嫌な予感がする。  
 
長きこと戦場に身を寄せていた故か、彼の第六感はざわついていた。  
「聞いてるのか団長?」  
「あい?」  
「いや、あいって聞いてなかったよね、聞き返す辺り確実に聞いてなかったよね」  
阿武兎が溜め息を吐き頭を掻いた。  
「今日は標的が買物に行ってるから慎重に動く。嫌だろうが大人しくしてろよ」  
「分かった分かった」  
ヒラヒラと手を振って生返事を返す神威に対して阿武兎は眉をひそめた。彼だけでなく、部下の殆どが。  
「団長嫌に素直だな」  
「いつもなら『面倒くさい。皆殺しにしたらいいじゃん』なこと言うのに……」  
おかしい。オカシスギルと宇宙海賊春雨第7師団の夜兎族達は囁いた。  
「阿武兎」  
「あ?」  
神威の呼び掛けに心持ち部下達が背筋を伸ばした。  
「買物ってどこで何を?」  
「だから最初に言ったよね、説明丸々聞いてなかったよね」  
阿武兎はシャウトしながら諦めきった表情になった。  
「あれだよあの……」  
「座薬?」  
「おいおいおい!わざとだよね?わざと適当言ってるよね!?」  
「冗談だよ」  
冗談に聞こえねぇよ、と阿武兎は頭を抑えた。  
「あれだよ、あの……――――」  
 
 
 
 
 
『さぁ、皆様お待たせしました!今回も数多の惑星から沢山の商品が集まりました!!!』  
歓声が上がるなか、スポットライトに照らされたステージを囲んで天人が目を輝かせていた。それも、身形からして富豪や表で確かな地位を築く。  
そんな彼等の注意を惹き付けたものは、表だって販売できないモノ。  
『まず最初の商品はこちら!エイリアンの卵でございます!』  
歓声が一際大きくなり、忽ち叫び声が上がった。「二十万」「二十五万」と……。  
そう、ここはオークション。  
それも珍獣や人身を売りつける、闇の商売場。  
その舞台裏には泣き叫ぶ獣や懇願する人の声が響いていた。  
そしてその奥には……。  
「……ん」  
奥には、檻に容れられた、本日の目玉となる少女が眠っていた。  
 
天人達は商品が舞台に上げられる度に喝采を送り、値を付けた。  
珍獣をコレクション目的にするものがいれば、人を奴隷にする者もいる。特に女は用途が広い。  
 
「……ん……?」  
少女は頭を軽く振るとぼんやりとした意識のまま辺りを見回した。  
ここは………?  
身体を起こそうとしても、うまく動けない。頭が割れるように痛い。手足も痺れる。  
己の四肢を目の当たりにし、少女ははっと息を飲んだ。  
頑強な鎖。それもちっとやそっとでは壊れない。  
檻の中にいることもあって、己が囚われの身であると悟った。  
確か……いつものように町の子供達と遊んだ帰りに誰かと会って、一緒に来いとか言われて拒んで……後ろから誰かに何かを嗅がされた。  
戦闘民族の自分が簡単に拉致られるなんて不覚だ。しかし、ここは何処だろうか。地球ですらも怪しい。  
檻の向こうでは、同じように閉じ込められた人達が泣いたり怒鳴っている。  
どうして……?  
ここは、何なのだ?  
 
「おい、夜兎を出せ」  
数人の男が彼女の檻の前に来ると鍵を開け、彼女を連れ出した。  
抵抗をしたつもりだったが、身体に力が入らずそのままずるずると引きずられていく。  
「放せっ私に触るナ!」  
少女は……神楽は男達に吠えた。  
「布を噛ませろ」  
「なっ……ふぐっ」  
忽ち口の中に布が押し込められる。精一杯抵抗したのに、びくともしない。  
「丁重に扱え。大事な夜兎様だ」  
次に男達は神楽の髪を解き服を破り捨てた。  
「んーー!!?」  
「出せ」  
脇を固めた屈強な男二人が神楽を暗幕の向こうへ連れ出した。  
眩しいスポットライトが幾重にも重なる中央に連れ出され、正面を向かされる。  
神楽は血の気が引いた。  
ここがどこだか分かったのだ。  
『さぁ、皆様ご覧下さい!』  
脇の男が彼女の心とは裏腹に軽快に笑った。  
『本日のメイン!!稀少種たる戦闘民族の夜兎でございます!!!』  
 
『夜兎』の名前は一種のブランドだ。宇宙最強に数えられる戦闘民族の一つ、見た目も良いことから価値は高い。  
舞台上の少女はそれでいて愛らしい容姿でもあった。誰もが戦闘面よりも「愛玩具」にすることを考えた。  
それが分かっていたのか、売人達は神楽を中央の椅子に座らせ、強制的に脚を開かせる。  
「――――っ!!!」  
神楽は目を見開き、身体を揺らして逃れようとしたが、無駄だった。薬のせいか、身体に力が入らない。頭もはっきりとしない。スポットライトが熱いことも、夜兎たる己にはキツかった。  
『幼くもその実力は未知数!しかもこの身体も調教し放題です!』  
じゃらっ……  
四肢の枷が急に圧迫してくる。手足が痺れるように痛く、神楽は眉をひそめる。憂いを帯びるその表情は反って反響を呼び、すぐに値を叫ぶ者が現れた。  
「!?」  
後ろから伸びてきた腕が数本、身体を這い回る。  
「んぐっ…う!」  
不快と屈辱。神楽は布を噛み締めた。  
自害もできない状況。されるがままの身体はどうしようもない。  
ふと、司会の男が持ってきた「それ」に神楽はさっと青ざめた。  
「んんーーーー!!!!!」  
びくっ……と身体が跳ねる。  
開脚させられた秘部は男が差し込んだそれを拒絶しながらも飲み込んだ。  
『見えますか?綺麗ですね』  
差し込まれた透明クスコで少女の中を晒す。  
神楽はボロボロと涙を溢した。  
悔しい。悔しい。何もできないことが……堪らなく悔しい。  
少女の涙に同情は愚か、反って値を吊り上げるだけだった。  
そんな時、正面の奥の扉が開いた。  
 
 
 
「人身売買ねぇ……」  
「変な気起こすなよ」  
「それってどんな?」  
「色々」  
「阿武兎が考えてんじゃないの?美女を買って道具にしたいって」  
「いやいやそれは男の願ぼ……って何言わせてんの」  
「自分で言ったんじゃん。さて標的は……と」  
満員に近い客席をぐるりと見回す。ふと、云業が指を伸ばした。  
「あれだ」  
少し後ろ寄りの席、脂ぎった親父が目を輝かせて値を叫んでいる。  
「夢中だね」  
「そんだけ商品が欲しいんだろ」  
冷めた口調と軽蔑した目で彼らが頷く。  
「何が欲しいんだろ。どんな……―――」  
顔を舞台に向けた神威から笑みが消えた。  
まじまじと売り出されている商品を眺める目の色が見る見る険しくなる。  
その先には、何年も会ってなかった血を分けた妹がそこにいた。  
 
 
「………神楽」  
 
 
「団長?」  
神威の変化に部下達が不思議そうに呼び掛けたが、彼は聞いていなかった。  
 
 
 
言い値が十億を単位にする頃には、少女はぐったりしていた。疑似太陽のスポットライトは薬と相まって彼女を消耗させる。  
慣れない行為を強要された精神的苦痛も重なり、いよいよもって神楽は自身の終わりを悟った。  
段々値を叫ぶ数が疎らになる。  
その時、どこからか悲鳴が上がった。  
 
 
ぐしゃっ……  
胸の悪くなる音を立てて肉塊が床に転がった。悲鳴がいよいよ会場内に響き、辺りは混沌となる。  
その原因を作った神威はと言うと、血に濡れた己の手を軽く振ると、忌々し気に肉塊の頭部を脚で踏みつけた。  
「お前には笑いながら死なせる価値もないよ」  
一方、会場から逃げる客の中、部下も混乱していた。  
「団長ぅぅぅぅぅ!!!?言ったよね、俺言ったよね!!慎重にって!大事にすんなって!」  
「さあ」  
「さあじゃないから!どうすんのこれ!!ねぇどうすんの!」  
「うん。なんか武装したここの連中が来たみたいだし。取り敢えず殺そう」  
「ちょっとぉぉぉぉぉぉ!!!!!いつものパターンじゃん!結局俺達が尻拭いしなきゃなんじゃん!」  
突っ込みながらも武装隊を次々に倒していく部下を尻目に、神威は真っ直ぐ舞台へ向かった。  
大事な商品を奪われまいと数人が構えていたが、神威の一撃にあっさりともの言わぬ肉塊に変えられる。  
そして、彼は腕をそっと伸ばした。  
 
 
 
何が起こったのかよく分からない。  
歪む視界、朦朧とする意識。  
周りにいた売人もいつのまにかいない。  
すっ………  
誰かの指が彼女に触れた。だけど、先程彼女を蹂躙した嫌らしいものとは違う、優しい手付き。どこか懐かしさも感じさせる腕は、彼女を安心させた。  
「神楽」  
懐かしい、優しい。  
涙を拭われ、そっと神楽が顔を上げた。  
いつのまにか消えているスポットライトをバックにいるのは記憶に残る笑顔。  
 
「…お……兄……ちゃ、ん……?」  
 
神威の顔がより穏やかになった。  
「もう大丈夫だよ」  
神威の顔が近づき、唇が重なる。  
何かを飲み込まされた神楽の意識は、兄の笑みを残したまま、いつの間にか闇に沈んだ。  
 
 
 
 
 
ただ、護りたかった。  
 
父親と反目しても、二人は大切だった。  
 
己をこの世に産み落とした彼女と  
 
血を求めて汚れてゆく己をそれども兄と慕ってくれる光。  
 
同族さえ、いや同族だからこそ求めた血は、二人からは奪えなかった。  
 
だからといって、誰にも渡すつもりはない。  
 
俺に残る僅かな心はそこにあった  
 
 
 
「……ん?」  
ぼやける視界の先には染みが残るベージュの天井。  
辺りを見回しても見覚えのない光景に、少女は眉根を寄せた。  
ここは、どこだろう?  
私は確か…………。  
思い出した時、少女の顔は強張り、じわじわと円らな瞳に涙が溢れていった。  
知らない男達に拉致され、売られかけた事実、競売の商品として物同然に扱われた事実。  
………身体を、好きに扱われた恐怖。  
思い出しただけで身体が悲鳴を上げた。  
自分は誰かに買われたのだろうか、奴隷か傭兵か……性玩具として。  
誰かに会った気がするが思い出せない。  
自分の身体を見下ろすと、簡素な服を着ていた。但し、それは男物の上着で、サイズが二回り以上違うためブカブカだ。  
下は何もないが、立ち上がれば太股は容易に隠れるだろう。  
それにしてもここはどこの星だろうか。  
 
 
かたんっ……  
出し抜けの物音に反射的に少女の肩が揺れた。まだ頭がぼぅっとして果たして逃げられるか分からない。  
しかし、相手に敵意は感じられなかった。  
「気が付いた?」  
はっとして少女は目を見開いた。  
懐かしい存在がいた。  
「神楽」  
「……に…い、ちゃ……ん……」  
柔らかな唇が発する二人の関係。  
笑みを絶さぬまま、神楽の兄神威は彼女の前に向かい、彼女が寝ているベッドの隅に腰掛けた。  
「怖かっただろ?もう大丈夫だからね」  
“大丈夫だから”  
その一言に、どっと安堵が押し寄せる。  
神楽は肩を震わせ、兄の腕に包まれて嗚咽を溢した。  
 
 
神威は妹を抱き寄せたまま、数年で妹が急激な成長を遂げていたことに少々驚いた。  
母親譲りの髪、円らな瞳、一族特有の柔肌は変わらずも、今抱き寄せている身体は細くも丸みのある女性らしい身体。  
しかし昔と変わらず泣くのは、再会を喜んでくれているのか。  
はたまた、先程自分が商品として売られる恐怖が押し寄せてきたか。  
神威はしばらく妹を抱き寄せていたが、やがて腕を伸ばして止めどなく溢れる涙をそっと拭い、腫れた瞼に唇を寄せた。  
「兄ちゃんがいるから。神楽は泣かなくていいよ」  
「に、ちゃ……っ兄ちゃんっ」  
えぐえぐと神楽は泣きながら兄にすがりつき続けた。  
「神楽。口を開けな」  
神威はやんわりと言うと懐から錠剤を取り出し、二錠を水と共に口に含み、そっと神楽に流し込む。  
競売に掛けられていた時から微かに鼻を付いたそれは、自分達の組織が売買している物だった。  
“転生郷”と名の麻薬。  
普通より頑丈な夜兎とはいえ、神楽の様子からかなり入れられている。  
中和薬を飲ませ、飲みきれなかった水が顎を伝うのをぺろっと舌で舐めとった。  
「兄ちゃん……」  
「ん?」  
「ここ……どこアル?」  
「あー……船の中?」  
宇宙船の方だけど。  
「……どこに行くアルか?」  
「んー……」  
実際、決まってない。  
取り敢えず燃料を補給できる星に行かなくては。  
「神楽はどうして欲しいの?」  
故郷に戻りたいのだろうか。  
「…………ぃ」  
神楽は小さく呟いた。  
「きゅ、に……地球に帰りたい………」  
 
「地球?」  
意外だった。  
神楽の帰りたいから、今まで地球にいたと言うことか。  
確かにあそこは悪くない場所だ。環境はいいし飯は美味いし飯は美味いし。  
あ、二回言った。でも本当に美味いよね。  
でも、このまま帰すのが気が引けるのも事実。  
だって神楽は………。  
「神楽。兄ちゃんとの約束、覚えてる?」  
神楽は不思議そうに首を傾げた。  
「約束?」  
「そう、約束」  
神威はそっと彼女に囁いた。  
 
 
「俺のお嫁さんになるって」  
 
 
夜兎は稀少種だから、なるたけ同族との婚姻が推奨される。  
実のきょうだいでも、夜兎ではない者との結婚より遥かに推奨される程だ。  
だから、俺達の口約束はおかしくない。  
二人で生きようと、一族を残そうとおかしいことではない。  
神楽の瞳が戸惑いに揺れた。  
「兄ちゃん……覚えてたアルか?」  
「……当たり前だろ」  
神威は神楽を抱き寄せて、耳朶に唇を押し付けた。  
「俺と一緒にいよう。兄ちゃんが護ってやるから」  
あの恥辱と苦痛を二度と味あわせたくない、他所の輩に触れさせたくない。  
神楽が迷っているのは息遣いで分かった。  
「……兄ちゃん」  
神楽は兄に腕を伸ばした。  
「……ごめん。今は行けないアル」  
「神楽……」  
「今はダメだけど……私がもう少し強くなったら迎えに来てよ」  
神楽は囁いた。  
「もっと私が強くなって、自分で自分が護れるようになって、兄ちゃんのお嫁さんになれる強さを持てたら……」  
神楽は微笑み、兄に抱きつくように力をこめた。  
「そしたら、私を兄ちゃんのお嫁さんにしてヨ」  
 
「…………」  
神威は妹の頬を己の手で包み込むとそっと口付けを交わした。  
「16」  
「は……?」  
「お前が強くなるなんて無理だから。16歳になったら迎えに行くよ」  
「兄ちゃん………」  
お返し、と神楽も唇を押し付けた。するとまた神威も口付ける。  
気付けば二人は何度も何度も唇を重ねていた。それは段々激しくなり、神威の舌が少女の口内を貪る。  
「んっ……ふ、あっ」  
互いの唾液が絡まり、神楽の顎を濡らした。  
漸く解放された頃には、神楽は酸欠で頭がぼぅっとしていた。上気して紅く染まった頬が幼くも艶やかである。  
プチンッ……  
神威の手が伸びて、神楽が着ていた上着の前を外していくので神楽は慌てた。  
「ちょっ……」  
「今の内にツバ付けとかないとね」  
神楽は抵抗しようとしたが、それより前に強い力に寝台に押し倒された。  
「神楽」  
訳もなくぞくりと身体が震えた。  
神威の手がボタンを全て外し、前を開いた。  
夜兎特有の白い肌が、羞恥に桃色に染まっている。  
神威は神楽の首筋に舌を這わせ、両の手で小さな膨らみを揉んだ。  
「っ……あ」  
艶のある声。  
「副作用が効いてきた?」  
「副………?」  
「さっきの薬さ、実は副作用に媚薬効果があるんだよね」  
「なっ……んっ」  
唇を再び塞がれ、尚も手は胸を揉みしだく。  
時折指先で硬く尖った中心をくりくりと弄れば、甘い嬌声が響いた。  
「これだけで感じてんの?淫乱?」  
鎖骨を吸い上げ、胸の突起を舐めながら神威はクスクスと笑った。  
「やっん……兄ちゃ……」  
「だって濡れてんじゃん」  
下の亀裂に指を這わせばぬちゃ……と卑猥な水音が響いた。  
「ぅっあ……」  
ぷるぷると羞恥に震えながらいやいやと首を振る姿に加虐心と保護欲がそそられた。  
「神楽はいい子なんだから、兄ちゃんの言う通りにしなよ」  
沸き上がる性欲をギリギリに抑えつつ、神楽の耳朶に甘く歯を立てた。  
 
「ふぁっ……」  
 
半ば強引に脚を開かされ、秘部を晒すことになる。  
あの売人たちの事が思い出されて身体が震えた。  
「怖くないよ」  
神威は優しく言った。  
「兄ちゃんに任せな」  
「ふ……?」  
その笑顔に流されるままに、愛撫が再開された。  
指が何度も亀裂をなぞり、熟れて膨らんだ果実と口に当たる度に神楽の腰が跳ねる。  
蜜が中を潤わせ、亀裂にまで溢れてきた。  
「ぁ……んっ」  
とろりと目が半眼になるのを見計らうと、指が中に押し入った。  
「ひゃあっ」  
「媚薬効果が予想以上だ。いきなり二本でいけたよ」  
ぐちぐちと中を掻き乱しながら意地悪く囁く。  
空いた手で果実の薄皮を剥き、コロコロと転がすと、神楽の嬌声がより一層激しくなった。  
あ、なんかヤバイかも。  
まだ解れて間もないが、自信の限界を感じて指を引き抜いた。  
「ひゃん!」  
「神楽。射れるな」  
取り出した自身は先走りの汁で濡れ、それを秘口に宛がう。  
「兄ちゃ……」  
ずっ……  
「ひゃああああああああん!!!!!」  
神楽の背筋が浮き、悲鳴じみた嬌声が響いた。  
中は思った以上にきつかったが、媚薬のお陰で痛みはないようだった。  
神威は神楽の膝裏を持ち上げ、自分が動きやすいように固定する。  
「ひっあ……あっ…あっ……あっあんっ」  
未成熟の性を一心に受け開花したその姿はひどく妖艶で美しい。  
「神楽……」  
神威の唇が再度神楽のそれを塞いだ。  
「んふっ…んっんぅ……んんーーーーーー!!!!」  
「っ」  
神楽の全身が電流が走ったかのように硬直し、痙攣した。  
直後、神威も絶頂を迎えた少女の中に欲望の残骸を吐き出した。  
 
 
 
 
「やりすぎちゃったかな………」  
ぐったりと横たわる神楽の寝乱れた姿を整えながら神威はぼやいた。  
「……まあいいか」  
これで神楽は俺のものだから。  
何年も離れていたんだ。今更1・2年の間なんて関係ない。  
「俺のものだよ……神楽」  
だから今だけはまた………。  
 
 
地球につくまで少しの時間、その温もりを感じさせて  
 
 
 
 
 
オマケ↓  
 
 
 
 
 
 
 
「……あのさ、団長」  
「なに?」  
「俺の話を全然聞いてなかったよね」  
阿武兎は神威が抱えている、彼のマントに包まれたそれを見ながら言った。  
「変な気を起こすなって言ったっしょおおおおおおお!!!!実は俺のこと嫌いなんだろ?嫌いなんだろぉぉぉぉぉ!!!!!?」  
「固いこと言うなよ。同族なんだし(ジジイは口煩いな、萎えてるからって)」←()はボソッと。  
「今なんか言ったよね!オッサン傷付くよ!ガラスのハートなんだよ!」  
 
 
 
 
 
……と。  
神楽を助けた際に阿武兎は上に手を焼きっぱだったとさ。  
 
 
 
 

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