普通の女性よりは幾らか体力のあるお妙だが、流石の機械には力量が敵わないらしく軽々とたまに上乗りされていた。
その上、機械家政婦は両手だけではなく巧みに両足をも押さえ込み、お妙の動きを完全に封じている。その為、動作が可能である部分を口だけとしたお妙は微かに屈辱を感じている様だ。
湿り気を帯びた下半身に指先を這わせる銀時は、お妙の紅潮した頬に向かって悪戯に微笑んだ。銀時の笑みをこんな状態で見ても面白くとも何ともないお妙は、下唇を噛み締める事で辱めを耐えたが、その笑みは非情にも、有らぬ事を要求し始める。
「たま、お妙を全裸にしてその上でお妙を押さえ込んでくんねえか」
「お妙様は嫌がっている様子ですが、良いのでしょうか」
「よく見てみ。下着が意味を成してねえ位に濡れてるお妙は、つまりだな」
掻き乱される事を悲願しているんだよ。そう呟くと、納得したのだろうたまは成程と首肯すると忠実に動作を熟し、口で抵抗するだけのお妙の着物を剥ぎ取っていった。
銀時の眼前には肌を徐々に赤らめている裸体のお妙、そして羞恥に蝕まれた女を押さえ込む忠実な女型機械が居る。
己が手を加えずとも出来上がりを見せた現状にほくそ笑む銀時、その男が望む事と言えば最早一つしかなかった。
三人で行う情交、所謂乱交である。
「3Pつったらアレだよ、幾多もの昇格を繰り返し髭を生やしたオジサンのみがする事を許されると言われる…所謂男の浪漫がつまった性行為なんだよね」
「そうなのですか?でしたら銀時様はその行為を実行に移せれません。髭が無いです、髭が」
「下をご覧になりなさいたま!」
怒声を上げた銀時は確かに下半身へと茂みを持っていた。だが成人男性ならば当然の事だろう。
そんな事よりも先程から隠すつもりのない肉棒が厭らしいと思ったお妙は、両手を使えない事に酷く落胆しながらも、下半身に濡れ具合を足していくのだった。
瞳に薄い涙を溜めたお妙は、傍らをうろつく銀時を見つめやはり悲願するが、しかし銀時も悪知恵が働くだけはあって、その願いを容易く薙ぎ払った。
「……お願い銀さん、こんなの嫌よ」
「俺は好きな奴としかしたくねえ。利口な女なら解るよな、この意味がよ」
囁かれた言葉に頬を上気させるお妙は、少なからず意味を理解した様子で照れた表情を浮かべた。しかし、お妙は男というものを理解していない為に、銀時のどす黒く巧みな悪知恵には気付けない様だ。
「たま、今から指を優しくインサートすっからちゃんと喘ぐんだぞ」
「はい銀時様……うあっ、入ってきました…あぁ…んっ…」
「いいぞ、すげえそそる」
そう言うと銀時は、お妙を押さえ込んだままで四つん這いとなっているたまの秘部に指を沈ませ、己の方へと顔を向けてくるたまの頬に片方の掌を添えた。
たまの真下に顔があるお妙は、嫌でも歓喜するたまの表情を目に入れるというものだ。それだけではなく、耳を塞ぎたくなる程の淫靡な水音が四方から聞こえてくる為に、お妙の興奮は高まるばかりである。
「はあー…あそこ舐めてえ。けどオイルが混ざってねえっつー証拠もねえしなあ、たま、俺のくわえちゃう?」
「は…ぁあっ、欲しいです…銀時様の熱いの…欲しいです」
「マジで賢いな、俺の喜ぶ事を逐一してくれるたあ家宝モンじゃねーか」
そして銀時は、女を熟知しているが故にたまを満足させながらも、わざとお妙の興と奮いを煽っている。大方、銀時はお妙から肉棒をねだるという結末を望んでいるのだろう。
そしてお妙も薄々それに感づき始め、けれど秘所をひくつかせ忍耐強くしている。お妙を繋ぎ止めている鎖は唯一つ、世間的に言えばプライドという物だ。
「たまは好きだな、俺の…っ、これがよ」
「はい…んっ…んぁ…お汁が…」
「たまがフェラ上手いから俺も堪らねえ」
やべえな、もうイキそう。しかし、銀時がそう呟きかけた瞬間赤黒い肉棒を口に含むたまの下で、お妙の悲願が響き渡った。
「……ぎ…銀さん…お願い、お願い…っ」
屈辱感にも似た感覚が身体を支配していき、お妙は生まれて初めてとも言える程に恥じらいを募らせていた。
けれど、銀時は耳を傾けずにたまという名前を強調すると、再度腰を振り始める。
「たまでイきそう。昨日もたまにして貰ったしよぉ…精根吸われ三昧ってやつで当分はお預けでも余裕だな」
「ひん…っんッッんふぁん――…ッッ」
腰の動作が速度を増し、お妙の視界には必然的に肉棒から滴る液体が見えていた。鮮明に映るそれが物語るのは、絶頂がすぐそこに迫っているという事だ。
そしてもう一つ、銀時がたまを通して絶頂を迎えるとなれば、お妙だけが独り快感を残留させるという事にもなるだろう。
そう思案するとお妙は涙目で銀時の気を引くしか術が無く、銀時も良い性格をしているが自分も人の事を言えないと思う反面で、自尊心を捨てるという選択肢しか、残されていなかった。
「……いや…っ銀さん…私で、私で気持ちよくなッて下さい…銀さん…銀さん…っ」
瞬間、腰の動きが低速になりお妙の瞳には、銀時の満足げな笑みが映った。
お妙は欲望が渦巻く男女の駆け引きに敗北したとも言えるだろう。それ故に、最早自尊心も矜持もあったものではない。
「妙、てめえの欠点はプライドが高いところだ」
それを自覚させるが如く、銀時は愛液の滴るお妙の秘所に肉棒をなぞらせた。艶かしい秘部は愛液を絡めるだけで興奮を高め、ひくついて銀時を待ち侘びている。クチュクチュと焦らす一途である肉棒が、お妙は堪らないと思っているだろう。
「だがよ、それがあってこその妙だと俺は思うぜ?だからこうなった時のてめえは半端じゃねえっつーわけでよ」
「ひっ…や…ぁっ銀さん…ッ焦らさないで…っ」
「そんなんじゃ俺納得しねえし。恥を捨てた今なら言えるだろ?ほら、言えよ」
お妙の膣内に肉棒の先端を埋めた銀時は、焦らす様に浅い抜き差しを繰り返す。しかし、そんな事では満足できないお妙は吐息が上がる一方であり、自らに腰を動かすと銀時の思惑通りに厭らしい言葉を放つのだった。
欲望に支配されたが最後、完全なるお妙の負けである。
「銀さん…が…欲しいの…」
「もっと詳しく言え」
「銀さん…っのを、私の厭らしいココに…挿れて……下さ…い」
お妙の瞳から一滴の涙が零れた瞬間、上出来だと言いたげな笑みを見せた銀時は、肉棒を一気に中へと沈ませた。埋められた焦燥感を喜ぶ様に、お妙の膣内は銀時を熱く締め付けている。
そしてその圧迫感は、銀時を酷く満足させているようだった。休む間もなく動く腰はお妙に快感を与え、片手では再びたまを攻めている銀時。
過去に幾つもの修羅場を潜り抜けてきたた男は、器量だけではなく、この様に複数人を相手とする情交も容易い内の範疇なのだろうか。
なんて、凄い人なのだろう。そう思ったお妙は己の中心で動くもどかしい熱に思考を支配されると、一層激しく厭らしく、喘ぎを響かせるのだった。
「銀さっ…んぁッは…ひ、あ…んぁあッ」
「良いぞ妙…っ、なんだったらもっと腰絡めたって…良いぜっ」
「んあッあ、ぅああッん…はっ…」
白い脚を大きく開かせた銀時は互いの股を密着させ、蕩けそうな奥を目指して肉棒を捩り込む。愛液で滑らかとなった膣内は連続される摩擦運動に伴い、卑猥にも今まで以上の水音を鳴らし始めていた。
休む事なく揺れるお妙の双丘は銀時の視界に焼き付き、粘質に響く淫音は確かに三人の聴覚へと届いているだろう。
「銀…さ、あっあ…ンッあッあぁあッ」
「気持ち良くて最高って?そうだよな、美味そうに咥えてるもんな妙のここ」
「そんな…はっ…ぁあッん、やっ…」
「でもグチョグチョだぜ、俺のコレが好きだって言ってやがる」
お妙を支配している光景に興奮し、悪戯に微笑した銀時は陰核を刺激する為、肩に膝裏を乗せて秘部を突き上げた。軽く触れるだけであった秘芽は小刻みな接触により固さを増し、間髪入れずに充血すると愛液を一層漏らしていく。
しかし銀時も意地が悪い、易々と絶頂に向かう性交が退屈だと思案すると、喘ぐお妙から肉棒を抜きとり愛液塗れとなったそれで、直接小蕾を刺激して名案は無いかと考え始めていた。
肉茎の先端でクニクニと与えられる刺激はお妙に激しい快感を走らせるが、けれどやはり正直に言えば中は銀時自身を欲しているのだろう。
「くっ…ふぁっあっあ…ッ銀さ…ッ」
「なんか物足りねえなあ…締まりは良いんだけど、でもなんか…」
「ん…っ銀時様、ご不満とあらばこのたまが一つ、独自に学んだ事をしても宜しいでしょうか」
丁度良く閃きを見せるたまは己の秘所から銀時の指を抜くと、自らの液体で塗れた指先を丁寧に舐め、そして銀時を後退させるとお妙の顔に下半身を向けた。
椋鳥、所謂シックスナインの体勢だ。大方、独自に拝読した年齢制限のある雑誌で勉強でもしたのだろう。僅かながらに過激ではあるが、しかし全てが銀時には好都合である。
「銀時様、女性の身体にはGスポットライトがあるらしいのです」
「はあ…っ、ドラえもんのアイテム的な名前だな、ライトは要らねえよ」
「そうでしたか、ですが記憶した事を実行すれば、お妙様は自ずと潮を吹く筈です」
間違えた事に対して赤ら顔をしたたま。そして聞こえてきた事柄に生唾を呑んだ銀時は、新しい玩具や標的を見つけた時の子供の様な笑みを浮かべた。
無論、的は熱い疼きを燻らせて抗う事が出来ないお妙である。
「潮吹きなんざテレビ越しでしか見た事ねえ…こりゃやべえな」
ひとつよろしく、そう銀時が囁いた瞬間。万事屋の中にはお妙の甲高い喘ぎ声が木霊した。
生まれて初めて味わった絶頂の快感。その疼きに酔いしれるお妙が、余韻に浸る間もなく肉杭に攻められたかどうかの真実は、銀時の白濁により薄汚れてしまった床を見れば一目瞭然だ。
「妙、また新八や神楽が居ねえ時はよろしくな」
「……冗談は止して下さい。こんな事がバレたら私はお嫁に行けないんですよ…っ」
「そんな事ねえよ。バレたらバレたでよ、いっそのこと…」
韻を零した銀時は意味深に微笑むと、帰宅しようとするお妙の繊細な毛髪へと手を伸ばす。その言葉が意味する事はなんだろうかと、不覚にも頬を赤らめたお妙は明確な期待を抱くのだった。
脳裏で幾度となく巡るのはまさか、の文字。
そして、待ち侘びていた言葉は、
お妙を簡単にも―――
「お前が一人で、夜逃げすりゃ良い」
「死ねゴルァァァァ!!今時一匹狼なんて流行んねえよボケェッ!!」
お妙を簡単にも、怒気で一杯にさせるのだった。大方、お妙は責任は俺がとるし結婚すりゃ良い等という言葉を期待していたのだろう。
しかし数日後。突き放された駆け引きに我慢出来なくなったお妙は隣にたまを引き連れ、己が自覚出来ない程に調教されているとは露程も知らず、銀時だけが居る日を狙って万事屋の玄関を叩いていた。
その時、室内に居る銀時が笑みを浮かべていた事は言うまでもない。
終わり