「……何回読んでもいいねぇコレ……」  
ソファに寝っ転がって、新八秘蔵のお通ちゃんがエッチなことをされる同人誌を捲る。  
新八から値段聞いてちょっと高いんじゃない? とか思ったけど、値段だけのことはあるねぇ。  
102ページのフェラ顔は何回見てもそそるよ。66ページのローターで潮吹いちゃうシーンは何回お世話になったことか。  
最近じゃあお通ちゃん本人がテレビに出てきただけで銀さんジュニアが反応しちゃうんだなァ。  
っていうか実際何回かお通ちゃん本人もオカズにしちゃいましたよコノヤロー。  
だってあの子よく見りゃいい顔出し綺麗な脚してるもん。胸だって大きいし。  
「おー、いいねぇこのアングル……」  
新八にはいい加減同人誌返してくださいって言われてるけど、飽きるまで読んじゃうよ銀さんは。  
もう暫くお通ちゃん本人共々オカズにしちゃうからねコレ。  
「っと、ここらで一発……」  
お通ちゃんがファンの男の子から送られてきたチンポ写真でオナニーするシーンで抜いとくか。  
片手で本持って片手でジュニアを探りかけた、まさにその時。  
 
『すみませーーん、万事屋サンダーボルトいらっしゃいまスカル星人ーーー』  
 
チャイムの音と共に、どっかで聞いたことのある声と特徴のある語尾。  
「……え……」  
『いらっしゃいまスカイパーフェクTVー』  
これはあの。  
もしかして、だ。  
 
転がるように玄関に行き、扉を開くとまさかまさかの予想的中ッッ!!  
「……お……お通ちゃ……ん……」  
「お久しぶりです、万事屋サンダーバード♪」  
にっこりと微笑むのは、お通ちゃん本人ッッ!! いちごじゃなくて気まずさが100%ッ!! 助けて真中!!  
おいおいおいおい何でこんなときにッ!   
「あのー、急なんですが仕事の依頼なんですけど……アポ無しですが大丈夫ですか?」  
「あ、依頼? も、勿論大丈夫! うん、今暇だからね、でもちょーーーっとだけ、待って、うん。あの、五分待って!!」  
ピシャッ! と扉閉めてマッハで応接間戻って、今まさに使用寸前だった同人誌だのティッシュだの  
ローションだの人肌に温めた切れ目入りコンニャクだのを隠して、  
部屋をファブリーズしていちご牛乳を用意してついでに深呼吸ッッ! あ、社会の窓開いてた。  
「ヒッヒッフー、ヒッヒッフー……よし、大丈夫だ……おちつけ坂田銀時……千の仮面を持つんだお前は……」  
ここ数日、散々夜のオカズのネタにしてたお通ちゃん(本人及び本人をモデルにした同人誌)と面と向かって話をするんだ。  
落ち着け銀時。お前はやれば出来る子だ。不覚にもジュニアをおっ勃たせたりとかいやらしい妄想とか、  
ましてやお通ちゃんにあの同人誌の朗読をお願いするとか間違ってもするんじゃねーぞコラ。わかったかコノヤロー。  
……あ、でもお通ちゃん本人の声で『お通のクリちゃん舐め天竺って今のインドッ!』  
とか一言くらい言ってもらってもい……いか……な。  
 
とまぁ、こんな葛藤の末。  
お通ちゃんを応接間に招き入れ、話を聞くことになったわけで。  
なんでこんな日に限って新八も神楽もいないんですかコノヤロー。銀さん気まず過ぎて死んでしまうよ。  
「で、仕事のご依頼とは……」  
お通ちゃんと会うのって何回目だっけ。数えてねえな。でも多分今迄で一番緊張してるよ銀さん。  
「身辺警備かな? それともお父ちゃんの脱獄の手助けかな?」  
「いえ、どちらでもないんです……あの、今日新八君は……」  
「あ? あのダメガネなら今日は休みですぅ、はい」  
「良かった……」  
ほっと胸をなでおろしてるよお通ちゃん。おい新八聞こえてるか。お前今いたら多分ショックで死ぬよ。  
やっぱ親衛隊なんてキモがられてんじゃねーのっ。  
「新八君がいたら、とても気まずい話題なんで……あの……」  
「はぁ」気まずい? 気まずいってナニが?  
「実は、万事屋さんに教えていただきたいことがあって……」  
お通ちゃんはやけに深刻そうな顔つきで話し始めた。  
っていうかお通語どこいったの。  
「私、今年度の大江戸ゴールドディスク大賞を受賞することが決まったんです」  
「あぁ、今朝のめざましで見たよ、おめでとう」  
「ありがとうございます。それで、レコード会社の人達が、受賞の記念にって、身内だけのお祝いパーティーを  
開いてくれることになったんです。そのお祝いパーティーの後に、私プロデューサーのつんぽさんと会うことになって……」  
「……ふんふん。それで?」  
「私、つんぽさんと会うのは今回が初めてなんです」  
「え、そうなの?」  
「はい」  
あら、そうなんだ。  
「つんぽさんは基本的には口は出すけど顔は出さない人なんです。私だけじゃなくて、業界関係者でもつんぽさんと会ったことが  
ある人は殆どいないみたいで。  
私、電話は何度もしたことありますけど、会うのはこれが初めてで……私の受賞のお祝いに、一度会いたいって向こうから」  
「ふぅん、なんか毎日でも顔合わせてるような勝手なイメージがあったけど、そうなんだぁ」  
知られざる業界の内情だねぇ。確かにつんぽって野郎は顔出ししない謎のプロデューサーだってアヤパンが言ってたけど、  
そんなのどーせイメージ戦略で言ってるだけだろって思ってたけど、本当にそうなんだな。ごめんよアヤパン。  
「つんぽさんはパーティーには来ないんですけど、その後でホテルで待ってるから来るようにって……  
お祝いの品を渡したいから二人っきりで会おうって……」  
あららら。来ちゃったよコレ。  
お祝い。ホテル。ついでに二人っきり。  
「……万事屋さん……これって……そういうことですよね……」  
お通ちゃんの声はだんだん消え入りそうになって、顔真っ赤になっちゃって俯いちゃって……うわ。可愛い……。  
同人誌の絵も可愛かったけど実物ってやっぱめちゃ可愛い!!やべ、ちょっと勃ちそうなんですけど。  
謙虚になりやがれ銀さんのマジュニア!  
「……だろうな」俺はできるだけ溜めてから、情感たっぷりに言った。  
「やっぱり……」  
「お祝い。ホテル。二人っきり。どう考えたって食われちゃうコンボだよ。  
どう考えたってそのつもりでつんぽさんはお通ちゃんをホテルに呼んだんだよ。  
ホテルの部屋に入ったとたん、回転ベッドで三角木馬に乗って鞭とローソク持ったつんぽさんが亀甲縛りプリーズって  
そういうルートだよこれ?」  
「そう……ですよね……」  
「んで? それが嫌だから代わりに行って薄らってる髪の毛ひん剥いて来いってか?」  
「そうじゃないんです。っていうか何で薄らってるって決まってるんですか」  
「だってアレだろ、業界のプロデューサーなんて大概薄らってるかメタボってるかだよ。  
若い頃全身に与えた無理が今になって跳ね返ってきてるんだよ。  
それか、今時トレーナーを肩からかけてるか散財した挙句5億くらい借金あるかそういうもんだよ」  
 
で。  
それから20分後。  
布団を敷いた畳の部屋で、俺はなぜか先にシャワーを浴びて腰にタオル一枚巻いてお通ちゃんを待っている。  
「……なんでこーなるのっ」  
欽ちゃん口調で呟いちゃったよ。  
 
お通ちゃんの依頼というのは、そのちんぽだかつんぽだかに食われるのが嫌だから  
5億の借金を10億にしてくれとかそういうのではなく。  
食われるのは覚悟の上、けれど自分は男性経験ゼロの処女だから、色々ハウツーを教えて欲しい……と。  
初めてだったんですかコノヤロー。同人誌の勝手なイメージでもうとっくに経験済みだと思ってましたよコノヤロー。  
前金で分厚い封筒受け取っちゃいましたよコノヤロー。お通ちゃんは今シャワー浴びてますよコノヤロー。  
もうコノヤローしか言えませんよコノヤロー……。  
「あの……」  
お決まりのタオルを巻いたお通ちゃんが入ってきた。新八がいると気まずいってのはこういう訳ですか……。  
「よろしくお願いします……」  
お通ちゃんは俺の前に座って、恥ずかしそうに俯いた。  
つーか恥ずかしいのは俺の方だ。  
お通ちゃんがモデルの同人誌をオカズにしたりあまつさえお通ちゃん自身もオカズにしてて  
どの面下げてこの依頼を受けられますかってんだ。  
受けたけど。  
お通ちゃんは俺が大人なのと、新八ほど自分に入れ込んでないっていうのとで俺を選んでくれたみたいなんだけど  
……それ、古い情報ですから……。  
「で。どこまですればいい?」  
「どこまでって……とりあえず……男の人を喜ばせる方法とか、男の人の身体の仕組みとか……  
ベッドで使えるテクニックとかそういうのを」  
「あの、重ね重ね言うけど、本番はなしだかんね、ほんと」  
「はい」  
さすがに本番までしちゃったら、なんかもうブラックホールにすっぽりはまって戻れなくなっちゃいそうだし。  
「それじゃあ……二時間目、男性器……始めます……」  
一時間目との落差は何だよコレ。緊張度合いが全く違うよ。はるかに緊張してるよ。  
さっちゃんも今日に限って始末屋の仕事で連絡取れませんごめんなさいってなんでだよッ!   
一時間目みたく二人でギャグっぽく進めれられればこんなに気まずくないのにさッ!  
「あの、万事屋さん、なんで二時間目なんですか?」  
「あ、いや、こっちの話だよ、うん」  
俺はハハハ、と乾いた笑いで誤魔化した。  
「はい、んじゃあまずこれ」俺はタオルを外した。  
謙虚さの欠片も無い銀さんジュニアが教師ビンビン物語だ。トシちゃん元気かな。  
「お父ちゃんのコレ、見たことはあるだろうけど流石にこういう状態じゃあ見たこと無いよな?」  
「あ、はい」  
「えーっと、まぁコレがいわゆる男性器が勃起した状態だ。興奮したりするとこうなりまーす。  
中に骨があるわけじゃなくて、海綿体っていって、まぁスポンジみたいなもんだな。  
興奮すると血液がぐーっと集まって、水を吸ったスポンジのごとく膨張してこうなるわけですぅ。  
で、野郎のチンチンってのは、ガキの頃は皮被った状態なわけだ。  
クレヨンしんちゃんもしくはいぬまるだしっ参照のこと」  
俺は竿の下の方から皮をわざと伸ばして、亀頭を全部覆った。  
「元はこんな状態だったわけな。それが思春期になるとチンチンが成長して毛が生えて皮が剥けるんだけど……」  
手を離すと、さっきの亀頭ズルムケ状態に戻る。  
「これがズルムケ。野郎的に理想はこれです。普段からこういう風に亀頭……あのここね、  
亀の頭みたいだから亀頭ね。ここが出てる状態になるんだけどね。ちなみに銀さんはズルムケでーす」  
……お通ちゃん、無言なんですけど。  
ちょっとくらい相槌打ってよ。笑ってくれよ。なんか突っ込んでくれよ。  
すんげーガン見してるんですけど……。真剣しゃべらない場なんですけど……。  
俺すんごいやりづらいんですけど……。  
「……勃起したときだけこの皮が剥けるのが仮性包茎。勃起しても剥けないのが真性包茎。  
ズルムケ以外の場合は指摘すると男としては結構傷つくので見てみぬ振りをしてくださーい。  
で、こっちがいわゆるキンタマ。それは私のお稲荷さんだってやつですね」  
 
「………」  
……なんか、空気が重いよ。  
銀さんギャグやったのに笑ってよ。あ、変態仮面知らない年代か。  
お通ちゃんすんごい真面目に見てるし……。仕方ないな……もうちょっと笑いの要素を入れるか。  
俺はすっくと立ち上がった。腰に手を当てて、と。  
「はい、キンタマは常に勝手に動いてまーす。ほーら、左右が上がったり下がったりしてるだろ?」  
「わぁ、本とだ……すごい……」  
いや。何がすごいんですかお通ちゃん。俺すごい間抜けな格好よ今。  
「あの、ちょっと触っていいですか万事屋さん」  
「あ、どうぞ」  
お通ちゃんの手が、俺のキンタマ袋に……触れた。おぉぅ……そんな優しく触られるとなんか出そう……。  
「わ……柔らかい」  
「あ、あんまり強く揉むと、痛くて死んじゃいそうになるからね! 取り扱いにはくれぐれも注意だよ!」  
「はーい♪」  
……よし、何とか空気がよくなったな。  
「んじゃあ次、えーっと……多分つんぽさんにさせられるだろう”ふぇらちお”について解説始めまーす」  
俺は枕元からアルミの包装を取り出した。  
流石にアイドルに生チン舐めさせるのはまずいだろうしな……。  
「あの、万事屋さん、私それ要りません。リアルなことを覚えたいんです!」  
「え゛」  
「コンドーム越しじゃ、分からないこともあると思うんです!」  
……いや。熱弁振るわれても。確かにそうかもしれないけど。  
いいのか人気アイドルに生チン舐めさせて。いいんですか。  
新八ィ、本当にごめんなぁ新八ィ。お通ちゃんから貰った報酬で先ずお前の溜まった給料払うかんなっ!  
「んじゃそこまで言うなら生でいこう……お通ちゃん、膝立ちになって」  
「はい」  
お通ちゃんは立ったままの俺の目の前に膝立ちになる。立ちフェラってなんかいいねぇ。征服欲をそそるよ。  
「手を添えて……軽く口に含んで、そう……歯は立てない……」  
「ん、」  
 
お・おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!  
 
お通ちゃんの生フェラッッッ!!!  
「おうっ」思わず情けない声出しちゃったよッ! ちょ、やばいってこれ! 102ページのフェラ絵の現実版ッ!  
事実は漫画よりそそるなりッ!! コロスケナリッ!!  
「き、亀頭舐めて、そう、手は竿を軽ーくしごいて、」  
「こ、こうですか……」  
お通ちゃんは言われたとおりに亀頭舐めながら竿をしごき始める。  
やばいよやばいよやばいよ。出川じゃないけどやばいよ。  
初々しいフェラなんてどれくらいぶりだよ。ぎこちないけど一生懸命だよ。  
人気アイドルお通ちゃんのフェラチオだよ。マジで可愛いよこのフェラ顔。  
くぅ〜〜っ……つんぽの野郎、これを狙ってやがるんだな! いいなあ俺もプロデューサーになろうかなぁ!  
「あ、なんか出てきた……」  
「ああ、これは先走りだ。カウパーとか我慢汁ともいう。一応精子が含まれてる可能性大だから避妊の際にはくれぐれも注意」  
「飲んでも、妊娠しません?」  
「……それはない。うん。ないからね」  
しっかし……役得だよな俺。お通ちゃんにフェラしてもらってカネもらえるなんて。今年は当たり年か?   
「んっ、く……」  
お通ちゃんは唾液でベトベトになった竿にほお擦りしたり、根元から上に舐め上げたり、キンタマ袋もふにふに揉んだり……。  
この子、覚えいいわ。すんごい覚えいいわ。俺の教えたこと忠実にこなしてるもん。自分でアレンジもしてるもん。  
「ん……ん、……ぅん……」  
一生懸命、ご奉仕してくれてる。俺のチンポを。お通ちゃんが。  
やっべ……出そう。いや我慢だ。ここは我慢だ。流石に顔射はいけない。  
「万事屋さん、きもち……い……い?」  
顔中唾液と先走りに塗れた顔で、お通ちゃんが聞いてくる。息を弾ませて。  
……この子ってほんと健気だよな。守ってやりたくなるよな。何銀さんアンタ今更気付いたの?   
って新八には言われるかもしれないけど。  
 
「んなもん、言わなくても分かってるだろ?」  
 
あ、やべ。なんか色々こみ上げてきた。真面目モードにスイッチ入りそう。  
俺は無意識にしゃがみこんでお通ちゃんの唇を奪っちまった。あ。そういやキスしてよかったんだっけ?   
「……ッ……」  
フェラチオの味がなくなるまで、お通ちゃんの唇を貪った。舌、入れちゃった。絡めちゃった。  
お通ちゃんもぎこちないけどそれに応じてきた。ついでにお通ちゃんの身体を抱きしめる。  
 
真面目モード、スイッチオン。ポチッとな、と。  
……いいのかな。いいよな。入れなきゃいいよな。入れないから。うん。入れないからな。  
 
「あ……万事屋さ……」  
銀糸を引きながら口が離れる。  
俺はお通ちゃんの身体を隠しているバスタオル、外してやった。若い裸体が全部、俺の目の前に晒される。  
「布団に横になろうか。で、このまま三時間目ってことで」  
言うと、俺はお通ちゃんを促して敷いたままの布団を捲って仰向けにさせた。  
「や……だ、恥ずかしいよ……、万事屋さん……」  
お通ちゃんの細くて長い脚がもじもじして、手は大きめの胸を隠している。んー、ウブだねえ。  
その手を解き、上に影を作る。  
「大丈夫、みんなすることだから。はい三時間目始めるよ、三時間目、快感……」  
覆い被さって、もう一回キスをした。今度はお通ちゃんもすぐに舌を絡めてくる。  
胸を揉んだ。大きいけどまだ発達途中で、ビーチクはベビーピンク。ベビーピンクですよベビーピンク。  
そのうち真っ黒になっちゃうんだろうなぁ貴重だよこれ。あ、さっちゃんはまだベビーピンクだけどね。  
キスしながら片手でコリコリ、ビーチクをつまんで転がす。もう片手は髪をなでた。  
お通ちゃんの手が俺の背中に回される。  
お通ちゃんと俺の間でチンチンが居心地悪そうにしてる。お前さっき主役張ってたんだから我慢しやがれ。  
若いって言うより青い身体。揉まれなれていない胸は大きい割りに硬いし、腰つきなんかは子供っぽいし。  
……こんな身体をとって食おうってのかつんぽって野郎は。全くふてぇ野郎だ。  
どうせ薄らっててメタボっててトレーナー肩からかけてて不倫してて借金5億くらいあるんだろうが。  
眉毛が今時極細への字なんだろうが。  
イベリコ豚でもプロデュースしてやがれってんだ。承知しねえぞこぶ平。  
会ったこともないのに心の中でつんぽに悪態つきながら、俺はお通ちゃんと絡み合っていた。  
胸を弄ってた手を、今度は脚の間にもぐりこませた。当たり前だけど、お通ちゃんは「いやっ」と脚を閉じて拒んだ。  
「いやなのはわかるけどね、お通ちゃん、ここメインイベントだよ?」  
「でっも……あの……前にすごく痛かったし……」  
「あ゛?」  
「そこ、私前に自分で指とか入れてみたんですけど、痛かったんです……すごく」  
なんか泣きそうな顔だけどお通ちゃん……泣かないでくれよ。あー、一応試してはみたわけだね。なるほどね。  
「指って、ちゃんと濡らしたか?」  
「え?」  
「濡らして入れたか? 乾いた指そのまま一気に入れようとかしたんじゃないの?」  
「え……っと、濡らしてないです……ずぶっといこうとしたんですけど……」  
「あー、そりゃ痛いわ。濡らして、慣らして、ゆーーっくりが基本だぜ? 初めてなら直のこと。  
それでも最初は痛いんだから。無茶しちゃダメだよ」  
「そ、そうなんですか……」  
食われる覚悟はしてる割に、偏った知識がある年頃だよなぁ。  
俺もそうだったなぁコーラで洗うとか信じてたな……。ヅラも信じてたな……。今度会ったら言ってやろう。  
 
閉じようとする脚を開かせて、俺はそこに顔を寄せた。  
お通ちゃんはすんごく恥ずかしがるけど、これが一番手っ取り早いと思うんだ。  
ちょっと濃い目の陰毛を掻き分ける。同人誌じゃパイパンだったけど実際は濃い目かぁ。いいねぇ。  
奥で慎ましく控えてるクリトリスを指でくいっと皮剥いて出してやる。  
まだ未使用だよな。ちょっと恥垢ついてるよ。あ。これ教えたほうがいいのかな。  
「お通ちゃん、俺今お通ちゃんのクリトリス、皮剥いてんだけどさ。存在と名前は知ってるだろ?   
ここ、とっても気持ちいいから」  
「……クリト……リス……知ってます……」  
お通ちゃんは両手で顔隠したまま答えた。  
「こういうエッチな目的で触ったことは?」  
「……ありません」  
「了解。クリトリスは男で言うチンポの部分だな。皮被ってるから、剥くんだよ。剥いて洗えよ。  
デリケートな部分だから、取り扱いは慎重に……」  
赤く充血したクリトリスを、舌の先でつんつん、つついてみた。  
「あ、あああああっ!!! いやっ!! 何、これぇっっ!!」  
お通ちゃんの腰がビクンと浮き上がる。うわお感度いい。っていうかすごい声。  
閉じようとする脚を開かせながら、今度は舌の腹でクリトリスを舐めあげる。  
「いやぁぁっ!! だめえぇぇっ!!」  
「落ち着け、これが快感ってヤツだよ」  
「だって、すごすぎて我慢できない……」  
「痛いのを我慢するのも大事だけど、気持ちいいってのがどういうことかってのもわかんないとダメだからね。  
流石に俺がお通ちゃんの処女をいただくわけにはいかないから、気持ちいいってことだけでも覚えて帰ってもらうよ」  
「あ……ッ、これが……気持ちいい?」  
「そ。さっきおっぱい触られたときもなんか気持ちよかっただろ?」  
「はい……なんか、身体の奥がじゅわって……」  
「そう。それを濃縮すると、こんな感じになる訳でーす。気持ちいいのも我慢してくださいっ」  
お通ちゃんの顔、下から見上げたらなんかもう真っ赤になって泣きそうで余裕無くて……。  
入れたい。今すんごい入れたい。  
これが依頼じゃなくてお通ちゃんがアイドルじゃなかったら、絶対入れてるんだけどなぁ。  
「最初は感じすぎて我慢できないと思うけどさ、要は慣れだよ、慣れ。ちょっとそのまま感じてな」  
言い聞かせて、三度クリトリスを舐めてやる。チロチロ、じれったい感じに舐めたり舌の腹で大きく舐めたり、  
唇ではさんだり……あ、愛液どぱどぱ出てきたよ。身体は素直だよねぇ。  
お通ちゃんは最初は脚を閉じようとして悲鳴みたいな声を出してたのが、  
段々とその快感の波に乗ってきたのか、大人しくなってきた。  
そうそうその調子。流石に最初だからイきはしないだろうから、まぁこんな感じだって掴んでくれたらそれで……。  
「あの……万事屋さん……」  
「ん? どした?」  
「なんか、なんか……変……」  
お通ちゃんがハァハァしながら、深刻そうに言った。  
「あんだって? 何が変だって?」  
まさか生理始まっちゃうとか?   
「何か分からないけど、なんか……なんか来るみたいなんです……」  
「え、あれ、来るって何? NHKの集金なら昨日断ったよ?」  
ん? まさか? いや、でも。まさか。  
俺は気にせずにクリトリスをそのまま舐め続け……  
「いや……いや、来る、来る、あ、あ、あ、いや、や、あぁぁぁぁぁ……!!」  
急にお通ちゃんの声が絶え絶えになって身体がのけぞって……って、オイ!!!!!!  
「あぁぁぁ……ッ……!!」  
「お、おいっ! お通ちゃんッ!!」  
膣口がキュッって締まった。全身が硬直してる。  
「……あ……ぁ……」  
――脱力した。  
 
「おい……」  
やべーよオイ。  
 
……処女をイかせちゃいましたよオイ。  
 
「お……お通ちゃん」  
ハッ、ハッって荒い呼吸をするお通ちゃんの顔を覗きこむと、顔が真っ赤になってる。  
ほっぺたに軽く触ると、なんともいえない顔をする。  
「……イったか?」  
「イ、っちゃったんですか? 私……」  
「多分。ていうかイったよ、うん……」  
どう見てもイきましたよあれは。来るってそれかよ!   
「なんか、大きい波みたいなのが来て……ふわあってなって……頭の中真っ白で……  
今全身がくすぐったくてじんじんするんです……ちょっと脚を動かしただけでも……」  
「あ、それイった後ってそんなモンだから、うん……落ち着くまで寝てろな、うん」  
俺はお通ちゃんに布団をかけると、背中を向けて胡坐かいて頭を掻いた。  
おいおいおいおい……やっちまったよ。かっこつけてやらなくていいことまでやっちまったよ。  
越えちゃいけない壁越えちゃったよ。っていうかまさかイくって思わなかったもんなぁ……。  
イくのは処女喪失してある程度経験重ねてからだろうがよ普通は。  
初めてでイっちゃう! なんて同人誌の中だけだよーとか俺新八に熱弁振るっちゃったのに……。  
新八、前言撤回だ。初めてでもやり方によっちゃあイく。うん。  
いや俺がテクニシャンなのか?  
それよりもやべーどーしよーなんかイケナイコト教えちゃったよこれどうするよおい。  
処女でイくなんて覚えちゃったらビッチ街道まっしぐらだぜ。この子道踏み外したら俺の責任じゃんかよ。  
「――もう平気です、万事屋さん」  
「あ、……そ」  
背中から声がする。はぁー、とため息ついちゃった。やっぱフェラでとめときゃよかたかなぁ。  
銀さんのジュニア流石に謙虚になっちゃったよ。だらーんだよ。  
「んじゃあ、そろそろ風呂でも浴び……」  
「万事屋さんっ!」  
「わっ!」後ろから抱きつかれた。パイオツが背中に。当ててんのよってか。  
「今日はありがとうございました。これで、安心して本番に挑めます」  
「そ、そうだな、お通ちゃんならつんぽさん満足させられるよ、うん」  
……つんぽさんもビックリするかもだけど。  
「あの、今日のおさらい、してもいいですか?」  
「はい?」  
お通ちゃんは俺の前に回ると、謙虚にだらーんとやる気ゼロのジュニアを手にした。  
「え、ちょっ、も、お通ちゃん」  
「万事屋さんもイっちゃって下さいとうたかを」  
そのままパクン、って口に含んで……おおおうううぅぅっっっ。覚えたてのフェラチオっ。  
まさしく今日のおさらい!  
「こういうのもどうでしょうが焼きのタレめっさ濃い♪」  
「うっ、」  
おっぱいでジュニアを挟んでパイズリっっ! 亀頭の部分をフェラっっ!  
「ちょ、お通ちゃん……」  
笑顔でパイズリフェラってアンタ覚え早すぎッッ!  
鈴口を舌でつつくとかバキュームフェラとか上目遣いとか上手すぎますから! 残念!  
 
「お……で……出……デルモンテ……」  
 
……出しちゃいました。  
掛かっちゃいました。お通ちゃんの顔と胸にいーーっぱい。  
「やった! 万事屋さんをイかせ茶碗蒸しめっさうまい♪」  
―――めっさうまい。  
うん、めっさうまいよ、アンタ……。  
ザーメン塗れの顔でお通ちゃんは喜んでいた。  
 
「あはは……は……は……」  
俺は乾いた笑いしか出ませんでした……・  
 
それから数日後。  
あの日から気まずさはまだ引きずったままだ。お通ちゃんがテレビに出るとなんかコソコソしちゃうんだよな。  
新八には溜まった給料をまとめて払ってやって、神楽にも酢昆布をたんまり買ってやった。  
ついでにあの同人誌は新八に返した。  
だってさ、気まずいっていうのもあるけど……なんていうか……もう本人とアソコまでやっちゃったしさ。  
 
「銀ちゃーん、お通ちゃんから電話アル」  
「あ? お通ちゃん?」  
「なんで銀さんに?」  
おいおい来たよこれ。結果報告だよ。神楽から受話器を渡され、新八のなんでを背中に俺は深呼吸をして  
「もしもしー代わりましたぁー」と出来るだけ明るく取り繕った。  
『あ、万事屋サンセットクルーズ? お通です。この間はお世話になりまし田んぼのあぜ道っ』  
「ああ、こちらこソーキソバ。その後どうよ? 結局つんぽさんとは会ったの?」  
『はい、会いました。つんぽさんって思ってたよりずっと若かったし、かっこよかったんですよ。  
年は多分万事屋さんと同じくらいかな? それに薄らってもなかったしメタボってもなかったし』  
「ほーぉ、そうかそうか。そりゃ良かったな……で? あっちの方はどうだった?」  
途端に小声になる。後ろの神楽や新八は幸い気付いてない。よーし、お前らそのままエリカ様報道でも見てろよ……。  
『……それが、何にもなかったんです』  
「はぁ?」  
何ですと!!??   
『確かに二人っきりで会ったんです。で、お祝いにって着物とか帯とか花とか指輪とか高価なものを色々頂いて……。  
それでつんぽさんが電話をしに部屋を出た隙に、私シャワー浴びてベッドに入って待ってたんです。  
そしたら帰ってきたつんぽさんに、  
『(声色)拙者はそんなつもりでお通殿を呼んだんではないんでござる。  
拙者はお通殿をご両親からお預かりしている立場ゆえ、直のことそんなことは出来ないでござる。  
第一おなごが身体を安売りしてはいけないでござる。  
お通殿の純潔はお嫁に行くその日まで、未来の婿殿のために大事に取っておきなさいでござる』って……』  
「……あ……そ……」  
『折角万事屋さんに教わったのになぁ、って言ったら、つんぽさんなんか顔が引きつってましたけど』  
「え゛……言っちゃったの?」  
『はい、どこでそんなことを教わったのかって聞かれたんで……言っちゃいました。  
嫁入り前の娘がそういうことはしちゃいけないでござる、って、懇々とお説教されちゃいました』  
おい。  
言ったのかよ。  
言っちゃったのかよ。  
っていうか……つんぽさん。ホントすんまっせん……。あんたのお言葉正論です……。  
なんか勝手に色々想像してすんまっせん……勝手に悪者にしてすんまっせん……あんたの大事なアイドルに  
生チンしゃぶらせちゃってすんまっせん……処女なのにイかせちゃってすんまっせん……。  
『でもその後は気を取り直して、新曲の打ち合わせをしてお食事して、  
あと大きなバイクに乗せて貰いました!……万事屋さん? どうしました?』  
「あ、いや……なんでも……そっか、何も無かったんだったら良かったよ、うん」  
あはははは……。もう笑うしかねえよな……。  
つんぽさん……ホントすんまっせん……。  
まぁあれだ。シモの依頼には要注意ってこったな……あはは……。  
お通ちゃんも『これからはこういうことには気をつけます』って言ってたし、……ビッチ街道は進まない……よな。多分な。うん。  
 
そんなこんなでこの件は一応終わった、と俺は思っていたんだが。  
その夜、あー今週ジャンプ土曜発売じゃんしかも合併号だしぃまた早めに買わなきゃ全蔵と取り合いになるよ、  
ってんで原付に跨ってコンビニに向かったんだがその帰り。  
「死ね白夜叉ああああああ!!!!!!!!!!!!」  
「ぬおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!」  
「この腐れ天パァァァァ!!!!!!!!!!!お通殿に余計なこと吹き込みおってあまつさえ合併しおってェェェ!!!!!!  
 成敗してくれるぅぅぅぅぅ!!!!!!!!」  
「ぎゃああああああああああああああああああああああ!!!!!」  
 
―――巨大なバイクに乗った辻斬りに遭っちゃいました。  
   原付とジャンプが真っ二つになって、命からがら帰ってきました……。  
     
(あの辻斬りの兄ちゃん、お通ちゃんがどうのって言ってたな……あとどっかで見たことあるんだけどな……)  
 
(終)  

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