なんの気無しに自室の前の廊下を通りかかった銀時が、思わず足を止めた。  
あーあ、全く。何やってんだか。  
畳の上に、神楽が寝転がってうたた寝している。  
布団も枕も用意せず、ただ転がっているという表現がぴったりだ。  
遊び疲れて帰ってきたらバタンキューでお昼寝ですか。全く何でそんな怠け者な所ばっかり銀さんに似ちゃうんですかコノヤロー。  
神楽はおまけに、袖無しの上依と太腿あたりまでの丈の短い穿きものしか身につけておらず、要するに寝る時のような、下着同然の格好だった。  
掛け布団の1枚もかけていないので僅かに腹まで見えてしまっている。さすがに春になって暖かい陽気とはいえ、ずっとこのままでは寒くなってしまうだろう。押し入れから薄い布団をかけてやろうと取り出し、転がっている神楽の側に座りこんだ。  
銀さんってやさしーよなーと思いつつ、ふと神楽に目をやる。  
「ん...」  
神楽の唇から吐息が洩れ、寝返りをうった。穿きものから伸びた足が一瞬膝を曲げ、また伸びるのを、思わず見つめてしまう。西日に照らされて、白くてまっすぐな足が綺麗だった。  
「...」  
だからこの家には新八のような青少年とかいるんだって。  
そこらへんちゃんと気ィつけてくれないと困るつーの。いや今日新八いないからとかそういう問題じゃないって。一応お前だって女なんだから...  
何だかこのままだと、妙な気分になってしまいそうだ。神楽を見ていると、たまに感じてしまう妙な熱。  
ったく最近はポリゴンとか何とか流行ってるんだし、銀さんだから良かったものの...  
妙な考えを吹き飛ばそうとあまり関係の無い事を考えつつ、つま先から首のあたりまで布団をかけてやる。  
神楽は相変わらず、すーすーと穏やかな寝息を立てて眠っている。  
...こんくらい、バチあたんねーよな...  
銀時はほんの一瞬、神楽の唇に唇で触れると、そっと襖を閉めて部屋を後にした。  
 
銀時が居間のソファで胡座をかいて新聞を読んでいると、とす、とす...と小さな足音がした。  
「よく寝たヨー」  
間延びした声が聞こえてくる。ったくいい御身分だな...  
そのままその足音の持ち主は銀時の隣に座り込んだ。神楽の体重の分だけ、わずかに隣が沈んだ。  
「お前、そんなかっこで腹出して寝てんじゃねーよ。風邪ひいたら看病させられんの俺だろ。」  
銀時は新聞から顔を上げずに神楽をたしなめた。  
「ふぁーあ...うっさいヨ天パ」  
神楽が欠伸をしつつ答えた。  
「...ハア。」  
...全くなんて返答だ。親の心子知らずとはこの事か。銀時はちょっと大袈裟にため息をついてみせた。  
神楽は何をするでもなく、ただ銀時の隣に座っている。  
時計の音くらいしか聞こえない。何故だか目の前の新聞にも集中できない。テレビでもつけようか、と銀時が思った時、神楽が口を開いた。  
「銀ちゃん」  
「あんだよ」  
「銀ちゃん...さっき、私にキスした?」  
「はあ!?」  
「とぼけんな天パ!往生際悪いアルヨ!」  
銀時が驚いて新聞から顔を上げると、神楽は銀時から新聞をひったくって詰め寄った。  
ああもう早速バチ当たったのかよ、ていうかコイツタヌキ寝入りだったのかよ...と、混乱していろんな考えが銀時の頭をぐるぐると回った。  
 
「ちょっ待てよ、なんなんだよ、いきなり...」  
神楽が銀時の肩をひっつかむ。  
途端に、銀時を睨みつける目から力が抜けた。  
「...銀ちゃん、も一回してヨ...」  
「ええ!?」  
神楽の言葉に驚いた銀時が思わずきつい調子で答えると、神楽が唇を噛んだ。  
「お、おっきな声出すんじゃないアル!」  
銀時を見上げた神楽の頬が僅かに赤い。  
「さっきのじゃしたのかしてないかわかんなかったアルから...も一回...」  
神楽は消えいりそうな声でそれだけ言うと、俯いてしまった。  
「あ...」  
あまりに意外な展開で、銀時はまだ戸惑っていた。しかし、とりあえずバチが当たったのでは無いという事は分かった。  
「...神楽、顔上げな」  
唇を引き結んだ神楽が、ゆっくり顔を上げた。  
その必死な表情に思わず微笑んでしまう。  
「な、何がおかしいアルか!」  
「いや、別に...」  
そう言いつつも、笑みが零れてしまう。  
「目、閉じな」  
神楽は瞬きして瞼を伏せた。そういやコイツ、俺の事大好きなんだよなー...何となく、どころではなくすごく、分かってはいたけど。  
素直に、それがすごく嬉しい。どうやら自分もコイツの事が好きだったみたいだ。  
銀時は神楽の肩にそっと手をやると、僅かに顔を傾げて神楽の唇に、そっと口付けた。  
「どーだ。満足か」  
銀時はにやついた顔で神楽に問いかけた。  
ゆっくり目を開けた神楽は、赤い顔をして首を振った。  
「...全然。全然足りないアルヨ」  
「おし。良い返事だ」  
銀時はまだ緊張した表情の神楽に微笑むと、神楽の両頬に手を添えた。  
 
銀時は神楽の頬を両手でしっかり支えると、何度も角度を変えてその唇を吸った。始めは軽く、でも次第に深く、神楽の唇を捕えて離さずに何度も口付ける。  
「ん、ん...」  
時折指の背でなぞってやる神楽の頬も、口付けの合間に洩れる吐息も、とても熱い。  
「ふっ、ん...銀ちゃ...」  
銀時は一瞬顔を離してやった。はあ...と神楽が一息ついた。  
「神楽。キスってこれだけじゃねえんだよ」  
銀時は神楽の下唇に親指をかけて、わずかに開かせようとした。  
「ちょっとびっくりしちまうかもしんねーけど」  
え...、と問いかけた神楽に間髪入れず、銀時はまた唇を重ね合わせた。そのままほんの少しの唇と唇の隙間から自身の舌を滑り込ませる。  
「...っ!んんっ...」  
舌を舐めてやると、神楽はやはりその感触に驚いたのか反射的に体を反らせようとした。  
片腕を背に回して逃げられないようしっかり押さえこむと、更に遠慮なく口蓋まで舐めまわす。一瞬唇を離してやると、神楽の唇から銀色の糸が自分の口元まで伸びていた。  
これまで口にした何よりも甘い感触に、時間を忘れて銀時は神楽の口腔を貪った。  
「はっ...あ...、銀ちゃん...」  
銀時が解放してやると、神楽は唇から零れた唾液を指でそっと拭った。  
「食べられちゃうかと思ったヨ...」  
銀時を見つめる神楽の口調はしかし、とても甘い。潤んだ瞳の中に銀時が映っている。神楽は両脇に掌を衝いて、しばらく茫然としていた。  
 
「神楽」  
銀時は神楽の太腿に手を置いた。  
「ッ何する...」  
「ぼさっとしてんじゃねえよ」  
銀時は神楽の隙をついてソファに押し倒すと、また口付けを始めた。  
「あッ...」  
柔らかな耳朶を唇で挟んで、そのまま首筋まで舌を滑らせる。  
「やっ...あ...ッくすぐったいヨ銀ちゃん....」  
神楽の言葉の響きは相変わらず甘く、とても抗議には聞こえない。銀時は神楽の上依をめくりあげると、下着の背の金具を外した。  
「お前胸小さいんだからさあ、こんなん必要ねえんじゃねえの?」  
「なっ、失礼な事言ってんじゃないアルヨ天パ!」  
まだ少女の神楽の胸はとても小さいが、腕や脚と同じ、つややかな白さで、その頂点も神楽の髪のような、可愛らしい桜色をしている。  
両掌でそれぞれの乳房を包むようにゆっくりと揉んでやると、神楽がは...あ...と小さな声を洩らした。  
「あるのかないのか、わっかんねえなあ...」  
神楽の反応を楽しみながら、銀時は神楽の胸の感触を確かめ続けた。組み敷かれた神楽が、頬を紅潮させたまま上目使いに銀時を睨みつけた。  
「あーらら、そんな恐い顔すんなって」  
「っ!きゃあっ...」  
 
刺激を与えつづけていた為か立ち上がってきた桜色の部分を、 乳房に添えていた親指で擦ってやると、神楽の身体がびくんと震えた。そのまま指の腹で押したり、摘みあげたりしてやる。  
「やんッ!っあ!」  
「神楽」  
ちょっと弄ってやっただけでこの反応。コイツがこんなに敏感だったとは。初めてキスした日にセックスまで教えてしまうなんて少し性急すぎるかと銀時は思ったが、もう止められなかった。  
「あっあっ...銀ちゃ...っ!」  
銀時は神楽の桜色の頂きの周りを舐め回すと、唇でそこを挟み吸ってやった。片方の胸を手で刺激しながら、反対のほうは何度も舌を押しあてたり、舌先で突いてやる。  
「はっ、ああっ...銀ちゃあ...」  
神楽の胸許に頭を埋めて唇の痕を残しながら、銀時の掌が何度も神楽の脇腹を往復した。よく食べる割にけっこう細い、なだらかな腰の線。  
そのまま神楽の衣服に手をかけ、ゆっくりと下にずらすと、太腿にそっと手をやった。  
撫でたり、そっと掴んでやったりして掌が下肢に触れるのに慣れさせてやる。神楽の肌は弾力があってさらさらとして、たまらない感触だった。  
「ん、ふうっ...や...」  
銀時が神楽の肌を撫で上げる度、神楽は身体を震わせた。銀時は神楽をなぞっていた手を、その秘所まで持って行く。  
「やっやめ...」  
下着の上から緩く触れてやると、すぐに濡れているのが分かった。そのまま、そっと感じる部分を何度も指でなぞってやると、その度にそこが熱いもので満たされていくのが布越しでもわかった。  
神楽の口から聞こえてくる気持ちの良さそうな声に、銀時自身の興奮も高まっていく。  
下着に両手の指をかけて下げると、秘所から下着に溢れた愛液の糸が繋がっていた。指を秘所に沈ませて愛液を絡ませると、感じやすい突起にそれを塗りつけるようにして刺激してやる。  
 
「あ...はあっ...」  
神楽から一際深い声が洩れ、頭をのけぞらせ、指が押し付けられるごとに細い腰を浮かせた。  
銀時の掌の方まで濡れてしまっていたが、更に指を奥まで進ませ、愛液の溢れてくる場所に浅く指を抜き挿しすると、またどんどん熱い液体が流れてきた。  
ああもうやべえ...  
銀時はベルトを緩めてファスナーを下ろし自身を取り出すと、神楽の腰を浮かせて脚を広げ、秘所に自身をあてがった。  
「ぎ、銀ちゃん...」  
「神楽、怖くねえよ」  
不安そうに見上げる神楽に声をかけてやる。銀時は熱く潤んだ場所にゆっくりと腰を進めようとした。  
「ん、ん...」  
神楽がぎゅっと目を瞑り、拳を握りしめた。  
さすがに、きついか...  
神楽のそこは銀時の先端は受けいれたものの、なかなか先に入っていけない。神楽が更に唇を噛んでぎゅっと目を閉じた。  
「神楽、怖くないって...そんなに肩に力いれなくて大丈夫だぞ」  
「怖く、なんて、ないアル...」  
神楽は絞り出すような声で答えた。  
 
「...嘘つけ。カチコチじゃねーか」  
ここまで濡れていれば大丈夫かと思ったが、このままでは進められない。神楽の緊張をもう少し解いてやらないといけないようだった。  
銀時は神楽のきゅっと結んだ手を握ってやると、指の間に自身の親指を割り込ませて開かせた。そうして神楽の手を握ったまま、柔らかな掌を親指でそっとさすってやる。  
「銀ちゃん...」  
神楽が瞳を開いて銀時を見つめた。  
「神楽、お前の好きな銀さんだろ...?」  
な?と声をかけながらも、銀時は少し苦しくなってきた。  
丈夫な夜兎族のこと、ちょっと無理に貫いてしまってもさして問題はないだろうが、とも一瞬思う。  
「うん、うん...」  
神楽がコクコクと頷いた。  
「銀ちゃん大好き...」  
「神楽」  
銀時の口からふ、と笑みが零れる。神楽が今迄どんな人生を送ってきたか知らないが、少なくとも普通の子供の人生ではなかっただろう。  
そんなコイツに、俺がひどいことしちゃってどうするよ。  
銀時が肩をさすってやると、神楽の全身から少し力が抜けた。  
「銀ちゃん、私、怖くないヨ...」  
「ああ」  
銀時は腰を更に進めた。  
「は....あ...痛...」  
腰に水音を感じ、神楽の熱い愛液が自身に絡みつくのが分かった。神楽は深く息を吐きながら、痛みに耐えているようだった。  
「すげえ、きついなやっぱ...」  
「っいたっ...!痛いよお...!銀ちゃ...」  
銀時の挿入はゆっくりではあったがやはり痛いようで、神楽の目に涙が浮かんできた。  
「神楽、慣れたら痛くねえから...」  
 
まだ男を受けいれた事のない神楽のそこのきつい締めつけに、銀時自身の熱が更に増した。もっともっと深く、神楽を貫きたい。  
「神楽、動くからな」  
「あっ!やあっ、ああッ!」  
銀時が抽送を開始すると、銀時の腰の動きに合わせて神楽の小さな身体が揺れた。  
「は、ああ、あんッ」  
ごくゆっくりとしてやるつもりでいたが、そんな余裕などとうに吹き飛んでしまっていた。絡みあう部分から、ぐちゅ、ぐちゅ、と音がする。神楽の目に浮かんだ涙が一粒、二粒、その頬に流れていった。  
「っ、神楽っ...」  
神楽は頭をのけぞらせ、銀時の動きに身体を預けた。頭のどこかにソファの軋む音が響いた。銀時がふと結合部に目をやると、溢れて伝う愛液以外に、薄く赤い筋がある。  
「はあっ...痛あっ...っああっ...」  
神楽の頬の涙が濡れて光っている。こんなに痛がる神楽には申し訳ないが、こいつの初めてが自分で、本当に良かった。  
さっきより慣れてきたのか、神楽の秘所は銀時自身をさらに奥まで受けいれた。それに合わせて、もっと奥まで何度も突いてやる。  
「やっ!ああ!銀ちゃあっ...!」  
神楽の内奥がひくひくと震えた。  
「くっ、神楽っ...」  
神楽の締めつけに銀時は堪らず、自身を引き抜くと、白く濁った精液を小さな身体に放った。  
 
「は...はあ...」  
「...神楽。そろそろ服、着ろ」  
ぐったりしたまま、肩で息する神楽に、銀時は促した。  
「ん...」  
そこらに散った服を取ってやり、着やすいように渡してやる。ちょっとは大人で余裕あるところを見せたかった。  
「...ふう...」  
神楽は服を着終わると、そのまま銀時の膝に頭から倒れこんだ。  
「...つかさあ、お前、寝たフリだった訳?」  
「銀ちゃん知らないアルか。夜兎族の特技、寝たフリすることヨ」  
「まじでか。知らんかった...ってな訳ねーだろおおお!!」  
銀時の様子に、神楽はクスクスと笑った。  
「銀ちゃん優しかったから、寝たフリしちゃえって思ったアルヨ」  
神楽は寝返りを打って仰向けになり、 銀時の膝の上で銀時を見つめた。  
「お前...」  
「銀ちゃん私お腹すいちゃったヨー」  
時間を忘れて夢中になっていたが、気がつけば、もうすっかり暗くなっていた。  
「そーだなあ、今日は新八もいねーし...たまには銀さんが腕を奮ってやるか!」  
「銀ちゃん私期待しないでおくヨ。御飯さえあれば充分アル」  
「おまっ銀さんをなめんなよ!?一人でケーキ作っちゃう位の腕なんだぞ!?」  
「銀ちゃんケーキ作ってるとこなんか見た事ないヨ」  
「お前来る前はたまにやってたんだけどなあ...今度食わしてやろう」  
「きっと食ったら糖尿なるアルネ」  
くすくす笑う神楽につられて、銀時も何となく笑顔になってしまう。コイツが来る前と後じゃ何もかもがだいぶ違う。けれども今となっては、神楽のいない毎日というのはちょっと想像したくない。  
「あーあ俺もポリゴンか何かの仲間入りか...」  
「もう諦めろや天パ」  
「あーあ。しゃーねーか」  
お前の所為だからな、と笑いながら、銀時は膝の上の神楽の髪を撫でてやった。  
 

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