ー万事屋ー
「世話になったな」
「だいぶ良くなりましたからお家に戻しますけど、まだ安静にして下さいね」
「へいへい、分かってますよ」
「それじゃあ私、帰ります。お大事に」
「あ、ちょっと待て」
帰りかけた妙を呼び止め、ソファーから「どっこらせ」と腰を上げた。
押し入れを開けて、何かを取り出す。
振り向いた銀時が手に持っていたのは、あの日貸した妙の傘だった。
「ありがとな」
「ちゃんと返してくれましたね」
「当たり前だろ。俺は借りパクを世界一憎んでる男だ。
借りたもんはちゃんと返すぞ」
「良かった…」
ふぅとため息を付き、愛用の傘を受け取る。
「どんだけそのウサちゃん柄、気に入ってんだよ」
妙はそれには答えず、にっこり微笑んで言葉を続けた。
「これからは、本当に気をつけて下さいね。
もし銀さんがいなくなったら」
「わーッてるよ。新八と神楽が困るんだろ」
「私も」
「あ?」
「私も、困りますから」
思いも依らない言葉に妙を見やる。
しかしその表情は、髪で隠れて伺えなかった。
「困りますから……」
呟く妙に、銀時は髪をボリボリと掻き、近づいた。
「もう無茶はしねー……ように努める。」
「……」
「だから、そんな風に…泣くな」
妙は表情こそ穏やかに微笑んでいたが、頬には涙が伝っていた。
伝う涙を指で拭ってやる。
「心配しました」
「悪かったって」
「銀さん…」
切ない声色で名前を呼ばれ、妙を見る。
思わず息を飲んだ。
「お前…なんてツラしてんだよ」
「?」
「何か…すげー…」
可愛い。
頬は赤く染まり、涙で濡れた瞳。
銀時を切なげに見つめる妙。
「ちょ、その表情ヤバいから止めてくんない?」
「銀さんのせいです。…ヤバいって、何がヤバいんですか?」
「……」
聞いてくる妙を、直視しているのがツラくなり、思わず顔を下に向けた。
しかし、妙は逃がさなかった。傘を置いて尋ねる。
「ねぇ」
「ー…」
「銀さん…」
「……」
妙は下を向いてモグモグ話す銀時の顔を、両手で捉えてこちらを向かせる。
「っ…」
「何です?耳が遠いのかしら。聞こえないわ」
「…お前、Sだな」
「Sは銀さんです。
攻め上手だけれど、攻められると弱いもの…。私は…違う」
そう答え頬を優しく撫でる妙に、銀時は溜め息を付いてしまう。
ーーコイツ、SはSでも策士のSだ。
でもまだ昼間だし。病み上がりでベストじゃないし。
いかんいかん。
「ねえ、銀さん」
「あ?」
「帰ってきてくれて、本当に良かった…お帰りなさい」
そう呟くと、妙は背伸びをし銀時の額に唇を寄せた。
ーープツー…ン
唇の柔らかさを額に感じた瞬間、常識を保っていた銀時の何かがキレた。
「っ……」
頬にあった妙の両手を握って外し、妙の体を強引に抱き寄せる。
そして耳元に唇を押し当てた。
「ん…銀さ…」
銀時の唇と吐息が耳に当たってくすぐったいのか、妙は身じろぎした。
「ただいま」
銀時は妙を強く抱き締めて、優しく囁く。
妙の耳の形に沿い舌を這わせ、耳たぶを甘噛みしてやる。
「やっ…」
忽ち妙の体が強張り、吐く息にも熱が籠もった。
その様子をみた銀時は、更に追い討ちをかけるように熱い吐息を吐きかけ尋ねた。
「なあ…さっき、何がヤバいかって聞いたろ?」
「えぇ…」
密着した妙の腹に、己の腰を押し当て低く囁く。
「お前のこと、ヤっちまいたくてヤベーんだよ…」
「……っあ」
銀時の吐息が掛かった瞬間、
しがみついていた細腕に、力がこもり妙の体が震えた。
「え…何?まさか…」
「ち、違う、違うのっ…んっ…!」
否定の言葉を唇で塞ぐ。塞ぐだけのキス。
それだけのキスなのに、妙は何故だかとても卑猥だと思った。
何秒か何分か経った後、ゆっくりと離した。
「お前さぁ、やっぱりSだよ。助平の」
「意地悪な人…」
真っ赤な顔で答える妙。
銀時は酷薄な笑みを浮かべる。
「いいじゃんいいじゃん。エッチな子、大好きよ」
「……です…」
「あ?」
「……」
何も言わずに妙が背伸びをしたので、腰を屈めて耳を近付けてやった。
「?」
「…私も、好きです…」
甘い囁き。
「何か…ホント可愛いんだけど」
銀時は妙の手を握り、隣の寝室へ連れて行くと布団の上に放った。
「ちょ!銀さん!まだ傷が…」
「我慢しろって?冗談」
言い放つと妙の上に被さった。
そして唇を近づけ、二回目のキス。
ーーちゅむ…ちゅ…ちゅく…。
今度は貪るような激しいキスだった。
唇を唇ではみ、舌でペロリと舐め上げる。
存分に愛撫した唇を舌で開き、挿し入れた。
「んんっ」
口を開いた瞬間に舌を絡み取られ、吸われた。
銀時は妙の口内を蹂躙する。
妙は酸欠からか、すっかり夢心地になっていた。
唇を離した瞬間、唾液が糸を引く。
あまりの激しさに茫然としてるその隙に、
銀時は帯をしゅるりと外し、あっと言う間に着物を剥いた。
「随分、慣れているんですね…」
「お前なぁ、俺を何歳だと思ってんの?」
「…別に良いですけど」
妙の態度に苦笑しつつ、
「何?焼いてんの?」
とふざけて聞くと、笑顔で腹を殴られた。
「ぐはぁっっ!!てめっ!」
「焼いてません」
さっきまでの、艶っぽさはどこへやら。
「…ちっ、やっぱ可愛くねー女」
「何か言いました?」
「いえ、何でも…」
銀時はコホンと咳払いをした後、妙の首筋に唇を落として舐めあげた。
「あっ…」
ざらついた舌の感触と、荒々しい呼吸を感じて身震いする。
首筋から裸の胸へと唇を落としてゆく。
「着痩せするタイプなんだな」
「え…」
「どこがまな板?」
「バカ」
腕を回し、プチンと外す。
手を差し込み下着をずらすと、しっかりとした白い膨らみが姿を表した。
「…見ないで」
「惚れた女のおっぱいを見ない男がいますか」
そう言うと銀時は妙の頂に口を付けた。
「やあっ…」
右の乳房にチュパチュパと吸い付き、左の乳房は揉みしだく。
ゴツゴツとして大きな男の手で、妙の乳房は形を変えた。
「お〜、もう勃ってきてるぜ。」
刺激に隆起した桜色の乳首をトントンとつつき、キュッと摘みあげる。
「い…っ」
「下もそろそろ欲しくなってきただろ」
「下…?あぁ…!」
銀時は妙のパンツに無遠慮に手を突っ込み、割れ目を撫で上げた。
ーちゃぷー
「ふーん…興奮してんだ?」
「そんなことっ」
「脱いだ方がいいな」
銀時は愛液で濡れたパンツを脱がした。
「あっ」
思わず妙がパンツに手を伸ばしたが、すんでのところでポイと投げ捨てられてしまった。
「大人しく往生しな」
「っ…」
悪代官よろしくそう言い捨てる。
そして指で柔らかい割れ目を何度か往復し、敏感な陰核をしごいて勃起を促す。
押しつぶすようにして包皮を剥いた。
「ぁっ…!き、気持ちぃっ!」
見る見るうちに、呼吸が乱れ愛液が流れ出した。
ーコポ…コプン…
初めとは違い、布ノリのように粘着性を帯びた水音が室内に響く。
「もう…もうだめっ!あぁ…イっちゃ…っ」
「いいぜ、イっちまえ…」
「きゃああぁ…!」
指を数本熱い膣内に入れ、出し入れをすると水音が更に激しくなった。
数秒と経たず妙の指がシーツを掻き毟り、体がガクガクと震えた。
その達した様子を見て、ゆっくりと指を抜く。
「口、開けろ」
「ん…むぅっ」
銀時は愛液のベッタリと付いた指を、妙の口に突っ込み綺麗に舐めさせた。
「はあっはあっ…」
「さぁて、お妙が気持ち良くなった所で、今度は俺を良くしてくれや」
そう言うと銀時は着物を脱ぎ、そそり立った肉棒を取り出した。
時折ピクンと動くソレを見せつける様に何度かしごくと、透明な先走りが先端から滴りポタポタと落ちた。
むせかえるような男の、臭い。
「…すごい」
妙はフラフラと身を起こすと、銀時の陰茎を軽く握り、上下に動かした。
凄く熱い。
「っ…」
少し冷たく柔らかな女の手の感触に、思わず息を飲み、顔をしかめた。
好きな男が自分に発情してる。自分が気持ちよくしている。
その事に妙は堪らなく興奮した。
「気持ちいいですか?」
「あァ…いいねェ」
もっと気持ちよくしてあげたい。
妙はそんな気持ちから、自然と銀時の先端にキスした。
「ちゅ…」
「っ……ぅあっ…!」
初めて聞く銀時の喘ぎ声に、気をよくした妙は口に含んでみる。
「(歯は立てないように…)ペロっ、ちゅう…ちゅぱっ」
「ちょ…!まて!」
竿をしごく手の動きはそのままに、亀頭を舐めて吸い上げる。
優しく。でもキツく。柔軟なリズムで。
舌を尖らせて尿道口を抉った。
睾丸を揉み、竿の裏筋、血管に舌を這わせる。
頭を上下する。
すると時折、銀の陰毛が鼻を擽るのが愛おしかった。
これに堪らなくなったのは、銀時だ。
しゃぶらせたのは初めてなのに、銀時の感じるツボを的確に付いてくる。
息がすぐに上がり、思わず声をかけた。
「た、妙!も…ヤバい、口放せ!」
「ちゅむっ…ちゅうう!…ふむっ!んんっ」
離す所か、更に吸いつき動きを早めた。
「く…あっ!」
瞬間、ぶるっと腰が震え、勢いよく白濁色の液体が吐き出される。
妙の口の中に出してしまった。
「あー…」
「っ…こくっこくん」
「!!?ちょっとぉぉぉ!」
「んん…ちゅうっ、ちゅ…」
「ぅっ…」
大量に出た精液を、喉を鳴らして飲み込む。
しかし、間に合わずに唇の端から白いものが零れてしまった。
気にせず尿道に残ったものも全て吸い出すと、ようやく陰茎から唇をチュポッと放した。
そんな痴態を目の前で見ていたのに、銀時は思わず尋ねてしまった。
「全部飲んだ?俺の…もしかして」
「コホッ…えぇ。いけなかった?」
「マジでか」
ーーもぉぉぉ!何なのこの子!!
イったばかりの銀時の陰茎は、その事実に直ぐに力を取り戻した。
「…銀さん?」
何やら並ではない雰囲気に、妙が恐る恐る声をかけると、
「……」
銀時の目は完全に座っていた。
「あの、…きゃっ」
銀時は妙の膝をむんずと掴むと、思いっきり左右に開く。
妙はカエルのようなその格好と、
しゃぶった事で、更に濡れたそこを見られる事に酷く羞恥を感じた。
「やっ!見ちゃ…」
「見なきゃ出来ねーよ」
適度に生えた陰毛を撫で、柔らかい割れ目を開く。
酸っぱいような、甘いような。
どこまでもイヤらしい女の匂い。
愛液がしどどに溢れ、後ろの穴をも濡らしていた。
「スゲーな」
「銀さん…私、もうっ」
「わかってる」
妙の入り口に、銀時のソレを何度か擦りつけ、馴染ませる。
腫れた陰核に擦れる度、妙が足を震わせた。
「入れるぞ…」
「んっ…」
妙は下唇を噛み、これから来るであろう快楽に備える。
銀時は自分の剛直を押し当てて、腰を進めた。
「キツ…」
「あぁ…銀さんっっ!」
一定のリズムで、絡み付いてくる妙の柔壁。
ー1回抜いて良かった。
心の底から銀時はそう思った。
「勘弁な…」
亀頭部をねじ込み一息つくと、腰を掴んで、そのまま最奥まで貫いた。
「ふっ…ぁぁぁ!!」
馴らされていたとは言え、一気に入れられては堪らない。
電流が走ったように背中をそらせて、胸を突き出す。
イヤイヤして何とか耐える。
「はあっ!はあっ!」
銀時は最奥に入れたまま、荒れた妙の呼吸が治まるのをジッと待つ。
シンと静かな部屋に、2人の呼吸音だけが響いていた。
「ぎ、銀さ…」
「大丈夫か?動くぜ…」
治まった所を見計らい、軽く腰を数回動かした。
子宮口をつつき様子を見る。
「んっんぁっ…」
痛がってはいない。
そう感じた銀時は、ゆっくりと膣口まで抜いて、また最奥まで一気に突き刺した。
「あぁっ!」
妙の嬌声を無視して、細い腰を両手で掴み、腰を叩きつけた。
それは一つ誤れば、抜けてしまいそうなほどに激しく。
「あ…あっ、やぁだ!激しいっ…」
「そんなに締め付けんなっ…」
「そんなの、わかんなっ…!」
妙は目を閉じて喘いだ。
銀時が腰を動かす度、妙の乳房が上下に揺れる。
「胸…ぃたっ」
それを聞いた銀時は、腰を掴んでいた手を妙の乳房に持っていった。
両手で乳房を掴み、パン生地でもこねるように揉みしだく。
「きゃあっ!」
「どうよっ、揺れねーだろ」
「へんっ……」
「あぁ?」
「へんたいっ!」
ぶちィィ!
妙が叫んだ瞬間、銀時の腰の動きがピタリと止まった。
一呼吸置いて、妙が気が付く。
「っ…?銀さん…?」
うっすらと目を開けると、銀時は真っ青な顔をして脂汗を流していた。
「わりィ…お妙。傷開いた…」
それだけ唸る様に言うと、ゆっくりと後ろへ倒れてしまった。
その拍子に、妙の膣から屹立した陰茎がチュポンと抜ける。
股間丸出しで仰向けに倒れ、グッタリする銀時。
「ちょっと!銀さん!?銀さん大丈夫!!?」
〜〜〜
その後、数日の間。
不自然にギクシャクとする2人を、新八と神楽は不思議そうに見ていたという。
「馬鹿な人…」
「すみません…ホントすみません」
おわり。