土方と沖田が歩く屯所の廊下は、客間である離れへと繋がっていた。
「とっつァんから慰労の品だァ?」
煙草を咥えたまま、土方は警邏を切り上げさせられ屯所に呼び戻された不満を顔に露にしている。
「そうらしいですぜ。この間うちがとっ捕まえた攘夷派が、思わぬ大物に繋がってたとかで、
とっつァんから隊長格以上にって慰労の品が届いてやす」
まだ開けてやせんけど、と沖田は付け加えた。慰労の品は応接室に置いてあるらしい。
「ま、貰えるモンは貰っとくが、モノより給料に反映させてくれたほうがありがてぇがな。
住民税高ぇんだよったく」
「嫌なら死ねば払わないですみやすぜ、土方さん」
「お前が死ね沖田」
「お前が死ね土方」
定番のやり取りをしながら客間に入ると、十畳の真ん中には巨大な段ボール。
それを覗き込む近藤が腕組みをして考え込んでいた。
「近藤さん、どうしやしたか?」
「品ってなんだよ、近藤さん」
「おお、トシと総悟か」
沖田が声をかけたが、近藤は蓋を開けた段ボールを覗き込み、腕組みを崩さない。
「いやあそれがなあ……とっつァんから品が届いたのはいいんだが……」
うーん、と近藤は唸った。
「まさか数が足りないとかですかィ? だったら配給は一番隊から順にお願いしやす」
「何自分だけちゃっかり貰おうとしてんだ総悟」
二人もどれどれ、と箱を覗き込んだ。
「「……………」」
そして言葉を失った。
箱の中には、土方や沖田も面識のあるさっちゃんが入っていた。それも全裸。
「……ぅ……ぅっ……」
口にはギャグボール。涎が口端から垂れ、段ボールの底面を濡らしている。
紅潮した頬。そして、右手首と右足首、左手首と左足首をきつく縛られている。
たわわな乳房も濡れた秘蜜も露になっていた。
膣口には極太のディルドが根元まで押し込まれ、一杯に広がった襞がディルドに吸い付いていた。
「トシ、総悟……どうする……これ……」
困惑の表情の近藤に尋ねられ、土方と沖田は顔を見合わせた。
「どうするって……」
「そりゃ一つしかありやせん」
三人とも、股間は硬くなりしっかりと布地を押し上げていた。
立ち入り禁止、と走り書きした半紙が客間の前に貼られていた。
畳に転がるのは、濡れたディルドとさっちゃんが入れられていた段ボール箱、縛っていた縄。そして三人分の隊服。
「とっつァんもたまには使えやすね」
仁王立ちになりさっちゃんにフェラチオをさせながら、沖田が目を細める。
後ろからさっちゃんに突っ込みながら胸やクリトリスをいじる近藤も頷く。
「さすがとっつァんだ。俺達に何が足りないかよく分かっている」
さっちゃんは一服盛られているのか松平の命令だからなのか元々スキモノだからか……恐らくは全部なのだろうが、
この倒錯的な行為に不満一つ言わず、積極的に沖田のものを咥え、近藤の律動にあわせ腰を振る。
「んっ、……んぅん……ン、ふ……」
「さっちゃん、いい締まりだなぁ全く」
「口もプロ以上ですぜィ、さっちゃん」
「ふぁ……ん・ああ……ぅ」
男だらけの真選組屯所にこれ以上はない慰労の品だ。
下半身専用ではあるが。
「……早く代われっつーの。あの攘夷派捕まえたの俺だぞ……」
順番を待つ土方は新しい煙草を咥えながら呟いた。
(おわり)