(あーぁあ、うざいし暑苦しい男じゃな。まったく)
陸奥は自分の胸の間でヨダレを垂らしながら寝ている男の髪を弄んでいた。
太めのもっさりした髪。
堅すぎず、ブラシの様な触り心地が好きで、最中問わずうっとりと撫でててしまう。
寧ろ最中の方が執着しているかもしれない。
より快感を願って引き寄せて、髪の中に指を入れる感触に、
何だか物悲しくも満たされている気分になる。
自身の最奥を突かれながら縋った手の甲に、柔らかい毛束が優しく纏わりつくのが好き。
そのままこの男の生温い優しさみたいだから。
「おりょうちゃ〜ん…」
今だって人の胸の上で他の女の事考えているこの馬鹿男。
どーせ宇宙間貿易の補佐で、航海中のセフレなんだから割り切って楽しみゃいいのに。
指の間を通る髪の毛の感触にゾクゾクしながら櫛けずる。
「このオッパイ星人め」
意識のないからこそ素直に胸に頬摺りしてくる男を、苦笑して陸奥は見下ろしていた。