「入れるヨ」  
「はっ・・・!?」  
神威の指が引き抜かれた。代わりに神威は自分のモノを神楽の中にとうとう挿れるつもりらしい。  
「嘘、やめっ・・・それだけは・・・!」  
身をよじり逃げ出そうとする神楽の右足首を、空いた片手で掴む。神威はにやりと笑った。  
「さあ、準備完了だ」  
「イヤ!!イヤ!やめろっ!やめろ!やめろ!やっ、」  
嫌悪感を顔いっぱいにあらわして、手を振り回し足をばたつかせ、力の限り暴れるも、神威に覆いかぶされてしまえば無駄なことだった。  
「ヤメロ!!やめてっ!・・・ん!っくうっっ!!」  
「はっ・・・はは」  
神威の掠れた笑い声。  
ああ最後の砦が。破られてしまった。神楽の瞳から、涙がこぼれた。神楽の中で何かが崩壊したそんな気がした。  
ハジメテなんだあ、そう、また耳でささやかれた。  
こうやって神威はわざと、神楽が嫌がるような、死にたくなるような、背筋も凍るような、残酷な言葉を吐く。  
 
痛い。  
痛い。  
 
痛い。  
 
しかし神楽は、漏れ出る声を我慢しようと歯を食いしばる。神楽が嫌がれば嫌がるほど、悲しめば悲しむほど、神威はつけあがる。  
股間から体ごと裂かれそうな痛み。  
口を一文字に引き結ぶ今の自分とは対照的に、先ほどまでは与えられていた快感に屈していた自分に気付いた。  
 
神楽がごちゃごちゃと考えている間に、神威は自分のモノで神楽の膣内を侵略せんとばかりに、ゆっくりと奥へ奥へと突き進んでいく。  
今は痛みしか感じなくても、いつかこれが快楽に変わるのだ。  
その時、神楽は屈するしかないキモチヨサに身悶え、感じてしまう自らの体を恨むのだろう。  
涙に塗れた神楽の顔を見ながら、じっくりとその体を味わう。楽しみだ。  
 
それにしても・・・  
 
「うわあキッツい・・・もすこしほぐしてやればよかったかなあ・・・」  
ちょっと焦っちゃったね。  
なんてわざと優しい声で呟く。  
神楽はまだ痛みしか感じていないらしい。浅く息を吐き、声を出さないようにと耐えている。  
 
そんな姿を瞳に焼き付けながら、神威は笑顔のまま、神楽の耳元でこうささやいた。神楽の耳にそれは、悪魔の囁きにも聞こえたことだろう。  
 
「強いコドモ、作るからね」  
「・・・っ!?」  
 
言葉を失うしかなかった。  
神威は空いた手を神楽の胸に伸ばす。  
薄い胸だが感度はいい。態度とは裏腹に自己主張が激しい桃色の突起を、指で擦りながら言葉を続ける。  
 
「お前弱いけどさ、人間なんかよりはマシでしょ、夜兎だし」  
「な、にっ・・!あっ!言って・・・っんんっ!!」  
「さっき散々優しくしてやったでしょ?文句言わないでよ」  
 
乳首を刺激されているからか、神楽は思うように言葉がつむげなかった。  
どうしても言葉の端々には、喘ぎ声が混ざってしまう。しかし抗議しないわけにはいかない。  
 
「ふざけっ・・・んな・・・!あうっ!あっ!・・・んっ!」  
 
神威の指つきが変わる。まるでしごきあげるように、しなやかに伸びる親指と人差し指とでこねられる。  
 
「あ!あうっ!やめ・・・っ!ふうっ・・・!んんっ!」  
「ほら。夜兎族さ、数少ないでしょ。考えたことある、夜兎族の滅亡って。」  
「はっ・・・!だ、からっ!ってえっ!ん!・・・やめ、」  
「真面目に聞いてよ。でさ、子孫残す場合、人間の女よりは、夜兎族の女の方が、いい遺伝子持ってるでしょ?」  
「わたしっ!やだあっ・・・!こんなのっ・・・ふざけんっな・・・!」  
 
まだ暴言を吐く姿は、負けん気が強い神楽らしい。しかし涙を流しながらでは強がりだということは一目瞭然。  
突起をいじくる指を離し、今度は吸い付いた。あんっ、と可愛らしい声。  
勿論この間も、神楽の膣内を冒険している。  
 
 
『子作り』なんてキーワードは、こうやって神楽を組み敷いて無理やり子種を産み付ける為の建前にしか過ぎない。  
そう、建前だ。そもそも神威は夜兎族の存亡になんてさらさら興味が無い。あったのは、妹に対する純粋な性的興味、  
そして・・・・そのキーワードさえちらつかせば、妹は本気で怯えて本気で嫌がるだろうと思ったからだ。  
自分より強い男、それも血の繋がった相手に犯される・・・なんて最悪なんだろう、かわいそうな神楽。神楽は・・・絶望に染まった最高の顔を見せてくれるだろう。  
 
「ねえ、気持ちいい?乳首」  
「っ・・・んっ・・・くっ・・・・・・!」  
「気持ちいいでしょ。我慢しなくていいよ」  
 
赤い頬。青い瞳が睨みつけてくるが、迫力なんてまるでない。神威の舌は移動して、首筋を舐めた。  
 
「多分、そろそろ下の方も気持ちよくなってくるからさ・・・」  
 
そういわれてみると、神楽は最初ほどの痛みを感じなくなっていることに気付いた。  
 
「んっ・・・!や・・・嘘アル・・・!」  
 
しかしそれが恐ろしい。痛みに耐える方がまだマシである。  
 
「嘘じゃないよ。ホラ。ね、分かるでしょ?」  
 
快楽のワナにはまってしまえば、自分はすぐに陥落してしまう、かもしれない。  
体の中から甘い毒が広がり、次第に頭までもを痺れさせる。そうなってしまえば抗うすべなどない。  
 
「あんっ!いや!ちがう、あっ!ち、ちがうんんっ!」  
 
この、神威に、自分からすがりついてしまうのではないか。  
処女膜をつき破られる前、優しくまさぐられていた体は確かに快感を感じていて、意識もどこか夢心地で・・・。  
 
「感じちゃってるじゃん」  
 
神威は神楽の顔が引きつるのを見ると、嬉しそうに言った。  
 
「休ませてやらないよ」  
 
END  
 

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