●小ネタの銀阿音
「コレ、何つーの」
うつぶせで布団に寝そべる銀時は、枕元に無造作に置かれた紙垂(しで)をつまんだ。
「注連縄とかに下がってるアレだろ、コレ」
「そう。紙垂っていうの。それ神事に使うんだからイカ臭い汚い手で触るなっつーの」
その紙垂の傍で巫女服を整えながら、阿音は銀時がつまんだ紙垂を取り返した。
「イカだけじゃねえよ。チーズっぽいのも混ざってるよ」
真顔で言う銀時の頭を、阿音は軽くはたいた。
「……なぁ、なんでお前マンコはダメなんだよ」
「だァから巫女は処女じゃなきゃだめだっつってんでしょ。尻の穴でもヤラせてくれるだけありがたいと思いなっ」
「めんどくせーの……」
次こそは阿音の”処女”を頂いてやろう。銀時は密かにケツ意……もとい、決意した。
●銀時と結野アナ
「離婚して綺麗になりましたよね、ケツの穴……じゃなくって結野アナ……」
「ああん、ダメですそんなところっ……広げないで下さいッ」
「別れた旦那さんにはこんなとこ許さなかったんでしょ? 週刊誌に書いてありましたよね?」
四つん這いの結野アナの尻の穴を広げる銀時。
その傍では、定春とラストオブモヒカンリビングオブザデッドマクガフィンが二人に背を向け、
仲良くホットドックプレスを読んでいた。
●桂妄想アワーの桂×松子
松原松子……その日まで、桂にとって彼女は一生徒であり、顧問を務めるバスケ部の一部員だった。
その日までは。
後ろ手で体育用具室の扉を閉めた松子は、酷く落ち着かない様子だった。
しかし意を決したように桂の前に歩み寄ると、
「先生……この前の返事を聞かせてください」
「松原……」
潤んだ眼差しで桂を見上げ、言った。松子の言葉は震えていた。
その眼差しに思わず桂は後退りし、ぐっと息を呑んだ。
「松原、分かっているのか俺達は……」
「知ってます、先生にとっての私はただの生徒だってこと……でも私―――」
悲しそうに一瞬だけふっと微笑んだ松子は、何もかもを悟ったようで、酷く大人びて見えた。
どうしてそれを、と言いかけた桂の口を、背伸びした松子の柔らかな唇が塞いだ。
唇同士が離れ、銀糸が後を引いた。
「まつ――」
「一度だけでいいんです、先生」
「松原、痛いか? いいえ先生、へいき……ッ、無理するんじゃない松原……やめないで先生っ、
……それより松子って呼んで……松子……こうか……?嬉しい先生……ああ……松子可愛いよ松子……
もっと足を開け松子……桂先生のおっきい……バリッ、メリメリッ……あっ血が出てきた。
初めてだったのか松子……
いやっ初めてなのにこんな格好恥ずかしい先生……そんなことはないぞ松子……
松子も俺のことを桂さんと呼んでくれ……それより松子お前のお母さんと一度じっくり個人面談をしたいのだが……」
桂は寝床の中、声色を変え枕を抱えて一人妄想小芝居をしていた。
部屋の外にいたエリザベスは一人夜の街に消えた。その背中は泣いていた。