「天然パーマメントごと愛してんだろ?」  
 
銀さんの唇で、声で、言われると  
同じ言葉でも凄くイヤらしく聞こえるのはどうしてだろう。  
唇を吸われながら、ぼんやりと思う。  
杉〇さんの演技力かしら…低音でなかなか素敵な声よね…。アドリブも…。  
などと暫く考えてたが、すぐに何も考えられなくなってしまった。  
銀時の唇に集中する。  
妙は銀時の口づけが好きだった。  
しっとりと優しく塞ぐ柔らかな口づけも、全てを貪る嵐のような激しい口づけも。  
これにはすぐに答えが出せる。  
どんな口づけも心が籠もっているからだ。だから、私の心を満たしてくれる。  
「んッ…ふぁ……ぁむ…」  
合わさる唇の隙間から、知らずの内に喘ぎ声を漏らしていた。  
もっと、もっと感じたい。そう思った瞬間、銀時の唇が不意に離れた。  
「あっ……」  
思わず、不満げな声が出た。  
それを聞いた銀時が少し驚いた顔をしたのを見て、我に返る。  
私ったら、何を…!  
自分のはしたなさを恥じ、とっさに視線を外すが、  
更に顔が熱を持つのは止められなかった。  
「あのさァ…、どうした?」  
「え…?」  
熱を孕んだ声。  
 
潤む瞳で見上げると、暗がりでもわかるくらい銀時の顔も赤く染まっていた。  
「今日へんだろ……」  
「…銀さんだって顔が赤いです…。風邪ですか?」  
「あ?」  
「嫌だわ、うつさないで下さいね」  
「……やっぱいつも通りだった…」  
ムスっとした声でそう言うと、そっぽを向いた。  
「あ…」  
銀時の顔を覗き見る。  
さっきまでは眉根と目が近く、瞼もキリッとしたシリアス顔だったのに、  
今はかなり距離が空いてしまっている。  
あぁ…、またやってしまった。  
こんな憎まれ口など叩かずに、ただ「もっと」と乞えば良いだけなのだ。  
そうすれば、この人は喜んで私に口づけをくれるだろう。  
なのに、ちっぽけなプライドが捨てきれない。  
銀さんの言う通り…本当に、全く可愛くない女だわ。  
 
妙が自己嫌悪している間に、  
銀時の眉根と目は更に間隔を開け、瞼も最大に重くなっていた。  
ハ〜ァと深いため息を吐き、ガシガシと髪を掻く。  
「…なんかお前の言う通り、カゼ気味かもしんねェ」  
「えっ?」  
「うつすとわりィから、続きは1人でやんな」  
「ちょ…、」  
「オヤスミぃ」  
言い捨てると、止める間もなく体を反対に向かせて目を閉じてしまった。  
これには焦って声を掛ける。  
「銀サンっ」  
「…具合悪いんだから、静かにしてくれや」  
取り付く島がない。  
天然パーマメントは、もぞもぞと布団を被ってしまった。  
怒らせちゃった…?  
高ぶった体をポンと放り出され、絶望的な気分になる。  
「……銀サン…」  
「……」  
「…こっち…向いて下さい…」  
今にも泣き出しそうな声に、ピクリと肩を震わせる。  
ドSな銀時も、惚れた女に泣かれては流石に気分が悪い。  
仕方なしに顔だけ向けて目を開けた。  
「…ンだよ…熱っぽいんだからホント」  
その先は、唇に塞がれた。  
柔らかく、しっとりと濡れたお妙の唇。  
少し拗ねているけど、許しを乞う様な、甘える様な。  
そんな心の籠もった口づけだった。  
驚いたが、目を閉じて素直に応じる。  
「…ン…」  
しばらくして、ゆっくりと離れた。  
目を開けて妙の顔を見ると、気の毒なほど赤くなっていた。  
俺が風邪なら、アンタはインフルエンザですかコノヤロー。  
「…お願い。続き、して下さい…。  
風邪、移ってもいいですから…」  
思わず目を見開いて妙を見る。  
オイオイ、おねだりだよ。あのお妙さんが。  
「お妙…」  
「はい……」  
らしくなく気落ちした声に、ふと笑って向き直る。  
じゃあ、こちらも可愛くおねだりといきますか。  
妙の手をとり、己の股間にあてがった。  
 
「熱っぽいの息子の方だったわ。手厚く看病してくれる?」  
「…まあ大変。冷えピタでも貼りましょうか」  
「オイぃぃぃ!!」  
 
そう言いつつも妙は跪き、そろそろと銀時のトランクスに手を掛けた。  
既に熱を持ちテントが張っていたせいで、ゴムに少し引っかかり震える。  
不意の刺激に、銀時は顔を歪ませた。  
「すみません…」  
「大丈夫…」  
無事に脱がせる事に成功すると、トランクスを畳んで端に置く。  
そして反り立ったものを手で支え、静かに口に含んだ。  
銀時は、股間に埋まる艶やかな髪を優しく撫でてやった。  
一通り舐めると、今度はちゅうと吸いつく。  
「……はッ……」  
たまらず目を細めて、お妙の頭を掴む。  
初めは穏やかだった尺八も、銀時の掴む手の強さや、荒い呼吸。  
時折漏れるあえぎ声に火がついたのか、次第に激しくなってゆく。  
やがて口の中で先走りを吐き出し、熱く震えだした。  
迫る射精の予感に、もう少しだわと追い討ちを掛けようとした瞬間  
「ちょっと、…も、やめて」  
予想もしない制止の声に、目を見開く。  
しかしここまで来て止める訳にはいかない。更に頭を上下しようと、  
「だから離せって…!」  
声を荒げた銀時に頭を掴まれて、離されてしまった。  
「あれ、泣きそう……え…?」  
「ッ……」  
「あー…荒い声出しちゃったから?」  
「違うわ…」  
「?」  
「…あんな途中で止めろだなんて…。よ、良くなかったんでしょっ…?」  
ごめんなさいと下を向いた。下唇を噛んで涙が流れるのだけは我慢する。  
その時、  
「ったくもォォォォ!!」  
叫んだ。  
何事かと驚きお妙が顔を上げると、ガシっと強く抱き締められた。  
「ぎっ…銀さん!?」  
「何でそういうとこはネガティブなんだよ…!お前バッ…本当バカな!」  
「だって!」  
「だから止めろって言ったのはァ〜!…つまり…!その…」  
 
…良すぎたんだよッ。俺が先にイッちまったら…、おまッ…わかるだろ…!?  
ごにょごにょと早口に囁いた。  
キョトンとして首を巡らせ銀時を見ると、耳や首まで真っ赤になっていた。  
「っ…」  
「…泣いたり笑ったり、忙しくていいですねコノヤロー…」  
「すみませっ…ふふっ…」  
ツボに入ったのか、クスクスと笑い出して止まらない。  
そんな妙に、銀時は腕を解く。  
熱くなった顔を両手で被い、「もうヤダコイツ…」と消え入りそうな声で呟いた。  
「色々と台無しじゃねぇか。ほらッ寝ろ、横になれ」  
妙は笑いを引っ込めて、大人しく横になる。  
銀時は妙の足を開かせ股間に唇を寄せた。  
腰を抱えて固定し、溢れる蜜を舐めとった後ねっとりと舌や指を這わせる。  
「あッ…」  
膨らんだ秘芯に吸い付くと、妙の唇から嬌声が漏れた。  
今度は尖らせた舌で執拗に抉ってやる。  
瞬く間に、妙の下半身が痙攣し悲鳴を上げて達した。  
「…はぁ……はぁ」  
快感で息も絶え絶えになる中、太ももの間から覗く柔らかな銀髪をそっと撫でる。  
やっぱりちょっと犬みたいね。  
「オイ…、今犬みたいって思ったろ」  
「ちょ、勘が良すぎです。怖いわ」  
「…誰かサンの看病のせいで、息子がカゼ拗らしたからもう入れるわ」  
 
「えっ、ちょ、やぁぁ…!」  
宣言から間髪入れずに、剛直が柔壁を押し進んだ。  
「キツい…、力抜けって…入らねェ」  
耳に囁くが、一向に緩まないので、  
先ほど舌で皮を剥いた秘芯を、指でキュッと摘む。  
「きゃあっ!」  
悲鳴が上がり、一瞬締め付けた後、力が緩んだ。  
その隙を見て一気に最奥まで沈める。  
「ーーーっ!」  
妙が声にならない悲鳴を上げた。一呼吸おいた後、ピストンを開始する。  
始めは緩やかに。時たま性急に。リズムをつけて擦りあげる。  
腰がぶつかる度、水音が激しくなった。  
銀時の動きに合わせて、小さな?…ささやかな?…コホン。  
美乳が上下に揺れた。…小振りだったが。  
「はっ…はっ…」  
呼吸が乱れた銀時の額から汗が滴り、妙の体にパタパタと落ちた。  
 
「あっ…あっ…銀さ!きゃぁぁっ!」  
「…っ!」  
やがて2人は、ほぼ同時に絶頂を迎えた。  
女は逞しい男の胸にしがみつきながら激しく痙攣し、  
男は歯を食いしばり腰を震わせながら女の最奥に熱い精を吐き出した。  
 
 
〜〜〜  
「あの……いい加減重たいです」  
「いや、今大事なとこだから」  
「もう随分たちますよ…」  
「ちょっ!俺やお前は良いとしてもだよ?  
やっぱこの苦しみの連鎖は断ち切らなきゃ酷だろうと、こうしておまじないをだな…言わば勇者的な…」  
「いいからさっさと抜けやクソ天パァァァ!」  
 
 
 
 

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