を、鼻をほじりながらボーッと観ていた銀時だったが、そろそろ飽きてきてしまったので、彼女を避けて玄関に入り、静かに扉を引いて鍵を閉めた。  
「…イイわよ…隠れてないで、もっと間近で…! 私のはしたなく乱れる姿を思う存分っ…!  
その冷たい視線で舐め尽くせばいいじゃない?」  
自分の身体にウネウネと艶かしく腕を這わせるが、扉の向こうに、もはや人の気配はない。  
「…そう…こんな私には間接視姦プレイで充分ってコトなのね…!」  
 
一人外に取り残された彼女の脳内で、また新たな妄想のスイッチが入る。  
「…ハッ…! まさか銀さん…私がこんな不甲斐ないばっかりに、欲求不満になって10位なんかと…!!  
…そうよ…そうよね…じゃなきゃ銀さんが進んであんな女となんて…  
ご…ごめんなさい銀さん…私ったらとんでもない勘違いを…!」  
溢れる後悔の涙を拭い去ると、彼女は何かが吹っ切れた表情でバッと立ちあがる。  
「わかったわ…銀さん…?  
私…もっと腕を磨いて…10位なんて目じゃない、最高のプレイを編み出してみせる…?  
それまで寂しいと思うけど…待っててね、銀さん…」  
 
 
ー万事屋に久々に三人の家族が揃い、一人が食卓に並べた赤飯に、若い男女が赤面している頃ー  
 
一人のくの一が新たな決意を胸に、月明かりに照らされたかぶき町の街並を、颯爽と駆け抜けていた。  
 
おわり  
 
 

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