「だから、パー子ちゃん遠慮しないでもらっといてよオ」  
万事屋のテーブルを挟んで、銀時とかまっこ倶楽部のアゴ美が向かいあって座っている。  
「いや、遠慮しないでって言われましてもアゴ美さん...」  
アゴ美に答える銀時の表情はひきつっている。  
アンタガキ共がいる時だったらどうしてくれんだよー...  
久々にあったアゴ美に、アンタ良いものあげるわよ、と言われた。貰えるもんはとりあえず貰っておく主義の銀時としては勿論快く受け取るつもりだったのだが。  
「あの子、あんたのイイ人なんでしょ?腕組んで歩いちゃったりして。なかなか可愛い娘だったじゃない。コレで一緒に遊びなさいよオ」  
アゴ美がウィンクしながら言った。  
「いや、あいつが勝手にしがみついてくるだけなんで...」  
「もう、照れなくたって良いのよオ。あんな若い子とつきあってるなんて、アンタやっぱり隅におけないわね!」  
うふふふ、と楽し気に笑うアゴ美に、銀時は、は、は、...と渇いた笑いで返事を返す。  
なんか俺よっぽどしょうもない淋しい大人だと思われてねーか...  
どうしようもなくなって、テーブルの上にごろりと置かれた物体に視線を落とす。  
「それ、かぶき町の風俗組合の温泉旅行のビンゴで貰ったんだけどオ、あたし使い道なくって」  
「どうせならAV10巻セットとかの方がよかったんですけどねーアゴ美ねーさん...」  
は、は、は、と感情の無い笑いしか出てこない。一体俺コレどーすりゃいいんですか。  
机の上に置かれたド派手なピンクのそれは、紛れも無い「大人のオモチャ」だった。  
 
はー、しかし、コレ...  
「なんかすげえよなあ...」  
もう寝るか、と思った時にふとアゴ美に貰った目に痛いピンク色をしたバイブの事を思い出し、何の気無しにスイッチを入れてみると、かすかに機械音をさせながら先がうねる。  
「しっかしなあ...」  
コレ、あいつに使ってみたらどーなんだろ...  
神楽は、一体どんな表情を見せるのだろう。  
アゴ美に言われて一瞬、そう思った事は確かだった。  
「さすがになあ...」  
さすがに、そりゃアレだろ。俺人間としてどーよ。  
神楽はまだまだ子供だった。こういう事まで知ってしまうのは、やっぱりまだまだ早すぎるだろう。ま、この先もこんなのがある事、知っちまう事もあるだろ。しゃーねーな。捨て  
ちまおう。好奇心旺盛な神楽に見つかって、質問されても面倒だし...と、銀時は決めた。  
「銀ちゃん!」  
「!!」  
銀時が考え事に没頭してると、神楽が首っ玉に飛びついてきた。  
おいおいおいおいやべーよ!!  
反射的にバイブのスイッチを切って、懐に隠す。見られてねーよな?コレ...  
「おおおおお前、心臓止まるような事すんじゃねーよ!!ショック死しちまったらどーすんだよ!!」  
「銀ちゃんオヤスミ言いに来たヨー」  
人の気も知らずに、神楽はくすくす笑う。その度に、解いた髪がさらさら揺れて花のような匂いがした。自分の使ってるシャンプーと同じ匂い。  
「...いつまでもしがみついてるんじゃねーよ。お前、さっさと押し入れ帰れよ」  
神楽は銀時の言葉をよそに、更にぎゅっとしがみついてくる。  
胸、当たってんですけど...  
分かってやっているのか、そうでないのか。いやどっちにしろあるのか無いのかわかんない位のものだが...  
 
「んー...行きたくないヨ」  
神楽が銀時にしがみついたまま、甘えた声を出した。一応、保護者として押し入れに帰れとは言っておく。  
全く、何でおんなじシャンプーだのせっけんだのつかってんのにコイツばっかり良い匂いする訳?  
押し入れに帰れと一応言う事にはしているが、本当に帰ってほしい訳では勿論なかった。このまま一晩中、いい匂いのするこいつを側に置いておきたいと、いつもいつも思う。  
「銀ちゃーん...」  
押し入れなんかにかえんなくていーよ、神楽。  
「ねーねー」  
あーはいはい。 今夜もずっと銀さんの側にいろって...。  
「それ何?」  
「...!!!」  
「さっきの、持ってたやつ。ピンクの。何アルか?」  
「なななな何の話だよ...」  
「さっきの。手に持ってたやつ。何か動いてたヨ?」  
「さあ?銀さん知らね−な...てっ!ちょっ!おまっ」  
神楽が後ろから銀時の寝巻きの懐に手を突っ込んできた。  
「すっとぼけんじゃねーヨ天パ!この神楽様に隠し事なんて生意気アルヨ!」  
慌ててた所為もあり、懐に隠す程度でそんなに複雑な隠し方はできなかった。あっという間にバイブを探し当てられてしまう。  
「何?コレ?」  
バイブを見つめながら、神楽が不思議そうな顔をする。ああ...と銀時は額に手をあててため息をついた。  
「銀ちゃん何アルか、コレ?」  
「こ、これは、だな...」  
これは...何て言おう。  
「何?なんか妙な形ネ...」  
挙動不振な銀時に、神楽が更に眉を寄せ怪訝そうな顔をする。やべえ、早くコレから話題そらさねーと...  
「これは...おもちゃだ!地球独特の!」  
「おもちゃアルかー、どうやって使うアルか?」  
 
「つーかさあ神楽、お前はおもちゃで遊ぶ程ガキなのか?体型以外にも頭ン中までガキなのか?そこんとこどうな訳?」  
質問する神楽に間髪入れず銀時がつっかかると、神楽はムッとした顔をした。  
「失礼ネ、私かぶき町の女王ヨ!そこら辺のガキと一緒にすんなヨ!」  
「すいません、すいませんねー女王様...」  
こりゃいっけね、という素振りで頭を掻く銀時は、内心ほっとしていた。何とか神楽の興味をコイツから逸らせそうだ。  
「じゃ女王様、そろそろ寝た方がいいんじゃねーの」  
言いながら、それとなく神楽の手からバイブを取り上げる。  
「ん、そーネ」  
「...戻ったら、自分の部屋に」  
「...嫌アルヨ」  
神楽は銀時を見つめた。  
「銀ちゃんの側がイイヨ」  
試すような事を言う、自分は本当に悪い大人だな、と銀時は思った。  
 
一度、二度唇を吸い、堪らず舌をその中に押し入れると神楽は何の抵抗もせずすんなり受け入れた。  
「ん、ん...」  
そのまま舌で口腔を舐めまわすと、神楽もおずおずと舌を絡ませてくる。  
布団の上に胡座をかいた銀時と向かい合って、神楽は顔の高さを合わせようと立て膝を突いて、銀時の頭に回した腕でしっかりと彼を抱き締める。そんなに抱き締められなくてもどこにも行ったりしないのに、そんな仕種や、息継ぎの間に洩れる吐息なんかが、たまらなく愛らしい。  
「は...あ」  
唇を離すと、神楽と自分の唇の間に透明な糸が引いていた。銀時は神楽のパジャマの釦を上から外していった。  
パジャマの裾から回された銀時の手が背筋を這う感触に、神楽が体を捩らせた。銀時はそのまま背を撫でながら、反対の手でパジャマの前をめくり、その頭を神楽の胸許に埋める。  
「...っくすぐった...いヨ銀ちゃんの頭...」  
全く、何なんだろーなコレ...  
せっけんなのか、何なのか。何とも形容しがたい甘い匂いに頭がくらくらする。  
「あ...やあんっ...」  
小さな胸の先端にそっと口付け、また唇を離すと今度は舌でその部分を舐め回す。途端に、その先端が固くなるのを舌全体で感じた。  
「ひゃ、や、あ、」  
舌を胸の先端に押し付けたり、唇で吸っていると神楽が頭をかくん、とのけぞらせた。立て膝をさせてるのも、そろそろ限界のようだった。  
「よっ、と...」  
銀時は神楽をそっと布団に横たえた。薄暗がりの中、さっきまで舌を這わせていた小さな胸が、自分の唾液でてらてら光っているのに、なんだか興奮を掻き立てられる。その様を見ながら、銀時は神楽の秘所に指を添わせた。  
 
「神楽」  
愛撫で充分感じていたのだろう、神楽の秘所はすでに潤んでいる。そのまま立てた膝を割って、その潤いを味わおうと唇を寄せた。  
「あん!っ銀ちゃ...」  
銀時に秘所を舐め上げられる度、神楽の腰から全身にくすぐったげな快感が走った。  
「やっ!あっん...」  
秘所の突起を舌で突いてやると、神楽は腰をわずかに浮かせ、蜜が溢れて止まらなくなる。  
銀時が神楽の足の間からその表情を見てやろうと顔をあげると、神楽がふい、っと横を向く。  
「じろじろ見んじゃねーヨ...」  
その頬が、羞恥からか快感からか、あるいはその両方か、いつもより濃い紅に染まっている。  
...全く可愛い事してくれちゃって。  
腰を捩らせ、喘ぐ神楽に銀時の身体も反応し始めた。神楽の膝を持ち上げようと身体を起こすと、先程神楽の手から奪って放っておいた「大人のオモチャ」が目に入った。  
「...」  
銀時は一瞬、逡巡した。けれども神楽のこの感じ様。乱れ方。  
...神楽のお父さんお母さんごめんなさい。ヒワイな事ばっか教えちゃって。  
一応神楽の両親に謝っておいたものの、幼い身体に試してみたいという欲望は止まらなかった。  
 
「...銀ちゃんどうしたアルか...?」  
動きを止めた銀時に、神楽が不安げな声を出した。  
「ん、ちょっと待ってろ」  
銀時は神楽の両脚を広げると、スイッチを入れたオモチャを秘裂にあてがった。唾液と愛液で潤ったそこに、ゆっくりと押し進める。  
「や...何...?」  
いつも違う感触に驚いた神楽が不安そうな声をあげた。  
「ちょっとじっとしてろ、な?」  
「っきゃ、やあっ!...」  
ぐちゅり、と秘所に侵入してきたバイブの動きに、神楽がびくん、と体を震わせた。  
「ねえ銀ちゃんっ..。何、なのヨっ...」  
「あー全く、じっとしてろって言っただろ」  
銀時は神楽の片脚をまたいでその横に座ると、上体を起こしかけた神楽の肩を押さえつけ、その身体を再び布団に沈めた。  
そうしている間にも神楽の膣内でバイブがうねり、その内奥をかきまわす。  
「あんっ!いや、あ...っ」  
上気した頬のまま、神楽が左右に首をふる。  
肩を押さえつけられ身動きがとれないながらも、腰をよじらせなんとかして逃れようとするが、それもかなわない。  
「は、すっげえな...」  
「ふ、...や、あ、銀ちゃ...、ふあっ...」  
「神楽、気持ちいいか?」  
神楽の手が行き場もなく布団の上を滑る。口許をゆがめて自分を見下ろす銀時に、涙の浮かんだ赤い瞳を向けた。  
「は、あ...銀ちゃ...ん、...もおやめ...っああっ!いやあっ!」  
銀時が神楽の秘裂に沈めたバイブを前後に動かし始めた。出し入れする度に既に濡れたその部分が、また愛液を滴らせた。  
「あんっ、や、あっ!...ああんっ!」  
たまんねえ、思った以上じゃねーか...  
抽送に艶を含んだ喘ぎ声が重なる。神楽の乱れ様は銀時の想像以上で、その姿に自身の興奮ももはや押さえられない程になっていった。  
 
「あー神楽、銀さんももう耐えらんねーよ。これ、」  
銀時が怒張しきったモノを神楽の目の前に取りだした。  
「舐めてくんねー?」  
「...っ!いやっ...」  
膣内をぐちゅぐちゅと掻き回され、その上さらに奥の方まで何度も突かれている。その快感に頭が真っ白になりかけていた神楽が、精一杯の抵抗の意思として目の前のソレから顔を背けた。  
「...こっち向けよ」  
銀時はその柔らかな頬に手を当て、無理矢理自分の方を向かせた。  
「イヤ...」  
ぎゅっと瞳を閉じた神楽の上下それぞれの唇に親指と人差し指を添えると、そのまま指に力を入れ口を縦に開かせた。温かな舌めがけて、自身を神楽の口腔におさめていく。  
「ん、ふっ...んんっ!...」  
やわらかな舌が先端に触れ、快感がぞくりと走った。  
「神楽、動くからな」  
銀時が動き始めると、神楽が苦しげな声をあげた。  
「んんっ...ん、う、ふうっ...!」  
先端が喉の奥に当たるようにして何度も何度も抽送を繰り返す。その度に銀時の自身は神楽の唇にこすられ、たまらず射精感がこみあげてくる。  
「う、ふ...んっ、んんっ!」  
ただでさえ神楽の意識は快感の中に沈んでいたのに口内まで激しく犯され、もはや何も考えられない。突き上げられる度に内襞がひくん、ひくんとしてきた。  
「ふ、...ん、んんっ...!」  
「くっ...」  
銀時は神楽の口を犯していたモノの動きを無意識に早めた。既に先走りの液は溢れて、その液と神楽の口内の唾液が混ざりあう水音が、自身から伝わってきた。  
「神楽っ...」  
神楽が銀時自身がドクン、ドクンと脈打つのを感じると、すぐさま喉の奥まで熱を持った白濁が流れこんで来た。  
「んんっ...」  
神楽が快感に溶けてしまった意識の中、かろうじて喉をこくん、と鳴らし精液を飲みこむと、銀時はやっとその唇からゆっくりと自身を引き抜いた。  
 
「神楽、こっち向け」  
銀時が自分に背を向け横たわる神楽に呼びかけたが、返事はない。  
「...なあ、ごめんって。いきなりあんな事して」  
一応謝るものの、さっきの行為を後悔はしていない。たまらなく楽しい事だった。  
「でも...すげー可愛かったよ、お前」  
「...褒めときゃいーってもんじゃねーヨ天パ」  
恥ずかしいのか、銀時とは目を合わさず、神楽がやっとこっちを向くと、そのまま銀時の胸に頭を埋めた。  
「...おやすみ、神楽」  
「うん...」  
銀時に抱き締められ、神楽が目を閉じた。わずかに胸に感じる吐息が、とても温かかった。  
 

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