阿国は幼い体を震わせていた。手に持っている厚い雑誌を、拙い明かりで見ながら、ごくりと喉を鳴らす。
もうすぐ全蔵がやってくるのは、昨日の晩から分かっていた。
全蔵はいつからか阿国の元へ定期的に通うようになり、ジャンプやピザを届けては阿国を喜ばせていた。
「マセガキめ」
「むっ返せ」
「俺が来たことにも気付かねーほど面白かったかよ」
「…少コミは過激じゃのう」
全蔵は阿国から雑誌を取り上げると、読んでいたページをちらりと見た。男が女の乳首をくわえているシーンは、この娘にはまだ早い。
全蔵はため息をつくと、懐からリボンを取り出して阿国に渡す。
阿国は不満そうに下唇を噛んだが、その唇がやけに透き通った赤だったため、全蔵は釘付けになってしまった。
しかし、己を戒めるかのように全蔵は頭をブンブンと振る。自分はロリコンじゃない…と脳内で唱え続ける。
「のう、お前も好きな女子の胸を触りたいと思うのか?」
「あ?ま、まぁな…」
「わしを女にしてくれと頼んだら、ぬしは…どうする…?」
全蔵は喉が急速に乾いていく気がした。
「どこでそんな言葉覚えてきやがった」
と言いながら、それでも阿国の体に手が伸びるのだから、始末に負えないと全蔵は自嘲した。
阿国の体を抱き寄せ、触れるだけの口付けをする。
全蔵が薄く目を開くと、真っ赤になった、普段見ることのない阿国がそこにいた。
「ひげがジョリジョリするのう」
唇を離すと、阿国は照れ隠しに言った。
「そう言うな」
全蔵は阿国の着物の合わせ目に手を入れ、中をまさぐった。
恥ずかしくてたまらないと阿国は両手で顔を覆う。
「…ん…ふ…っ?」
「ここか?」
ほんの少しの膨らみの頂上。桃色の乳首は確かに固くなり、こんな幼い女でも感じるのかと全蔵は感心した。
「あ、あ…全蔵…」
阿国の肩から完全に着物を落とすと、全蔵は乳首にむしゃぶりついた。
「そんな…に、強く…吸うでない…!ひぁっ」
しばらくすると、阿国は腰を浮かせはじめた。それに気付いた全蔵は、下へと手を伸ばす。
細く白い太ももを柔らかく撫でると、ゆっくりと下着に近付く。
阿国は目に涙をためながら、全蔵が己の下着を剥ぎ取る様をぼんやり眺めていた。
「はぁ…はぁ…最後まで、してくれぬのか?」
「未来を見んなって」
「見えてしまうのじゃ、仕方がないじゃろう」
「じゃあ期待してな」
少しではあるが、濡れそぼるそこに、全蔵はゆっくりと人差し指を入れる。
阿国の中は熱く、指を飲み込んでいくかのように収縮していた。
「う…苦し…」
「やめるか」
「嫌じゃ…嫌じゃ…」
「どっちだよ」
「はう…あ…」
やがて全てが収まると、全蔵はゆっくり指を動かし出した。
阿国は与えられる快感に泣きながら、喘ぎながら、応える。
「ん、やっ…ああ!」
全蔵は指を抜くと、舌を差し込んだ。阿国は全蔵の髪を掴み、更なる快感に体を震わせた。
「全蔵、好きじゃ…大好きじゃ…!あうっ」
「あんまり言うな。我慢出来なくなっちまうだろーが」
指と舌で刺激を与え、びくびくと痙攣し始めた阿国の体。
右手を繋ぎ、握る。
少しでも安心してくれればと全蔵は思ったのだ。
「ひああっ!だ、だめじゃ…も…全――」
声にならない悲鳴をあげて、阿国は達した。
全蔵はまだ息の荒い彼女を抱き上げ、布団の敷いてある部屋へ運んだ。
聞こえてるかもわからないが、全蔵は呟いた。
「続きはもう少し大きくなったらな」
おわり