男が女を犯していた。  
「むっ…ふぅっ」  
貪るように唇に吸い付き、角度を変えながらその感触を楽しむ。  
右手では肌蹴た着物から露わになった、柔らかく豊かな乳房を弄ぶ。  
 
ここは色町、吉原。  
男女が情事を交わすなど、さして珍しい風景ではないが、情事を交わすには少々辺ぴな場所であり、  
何より抵抗を示す女を、無理矢理組み敷く様子は、情事を交わすというより、犯す、と言ったほうが正しいと言える光景だった。  
 
「はっ、あ、貴様、いったい何が、目的、じゃ」  
口付けの合間合間に、顔に縦横の傷をつけた女が、鋭い視線を向けて問うた。  
薄朱い色の髪をした男が、目を弓なりに細めて、くすくすと笑う。  
「つれないなぁ。俺は兎だ。兎が月を欲するのは当然の事だろ?」  
兎は男の種族から、月は女の名から比喩したのであろう。  
そんな答えを返した男の頭上では右肩の欠けた月が、ぽっかりと浮かんでいた。  
「何を、世迷言、をっ」  
「俺は本気だよ?」  
男が口元をにやりと歪める。  
「俺は只君に会いに来たんだ」  
弓なりに細められていた目蓋がすっと開き、青い瞳があらわれる。  
「月詠」  
「っ!!!!」  
名を呼ばれた女は、背筋に寒いものが走り去っていくのを感じた。  
現れた青い瞳の奥で、ちらちらと男の欲が燃えているのが見えた。  
 
事の始まりは数分前。  
そこは吉原を一望できる建物の更に上。言うなれば屋上とでもいえる場所だった。  
今夜も月詠は、吉原の番人として町の見回りをしていたのだが、その休憩がてら、この場所へ煙管をふかしに来たのだ。  
眼下では煌びやかな明かりがちらちら揺れている。  
かすかに聞こえてくる喧騒を耳にしながら、紫煙をたなびかせている時だった。  
 
「こんな所で煙草ふかして、ここは吉原だというのに、おねーさんはお客とらないの?」  
「!?」  
気配など無かった。  
突如として背後から降ってきた声に驚き振り返る。  
距離にして約5メートル。  
そこに見覚えのある男が立っていた。  
中華風の服、長い髪を後ろで一つに編み、にこにこと笑顔を浮かべるその人物…  
「ぬし、春雨のっ…名は、確か・・・・・・・神威」  
「へー、覚えててくれたんだ。俺の名前。それは光栄だ」  
意外だと言わんばかりの口ぶりだが、神威と呼ばれた男の表情は依然にこにこしているだけで、  
ようとして本心は掴めない。  
月詠は手にするものを煙管からクナイに持ち替えて構える。  
「ふん。あれだけ暴れられて、忘れるわけがなかろう」  
軽口を叩いてはいるものの、一歩間違っていたら自分を殺していたであろう相手を前にして、  
月詠のこめかみに冷や汗が流れた。  
「ありゃ、随分悪印象で覚えられてる?」  
相変わらずへらへらしているが、この男、隙が無い。  
相手はあの夜兎だ。戦って到底敵う相手ではない。  
春雨の手の者が今更何の目的で来たのかは分からないが、ここは一度引くべきだと判断する。  
だが、逃げる隙さえ見当たらない。  
 
「それにしても、そうか。おねーさんはお客はとらないんだね?」  
神威が一歩前へ歩みを進める。  
「!!」  
じりりと、月詠は更に四肢に力を込める。  
神威にあわせ一歩後退したいところだが、場所が悪かった。自分の背後にあまり距離が無い。  
そんな月詠の状況など構わず、神威は一歩一歩近づいてくる。  
「残念だなぁ」  
そう言った瞬間、神威の姿が消えた。  
「!?」  
自分のすぐ後ろ、耳元からその声は降り注いだ。  
「こんなに、イイ身体してるのに」  
耳朶に息がかかる。  
月詠は神威に背後から抱きすくめられていた。  
その左腕は細く引き締まった腰に絡みつき、右手は大きく開いたスリットから滑り込まれ、  
滑らかで程よい弾力の太ももをなぞる。  
「なっ!!!」  
あまりの出来事に月詠が首をめぐらそうとした瞬間。  
「ん!!」  
唇を奪われた。  
 
そして気づいた時には押し倒されており、今に至る。  
神威の舌先がぬるぬると胸元をすべり、その頂にある突起を口に含んだ。  
「ふっ、く」  
帯はいつの間にか解かれ、着物に至っても、ほぼ剥ぎ取られていた。  
なおも抵抗を示す月詠を器用に押さえつけ、胸を弄んでいた右手を下へ下へと滑らせる。  
くびれた腰をなぞり、へその上を通って、亜麻色の茂みに触れる。  
「!!」  
月詠の身体がびくりと強張る。  
指先を秘部へと伸ばし、つぷりと差し入れる  
「あっ!!」  
指を差し入れ、神威はある事に気が付いた。  
「もしかしたら、とは思ってたけれど、やっぱり処女だったんだね」  
その証拠に月詠の入り口はキュウキュウと神威の指を締め付けていた。  
月詠はその指摘にかっと顔色を変えたが、探るように己の中で指をかき回され、すぐに苦しげな表情に変わる。  
「つ、はっ、ああっ」  
「随分きつそうだね」  
掌をきつく握り締める月詠の様子を見て、神威はそっと指を抜いた。  
 
「ふ、う」  
突如消えた異物感に、月詠はほっと胸をなでおろす。  
だが、それもつかの間。  
「これを飲むといい」  
依然として自分のの上に跨る男は、どこからともなく小さな遮光瓶を取り出し、差し出した。  
「!?」  
訳が分からず月詠は目を丸くする。  
瓶の中身は液体のようで、ちゃぷんと小さく波打っていた。  
「大丈夫だよ。毒なんかじゃないから」  
「そ、そのような、敵に差し出されたものを口にするわけなかろう!!」  
我に返った月詠は激しい剣幕で拒絶の意を表す。  
「うーん。じゃぁ、仕方ない」  
そう言って神威は、瓶の蓋を開けると一気にあおり、唇を強引に月詠のそれに押し当てた。  
「う、んんっ!!!」  
固く閉ざされた唇を無理矢理こじ開けさせ、舌をねじ込ませる。  
先程瓶の中を満たしていた液体が、神威の口から、月詠の口内へ流れ込む。  
「んんっ!!!くぅっ」  
つうっと、月詠の口の端から液体が流れる。  
はじめ飲まぬようにと抵抗していた月詠だったが、それもむなしく、  
口内を犯されているうちに、こくこくとそれは喉を流れていった。  
全て飲み干したのを確認した神威はようやく唇を離す。  
「か、はっ、ぬしいったい何を!!?」  
月詠は咳き込みながら神威を睨んだ。  
「そんなに心配しなくても、そのうち分かるよ。その身体でね」  
神威はさも楽しそうに、フフと笑う。  
 
「さて、効果が現れるのに少し時間が要るんだ」  
そう言って、月詠の上から腰を浮かせ立ち上がる。  
「だからさ」  
そして自分の衣服に手を掛ける。  
「それまで、これ、舐めててよ」  
雄雄しく勃ち上がり、早くも先走りを滲ませた男根が姿を現した。  
「な!!!・・・・ん、く!!!!」  
驚く月詠を力任せに起き上がらせ、顔を仰向かせ口をこじ開けると、無理矢理それを押し込んだ。  
「ふ、んんっ!!!!」  
月詠は苦しそうに顔をしかめた。  
口内に何ともいえない味が広がる。  
逃れようにも神威に頭を抑えられているため、それは叶いそうに無い。  
「くっ、ふっ!!」  
「・・・・・・歯、立てたらダメだからね」  
言い回しは柔らかいが、声の質はまるで氷のように冷たかった。  
それを感じ取って観念したのか、月詠はいやいやながらもそっと口を動かした。  
 
「ん・・・・・・んん・・・ふぅっ」  
「そこ、そう、もっと吸うように…」  
「む、ちゅっ・・・・・ぅっ」  
唇が動くたび、唾液が絡み、くちゅくちゅという音が耳を撫でる。  
「ほら、手も使って」  
神威は月詠の手を取ると、その細い指で己の半身を撫でさせた。  
「く・・・・・ふぅっ・・・・・う、ん・・・・・」  
先端を舐めあげながら、指先で竿をなぞる。  
 
何かおかしい・・・・・・  
 
咥えるモノに固さが増していくことを感じながら、月詠は思った。  
明らかに己の体温が上昇し、息があがっていくのが分かる。  
何より、身体の奥が熱く、自分の女の部分がじんじんと疼くような感覚に見舞われている。  
「はぁっ、う・・・・・んんっ、むぅ・・・・」  
身体の異変を感じながら、この卑猥な行為を止めることができない自分がいることに気が付いた。  
頭では嫌だと思っているのに、身体が止まってくれそうに無い。  
「ふぅ、・・・・ぅんっ」  
目をトロンとさせながら、己をしゃぶる月詠をみて神威が囁く。  
「クスリ、効いてきたみたいだね」  
「!!」  
その一言で察した。  
先程、無理矢理飲まされたあの液体、あれが身体の異変の原因だったのだ。  
「初めてじゃきついだろ?だから感じやすくなるように、ね」  
ま、初めてじゃなくても、飲ませるつもりだったけど、と心の中で付け足す。  
 
「ほら、そんなことより」  
限界近くなった自身を口の中に押し付ける。  
「んんっ!!!」  
「もうすぐ出るよ」  
逃がさないとばかりに、月詠の頭を押さえる。  
「こぼしたら、お仕置きだからね」  
口内で男根がびくんと脈打つ。  
途端に、熱く苦い白濁した液体が流れ込んだ。  
「んっ!く、ふぅっ・・・・・んん!!!!」  
勢い良く流れてきたそれに逆らうことはできず、こくこくと月詠は白い喉を鳴らした。  
「ん・・・・ん・・・ふ、はっ」  
己が放った精液を飲み干した事を確認すると、ようやく神威は月詠の口からモノを開放した。  
「か、はっ」  
月詠が小さく咳き込む。  
「フフ、いい子だね」  
亜麻色の髪を優しく撫でる。  
かっちりと結われていたその髪は解かれ、乱れ髪が額やら首筋やらに汗で張り付いていた。  
 
「さて、次は君の番だ」  
そう言って、薬によってすっかり敏感になっている月詠の秘部を撫で上げる。  
「ぁあっ!!!」  
そこは先程神威が指を入れたときと打って変わって、ぐっしょりと濡れいてた。  
「うわ。すごいなこれは。ぐしょぐしょだよ」  
ほら、と神威はべっとりと愛液の付いた指を掲げた。  
月明かりに照らされ、神威の白く長い指がぬらぬらと光っている。  
「俺のしゃぶりながら、感じてたの?」  
羞恥で顔を赤くする月詠にクスクスと笑いかける。  
ここまで月詠が感じたのも薬の効果によるものが大きいのだが、そんなこともちろん神威は口にしない。  
神威がちろりと赤い舌を出す。  
見せ付けるように、指に付いた月詠の愛液をぺろりと舐める。  
「やらしいなぁ」  
くく、と喉を鳴らす。  
ぞくりとするほどの怪しい光が、月詠を見下ろす神威の瞳で底光りしていた。  
 
ぐしょぐしょになった月詠のそこに再び手をのばし、愛液を指に絡ませながら赤くぷっくりと膨らんだ芽を擦ってやる。  
「っ、ぁ、はっ」  
親指の腹で押しつぶすように撫で、中指は濡れて幾分か入れやすくなった入り口を探った。  
「くっ、ふっ!!!」  
月詠のなかに神威の指が差し入れられる。  
抵抗感はいまだ変わらないが、愛液が潤滑の役割を果たし先程と違い動かしやすい。  
神威が指を抜き差しするたび、こぷ、こぽ、と愛液と一緒に厭らしい音が漏れた。  
既に充分濡れそぼっているというのに、月詠の蜜壷から愛液がとどまる様子がない。  
 
「ねぇ、さっきから、どうして声出そうとしないの?」  
「うっ、っ」  
唇をかみ締め、声を押し殺す月詠を見て神威が尋ねた。  
「もしかして恥ずかしいの?さっきまであんなコトしてたのに」  
可笑しそうに笑いながら月詠をなじる。  
「心配しなくても、下にいる連中に到底聞こえやしないよ」  
「くっ、はっ」  
尚も声をあげまいと食いしばる月詠に、優しく囁く。  
「だから、もっと、声出してよ。でないと気持ち良くしてあげないよ?」  
「ぅっ、誰、が、出すもの・っ・・・・・」  
神威が差し入れた指をぐんと奥まで突き入れ、くいっと中をまさぐるようにかき回した。  
「あああっ!!!!」  
「なんだ。出るじゃないか」  
満足そうに言うと、もう一本指を差し入れた。  
「ああ、やぁっ、んん、はぁぁっ!!」  
もう片方の手でクリトリスを刺激することを忘れず、差し入れた指で月詠の反応著しい所を確実に攻め立てる。  
 
月詠の足先がぴんと張り詰める。ぷるんと豊かな胸が揺れた。  
「いっ、はぅ、あ、んん」  
神威が指を蠢かすたび、背筋にゾクゾクと快感が這い上がってくる。  
喉を仰け反らせ、次第にもやのかかる頭で、今まで経験したことの無い感覚が全身を襲っていることを感じる。  
この一線を越えてはいけないという気持ちと、一線を越えて手にしてしまいたいという気持ちが、せめぎあう。  
月詠の気持ちを知ってか知らずか、神威の指の動きが早まってゆく。  
「あん、ぁ、ぁ、ぁ、ああああ!!!」  
びくんと月詠は身体を反らし、神威の指を締め付けた。  
「はぁ、はぁ…」  
「なんだ。もうイっちゃったの」  
涙を浮かべ肩で息をする月詠を見ながら、すっと指を抜いた。  
 
「本番は、まだまだこれからだよ」  
神威は月詠の腰を抱き寄せ、今だひくつく月詠のそこに、自身をあてがった。  
「はぁん」  
「ほら、君があんまりにも気持ち良さそうにするから、俺もこんなになちゃったよ」  
月詠の口淫によって一度は果てた神威のソレはすっかり硬さを取り戻し、行き場を探すように主張していた。  
亀頭部分が、月詠の入り口を刺激する。月詠は焦らされていた。  
「はぁ、は、ああっ」  
再び月詠の女の部分に火がついていく。  
「息があがってきてるようだけど?どうしたの?苦しいの?それとも、こっちの口にも入れて欲しいの?」  
くすくすと笑いながら、神威は決して中には入れようとせず、入り口をなぞる様に腰を動かす。  
「ねぇ?君はどうして欲しい?」  
熱い吐息が耳に掛かる。  
「・・・・・・・・・入れ、て、ぇ」  
肩で息をしながらか細い声を出した。  
「ん?何?」  
「あっ、はぁ、ぬし、の、ソレを、ぁ、わっちの、中ぁ、にぃっ、あああああ!!!!」  
ぐんっと、太く熱い異物が挿入される。  
「はっ。やっぱりちょっときつい、な」  
抵抗感を感じながらも奥へ奥へと進んで行く。  
神威はすっぽりと月詠の中に自身を入れてしまうと、律動をし始めた。  
「あぅ、は、ぁ、んんっ」  
「でも、君の中、凄くイイよ。頭の中が溶けそうだ」  
神威はいつになく興奮しているようで、その表情は恍惚としていた。  
初め苦しそうだった月詠の声が、神威に膣内をかき回されるうちに、甘く切なげなそれへと変わっていく。  
それは、神威を受け入れるかのように、身体が慣らされていっている証拠だった。  
 
「ふぁ、あ、は、ああ」  
「腰、動かしてごらん」  
月詠の中が、絡みつくように心地よい締め付け方へなってきたのを感じて、神威は尻に手を添えてやった。  
月詠は、神威にされるがまま腰を降り始める。  
「そう、俺の動きに合わせて…」  
最初促されるままのぎこちない動きが、だんだんと自ら求めるように激しさが増していく。  
神威にしがみつき、夢中で腰を振る月詠に、神威はこんな事を囁いた。  
「今の君の姿を、あの白いお侍が見たら、何て思うかな?」  
 
ぴたり、と月詠の動きが止まる。  
身体は強張り、顔も青ざめてるようだ。  
「ふーん。やっぱりあのお侍さんの事が好きなんだ?」  
感情の読めない、いつものあの笑顔で問うてくる。  
「ち、違っ、わっちは!!・・・あああん!!!!」  
月詠の否定の言葉も半ばに、神威はぐいっと腰を動かし、最奥を突く。  
「まあ、君が誰を好きでいようと関係無い。俺の事しか考えられないようにしてあげるからさ」  
「やぁ、はっ、ぁ、ぁ、ああっ」  
月詠の腰を抱く腕に力を込める。  
「だから、間違っても、あのお侍さんに抱かれてるなんて幻想しちゃダメだよ」  
月詠の顔を覗き込む。月詠が快楽により焦点の合わなくなった目で見つめ返した。  
「君は、俺の事だけ感じてれば良いんだ」  
そう言って三度目の口付けをする。  
「んんっ、ふ、はぁっ」  
歯列をなぞり、舌を擦るように絡めてやると、月詠もそれに倣って応えてきた。  
二人の口と口との間で銀色の糸が引いていた。  
それと同時に腰の動きも快楽を求め合うように速くなっていく。  
結合部からは、ばんっ、ぐじゅ、ずず、と卑猥な音が響いた。  
「ああ、はぁ、あん、あああ」  
 
ずん、ずん、と何度も奥を激しく突かれ、月詠はまた、アノ感覚が駆け上がってくるのを感じた。  
知ってしまったあの感覚。知らなかった前にはもう戻れない…  
「ん、はぁ、ぁ、ぁ・・・」  
身体が熱い…頭の中が白くなる…  
「ふ、ぁ、イっちゃ、あああああ!!!!!」  
背を仰け反らせ、ぎゅぅと、神威を締め付ける  
「くっ、はっ!!」  
それに呼応するように、神威もまた、男根をどくりと震わせ絶頂を迎えた。  
痙攣を起こす月詠の中にどくどくと白く濁った欲望を注ぎ込む。  
熱いものが己の中に流れ込むのを感じながら、月詠はぐったりと脱力していった。  
 
薬を使ってまで女を堕とし、なじるような言動で女を攻め立てる自分を顧みて、神威はぼんやり、  
「本当に欲しい物を前にしても、爪を突き立てる事しかできない」と鳳仙が言っていた事を思い出した。  
確かに、旦那の言う通りだな。  
今だ繋がったままのの月詠を胸に抱きながら、一人心の中で思った。  
…だが、それでも自分は構わない。  
 
月詠の様子が落ち着いたのを見計らって、神威は己を抜き去った。  
すると…  
「あん」  
女が甘く痺れるような声で鳴いた。  
「?」  
月詠の顔を覗くと、ハッとした表情を浮かべていた。  
「ふーん」  
頬の筋肉がくっと自然に持ち上がる。  
「抜いただけで、感じちゃったんだ」  
どうやらまだ薬の効果は切れないらしい。  
にやにやと笑いが抑えられない。  
「あ、違っ!!!」  
月詠の顔は怯えるように完全に青ざめていた。  
ああ、今度はどんな声で鳴いてくれるのか…  
神威は再び支配欲がくつくつと湧き上がってくるのを感じた。  
一瞬、帰りの遅い自分にお小言を漏らす部下の姿を思い浮かべたが、今はそんな些細な事どうでもよかった。  
月詠の上に覆いかぶり、その身体を閉じ篭める。  
 
自分は、爪を突き立てその爪を深く食い込ませてでも、奪うだけ…  
 
怯える月詠の顔を覗き込みながら言い放った。  
「知ってたかい?兎は生殖力が強いんだ」  
 

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