『風呂場の性教育は何よりの授業である』  
 
 吉原の茶屋・『ひのや』。坂田銀時はこの店に、月に何度か通うようになっていた。そんな銀時  
をこの茶屋の店主・日輪の息子・晴太が出迎えた。  
 
「よう晴太、元気してたか?」  
「銀さん、オイラは元気にしてたよ。店の方も繁盛しているしね」  
「まあ、今日は暇してたから遊びに来たわけよ」  
「え、いつも暇なんじゃないの?銀さんとこって」  
「ほう、生意気な口聞くじゃねえか。お祝いにお前んトコのウィンウィン棒をケツの穴に突っ込ん  
でやろうか?」  
「銀さん、晴太に変な事言わないの。多感な時期に教育上悪いことは止めてよね」  
「こいつの勤め先からして教育上良くないんだけど。違う意味で先端教育の現場だからね。こいつ  
の勤め先」  
 
 たわいもない話を銀時は、日輪と晴太の二人と交わしていた。月詠は仕事で今は不在にしている。  
帰ってくるまでは、晴太と一緒に遊んだりしていた。そうこうしているうちに、銀時の待ち人・月  
詠が戻ってきた。  
 
「銀時、来ていたのか」  
「おお、暇だったからな。来てやったぞ」  
「別に来なくてもよいのに」  
「月詠、そんな事言わない!銀さん、晩御飯食べていくかい?」  
「いただきます」  
 
 四人で夕飯を食べることになった。銀時は料理をゆっくりと味わいながら、時折うっすらと涙  
を浮かべながら食べていた。  
 
「ねえねえ、ちょっと聞いてくださいよぉ」  
「あら、なあに?銀さん」  
「うちの食事情について、小一時間、熱く語っていきたいんだけど」  
「どうぞ。話してみなさいな」  
「今週の食事当番は神楽だったんだけど、作ったのが卵かけご飯なわけ」  
「あ、オイラ大好きだよ!卵かけご飯」  
「まあ、確かに俺も嫌いではない。しかしだ、これが朝昼晩、3連チャンであっても果たして同じ  
事が言えるのか?」  
「たまにはそういう時もあるじゃろう。そんなに悪い話とは思わんが」  
「3連チャン、3日連続でもそう言えるか?そして、あいつはこう言ったんだぞ。過去は振り返ら  
ない女アルって」  
 
 一同は沈黙に包まれた。3食、3日、このダブル3に銀時以外の3人は言葉を失ったようだった。  
 
「ちょっとは振り返ってもいいじゃないのぉ、セーブとかしてくんないとさ。毎日ニューゲーム状  
態だよ、0からの出発の繰り返しだよ」  
「・・・そう。銀さん、遠慮しなくていいからたくさん食べてね」  
「いただきます。そして、月詠の無愛想な顔について一晩中問いたいと思うので、泊まってっても  
いいですか?」  
「なっ、おい銀時」  
「いいんじゃない。オイラ構わないよ」  
「そうね。じゃあ、今夜は泊まっていきなさいな」  
 
 食事を終えて、日輪と晴太は先に風呂に入っていった。日輪は足が不自由なため、晴太が一緒に  
風呂に入っている。母子がゆっくりと出来る時間なので、晴太にとっては楽しい時間であった。体  
を洗って、湯船に二人で浸かっていた。  
 
「ねえ、母ちゃん」  
「勃起って何のこと?」  
「お、お、お前いきなり何言い出すの」  
「お店で客の人が、勃起不全に効く薬は?とか勃起について聞くんだよ。聞かれても分かんないか  
らさ」  
「確かに銀さんの言ってることもアリか。先端教育の現場か、ああ、勃起の話だよね。例えば、晴  
太に好きな人がいるとする。その人の裸とかを見たりして興奮すると、おち○ちんが大きく硬くな  
ることを言うんだよ。あ、あとは朝起きたときにも勃起はしているねえ。でも、それは生理現象か」  
「へー、好きな人の裸とかを見て興奮するのを勃起って言うんだ」  
「吉原には同年代の女の子が少ないからね。晴太も好きな子が出来て、その子の事を想うと自然と  
勃起してると思うよ。そういう時、男は獣になるんだよー。あ、晴太、今お前の股間どうなってん  
だい?」  
「な、何言ってんだよ母ちゃん」  
「あたしも昔は引く手あまたの売れっ子だったんだよ。あたしの裸を見たくても見られないってケ  
ースが多々あったんだから。あ、もしかして、母ちゃんに興奮とかしてないわよね?」  
「母ちゃんにするわけないだろ!」  
「どおれ、見せてごらんよ。子供の成長ぶりを確認するのは、親の役目だから。ピロリロリンって  
なってないか見てあげるから」  
「何だよ、ピロリロリンって。やーめーろーよー!母ちゃん、さわんなって」  
 
 その頃、銀時と月詠は月詠の部屋にいた。風呂場の喧騒を聞きながら銀時は言った。  
 
「楽しそうだな」  
「本当に仲のよい母子でな。わっちも見てて心が和む」  
「あんだけ必死になって手繰り寄せた絆だ。仲良く暮らしてるのはいい事だ」  
「銀時、わっちはぬしとこうしておるときも心が和むぞ」  
「よかったじゃねえの。お前がそう言ってくれりゃあ、俺も嬉しいぜ」  
 
 月詠は少しずつ表情が豊かになったと銀時は思った。月詠にとっては色々と悲しい出来事もあっ  
たけれど、少しずつではあっても、楽しいことや嬉しいことを積み重ねていけたらと月詠を見なが  
ら考えていた。  
 
「そういえば最近、部下から言われてることがあるんじゃが」  
「何、何かあった?」  
「何か付けてますか?と言われるんじゃ。別に何もしておらぬのに、しきりに言われるのじゃ。肌  
ツヤがいいとか、色っぽくなったとか。銀時、わっちは前に較べて変わったかの?」  
「性交をするようになった」  
「おい、わっちは真面目に聞いておるのじゃが」  
「俺の女になった」  
 
 月詠がクナイを取り出すと、銀時は待った待ったと彼女をなだめた。  
 
「いや、真面目に言ってんだけど。前に較べてって言われるとそんなところだろうが。ただよ、落ち  
ついてきたって事じゃねえの?落ちついてきてるから、それが表情とかに出てんだろ。まあ、充実し  
てるって事だと思うけどな」  
「確かになあ、それはあるかもしれん。それにこうして銀時が来てくれるのも、わっちはとても嬉し  
いから」  
「あ、あと無理とかすんなよ。お前、気ぃ遣いで無理しすぎるとこあるから。何かあったら、俺を  
頼ればいいからな」  
「ぬしに頼る時があるのかの?分かった、その時は頼らせてもらう。銀時もわっちを頼ってくれ。  
頼りっぱなしでなく、頼り頼られてこそ対等の関係じゃからな」  
 
 日輪と晴太が風呂から上がったようだった。  
 
「先に風呂に入るか?」  
「一緒に入る?それだったら、一度で済むし」  
「な、何を言っておる。先にわっちが入るから」  
 
 慌てて着替えを持って、月詠は風呂場に移動した。月詠が出て行ったあと、ポツリと銀時は  
呟いた。  
 
「お互いの裸見知ってるから、一緒に風呂入るくらい恥ずかしがることなくね?まあ、人がいるか  
ら恥ずかしいと言うのも分からんでもないか」  
 
 やがて、月詠が風呂から上がってきた。髪を下ろした姿を見るのは初めてではないのだが、いつ  
もの姿とは違うので見入ってしまう。  
 
「上がったぞ。早く入りなんし」  
「おお、では行くでありんす」  
「真似をするな。馬鹿にされた気になるではないか」  
「黙りんす。一緒にいたら言葉とかがうつってくるんだよ」  
「なるほど。わっちが朝なかなか起きれないのは、ぬしと一緒にいるようになったからか」  
「いや、それはお前のせいだからね。悪いこと、全部俺のせいにされても受け付けないからね。  
じゃあ、行ってくらぁ」  
 
 月詠はやれやれという顔をしたが、その表情は柔らかい。この心地よさは何だろうか、今度はそ  
れについて、銀時に小一時間問い詰めてやろうかと考えた。何てことない、この時間が非常に愛お  
しく思える。銀時という存在の前だけ、自分は女なのだと素直に受け入れるようにもなった。そし  
て、銀時がさっぱりとした表情で風呂から上がった。  
 
「いやあ、いい風呂だった。さっぱりしたわぁ」  
「で、ぬしの手にある物は何じゃ?」  
「え?いちご牛乳」  
「何で風呂上りにいちご牛乳なんじゃ!どんだけ甘い物が好きなんじゃ。ていうか、どっから持って  
きたぁ!」  
「冷蔵庫から。だって、冷たいの飲みたいじゃん。ぬるいのなんか飲めないよ、銀さん」  
 
 銀時は腰に手を当てて、音を鳴らしていちご牛乳を飲む。ゴキュゴキュと音を立てて飲むその姿に  
月詠はここは銭湯かと一瞬思ってしまった。  
 
「いやあ、風呂上りのいちご牛乳はいい!5割増しのうまさになる」  
「あきれて何も言えぬ」  
 
 銀時は一息ついて、月詠の隣りに座った。ゆったりとした時間の中で、二人は逢瀬を楽しんだ。  
こんな姿を配下に見られたら示しがつかないと思いながらも、この男との時間は何物にも変え難い  
ものだと月詠は思った。銀時も毎日会うわけではなく、適度な距離感を持つことで一緒の時間を  
より大切に思えるものだと考えた。  
 
「あのさ、月詠」  
「何じゃ」  
「抱いていいかな?」  
「何を言っておる。下には日輪と晴太がいるのだぞ」  
「大丈夫、声出さずにやればいいって。親と同居してる新婚夫婦だって、そういう障害乗り越えて  
子作りしてんだから」  
「じゃからと言って」  
「もう、銀さん辛抱たまらないんだけど」  
「ま、待て銀時。日輪らが寝るまで待てぬのか?おそらく、もう少しで寝る時間じゃから」  
「分かりたくないけど分かった。じゃあ、それまではキスだけしよう、な、それならいいだろ?」  
 
 月詠はこの提案に戸惑うが、ここで断ったら盛りのついた銀時が残念がると考え、承知することに  
した。観念したかのように月詠が瞳を閉じると、銀時はぐっと月詠を抱き寄せる。普段はちゃらんぽ  
らんなのだが、いざとなれば真剣な眼差しを向けてくる。ゆっくりと銀時の唇が、月詠の唇に近付い  
てくる。  
 唇が重ねられ、銀時は軽く唇に触れるキスを繰り返した。触れた月詠の唇の柔らかさを堪能し、何  
度もキスを交わした。何度か繰り返していくうち、月詠からキスをせがむようになった。  
 
「キスだけで気持ちよくなってんのか?」  
「ああ、気持ちよくてな。お主の唇が無性に欲しいのじゃ」  
 
 やがて、キスは音を立てるほどの激しいものへと変わった。二人は抱き合いたいとの意思を示す  
かのように、舌を絡ませていく。銀時は月詠の耳を手で塞ぐと、激しく舌を動かして月詠の口内を  
蹂躙する。  
 耳を塞がれたことにより、舌の音が反響して頭の中で響いてくる。銀時はわざと音を出したり、舌  
を絡ませる。月詠は反響してくる淫靡な音に、頭が真っ白になりそうになった。だが、もっと味わっ  
ていたい、この感覚を終わらせたくないと思い、月詠も舌を動かした。  
 
「月詠、どうだ?」  
「は、あっ、何がなんだか分からんが、気持ちいい」  
「もっとしてほしい?これより先とか」  
 
 月詠は銀時の耳元で囁いた。  
 
「わっちも、我慢できなく、なってきた。いいぞ、その先まで」  
「了解!って、おい月詠」  
 
 月詠は銀時の首筋に口付けると、ゆっくり銀時の着物をはだけさせる。筋骨隆々ではないが、引き  
締まった上半身が現れた。月詠が押し倒す形で銀時を寝かせる。  
 
「お返しじゃ」  
 
 そう言うと、月詠は手で銀時の耳を塞いで、唇にキスをした。舌と舌の絡む音、唇を吸う音が大き  
く聞こえ、いやらしい雰囲気が銀時を違う意味で酔わせていく。火が点いたかのように、絡み合って  
くる月詠を見て、普段の落ちついた印象とは違う熱情めいたものも彼女にはあったのかと銀時は思っ  
た。  
 
 だとしたら、それを呼び起こしたのは自分であり、嬉しいやら何やらと苦笑いをしたくなるくらい  
だった。(キスの最中やら、月詠の攻めターン等で苦笑いなどしてられないのだが)  
 月詠の唇が銀時の体をなぞるように触れられる。やがて胸に行き着くと、月詠は乳首を中心にして  
ペロペロと舐め回した。さらには手を使って、もう片方の乳首を刺激し始めた。  
 
「うっ、ほおぉぉ、はっ、んっ!」  
「銀時の感じる姿を見ると、わっちも何だか興奮する。もっとわっちに、その姿見せなんし」  
「うあっ、はああ」  
 
 月詠の舌と手によって、銀時の乳首は硬くなっていた。コリコリとした感触を楽しみながら、月  
詠は愛撫を続けていた。銀時は月詠を抱き寄せ、彼女の胸元を大きく開いた。豊かな乳房が彼の前に  
お目見えした。銀時は、まじまじと月詠の乳房を上から見上げていた。怪訝に思った月詠は銀時に  
尋ねた。  
 
「どうした?わっちのおっぱいが気になるのか?」  
「いやあ、いいおっぱいだなって」  
「そ、そうなのか?何だかこそばゆいな」  
「ああ。乳輪も程よくでかいし」  
「は?何を言っておるんじゃ」  
「いやさあ、歯医者に言われたんだよ。女を見るときは、顔でも性格でもなく」  
「な、何なんじゃ?」  
「おっぱいを見ろって!」  
「何じゃあ、その医者は!」  
「しっ、声がでかい。で、乳輪の小さい女はガンガン束縛してくるから気をつけろって。初対面で  
おっぱい見せてくださいって、言うわけにはいかないもんなあ」  
「そいつをここに連れて来なんし!即座に三途の川を渡らせてやりんす。わっちは銀時を束縛する  
つもりはありんせん。今のそのままのぬしが好きじゃからの」  
「ありがとうよ。俺も好きだぜ、月詠」  
 
 銀時は月詠の乳房を揉み上げた。銀時の手によって、ゆらゆらと月詠の乳房が揺れる。尖らせた  
舌先を乳房につけて、円を描くようにして舐め回す。そして、音を立てて乳首に吸い付いた。  
 
「ひあっ、はんっ、ひうっ」  
「美味しいな、月詠のおっぱいは」  
「ぬしは本当におっぱいが好きなのじゃな」  
「いや、月詠のだから。月詠のおっぱいだから、こんなにむしゃぶりついてんだよ」  
 
 銀時が夢中になって自分の乳房を吸っている。そんな姿を見て愛しさを感じる自分。思わずギュッ  
と銀時を抱きしめていた。しばらくすると、月詠の胸の中で銀時がもがきはじめた。  
 
「危うく、おっぱいで窒息するところじゃねえか。急に抱きつくもんだから、予告とか、してよ」  
「すまん。急にしたくなっての。後悔はしておらん」  
「いやいや、後悔するよー。銀さん、窒息死とかしたら。こりゃあ、お仕置きが必要だなっと」  
 
 銀時が体を起こすと、その勢いで月詠は布団の上に倒れた。銀時は月詠の股を開くと、まずはと  
指を秘部へと進入させる。すくってみると、指は彼女の愛液で濡れていた。まずは1本と指を秘唇  
の中へ挿入してかき回す。調子に乗って2本にしてみると、クチュクチュと水音が聞こえてくる。  
月詠の愛液が、膣内から湧き出るように流れている。月詠も身をよじらせる。  
 
「やあっ、あん、あんっ!」  
「どんどんと溢れてくるぜ。溢れるっていうか、湧き出すって感じかな?」  
 
 銀時は秘芽にも刺激を加える。ぷくっと浮き出た秘芽に吸い付いた。音を立てて吸われると、月  
詠は大声を上げそうになるが、日輪と晴太のことを考えると大声は上げられない。そのジレンマが  
月詠の感度をより敏感にさせ、感じやすくしているのだった。そんな月詠の気持ちに逆行するかの  
ように、銀時はわざと音を立てながら愛撫する。  
 
「ぎ、ん、とき。わっちは、もう、我慢できぬ。ぬしのを、入れて」  
「何言ってんの。入ってるじゃん、2本も。あら、これじゃ足りない?じゃあ、もう1本おまけに」  
「ひっ、はあっ、きゃうっ!」  
 
 3本目の指が月詠の膣内に入っていった。銀時は膣内に入った3本の指を前後に動かした。音が  
ピチャピチャと水音が大きく聞こえてくる。  
 
「あっ、銀、時。やぁ、指じゃなく」  
 
 月詠は銀時の指の動きを止めさせると、着物の上からでも盛り上がりが分かる存在を指し示した。  
 
「わっちはぁ、銀時の、これが、欲しい」  
「まあ、欲しいってのは分かってたよ。指がふやけそうになるくらいだし。実は俺も我慢できなか  
ったりして」  
 
 着物の裾から顔を覗かせた銀時の肉棒は、はちきれんばかりに怒張していた。銀時は肉棒を月詠  
の秘唇にあてがい、挿入させる。驚くほどスルリと肉棒は膣内へと入っていく。膣内の温かさに酔い  
しれながら、銀時はピストン運動を開始した。  
 
「あっ、あっ、あんっ」  
「月詠、お前のその声、エロすぎっ。もっと聞きたくて、銀さん頑張っちゃうし!」  
「なら、もっと頑張って、突きなんし」  
「よおっし、吠え面かかせてやるよ」  
 
 銀時は月詠の腰を持つと、腰を振るスピードを速めていった。ただ速いだけでなく、スピードを  
適度に緩めるという緩急を駆使していた。そんな銀時の責めに、ほんのりと紅色に染まった月詠が  
妙に色っぽく感じられ、銀時は突きながら彼女の唇にキスをした。唇が重なると、月詠は待っていた  
ように銀時の唇を吸った。  
 よく言えばクール、悪く言えば無愛想。普段の月詠とは真逆の素顔を見られる自分は、結構幸せ  
者かもしれないと銀時は思っていた。  
 その頃、尿意をもよおした晴太はトイレに行った後、眠け眼で部屋に戻ろうとしていた。しかし  
何やら物音がするので、その音の方向へ向かった。すると、その先に行燈の光が漏れている。そこ  
から見た光景は、晴太が驚嘆するものであった。  
 
(うっわ、ヤバいよ。銀さんと月詠姉がやらしいことしてる。さっさと帰らないと)  
 
 晴太が見ているとは知らず、二人は互いを求め合うことに夢中であった。銀時が下になり、月詠  
が上になって、下から彼女を突き上げる。パンパンと肉打つ音が響き渡り、銀時の突き上げに合わせ  
て月詠が体を上下させる。実った果実を鷲掴みするように、銀時は荒々しく月詠の乳房を揉みしだく。  
 
「ああぁ、はっ、うぅうん」  
「へっ、もっと乱れていいんだぜ。誰も見てないんだからさっ!」  
(見てるんですけどぉ。思い切り、あんたら二人の合体シーン見ちゃってるんですがぁ)  
 
 帰ろうと思っていたが、結局、晴太は居残ってしまった。月詠は体を上下させるだけでなく、腰を  
くねらせて銀時を責める。そんな二人の行為を晴太は目を皿のようにして見続けている。こうした行為  
をする街で、その行為を補助する店で働いているため、自分の中では免疫があるものと思っていた。  
しかし、近しい存在たちがしているのを見るとは思ってもいなかった。そんな時、晴太の股間に初めて  
感じる痛みが襲った。  
 
(え、何これ。お○んち○が痛い、これって母ちゃんが言ってたピロピロリン、いや勃起ってやつ?)  
 
 晴太には、銀時の上に跨っている月詠の姿が舞を踊っているようにも見えて、キレイだと思った。  
やがて月詠はぐったりと銀時の上にかぶさった。乳房の柔らかさと月詠の絶え絶えとした吐息が心地  
いい。銀時はまた腰を動かして、突き上げていく。  
 
「あっ、また突き上げ、少しは、休ん、で」  
「お前のおかげで、また“ガンガンいこうぜ”に命令が切り替わったぜ」  
「ふあっ、毎回毎回激しく、たまには“いのちだいじに”にした方が」  
「じゃないと、月詠が満足しないんだもん。強いて他を挙げるなら“いろいろやろうぜ”だな」  
「もんって、ぬしは子供か?そんな事はありんせん。ぬしと抱き合っているだけでも、わっちは満足  
しておる」  
「じゃあ、これでやめとく?」  
「ここまでしといて、それはなしじゃろう?この場は、銀時、“バッチリがんばれ”でありんす」  
「了解!バッチリ頑張ります」  
(何でドラク○の作戦知ってんの、月詠姉。全然そんなの知らなさそうなのにぃ)  
 
 銀時は体を起こして、二人は互いを結びつけるように強く抱きしめあい、引き寄せられるように  
唇を重ねた。晴太から見ると、それは一つの塊のようにも見えた。  
 
「ふっううん、うんっ、んっう」  
「やべっ、イキそう」  
「イキ、なんしっ。わっちも、共に、イクから」  
 
 銀時の腰の動きが速くなり、下からの動きに耐えようと月詠は彼の体にしっかりと抱きついた。  
加速度的に二人は絶頂に達しつつあった。  
 
「あ、ああ、わっちは、わっち」  
「ああ、俺も、もうイクっ」  
 
 銀時の動きが止まり、月詠は自分のナカで銀時が達したことを感じた。無意識に自分の体が小刻み  
に震えているのが分かり、月詠は自分も達しているのだと感じた。銀時はしばらく月詠の乳房に顔を  
埋めていたが、精液を出し尽くしたあと、急激な脱力感に襲われてしまう。月詠も自分の膣内に注が  
れる精液に恍惚感を覚えつつ、力なく後ろへ倒れた。  
 
「どうした銀時、汗だくでありんすなあ」  
「それを言うなら、月詠の方もけっこう、つゆだくだくだくだったよ。アソコが」  
「ぬしのも入っておるからじゃ」  
(あんな月詠姉の表情、見たときなかった。銀さんの前でなら、あんなふうに笑うんだ。銀さんも  
月詠姉も気持ちよさそうだったし。何かもやもやするし、アソコは盛り上がったままだし、どうすれ  
ばコレ収まるんだろう)  
 
 次の朝、銀時は朝飯を食べたあとに地上へ戻っていった。しきりに腰の辺りをさすっていた銀時  
を月詠は気遣っていたが、銀時は大丈夫だと言い張っていた。銀時を見送った晴太は、言い知れぬ  
心の葛藤と戦っていた。笑顔で銀時を見送っていたが、心のもやもやは収まらず、埋み火として残っ  
ていた。  
 その後、数日、月詠は変わらずに生活をしているが、どうしても晴太はぎこちなくなってしまう。  
いつものように振る舞おうとしても、どこかおかしい所が出てしまう。月詠を見るとドキドキして  
しまい、彼女の事を意識してしまう。  
 自分はおかしくなってしまったのか?けれども、自分では知る由もない。となれば・・・頼るべ  
きは。時間は過ぎて、夜のこと。  
 
「ねえ、母ちゃん」  
「どうしたんだい、晴太」  
「ある人を見るとさ、何かドキドキしちゃうんだけど、これって何?」  
「晴太、それは恋っていうんだよ」  
「恋?」  
「ドキドキするっていうのは、完全に恋の症状だね。いやいや、前に勃起を教えたと思ったら、次  
は恋とはね」  
「もしさ、好きな人に好きな人がもういたとしたら、オイラはどうしたらいい?」  
 
 それを聞いて、にこやかに話していた日輪の表情が変わった。  
 
「晴太、もしそうだとしたら大変だよ。好きあっている人たちを壊しちゃうことになるから」  
「ダメなの?それは」  
「恋をするのにいいも悪いもないさ。好きになってしまったんだから、それを止めるのは難しいし。  
好き合ってる人を好きになって、その人と付き合うなら、まず好き合っている人と別れさせないと  
いけない。多かれ少なかれ、その人たちは傷ついてしまうんだよ」  
「でも、好きなのは仕方ないじゃないか」  
「だけど、そのために別れる人たちのことを考えないと。自分だけのことじゃなくてね」  
「好きなだけじゃダメなんだ」  
「その人を前の人よりもたくさん好きでいて、幸せにしてあげる。その覚悟がなければ諦めたほうが  
いいよ。けど、まずはその人に好きって言わない事には始まらないし。思いを伝えて、それから考え  
た方がいいね」  
「分かったよ母ちゃん。俺、その人に好きだって言うから。それ言わないと始まらないんだろ?」  
「うんっ、そうだよ。頑張りな、晴太」  
「ありがとう母ちゃん。オイラ頑張る!」  
 
 そんなこんなで時間は過ぎ、晴太は月詠の部屋へと向かった。部屋の前で晴太は声を掛ける。  
 
「月詠姉、いいかな」  
「晴太か、入りなんし」  
 
 晴太は月詠の部屋へと入った。月詠は布団の上で物思いにふけっていた。この布団で、銀時と  
月詠が・・・と思うと何か言い知れぬ感情が沸き上がってきそうだったが、それを堪えて月詠の  
前に向かい合って座った。  
 
「どうしたのじゃ。こんな夜更けに珍しい」  
「ちょっと、話があってさ」  
「ほう、それはどういう話でありんすか?」  
「オイラさ、月詠姉の事が好きだ」  
「わっちも晴太の事が好きじゃ」  
「えぇええええ」  
 
 即座に返した月詠の答えに、晴太は訳が分からなくなってしまう。もしかしたら、このまま、あの  
夜に見た展開がと晴太の脳内で様々な展開が沸き上がった。月詠はキョトンとした様子で、晴太に話  
しかけた。  
 
「何か様子が変じゃぞ」  
「ぁあ、ごめん。月詠姉、オイラの事が好きって本当?」  
「本当じゃ。晴太も日輪もわっちは好きでありんす」  
「ちっがああああああああああああっぁあうぅぅ!!!」  
「晴太、もう夜じゃぞ。大声を出すでない」  
「違うんだよ月詠姉。その好きじゃなくて、男と女の好きって事だよ。月詠姉の事でドキドキしちゃ  
って、月詠姉の事ばかり考えるんだ。だから、オイラの事、好きなのか聞いているんだ」  
 
 月詠は晴太の真剣な眼差しを見て、この想いは本当であると察した。この子供ながらに純粋で真っ  
直ぐな想いにしっかりと答えねばならないと思った。  
 
「すまぬが晴太、ぬしの想いには答えられぬ」  
「どうしてさ?」  
「ぬしに較べれば、わっちは随分と年上じゃ。年の差がありすぎるではないか」  
「年なんて関係ないよ!世の中には、年の差カップルとかいっぱいいるじゃないか」  
「それに、わっちの中では晴太は家族のようなもの。そこを越えることはない」  
「やっぱり、銀さん?」  
「銀時?」  
「銀さんの事、好きなんでしょ?銀さんと一緒にいるとき、月詠姉、表情が違うもん」  
「知って、おったのか?」  
「何となくね」  
 
 実は抱き合ってるのも目にしていると、言ってしまおうかと思ったが、それに関しては口にしな  
かった。  
 
「そうか、知っているなら隠しても仕方ない。そうじゃ、わっちは銀時の事が好きじゃ」  
「どうして銀さんなの?男だったら、他にもたくさんいるのに」  
「わっちは女を捨てて、吉原を守るために戦った。あの男は、わっちの心を変えてしまった。銀時  
の前では、一人の女であることを受け入れるようになった。そんな気持ちにさせてくれたのは、銀  
時だけでありんした。まあ、そんな事、あの男の前ではうまくは言えぬが」  
 
 きっぱりと言い切った月詠の凛とした美しさに、晴太は黙りこくるしかなかった。これほどに月詠  
に語らせる銀時という男の大きさに、今更ながら感服するしかなかった。  
 
「分かった。やっぱ、銀さんってすごいんだね」  
「ぬしもすごい。あのように真剣に伝えてきたのだから、わっちも偽ることなく答えねばと思った。  
ぬしはまだ若い。年を重ねれば、よい女性が必ず現れる」  
「そうかな?本当にそうなのかな?」  
「ああ、もちろんじゃ」  
「月詠姉」  
「何じゃ?」  
「今夜、一緒に寝てもいいかな?」  
「一緒に?ふむ、そうじゃな。今夜は一緒に寝るとするか」  
「ありがとう、月詠姉」  
 
 二人は一つの布団の中に収まった。晴太は側にいる月詠にしがみつくように抱きついた。月詠も  
晴太をしっかりと抱きしめた。月詠の柔らかさを感じつつ、晴太は眠りについた。翌朝、晴太はま  
だ眠っている月詠を揺り起こした。  
 
「起きて、月詠姉。朝飯だよ」  
「もう少し、あと5分だけ」  
 
 そう言って、月詠は晴太を自分の胸に埋めた。もがく晴太が月詠の胸から抜け出した。  
 
「早く来てよ。月詠姉は遅いんだから」  
「分かった」  
「月詠姉」  
「ん?」  
「オイラ、頑張るからね!」  
 
 晴太は部屋から出て行った。何を頑張るのか全く見当がつかなかったが、その姿を見た月詠は微  
笑みを浮かべて、ゆっくりと起き上がる。晴太はすぐにとは思わないが、銀時に負けないくらい大  
きな男になってやろうと心に誓った。その時に、もう一度昨夜と同じ言葉を月詠にぶつけてみよう。  
その時、月詠はどういう表情をするのか、はたして昨夜と同じ答えが返ってくるのか。そう考えなが  
ら、朝飯の準備に取りかかった。晴太にとっては、いつものような、そして少しばかりそうではない  
一日が始まった。  
 

テレワークならECナビ Yahoo 楽天 LINEがデータ消費ゼロで月額500円〜!
無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 海外旅行保険が無料! 海外ホテル