「ほら」
また子はカバンに入っているポーチからコンドームと、携帯用化粧品のボトルに移し変えたローションを銀八に向かって投げた。
難なく受け止めた銀八だがあまり機嫌はよろしくない。
「おま、コレいつも持ち歩いてんの。どんだけスキモノ?」
「うっさいッすよ。先輩がいつ来てもいいように準備してるだけッス」
「先生に向かってなんつークチきいてんの、おまえ」
「生徒をこんなとこに連れ込んで、犯ろうってヤツに言われたくないっス」
また子と銀八がいるのは体育館の奥にあるほとんど使われない用具室。
あるものは年に一度使うか使わないかの体育祭用のテントやふるくなった跳び箱やマットレス。平均台。
うっそうと木の茂った死角にあることと、ここの鍵は数年前から壊れたまま放置されてるのをいい事に、たまによからぬことをする輩がいる。
今の銀八とまた子もそうなのだが、そもそもここで最初にそういうことをしているのを目撃されたのはまた子と彼女の交際相手の高杉晋助だった。
それを銀八に見つかり、そのまま居直った二人に当てられて、銀八もその中に加わってしまったのだが、時折銀八はまた子に関係を迫っていた。
こんなところで彼氏と致す大胆さを持ちながらも、また子は意外と繊細だ。
当然銀八の要求を強い態度で突っぱねたが、事をばらすと匂わされ仕方なしにこの用具室にこっそりと連れてこられてしまった。
「そんなところでアンアンといい声で鳴いてたのはどこの誰だったかな〜」
コレのことで言い争っても不毛なばかりだ。
また子は下着だけとり、埃臭い跳び箱に手をついて銀八に尻を向けた。
「色気のねえこと」
「やる事一緒ならさっさと済ませるに限るッス」
確かに目的はそれだけだ。銀八は自分もズボンを膝のところまで下げた。
色気がないといいつつも、晒されたまた子の白い太腿と尻が窓から差し込む光に白く光っているのを見るだけで、銀八のソレは頭をもたげはじめている。
後ろに立ち、そのまま腰を捕らえて押し付けてみると、やわらかい感触にあっという間に脈打ち始めた。
「変態!」
また子のヒップの一撃に銀八はよろけ彼女から離れてしまった。
「手厳しいねえ」
銀八はまた子の足の間を少し開かせ、最奥に手を差し込もうとしたが、
「だめッス!」
これもまた強い口調で拒絶された。
「ダメッて。ここ濡らしとかないとできないだろー?おめ、あんとき随分とぬれてたけど最初ッからそうじゃねんだろ?」
「そこは嫌ッス。先輩じゃないと嫌」
「だったらどうしろっての!?」
「今、ローションも一緒に渡しただろッ」
はぁ、さっきのはそっちのローションが入ってたわけ、と銀八はにやりと笑った。
女子高生のくせにポーチに避妊具とそんなもんまで持ち合わせているからには相当な人数と経験があるのかと思いきや、意外なことに高杉に一筋らしい。
けだるいため息をつき、銀八は自身に避妊具を着けた。
そして掌にローションをたらし指にまぶすと、また子の後ろの穴を指の腹でならし始めた。
入り口を丹念に撫でていくとそのうち指先が中に滑り込むようになる。
そこで小指に変えて中にもぐりこませ、次は薬指、人差し指・・・と順繰りに差し込んで広げていくと、また子もどこかもどかしげに腰を動かし始めた。
「ん?感じてきたか?」
「う、うるさいッスね」
「かわいくねーなあ!」
甲高い音を立てて銀八の平手がまた子の白い尻を叩いた。
その瞬間、また子は痛みに大きく背をのけぞらせ、肩越しに銀八をにらみつけた。
「痛かったか?そりゃ悪かったな」
紅くなった部分を先ほど手荒い扱いをした手で撫でさすりながら、銀八は詫びたが、薄ら笑いが浮かんでいるのを見たまた子はムシした。
「さぁてと、そろそろ増やすぞ」
また子の菊門を蹂躙している男の指がもう一本、強引にもぐりこんできた。
「キツいなぁ、オイ。もっと力抜け」
「…なこと言ってもッ」
また子も強引に広げられていく感覚に歯を食いしばっている。
「だから言ったろ?そっちでヤらせてくれってよ」
「いやッス!」
「はいはい、アソコは『先輩』だけのモンなんだろ。全く、ソコだけ守りゃケツの穴でも口でもぶち込んでいいってどうかしてるぜ」
拒絶されたことに気を悪くした銀八は、中にもぐらせた指をバラバラに動かしてはえぐるように奥を突いていく。
もはや二本の指は根元まで飲み込まれており、押し戻そうとする動きは男に完全に押さえられていた。
また子は荒い息を肩でしながらどうにか痛みを堪えていた。
何かの拍子に激痛が走り、涙がこぼれそうになるのを必死にガマンしつつ、楽な方法を探す。だが、そのたびに次第に慣れてきた蹂躙されている場所が今度は熱を帯び始め、ぐいぐいと銀八の指を締め付け始めた。
「おーいて!」
一気に抜かれた瞬間、思わず堪えていた声が漏れ、また子の体から力が抜けた。
「もう大丈夫だな」
力抜けよ、と念を押し、銀八は残りのローションを男根にまぶし、また子の腰を捕らえるとあてがった。
侵入してくる瞬間の痛みは、前と変わらなかった。あの時はまだ別の熱に浮かされていたから耐えられないほどではなかったが、今度は愛しい男はいない。
裂けてしまいそうな痛みに悲鳴を上げ、また子は歯を食いしばる。
「おい、力抜けって。コレじゃ俺動けねえだろ」
ようやく先端が中に潜り込んだところで止められている銀八も苦しい。
「そ、そっちこそ動くなッ」
なんとか大きく息をすることで痛みを紛らわせようとしているのに、進もうとする銀八にまた子の目じりから堪えていた涙がこぼれた。
「痛ぇんだろ?」
全くこの強情っぱりがいいつつも、と銀八はさっき自分が打った箇所を掌で擦るようになでてやる。
「しばらくじっとしてれば慣れるッ…ス」
「はいはい」
大きく息をついていたまた子が一きわ大きくため息をついた。
やっと体から力が抜け、痛いほど締め付けられるだけだっち銀八にも少しずつだが動く余裕が生まれ、腰を前に進めて中に収めた。
「やっと入ったぜ。こんな手間隙かかるモンが好きとかいうおめえの気がしれねえなあ、オイ」
また子からさっきのような強い言葉は出てこない。
銀八はゆっくりと腰を前後させ始めた。
女のソコ以上に締め上げてくる感覚に銀八は酔いはじめていた。
「はぁ〜気持ちいい。こりゃいいわ。ギュウギュウ締まって痛えぐらいだ」
無意識に楽な体勢を取ろうとして尻を突き出しているまた子の姿が劣情をさらにそそる。
また子からも、押し殺した咽び泣きのような声が漏れはじめた。
ゆっくりと探るように動かすと、甲高い嬌声とはまた別のどこか切ないあえぎが混じり始める。こうなったらもう遠慮はいらなさそうだ。
「こっちきて…こうしような」
銀八は一旦また子から退くと、自分の来ている白衣を脱いでマットレスの上に敷き、また子にその上で四つ這いになるように命じた。
肉の狭間に手を押し当て押し開くと、頑なに銀八を拒んでいたそこはひくひくと蠢き、待ち焦がれている。銀八がもう一度腰を抱え上げ、
先端を押し当てると、すんなりと侵入を許した。
「…あっ…アッ…う…アア…ン…んんッ」
動きにあわせてまた子の腰が動く。それと同時に、何も触れられていないもう一つの秘所、溢れんばかりの蜜壷に成り果てた箇所からの疼きが気になり、体を支える手を離そうとしたが、激しくなり始めた銀八の突き上げに適わずバランスが崩れてしまった。
「ん?どうかしたか?」
動きを止めた銀八が覆いかぶさるようにまた子の傍らに手をつき顔を覗き込む。
とろりとしたまなざしで見上げたまた子の唇から艶めいた声が漏れた。
「…あ…そこが」
「あ、そこがどうしたって?」
こういうときにわざと屈辱的なことを言わせるパターンにはまりたくないまた子は口をつぐんだ。
顔を白衣の上に押し付け、体を支える手を一つにした彼女は右手を秘所にもっていこうとしたが、すでにそこには銀八の右手が回されていた。
彼女の手を押しのけ秘所にたどり着いた男の手が蜜を湛えた壷の中に容赦なく潜り込んだ。
「何こんなにぬらぬらにしてんだ、オイ。俺ここ全然触ってないよね?どうしてこんなことになったんだ、あん?」
「う…あんっ…ア…アアッ」
男の指がかき回すたびにまた子の口から悲鳴にもにた嬌声が出る。
前と後ろから同時に与えらる刺激がより深く大きな快楽になるのは時間の問題だった。
「どうもやりにくいな」
銀八は引き抜くとそのまままた子を白衣の上に寝かせ、両脚を大きく開かせ、腰を浮かせるように持ち上げ秘所とさっきまで
自分が責めていた箇所をあらわにさせた。
「おら、自分で持ってろよ」
熱に浮かされたまた子は命じられたまま自分の膝の裏に手を回し、固定する。
「アソコは入れねぇって約束は守ってやるからな。安心しな」
そう告げた銀八は壷から溢れている蜜を指に取り入り口にまぶすと三度押し入った。
それと同時にあらわになった箇所を指で押し広げた。
「こんなに欲しい欲しいってヒクついてるのになぁ。かわいそうだよなぁ」
というと指三本をそろえると一気に突き立てた。
そして上の方で顔を覗かせている肉芽に親指を添える。
男の指三本を飲み込んだ箇所は歓喜するように中のモノをくわえ込み、後ろに入っている銀八をギリギリと同時に締め上げ始めた。
「んーいいねぇ」
ゆっくりと腰をゆするとまた子はがくがくと震え始めた。
ぐりぐりと肉芽を押しつぶすと、
「ひぃあああッ」
半狂乱で首を振る。
「おお〜中でこすれてるのが分かるぜ。こりゃ面白いなぁ、オイ」
また子の目の焦点は合わず、掴んでいた膝も離し、彼女は理性さえも手放してしまった。
もっと、もっととねだる声に刺激を与えられれば体ごとのけぞらせてあえぐ。
「どうするよ。もう一本いっちまうかぁ?」
片手であざができるほど強くまた子の太腿を掴み、叩きつけるように腰を振る銀八が残っていた小指をもぐりこませるとそれさえもぐいぐいと引っ張りこみ始めた。
「本当に飲み込んじまったよ、とんでもねぇなあ。本当はここにも欲しいんだろ」
こっちもかわいがってやろうかぁ?という銀八に、また子はキツイ目でにらみつけた。
「だめッス…」
「こんなになっても先輩先輩かよ」
どこか傷ついた表情が銀八の顔に浮かんだがすぐに消え、また子の体を引きよせるとひときわ力強く腰を打ちつけはじめた。
「も、もうやべ。出そう」
と銀八が動きを止めたのと、
「も…、もうダメッぇぇぇ」
また子が叫んだのはほぼ同時だった。
体を大きく震わせたと思うとまた子はがっくりと力を抜いた。
「おい、大丈夫かよ」
また子から離れ身支度をすませた銀八はいつまでも起き上がってこないまた子に声をかけたが、返事はない。
「キツかったのか、おい。だいじょう…あてっ」
覗きこんだ瞬間、痛恨の一撃が銀八の頬にヒットした。
「う、うるさ…い」
起き上がったまた子の顔は涙でぐしゃぐしゃになっていた。
「分かってるよ。先輩が一番っていいたいんだろ」
ほら、よこせといわれてまた子はようやく汚れきった白衣の上から起き上がり、乱れた髪と服を調えると、改めて銀八に向き直り
キツい目でにらむと、
「あんた間違ってるよ。先輩しかいない、が正解ッス」
と、平手された箇所を押さえどこか泣きそうな顔をしている銀八を置いて部屋を後にしたのだった。