春雨艦内の人気のない廊下に、彼らはいた。  
蛍光灯が明滅を繰り返す狭い通路ににあわぬ婀娜っぽい声が響く。  
また子は立ったまま神威に犯されていた。スカートと下着は足元に落とされ、  
神威に白い桃尻を向けさせられている。彼はその尻に思い切り腰を打ちつけていた。  
襟は解け、白く形のよい乳房は露で、神威の動きに合わせてゆれている。  
いきり立った肉棒をまた子の秘所にねじりこみ、反応が過敏な場所を把握し、正確にそこを抉る。  
また子の括れた腰に指が食い込むほどに強く持ち、熟した女の肉に小刻みに肉棒を動かして擦り付ける。  
また子の、必死に一文字に結ぶ唇から悲鳴にも似た喘ぎが零れる。同時に愛液だか、小便だかが股の下に垂れて落ちる。  
「あ、ぁ、あっっっ………!!!」  
「あり?またイッたんだね…もっと声出せばいいんだよ。  
 でないと気持ちよさが逃げちゃうよ」  
 
どうしてこんなことになったのか。また子は自分の記憶を辿る。  
用を言いつけられ、春雨艦内に乗り込み、それを終わらせて鬼兵隊に合流するところだった。  
通路で二人の男とすれ違った。  
すれ違った瞬間、いやな予感がした。振り向いた時には彼らはもうこちらを見ていたのだ。  
抜いた拳銃が火を噴いたが、人間の女が夜兎2匹に敵うはずもなかった。  
 
神威は肉棒を抜かず、暖かな膣肉に押し付けたまま繋がった部分に手を伸ばし、  
また子の陰毛についた愛液を指で掬い、肩越しに振り返る彼女に見せ付けるようになめとる。  
白濁したそれを舌ですくいとると、神威は少し眉をひそめた。  
「しょっぱいネ」  
肩を聳やかし、荒い息を繰り返すまた子は、壁ではなくもうひとりの男に縋りついていた。  
阿伏兎は胸元に手をついてバランスをとるまた子を見下ろし、おもしろくなさそうに溜息をつく。  
所在なさげに彼女の乳首を、爪先で擽り、あるいは中指と親指の間で弄ぶ。  
「ひ、ぃぃぃぃぃ…!!」  
また子が顔をびくりとあげ、背を弓のように逸らした。  
「阿伏兎、腕おさえてろっていったじゃないか」  
「こいつに抵抗する気力が残ってると思ってんのかぁ?」  
「ああ、そんな気力ももうないのか。つまんないな」  
神威はまた子の白い尻を思い切り引っぱたいた。  
「ああああああっ…!」  
パン!パンッ!と、乾いた音が響く。赤い手形が幾重にも重なり、尻たぶが真っ赤に染まってゆくのを、神威は笑いながら眺めていた。  
「あ!あ、ああ!あ、っ、っあ!」  
「叩く度に締めるよ、彼女。痛みすら快感に思えちゃうんだ。  
 ホラ、これ以上に締めないと、罰として中に出すよ」  
「夜兎に中出しされてみろ?一発で孕んじまうぜ」  
「…!!」  
涙が滲む瞳を瞬き、また子は下腹部に力を入れた。  
 
神威のモノがすぐに抜けるように力む。それが今は唯一の抵抗だった。  
「お、すごい。抜ける抜ける……」  
膣の律動に逆らい、神威は再び腰を動かし始める。  
カリ首に狭い入り口が引っかかり、そして思い切り最奥を突く。何度も何度もそれを繰り返す。  
赤黒く太い肉棒が、愛液を纏いぬらぬらといやらしい光沢を帯びていた。  
腰を突き出し、その肉棒をまた子の子宮口に叩き付ける。  
達しようが喘ごうが抵抗しようが、構いやしなかった。  
激しく、熱く、ただ己をまた子の身体に刻み付け、汚してゆく。  
また子は何を否定するでもなく、首を振り、金色の長い髪を振り乱し  
阿伏兎の胸元をぎゅっと掴みながら、通路の先を見た。  
「あ、い、ぃ、や…ぃやっす…み、みないでください!!!」  
蝶の舞う女物の着物を纏う痩躯の男がいた。煙管を咥え、  
壁に背を預けて、また子の喘ぎが耳に届いているのだろうか、微動だにしなかった。  
また子は阿伏兎の身体を壁に押し付け、神威の身体から逃れようともがく。  
指が食い込む腰には爪が赤いあとをつける。  
「なかなか素直になれないみたいだね。  
 恥ずかしいのかな、まだ」  
「誰かさんのヘタクソテクニックにウンザリしてるんだろ」  
「阿伏兎にかわってあげたいけど、もう年だからあんまりたたないんだっけ」  
「すっとこどっこい!まだ現役だぞ。  
 あんたよりゃ女を喜ばす技あしってるつもりだぜ!」  
丸い瞳を瞬き、不思議そうに小首を傾げる神威を阿伏兎は忌々しげに見下ろす。  
乳首を嬲る指に阿伏兎は力をこめる。尖り、固くなったまた子の乳首は蹂躪され、背中を一気に快感が駆け抜けてゆく。  
「あ、あぁあああっ!し、しんすけさまぁああ…!しんすけさ、まぁぁぁ…!!」  
「まぁ阿伏兎のおじさんテクがなくっても、見られてるだけで十分みたいだねェ」  
阿伏兎の視線などどこ吹く風。神威は飄々と言ってのけ、高杉に一瞥を向ける。  
「……どーせガキにゃ俺のテクなんざわかんねーよ!」  
また子のすらりとのびた白い脚が、ガクガクと震える。神威は微笑を湛えたまま、また子の太腿に思い切り平手を振り下ろした。  
「あぁああああ!も、もぉ、た、立ってられ、ないっすぅ…!」  
「しっかり踏ん張らないとだめだよ。それとも何?何かしたいの?  
 ああ、阿伏兎のあらびきウインナーがほしいの?」  
「あらびきにされてねーよ!すっとこどっこい!」  
「吉原に行った時にあらびきにされたんでしょ?  
 あんな子供にされたなんてね…阿伏兎変態だね」  
「……チンコは無事だバカ提督。  
 四つんばいになれ」  
神威に対するストレスを阿伏兎は必死に抑える。普段なら勝手に言ってろと流せただろう。だがふと妙案が思い浮かぶ。  
上司にぶつけられぬならば、せめて目の前の女にぶつけてやろう。  
こめかみをひきつらせながらまた子に冷たく命令すると、彼女の頭を押さえつけ、無理やりに床に腕と膝をつけさせる。  
ベルトを解き、ズボンのチャックを下ろし、阿伏兎は己の肉棒を取り出した。  
彼女の痴態に、すでに肉棒は熱を帯びて固くなり、滾っていた。  
「歯ぁ立てたらケツの穴もほじくるからな」  
「よくないよ、女に当たるなんて」  
「誰のせいだと思ってんだ」  
一度抜いた肉棒を、神威は再びまた子の秘所へと推し進める。  
「あ、ぁあ…!」  
 
絶叫に似た喘ぎは中途半端に切れた。  
膝立ちになった阿伏兎は、また子の唇に亀頭をねじこむ。  
神威は苦しげなまた子に何の気遣いもせずに腰を振り続けていた。  
床に垂れるほどに溢れた愛液が動きを助け、膣肉をカリが削ぐように抽送を繰り返す。  
喘ぐことも許されず、また子は必死に尻を突き出しながら阿伏兎の肉棒に舌を這わせ、唇をすぼめて吸い付いていた。  
「オイ、もっと気合いれやがれ。  
 そんなんじゃ何日経ってもでねーぞ  
 もっと思いっきり吸うんだよ!」  
阿伏兎の苛立ちに神威は満足そうに笑みを深める。  
阿伏兎はまた子の後頭部を掴み、陰毛の茂みに鼻が突くほど押し付けて無理やりに抽送を繰り返す。  
神威の笑みを、向かいの阿伏兎はまた何時もの気のぬけた顔で見た。  
完全に神威の思惑に乗ってしまった。深い溜息をついて、阿伏兎はまた子を見下ろす。  
「阿伏兎、お前を十分に煽ったと思ったんだけどね。  
 そんなんじゃこの女は壊れやしない」  
咽喉の奥の奥まで犯され、こみ上げる吐き気をまた子は必死に堪えていた。  
目から涙が溢れ、床に零れ落ちてゆく。滲む視界の中で高杉を横目で必死に見つめる。  
高杉は笑みを浮かべてまた子を見ていた。口元にだけ浮かべた笑みからは、また子には彼が何を考えているか想像することはできない。  
阿伏兎の肉棒を根元まで咥えて吸いながら、また子は神威によって再び絶頂を迎える。  
最初は狭くみっちりと膣道を塞いでいた肉が、次第に肉棒に馴染んでゆく。  
「ん、んふうううっ…ん、んんんん!んんん…!」  
「随分と気持ちよさそうだな」  
また子の傍らに腰を落とし、高杉は煙管の先端を尻たぶにおしつけた。  
「んんんんん!はあああ…!し、しんすけ、さ、まあああ…!」  
きゅぽんっっ、と空気の抜ける音と共に、阿伏兎の肉棒から唇を離す。唾液と先走りがまじりあい、銀色のつり橋が亀頭と唇の間に伸びる。  
熱い痛みと共に背中が反り返り、耐え切れないといわんばかりに身体を震わせ、床に頬をこすりつける。  
「あ、あつ、あついっす…晋介様ぁ…」  
「んなことより早く続きやれよ。男こんなにしてほっとくのか?」  
白桃のような尻に、赤い火傷のあとが刻まれた。また子はその痛みに愛おしさを覚えながら、高杉の催促に素直に応じる。  
自然に零れた涙も拭わず、腕に力をこめ、上体を僅かに持ち上げると再び阿伏兎の肉棒を咥え込んだ。  
「あ、そろそろイくかも」  
神威がぽつりと呟いた。改めてペニスを奥までぐうっと差し込みまた子を深く貫く。  
子宮口と亀頭が濃厚に口付けを交わし、神威はこじあけるように執拗に抉り、苛む。  
「…!!っ、っんん!」  
また子の下腹部の奥でごり、ごりと低い音が響く。その小さな衝撃が理性というネジを外してゆく。  
いつの間にかまた子は神威の腰の動きにあわせて己の腰も動かしていた。  
頬肉の裏に阿伏兎の逞しい男根を擦りつけて息を吸い先走り汁ごと啜る。  
また子は狂ったように夜兎の身体を求め、また夜兎たちも女の身体を貪った。  
愛する男が間近で痴態を見ているという事実が、たまらなく快感だった。  
神威は白い女の背中を見てにたりと笑う。快楽に堕ちてよがり狂う姿を、もっと壊してやりたいと思った。  
「あ、でる…っ…ん、はぁっ…!」  
神威はまた子の腰を抱えながらさらに早く突き、亀頭で子宮口を押し上げたまま、白濁を思い切り吐き出す。  
「ちょっとバカ提督、早いんじゃねーの。まあ俺もイっちゃいそうなんだけど。  
 おらもっと吸え……っ」  
阿伏兎はまた子の頭を掴み、乱暴に前後させた。  
また子の暖かな口の中に亀頭を押し込み、苦しさのあまり目を白黒させる。その表情が阿伏兎の興奮をさらに高めていく。  
咽喉の奥に肉棒を突っ込んだまま、息を吸わせて竿に舌をまとわりつかせる。  
絶頂に至るに足りぬ熱を埋めるように、阿伏兎はさらに激しくまた子の唇に腰を打ちつけた。  
やがて咽喉の奥、ねばっこい精液を大量に吐き出す。  
「う、げほっ…!げほおっ…がはっ…」  
阿伏兎がずるりと肉棒をまた子の口の中から抜く。床に這いつくばって咽る彼女を、高杉は無表情に見つめた。  
「なぁ、まだいけるだろ」  
高杉はまた子の前髪を掴み、むりやり己に顔を向かせる。  
唇の端から白濁を垂らし、蕩けた表情で高杉を見上げ、また子は小さく頷いた。  
「まるで淫獣だな」  
また子の目尻に滲む涙を指で拭ってやると、高杉は立ち上がった。  
「好きにしな」  
二人に告げると煙管を吹かし歩き始める。  
「いいの?」  
「いいさ」  
 
高杉は煙管を指に挟んで紫煙を吐いて神威に笑った。  
「俺も壊すのが好きでな」  
遠ざかる背をまた子はじっと見ていた。そしてまだ終わりそうにない夜を思い、熱い溜息を吐いた。  
 
『やっぱり淫獣相手だとあんまりムラムラきませんねぇ。  
 もっと若くておっぱいが平らで華奢で色白な感じのまだ初潮も迎えていないような女の子が…』  
作戦会議中ヒマをもてあました武市先輩のノートには、たくさんの妄想がぶちまけられていたのであった。  
「武市変態、全部声に出すのやめてもらえないっすか。マジでヒいてるんで」  
隣の席のまた子は武市のこめかみに銃口を擦り付けて呟いた。  
 
おわり  
 

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