ある日の昼下がり、銀時は万事屋のソファで読みかけのジャンプを腹の上に乗っけて大イビキをかいていた。  
そんな彼のイビキを遮り、万事屋の玄関のチャイムが鳴った。  
ピンポーン!  
「んあ?誰だよ…ったく…。人が気持ち良く寝てたっつうのによぉ…。ほっとこ。」  
銀時はチャイムを無視し、再び寝ることにした。  
ピンポーン!ピンポーン!ピンポーン!  
「ああもう、うるせえなぁ…。勘弁してくれよ…。」  
外の人物は尚もチャイムを鳴らし続ける。しかし、銀時は起き上がろうとせず、居留守を決め込む。  
 ピンポン!ピンポン!ピンポン!ピンポン!ピンポン!ピンポン!ピンポン!ピンポン!ピンポン!ピンポン!…  
「だあああっ!!!何々だよ一体!?何処のどいつだ、コノヤロー!」  
今度は短い間隔で何度も何度もチャイムが鳴らされ、いい加減銀時も頭に来たらしく、玄関の戸に向かって駆け出した。  
「うるせえええええええっ!!!……って、あれええええええっ!!!???」  
戸を蹴破って外の人物をぶっ飛ばそうとした銀時だったが、突然玄関の戸が開かれた。  
銀時は飛び蹴りの勢いそのままに外へと飛び出し、下へと落っこちていった。  
「銀時様ぁー、大丈夫でござんすかー?」  
『万事屋銀ちゃん』の看板の上からひょっこりと顔を出した連続ピンポンの犯人は、銀時憧れの女子アナにして陰陽師である  
結野クリステルの、そして銀時の式神・外道丸だった。  
 
「で!テメエ、一体何しに来やがった!?ピンポンピンポンと…。そんなに卓球してえんなら中国にでも行けってんだコノヤロー!」  
外道丸を万事屋に通した銀時だったが、あからさまに不機嫌だった。  
その外道丸はというと、涼しい顔で机の上の皿に入っていた煎餅をバリバリと齧っている。  
「やいコラ。他人と話している時は物食べるのを止めなさい。失礼だろーが。」  
「まあまあ、あっしと銀時様の仲じゃないでござんすか。細かい事は言いっこなしでござんす。」  
「細けえことあるかああ!!!テメエ、何処まで図々しいんだよ!?それより俺の質問に答えろやコラァ!」  
「そういえば、あの眼鏡とチャイナは何処行ったでござんすか?」  
「聞けやあああああ!!!」  
ふてぶてしいことこの上ない外道丸の態度に、銀時はますます機嫌を悪くする。  
ちなみに、神楽は定春と共に近所の悪ガキ達と遊びに行っており、新八は夕飯の買出しに行っている。  
「そんなに怒らないでおくんなせえ。今日此処へ来たのは頼まれていた物を持ってきたんでござんす。」  
「頼まれていた物?おい、まさか…。」  
心当たりのある銀時は、上半身を外道丸の方に乗り出す。  
外道丸は傍らに置かれていた包みを開け、中身を取り出して銀時に見せた。  
それは、一枚の色紙だった。  
「それは…それはああああっ!!!」  
「銀時様に頼まれていたクリステル様の生サインでござんす。約束した通り、『銀時LOVE』と書いて頂いたでござんす。  
 それから、クリステル様のご厚意で生写真もオマケしてもらったでござんす。」  
色紙にはクリステルのサインと共にしっかりと『銀時LOVE』の文字があり、加えて色紙の右下には彼女の写真も貼り付けられていた。  
「きたああああ!!!外道丸、お前はやれば出来る子だと思ってたぞぉーい!!!」  
外道丸から色紙を受け取った銀時は年柄にもなく大はしゃぎし、外道丸の頭を乱雑に撫でる。  
「これは俺の、いや坂田家の宝物だぁー!今すぐ最高級の額縁に入れて飾らねば!いや待て、それじゃあ泥棒に盗まれるな。  
 やはり金庫に入れて厳重に保管を…あ、でもウチ金庫無ぁーい。外道丸、ちょっと留守番頼むわ。俺今すぐ額縁と金庫買ってくる!」  
「あ!ちょっと待っておくんなせえ銀時様。」  
外へ飛び出そうとする銀時を止めようと、外道丸は得物の巨大金棒を投げつけた。  
金棒は銀時の腰に直撃し、銀時はうつ伏せに倒れた。  
「ぬおおおお!!!外道丸…テメエ、何しやがんだ!?また玉が取れたらどうすんだコラァ!!!」  
銀時は苦痛に顔を歪め、腰をさすりながら外道丸に詰め寄る。が、外道丸は表情一つ変えない。  
「実はですね銀時様。あっしが此処へ来たのはその玉の事でござんす。」  
「は?玉?」  
「ええ。あの時銀時様の玉に施した治療でござんすが、アレ実はまだ全部終わってなかったんでござんす。」  
 
銀時は一瞬思考が止まった。そしてすぐに事の重大さに気付いた。  
「はあああああ!!!???テメエ、そんな大事な事、何で今更になって言いにきやがった!?  
陰陽師編終わってから一体どれだけ経ってると思ってんだ!?」  
「いや〜。言おう言おうと思っていたでござんすが、あの後結野家と巳厘野家の復興やら何やらで色々忙しくて。  
それにクリステル様のサインの事もあったんで、それを届けるついででもいいかなと…。」  
「いいわけあるかああああ!!!ついでで済まそうとするんじゃねーよ!テメエ、本当に悪いと思ってんのかよ!?治せ!今すぐ治療しろおおお!!!」  
『銀魂』がスタートしてからこっち、銀時の局部にはロクなことがない。  
ドライバーに改造されたりウィルスに感染してドット絵になったりするなどの被害を受け、挙句の果てにこの間の陰陽師編では玉を潰された。  
幸い外道丸と晴明の式神・葛の葉に治療してもらったので事なきを得たのだが、その治療が不完全だと外道丸は言うのだ。  
「とにかく、早く治療してくれ。いい加減災難続きの俺の息子に安らぎを与えてくれよ。」  
「言われずともするでござんす。それじゃあ早速…。」  
そう言って外道丸は自分の帯に手を掛け、着物を脱ごうとする。それを目の当たりにした銀時は慌てて彼女の手を止めた。  
「待て待て待て待て待てえぇーい!!!何してんだお前!?一体何の治療するつもりだ!?」  
「何って、銀時様の玉の治療でござんす。」  
外道丸があまりにさらりと答えるので、銀時の肩からがっくりと力が抜けた。  
「お前なぁ、いくら人間じゃないっつっても女の子だろ!?女の子が簡単に男の前で服を脱ぐもんじゃありません!  
恥じらいっつうもんを持て、恥じらいを!っつうか何でお前が服を脱ぐのが俺の玉の治療になるんだよ!?」  
「ああ、それでござんすけど、今銀時様の玉の中にはあっしらが治療の際に注いだ呪力が残っている状態でござんす。  
陰陽師でない銀時様は体内に注入された呪力を体外に出す術を知りやせん。  
だから今からあっしが銀時様の体内に残っている呪力取り出すでござんす。」  
「おい…。その取り出す方法って、まさか…。」  
 
これから何をするのか、銀時は感づいたらしく、引き攣った顔で外道丸に尋ねる。  
「ええ。お察しの通り、銀時様にあっしを抱いてもらうでござんす。精液と共に呪力を抜くでござんす。」  
「んな事出来るかあああ!!!確かに俺最近ご無沙汰だけど、こんなシチュエーションでヤれるほど飢えとらんわあああ!!!」  
「ああもう、男の癖にゴチャゴチャとうるさいでござんすなあ…。据え膳食わぬは男の恥。ってなわけで…。」  
外道丸はゆっくりと金棒の柄を掴むと、大きく振り上げる。銀時はそのプレッシャーに固まってしまった。  
「お、おい待て外道丸…。俺お前のご主人様よ?主を守るべき式神が主を攻撃するってのは式神のアイデンティティーに反するというか何というか…。」  
「銀時様が聞き分けないからでござんす。いい加減腹を括るでござんす。  
 このままでは銀時様の精液と体内に残る呪力が超反応を起こして玉が爆発するでござんすよ?それでもいいでござんすか?」  
「!………。」  
何時かどこぞの医者にも言われた言葉を聞き、銀時は声にならない叫びを上げる。  
そんな銀時を無視して外道丸は放し続ける。  
「それに以前言ったでござんしょ?あっしは平安時代に結野衆に調伏された、元は悪鬼羅刹の類の式神だと。  
 そして主に力なしと判断した場合、容赦なく牙を剥くとも…。まあ、そういうわけなんで…。」  
「待って待って待って!待ってええええ!!!」  
「男らしくあっしを抱くでござんすうううう!!!!」  
「ぎゃああああああああ!!!!!!」  
外道丸は思い切り金棒を振り下ろし、銀時を殴りつけた。銀時の意識はそこで途切れた。  
 
あれ?何処だ此処?あれ?何か、こんな始まり方前に何回かあったよな?  
あれ?何だろう?何だか股の辺りがあったかいなぁ…。何だろう一体…?  
「はあ…はんっ!ああっ、はあっ…!」  
誰だろう?何だか凄く息遣いが激しいみたいだけど…。君は誰?一体誰なんだい?  
「銀時様、いい加減起きるでござんす。」  
「って!」  
外道丸に頬をはたかれ、銀時は意識を取り戻す。そして今自分が置かれている状況に驚愕した。  
自分は寝室の布団に全裸で寝かされており、腰の上にはこれまた全裸の外道丸が乗っかっていた。  
どうやら強制的に「治療」を行う羽目になってしまったらしい。  
「げ、外道丸…。ちょ…おま…。」  
「銀時様はそのまま横になっていておくんなせえ。全部あっしに任せるでござんす。」  
そう言って外道丸は銀時に微笑みかけると、銀時の上で腰を上下させる。  
淫らな音が室内にこだまし、繋がっている部分からは外道丸にくわえ込まれている銀時の肉棒が見え隠れしている。  
「あ…はあん、あんっ!」  
外道丸は普段の無表情と打って変わり、頬を高潮させて喘ぎ声を上げている。  
その体は汗ばんでおり、少し控えめな2つの膨らみや細い腰の辺りを流れた汗が伝う。  
事に及ぶ前は拒否していた銀時だったが、事此処に及んで男の本能にスイッチが入ったため、外道丸の腰を掴んで下から突き上げた。  
「ひゃ!ぎ、銀時様!?」  
いきなり銀時が突き上げてきたので、外道丸はびっくりして銀時を見る。  
「色々好き勝手やってくれたなあ、おい。覚悟は出来てんだろうなぁ?」  
「あの、銀時様…?きゃ!」  
銀時は外道丸の体を抱き寄せると、そのまま寝返りをうって上下を入れ替える。そして外道丸の両脚を脇に抱え込んだ。  
その目は何時もの死んだ魚のような眼とは違い、ぎらぎらとした、まるで抜き身の刀のように鈍い光を放っていた。  
「覚悟しろよ、外道丸。ここからはご主人様の調教タイムだ。改めてお前を調伏してやらぁ!」  
銀時は思い切り外道丸に腰を打ちつけ、外道丸は思わず仰け反った。  
「ひあっ!ぎ、銀時…さま…。これ、治療…。」  
「知ってるよ、んな事ぁ!だがな、こちとら溜まってんだよ!式神は主人の役にたってなんぼだろぉ!?だったら性欲処理も仕事の内だよなぁ!」  
「そん、なの…ふあああん!」  
銀時は激しく腰を振って外道丸を何度も突く。肉同士がぶつかり合う音が鳴り、2人の息遣いも激しくなる。  
外道丸は何時もの様子が完全に崩れ、銀時にされるがままになっている  
「おお、結構いい具合に締め付けてくるはねーか。この分だと、そろそろ出そうだわ、俺…。」  
「い、いいで、ござんす…。あっしの、なかに…。ん、んんっ!」  
外道丸の膣内の締め付けが強くなり、銀時の肉棒を今まで以上にきつく締め上げる。  
銀時も我慢できなくなり、外道丸の中に思い切り精液を放出した。  
2人ともしばらくその余韻に浸り、呼吸を整えた後で銀時は外道丸から己を引き抜いた。  
「ふう…。やれやれ、これで治療終りょ…。」  
ティッシュで自分の息子を拭ってトランクスを履こうとした銀時だったが、その背後からガシっと肩を掴まれた。  
「銀時様、何をしてるでござんすか?治療はまだまだこれからでござんす。」  
銀時が振り向くと、外道丸が何時もの無表情で肩を掴んでいた。嫌な予感がして銀時はたらたらと冷や汗をかき始める。  
「いや、でも今ヤったばっかじゃん?玉の中の呪力とやらも出たんじゃないの?」  
「たった一回で終われば苦労しないでござんす。さ、全部抜き終わるまで続けるでござんすよ。第2ラウンド開始でござんす。」  
そう言って外道丸は銀時の前に回りこんで銀時の肉棒を握ってしごき始める。  
「じょ、上等だこのアマァ!こうなったら絶対にお前を屈服させてやる!二度と俺に逆らえないようにしてやらぁ!」  
 
陽も傾いた頃、神楽達が万事屋に帰ってきた。  
「ただいまヨ〜!あれ?銀ちゃ〜ん!銀ちゃん居ないアルか?」  
「いや、銀さんのブーツはあるから、出かけてないよ。ひょっとしてまだ昼寝してるのかな?」  
「しょうがない天パーアルな。」  
神楽と新八は履物を脱いで万事屋に上がると、変な臭いがしたので鼻を摘んだ。  
「うわ!何アルか、この臭い!?イカ臭いアル!」  
「この臭いってまさか…。神楽ちゃん!定春連れてお登勢さんのとこ行ってて!」  
「え?何でアルか?」  
「いいから早く!銀さんは僕が連れてくから2人は先に行ってて!」  
「何かよく分かんないけど、分かったアル。定春〜、バーさんとこ行くアルよ。」  
「わん!」  
神楽と定春を万事屋から出した新八は、銀時の寝室の襖を開けた。  
「銀さん!アンタ、一体何やってんですか!神楽ちゃんだって…えええええ!!??」  
襖を開けた新八の目に飛び込んできたのは、素っ裸でスルメのように干からびた銀時だった。  
その周りには散らかった衣服と、ガチガチに固まったティッシュペーパーが散乱していた。  
「ちょとおおおお!!!何があったんですかかああ!?いや、何してたかは大体想像つきますけど、こんなになるまでヤる奴がありますかああああ!!!」  
新八の怒鳴り声に反応し、銀時が目を覚ました。  
「お、おお…。しんぱち…。」  
「銀さん、しっかりしてください!こんな格好で一体何やってたんですか、アンタはぁ!!!」  
「し、しんぱち…。あ、頭に…何かくっついてる女にゃ…手ぇ出すな、よ…。」  
「はぁ?猫耳の女性なら、僕もう懲りましたよ。エロメスといいキャサリンさんといい、僕の周りの猫耳女にはロクなのが居ませんから。」  
「そ、そうじゃなくて…。や、もういいわ…。」  
そう言い残し、銀時は再び気絶した。  
「銀さああああん!しっかりして下さい!銀さああああああん!!!!」  
 
 
で、銀時をこんな状態にした外道丸はというと、結野家の屋敷への帰路についていた。  
「いやはや流石はあっしの主。なかなかタフでSな御仁でござんした。危うくMに目覚めそうになったでござんす。………。」  
外道丸は歩く足を止め、万事屋の方を振り向く。  
「何時か…クリステル様に時間が出来たら、改めてお礼をしに一緒に万事屋に顔を出すでござんす。」  
万事屋の方向に向かってぺこりとお辞儀をした後、暗くなっていく空の下、外道丸は軽い足取りで屋敷へと帰って行った。  
 
 
終  
 
 

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