「馬鹿な女だねィ…本気で俺を殺せるとでも思ってたのかィ?」
霧絵は目の前の父を殺した憎い青年を見た。
悲願の復讐を遂げたと思いきや、返り討ちにあい、あえなく気絶させられた。
目を覚まし上体を起こせば―沖田が自分に凍りつくような目をして笑いかけてきている。
「…この殺人鬼、お前がいなければ私達は幸せに暮らせていたのに!この人でなし!!」
霧絵は思わず激昂して沖田に掴みかかろうとした。
しかし、沖田はそれを容易く避け、霧絵の肩を持ち足を払って冷たい床に押し倒した。
「離して!いや放!離せ!!」
「きれいな子だねィ…。俺の姉上にも少し似てる」
そう言って沖田は霧絵に口付けた。
「……!」
霧絵は酷く動揺し、体を震えさせた。
「ありゃ初めてだったのかィ」
沖田は意外そうな声を出した。
「勝ち気な女は男を知るのも早いって聞いたことあったんだけど…あんたは違ったみたいでさァ」
「……ッッ!」
そのとき、バシンと頬に衝撃が走った。
頬を押さえながら霧絵を見れば、涙を堪えながら、必死にこちらを睨んでいる。
沖田は口角をニヤリと上げた。ゾクゾクする。
嫌がる霧絵の体を押さえ付け、沖田は自分の欲を貫いた。
霧絵の白い体が戦慄く度に、沖田は深い劣情を催してしまう。
「あ、ハァ…、ひ、人殺し、人殺し…、」
霧絵は沖田に突かれ、痛みを堪え泣きながら漏らす。
「ハハ…そんな口よく聞けたもんだねィ…」
「ああッッ!!」
沖田は更に霧絵の中に差し込み、後ろから髪を鷲掴みにした。
「おい…お前みたいな小娘に何が分かるってんだ?仇討ち…?泣けるねィ。あえなく失敗して今じゃこのザマだ。お空のお父様も大層喜んでるだろうよ」
「お、沖田ァ…、」
霧絵の表情は悔し涙でグシャグシャになっていた。
それでも歯を食い縛って歪んだ赤い唇に、涙が溢れ出す濡れた大きな瞳。美しい娘が自身に向け、これ以上ない憎しみをぶつけてくる様は、沖田の中にある嗜虐心を大いに煽ることとなった。
沖田は霧絵の頬をベロリと舐める。
「は…なせッッ」
霧絵は避けたかったが、髪を掴まれ、自分の体を強靭な沖田の力で押さえられ、精一杯の睨みを効かすことしかできなかった。
「なぁ霧絵ちゃん…、俺のあそこが締め付けられて痛いんだけど。お前そんなこと言ってるけど、本当は感じ始めてるんじゃねぇのかィ?酷い淫乱だねィ…」
そう言えば沖田は更に霧絵の細い腰を持ち、奥に強く打ち始めた。指は霧絵の胸の先端に回して弄る。
「あッッ、あ…、ん、」
「良かったねィ、お前の親父を切り捨てた憎い仇に操まで奪われて…」
「う、あぁ…、や、やめ、て…」
ガクガクと揺さぶられ意識が飛びそうになる。押し寄せる快感に負け漏れる声を少しでも減らしたいのに。
「霧絵…、仇討ちしたいんだろ?俺と一緒にいろよィ…、お前にいつでも殺される準備しておくからよぉ…」
「ああッッ…」
「……ッッ!」
霧絵は快感の波にさらわれ、堪らずに頂点を迎え沖田を締め付けた。糸が切れるように、やっとのところで固定していた腕も、力が抜け霧絵はガクリと崩れ落ちた。
沖田も霧絵の強い締め付けを感じ、絶頂を迎えた。沖田の大量の白い液体は素早く霧絵の体を裏返し、顔から胸にかけて放ってやった。
「ハァ…、ハァ…、」
霧絵の頬、唇は白液にまみれている。息を整える霧絵の瞳には、濃い絶望の色が浮かんでいた。
そんな霧絵を見て沖田はクスリと笑って言う。
「霧絵…、約束だァ…俺はてめぇに殺されて死んでやる。俺を殺してからてめぇも死ぬんだな…」
霧絵は途切れていく意識の中で、この上無く非道で憎い仇であるのに、何故かその言葉は沖田が本心から言っているようだとぼんやり思った。