「なぁ銀ちゃん、チューするアル」
「却下。さっきしてから10分も経ってないだろ」
銀時はゴロリと向きを変えた。神楽と『親子』ではなくなって3日目、
よほど嬉しいのかエサをねだる雛鳥のようにキスをせがんでくる。
最初こそ応えていた銀時だが、こうも頻繁だとさすがに辟易してくる。
「アレはたまにがっつり濃いめにやるのがいーんだよ。しょっちゅうやってたら
ありがたみが薄くなっちゃうの」
「濃いめアルか?」
「そう」
「いつもやってるのは?」
「薄めのご挨拶程度。あ、だからと言って他のヤツとやろうとすんじゃねーぞ。
キスしていいのは銀さんとだけだ」
その言葉に神楽はくすぐったい気持ちになった。
「銀ちゃんとのチューはなんか嬉しいアル。濃いめじゃなくても何回やってもいいアルヨ」
はにかんだような笑顔でそう告げる神楽に、銀時は頭をかきながら起き上がった。
「・・・俺があと2、3年も待てるワケねーよなァ。生殺しもいいとこだもんな」
自嘲気味につぶやく銀時を神楽がきょとんとした顔で見つめる。よっこいせと神楽を抱え上げ
自分と向き合わせる形になるようにひざに跨らせる。
「神楽ァ、銀さん悪い大人になっちゃいそうだよ」
「大丈夫ネ!銀ちゃんは十分ダメでワルい大人ヨ!」
「アレ?・・・そうなの?」
元気な返答に銀時は軽くヘコむ。
「ワルでも大好きヨ」
「俺もだ」
唇を寄せて軽く触れ合ってすぐ離れる。いつもの2人のキス。
神楽はへへっと照れ笑いをした。銀時は何も言わずただ神楽をじっと見つめる。
そして神楽の身体を引き寄せきつく抱きしめた。
「・・・銀ちゃん、どうしたアル?」
「神楽ゴメンな」
言うとぶつけるように口づけた。
「・・・!!」
いつもどおりに口を閉じたままの神楽の鼻をつまみ、口を開けさせると自分の舌をねじこみ
口腔内を貪り始めた。
「ぎんちゃ・・・んぁっ・・・!」
驚いて逃げようとした神楽の頭に手をやり、更に深くかみつくように口づけた。
(おしまい)