やっちまったなぁオイ。やっちまったよ。
誠ちゃんではないが、銀時はさっきから何度も呟いている。
呟きながら脱ぎ捨てた服をちまちまと着込んでいる。後ろではキャサリンがタオルを巻いてベッドに腰掛け、
煙草を吹かしている。
ここはスナックお登勢の奥――お登勢とキャサリンとたまの住まいだ。
「坂田サンテ慣レテルノネ」
「あ、ああ……お前もな……」
ベルトをする手が震える。銀時はキャサリンと目があわせられないでいた。
女日照りの勢いで穴があったら誰でもいいやとばかりにキャサリンと事に及んでしまったのだが……結構良かった。
思ったよりいい身体だった。胸も大きかった。
乳輪だって丁度良かった。いい締まりだった。濡れ具合も申し分なかった。
フェラも上手かったし積極的だったし何よりあちらも身体だけの関係と割り切ってくれている。
というか一回だけのつもりが勢い余って三回もしてしまった。種族が違うからと思いっきり中に出してしまった。
もしかしたらもしかしなくても身体の相性はいいのかもしれない。
『うわぁ……なんか……やっちまったよ俺……っていうかなんだこの胸のモヤモヤァァ! 誰か取ってェェェ!』
マイナスの印象しかない女がちょっといいとものすごくいいと感じるアレだ。
「心配シナクテモオ登勢サンニハ言イマセン。デモハヤク家賃払エ」
「うるせぇなあ金ねえんだよ!」
「……コンナコトシテル暇アッタラ営業デモシテコイヨ」
斜めに睨みつけるその顔。
「…う…」
コトの後だからかもしれない。ちょっと色っぽいかもしれない。しかも正論だ。
「ワタシ天人ダカラ、中デダサレテモ坂田サンノ子供妊娠シナイケドコレオ妙サンダッタラ洒落ニナラナイヨ?」
「……そうだけどさ」
「ワカッテルンナラサッサト営業イッテコイヨコノ天パ!」
キャサリンはベッドの下から何かを取り出すと、銀時に投げつけた。
「お前、コレ……」
万事屋銀ちゃん スナックお登勢上 と書かれたチラシが数十枚。
「昨日タマト二人デ作ッタヨ、坂田サンアンタチラシトカ全然配ッテナイミタイダカラネ!作ッテヤッタヨ!」
「……ありがとうよ、キャサリン」
「イイッテコトヨ」
キャサリンは二本目の煙草を咥えた。
「……家賃払ったらまた相手してくれるか?」
「払ッタラネ……」
結構いい女かもしれないな。銀時はそう思いながら、チラシを手に部屋を後にした。
(END)