いやっ・・・やめてぇ・・・」
高杉にもっとも敏感な部分を弄ばれて妙は必死で抵抗したが、徒労に終わった。
もがけばもがくほど高杉のいたずらな指は妙の女の部分の芯深くに入ってゆく。
自分でも触れたことのない蜜壺に、不適な笑みを浮かべながら無遠慮に侵入し、
徒らに掻き乱すこの男を、妙はきっと睨みつけた。
だが隻眼で見つめられると雷で打たれたかのように体が硬直し、爬虫類のような口元で
無理矢理唇を奪われると、もう好きにしてほしい、とさえ妙は思った。
それはあたかも猛獣の前に差し出された小動物の諦めにも似た心境だった。
けれどもまだわずかに妙の中に残された理性が、高杉の指から逃れるべく体をよじらせる。
「あっ、あ・・・銀さん・・・」
(こりゃ、面白れぇ。いたぶり甲斐がある女だな)
ほとんど純潔はこの俺によって穢されているにも関わらず、なおも貞操を守ろうとする
妙の生娘らしい頑なさに、高杉の欲望は刺激された。しかも、その相手というのがあの銀時だ。
あんな男のために、操を立てるこの娘を徹底的に蹂躙してやりたくなった。
組み敷き、白い肌に爪を立て、喉元に噛み付き、指で狂わせてやりたい。
黒曜石のような瞳から涙を流し、わななかせ、髪と息を乱れさせてやりたい。
そう考えるだけで、高杉はゾクゾクした。
そしてこのことを知った時の銀時がどんな表情をするか、それを想像しただけでも
高杉はクククと笑みをこぼさずにはいられなかった。
動きをやめない高杉の指のために、お妙の息はもはや喘ぎに変わりつつあった。
「いやぁ、ああっ・・・やめてぇ」
お妙の目からは涙がこぼれていた。そして愛らしい口元からは一筋の涎が流れた。
「やめてほしいのか?体はそうは言ってないぜ。こんなに濡らしてやがるくせに」
そう言って高杉はお妙の中から指を抜き、彼女の前にかざして見せた。涙で霞む
視界にいやらしく糸を引く蜜に濡れた指が見えた。妙は恥ずかしさと情けなさで
いっそ、この男に殺してほしいと願った。しかし、そんな屈辱にまみれながらも、
高杉によって火を点けられた体の芯が激しく疼くのを感じてしまうのであった。
「こんな恥ずかしいことされて、感じてるなんざ、とんでもねぇ淫乱だな」
高杉が妙の胸を乱暴に揉みしだく。何とか逃れようと必死であがく妙を高杉は許さず、
尚も激しく愛撫し、尖った乳首に唇を寄せ、歯を立てた。
「いたっ! いやっ、だめっ・・・」
「口では嫌がっているが、体の方が正直だな。乳首が立ってるぜ。どうしてだ?・・ん?」
「・・・・・・・」
「こんなに尖らせて、淫らな牝だ。」
耳元でそう囁きながら、舌を入れてくる高杉の執拗な責めに、もはやお妙の
思考は絶え絶えとなり、頭の中が真っ白になっていた。
狂ってしまいそうだった。
「声、上げろよ。つまんねぇだろ。銀時の名前を呼んで助けに来てもらえよ」
そう言うなり、高杉は妙の細い脚を持ち上げると、大きく開かせた。そして
猛り立った彼自身を彼女の入り口にあてがい、躊躇なく押し込んだ。
「いやあぁぁぁっ、ああぁぁ!」
眉を寄せ、美しい顔を歪ませる妙を見下ろしながら、高杉はこの上ない征服感を
味わっていた。
「銀さん、銀さぁ・・ん、ぎんさ・・・ぁぁぁっ」
泣け、わめけ、叫べ。
許しを乞いながら、哀願しろ。来るはずもない恋しい男の名前を呼べ。
それがいっそう俺の欲情を燃え上がらせる。
他の男を心の中に住まわせるこの女をむちゃくちゃにして、全てを忘れさせてやりたい。
銀時のことなど考えられないくらい奪い尽くしたい。
俺だけの印をこの女の体中に刻み、あの男に見せつけてやりたい。
高杉はもはや一匹の獣だった。この華奢な体の女が壊れようが構わない、いや
むしろ壊してしまいたいと思いながら、激しく腰を打ち付けていた。
「あっあああ、あっあっあっ、ああ〜」
腰を動かす度、女の体は敏感に跳ねた。妙の艶やかな黒髪を?き抱き、自分の
顔に引き寄せると、喘ぎ声を漏らす唇にむしゃぶりついた。
「んっ、んんんんっ、んんぅんんんっ!」
下の唇も上の唇も侵され、妙は永遠とも一瞬ともつかない酩酊の中を漂っていた。
これは夢なのか?夢だったらどんなにいいか・・・しかし肉体に激しく刻まれた
甘美な快感は現のものに違いなかった。もはや自分を激しく抱いているこの男が
誰なのかさえも解らなくなっていた。銀さんなの?ああ・・・
いつしか妙は高杉の背中に自ら腕を回していた。そして溺れないように必死で
彼にすがり付いていた。白い細い指が高杉の背中に食い込み、爪が肌をひっかいた。
その痛みに高杉の雄は、湧き上がる猛りを抑え切れなくなった。
(この女の中に己の欲望を吐き出し、凛としたまなざしを持ったこの女を完全に征服
してやる。)
そうして高杉は妙の最奥に熱い己を解き放った。妙は甲高い悲鳴にも似た声を上げて
高杉の首にすがりつき、果てるとそのまま気を失った。
キセルを手繰り寄せ、火を点けると、高杉は味わいながら最初の一口を吸った。
そして自分の傍らで失神している女を見下ろした。湯船の中で娘から女となった
お妙に高杉は言いようのない感情が湧いてくるのを感じていた。
当初は近藤をおびき出す餌にすべく攫ってきた女に過ぎなかった。しかし、この
女の口から銀時の名前が出たとき、奪ってやりたい、むちゃくちゃにしてやりたい
という衝動に駆られた。
そしてそれをやってのけた。俺のものにした。しかし、体を手に入れた所で心まで
手にしたわけではない。今度はこの女の心が欲しくなった。
「銀さん、銀さん」と喘ぐ女の口から、今度はこの俺の名前を呼ばせ、俺の腕の中で
悦ばせてやる。そう思うと高杉は今度はどうこの女を苛めてやろうかと一人ほくそ笑み、
自分がつけた妙の雪のような白い肌に残る紅い痕に、静かに唇をつけた。