完全に油断していたとしか言いようがない。  
 
妙はその日も勤め先であるキャバクラ「すまいる」から  
町外れにある自宅まで歩いて帰っていた。  
酒も殆ど飛んでいたし、意識もはっきりしていたので、  
タクシーを拾うまでもないと考え、何より倹約のため  
散歩がてらフラリと歩いていたのだった。  
家に帰ったらまずお風呂に入ろう。  
などと考えていると急に後ろから声がかけられた。  
「おや、姐さん何してんですかぃ?」  
独特な江戸っ子口調のやる気のない声。  
彼はパトカーを妙の所へ横付けした。  
真撰組の沖田だった。  
 
「今、家に帰るところなんです。」と妙  
お互いにあまり面識のない妙と沖田は  
「昨日もゴリラが呑みに来ました。」  
「いつもお世話になってます。」など当たり障りのない会話をした後、  
話すことがなくなり、気まずくなってきた空気の中、  
妙が「では、そろそろ失礼いたします。」と丁寧に挨拶し、去ろうとした。  
すると沖田が  
「なに、家までおくりやすよ。」と持ちかけてきた。  
パトカーをタクシー代わりにしてしまうのか、この男は。  
と考えた妙だったが、夜中でもないしむしろパトカーなので安心だろう。  
と乗ってしまったのが運の尽きだった。  
 
妙ははじめは外の流れる景色を見ていたが  
沖田からペットボトルのお茶を渡され、温かいそれをちびちびと飲んでいた。  
日ごろの疲れもたまってか、つい、うとうとと眠りについてしまった。  
 
体勢に違和感を感じて目覚めた妙を、  
沖田が覗き込んでいた。  
「!?」  
パトカーにのっていたはずなのに、  
此処はどこ、  
何よりこの格好は、  
と、妙は混乱した。  
無理もない。  
 
見たこともない和室で、  
両手は後ろでひとつに纏められ、  
腹は柱に縛られて  
何より全裸のうえ、猿轡までされていた。  
 
縄を解こうとする妙だったが、  
特殊な縛り方でもしているのだろう、到底解くことは出来ない。  
 
まさかこの状況を沖田が作ったのでは?という考えにやっと辿り着いたところで、  
背後から声がした。  
 
「起きましたかぃ?ったくいつまで寝てんだ。クスリ強すぎたかねぃ。」  
紛れも無く、知っている声。  
沖田の声だ。  
 
状況を説明して欲しく、何より沖田に罵詈雑言を浴びせたかった妙だが  
猿轡のせいで声にならない。  
「んー、んー」と唸る妙に、沖田は冷たい一瞥を送ると  
唐突に話し始めた。  
 
「姐さん、万事屋とは何処まで言ったんです?  
まさかこんなとこまで入っていって何もしてねえってこたあねえよな?」  
ピラリと一枚の紙が妙の膝元に落ちてきた  
そこに写っているのは銀時と妙が如何わしい宿、所謂ラブホテルの中に入っていく  
まさにその姿を収めた写真だった。  
 
流石に混乱しきって、何も言えない妙に沖田が追い討ちをかける  
「ソレは俺が趣味でとったものでね。まあ他にもありますよ。  
これなんか姐さんいい顔してんじゃねえか。カメラなんか仕掛けるのは簡単でしたぜ。」  
さらに取り出された写真は妙が銀時と全裸で絡み合っているものだった。  
もはや、声にならない妙は目の前の青年を睨みあげている。  
睨むことしかできないのが彼女を更に苛立たせていた。  
 
「ところで、この写真どうしようかねぃ。メモリーは俺が持ってるんで  
焼き増しして瓦版にでも流してもらいやしょうか?  
新八君に送りつけるのもありですかねぃ。」  
根性悪くニヤニヤと笑いながら恐ろしいことを提案する沖田に、  
妙は、背筋が寒くなり一気に青ざめた。  
首を横にぶんぶんと振ってみるが、  
沖田はニヤニヤと嫌な笑みを止めるどころか、  
写真を踏みつけながら妙に近づいてきた。  
 
そして一言呟いたのだった  
「まあ、お妙さんのがんばり次第ですぜィ。」  
 
狭い室内にクチュクチュと淫らな音が響く。  
柱から解かれた妙が沖田の股に顔をうずめ口淫をしていた。  
「まあ、初めてにしちゃうまいんじゃないですかぃ。  
ああ。初めてじゃねえのか。」  
フ、と笑いながら言った沖田を妙は殺意を込めて睨み上げ、歯をたたせようとした。  
とたんに右頬に痛みを感じた。平手であったが殴られたのだ。  
「てめえ、次そんなことしてみろ・・・。」  
男を殴ったことはあっても殴られたことがない妙は、  
殴られたショックから涙目になりながらきいているしかなかった。  
 
「気が変わった。」  
ぼそっと沖田は呟くと、  
口移しで妙に、何かを飲ませたあと、  
いきなり妙の膣内にそそり立ったものを埋め込んだ  
「いやあああああ!いいいたああううううううううううっ」  
猿轡のとれた妙は痛みで叫んだが、それは誰にも届かない。  
濡れてもいないそこにいきなり押し込んだものだから、  
膣口からは鮮血が流れていた。  
「まるで姦通式みたいですねぃ。旦那ともそんなにヤってねえのか。  
 うわ、すげえ。ギシギシいってる。」  
半分笑っている沖田を妙は睨み付けたが、痛さと悔しさから涙がこぼれ  
それが沖田をさらに煽っていた。  
「やっぱりプライドは高いほうが折る甲斐があるねぃ。  
お妙さん、実はあんた俺と相性ピッタシなんじゃねえの?」  
プライドが高い妙は確かに男心を煽るものを持っていると沖田は前々から考えていたのだろう、  
グッチュグッチュと妙の陰部に腰を打ち付ける沖田は  
いずれこうするつもりであったと、妙に告げた。  
ストロークが早くなって、快感が迫ってきていた。  
「あ!やだ、なか、やめ・・・」  
「おせーよ。残念でしたねぃ。」  
妙の膣内に精液を出した沖田は、満足そうにしていた。  
 
一方、妙は絶望的な気持ちでいた。  
それというのも排卵日が今日の予定だったからである。  
真っ青になりながら、沖田に告げるのだけは止めておこう、  
もっと酷いことをされてしまうと直感で感じた。  
 
「沖田さん、もういいでしょう?」  
涙声で哀願する妙をぱしりと平手打ちをし、  
沖田はバイブを取り出した  
しかも相当な太さ、長さのサイズである。  
「お妙さんは触ったこともねーか。」  
バイブにローションを塗りながら、沖田は妙に近づいてくる。  
写真のことなども忘れ、逃げようとした妙だが、  
体の様子が可笑しい。足腰が立たない上に陰部から愛液が  
ドクドクと出てくる。  
「あーやっと効いて来ましたねィ。不良品かと思った。さっき飲ませてあげたでしょう。」  
妙は先ほど口移しで飲まされた薬が淫剤だとここでしった。  
鈍い自分にも苛苛がつのったが、写真のことを忘れて逃げようとした自分に驚いてしまった。  
銀時や最愛の弟の新八、もしかしたら神楽にだって迷惑がかかるかもしれないのに。  
自分のことしか頭に無かった妙にほの暗い絶望がのしかかってきていた。  
 
「うあっ・・・」  
ポニーテールをつかまれ、四つんばいになった妙の秘部を  
沖田がローションを塗った手でグチュクチュと愛撫する。  
膣口にバイブを当てると、ズプププと押し込んだ。  
「いあっ・・・ぃた・・・うっ・・・。」  
妙は痛さで声すら出てこない。  
押し込んだはいいのだが、半分ほどしか入らなかった。  
膣口からはポタポタと愛液のみが滴り落ちている。  
「もう血は出ねえか。つまんねえ。」  
沖田は呟くと容赦なくスイッチを入れた。  
「あああああ。いやああああ・・・やああああ、もう・・・あああ。」  
妙は意識を辛うじて留めていたが、精神的にも限界が来ていた。  
意識が飛びそうになったところで、ジュプッと沖田がバイブを引き抜いた。  
 
朦朧とした意識で、妙は沖田に騎乗位の形で跨り、  
腰を振っていた。  
「ああ、もっとぉ・・・あ、らめぇ・・・。」  
「薬が強すぎやしたねィ。うあ、出るっ。」  
繋がったそこからは、愛液と汗と精液が混じったものが、ゴプと音を立てて  
出されていた。  
おぼろげな意識で、行為を行っている相手すら分からないのだろう。  
もはや妙は危険日などという考えはなく、ただ快楽を求める雌になっていた。  
沖田はカメラを妙に向けると、無言でシャッターを切っていた。  
 
 
数日後  
キャバクラ「すまいる」から帰る妙に  
パトカーが横付けされた。  
沖田がピラリと写真を見せると、  
妙は何の抵抗もせずに車に乗っていった。  
銀髪の男が見ているのも知らずに。  
 
 
 

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