少々重い荷物を持って見慣れた扉を開けると、既に空気は濡れていた。
「いい子にしてやしたか?」沖田が声をかけても、女が気付く様子はない。
床に這って涙目になっている彼女は、いつもの忍者服ではなく真っ赤な単衣を着ている。
手足は動けぬようきつく縛られていて、白くきめの細かい肌に赤い縄がくいこんで痛々しい。
眼鏡はかなり激しく動いても取れないようがっちり固定されて、耳には旧いタイプのヘッドホン。
そのコードが繋がっている正面に置かれたテレビの中で、もう一人の彼女が腰を振っている。
耳に装着したヘッドホンからは、大音量で彼女自身の喘ぎ声が流れている筈だった。
今朝からずっとこの状態で、何を考えていたのだろう。沖田には想像がつかなかった。 ーーーー自分は常に加害者だから。
「さっちゃん」
ゆっくりと歩み寄り、爪先で顎を無理矢理上げる。
「…おかえりなさいませ」
少し震えた声が、濡れた桜色の唇から零れ落ちる。
沖田はとりあえず満足した。
沖田はテレビの音量を下げて、ヘッドホンと脚の縄を外した。何も云わずともすべき事は解っているらしく、さっちゃんは即座に口で彼のズボンのジッパーを下ろす。
「お疲れさまです、沖田さん」労いの言葉を述べながら、沖田自身をためらいもせず口に含む。
童顔の彼に似合わず大きく赤黒いそれが、さっちゃんの舌の上で膨らんでいく。
「ほら、もっとしっかり舐めなせェ」
沖田は艶やかな長い髪を鷲掴みにして、思い切りそれを喉の奥まで突き入れた。
嘔吐感や衝撃と共に、さっちゃんの背筋を何かがぞくぞくと駆け上がる。
支配される快感に溺れながら、さっちゃんは懸命にそれを舐め上げた。
「ふぅ、ん、っ…む、ぅ」
唾液と沖田の体液が淫靡な音をたてる。暫くして、沖田がそれをさっちゃんの唇から引き抜く。
どちらのものともつかない体液が透明な糸を引いた。
沖田はそのまま後ろに回ると、ぐったりと床に這うさっちゃんの腰を抱えて一気に後ろの蕾を貫いた。
「ひ、ぁぁぁぁっ!?」
突然の衝撃に、さっちゃんが悲鳴を上げる。
しかしすっかり以前の行為で慣れていたそこは、難なく沖田自身を呑み込んだ。
ねっとりと腰を使いながら沖田が耳元で囁く。
「…慣らしもしないで後ろに入っちまうんですかィ?やらしいなァ、さっちゃんは」
「や、ちが…ぁ、はっ…」
「違うことなんて何もないじゃないですか」
先週はこの場所に土方がマヨネーズを塗りたくって、犬の様に舐めていた筈だ。
山崎がミントンのラケットの柄を突っ込んでいたのは何時だっただろう。
「見なせェ。…エロいさっちゃん、ばっちり映ってますぜ」
再び髪を掴んで、今度は正面のテレビを向かせる。
銀時の上にまたがるさっちゃん。
山崎に組み敷かれて鳴き声をあげるさっちゃん。
沖田の手で編集された自分の痴態が、ブラウン管のの中で延々と繰り広げられている。
さっちゃんは耳まで赤くなって懇願した。「や、恥ずかしい…沖田さ、もう…」
「やめませんぜ?」
覆いかぶさって豊満な胸を揉みしだきながら、沖田が一段と深く腰を突き入れる。
耳を少し強く噛むと、さっちゃんの背がびくりと痙攣した。
そんなにいじめて欲しいんですね?
そう云ってなぶってやろうと思っていた。
望み通り朝になるまで遊んでやろうと思っていた。
ーーーーあの言葉を聞くまでは。